お金の管理がうまい夫婦と下手な夫婦、一体何が違うのか?検証

妻の管理?夫の管理?それとも…家庭によってお金の事情は様々です。妻がお財布の紐を握っているのは強い嫁だから?夫が握っているのは亭主関白?いえいえそうではありません。外では聞けないお財布事情、それぞれの管理方法やメリットデメリットをきちんと把握する事で、自分の家庭に合った管理方法を改めて検討してみましょう。



家庭のお財布を握っているのは!?

多数派は妻の管理

「家計管理の実態に関するアンケート調査」(オリックス銀行株式会社)2014年実施のアンケートによると、各家庭のお金を管理している担当の割合は、妻56.2%、夫29.3%、共同で管理13.8%、その他0.7%という結果になりました。圧倒的な差が出ているのがお分かりいただけるでしょうか。「56.2%」実に半数以上の家庭の妻たちがお財布を握り、お金を管理しているようです。

アンケート調査結果「家計管理の実態に関するアンケート調査」 | トピックス一覧 | オリックス銀行
参照元:オリックス銀行株式会社(2015年10月時点著者調べ) しかしお金の管理は妻の仕事という訳ではありません。もちろん夫という訳でも、共同で管理する事が正しいという事もありません。では、それぞれの管理にはいったいどんな違いがあるのでしょう。各パターン別にその特徴を検証したいと思います。



お金の管理いろいろ4つのパターン

1 妻がお金を管理する場合のメリットデメリット

まず、アンケートでも圧倒的な割合で1番多い管理方法とされているのがこの「妻が管理」パターンです。お給料のすべてを妻が預かり管理するというもので、夫は月々お小遣いという形で日々の外での食事やお付き合い、趣味の物を購入します。

妻が専業主婦やパートタイマーといった正規社員で働いていない家庭や子供のいる家庭で採用されている事の多い管理方法です。日中比較的動きやすい妻が管理する事で、仕事で銀行へ行くことの難しい夫に代わってお金をおろしに行ったり、各保険や学費、家賃等の振り分けもすべて任せる事ができます。お金の計算は細々した事が多いですし、日々の出費もありますから妻が管理上手さんであれば夫としては煩いごとがなくて楽だと感じているようです。また、妻が一括管理するという事で家庭のトータル財政状態を把握しやすく、貯金目安や学費などといった先々の高額出費に向けての計画も立てやすいでしょう。

しかし一方で、妻がきちんと管理できないという場合もあります。例えば足りなくなった時に銀行からお金をおろしてくるというルールを作っていたり、自分にご褒美と収入に見合わない買い物やママ交流のランチ会も回数がかさむとばかになりません。

たまにのご褒美や息抜きも勿論必要経費と考えていいと思いますし、お金が足りなくなったら銀行からおろしてくるというルールそのものが問題ある訳ではありません。その収支バランスの概念があるのかという所が大事なポイントなのです。お金はいつも勝手にATMから出てくるわけではありません。足りないからと収入よりも毎月大幅に上回る支出になってしまうようでは家計が続きませんのでそんなタイプの妻であれば管理は任せない方が良いでしょう。

また、妻が管理上手さんであっても夫側には自分が稼いでいるお金なのに自由に使えないという小遣い制に対しての不満も少なからずあるようです。上記のような妻の必要経費という認識のものも無駄遣いと感じて気になったり、意外とかかる生活費についてもその中身を把握していないとなぜそんなにかかるのかと妻も管理を勘ぐってしまったり。

それでは、せっかく管理を任されている妻も信用されていないと不満をもってしましますし妻に家計を丸ごと任せるのではなく収入からお小遣いの値段設定を一緒にしたり、家計簿をつけてもらって支出の詳細を明確化するなど夫婦でお金に対しての共通の認識を持つようにしましょう。お互いに納得のいく管理をしていく事でお互いを労う事ができるでしょう。

2 夫がお金を管理する場合のメリットデメリット

これに似ていて非なるものが「夫が管理」するという管理方法です。夫はお給料がでたら、妻に食費や生活費など日常生活でかかる流動支出の部分に対して一定額を始めに渡し、妻はその中で家計をやりくりをしていきます。それ以外にかかるローンや保険等の固定費も夫が管理、振り分けし残りが夫の自由になるお金という事になります。

夫が、妻よりもお金の管理に向いているという夫婦や、自分の稼いだお金は自分で管理したいという夫のいる家庭がこの管理方法を採用しているようです。夫は自分の苦労して稼いだお金なので細かく管理する事によって自分にも家庭にも無駄遣いをセーブする事が可能になりますし、タイプによっては妻よりも節約に凝って貯金額の増加につながるかもしれませんね。

但し、一点気を付けなければならないポイントがあります。妻が管理する場合と決定的に異なる部分、それが「妻が夫の収入を把握できない場合がある」という事です。上記以外で夫がお金を管理したいという場合、例えば「好きなようにお金を使えるから」という理由であればそれは注意した方が良いかもしれません。

一見、夫としては家庭に一定額を入れた後は比較的自由に使えるお金があるように感じますが、子供がいる場合には成長と共に「急に靴が小さくなった」「明日これが必要だ」など急な出費は日常茶飯事になってきます。その度に夫に追加で請求がいくことになり、自由になるお金が減少してくると不満が出てくることもあるかもしれません。「気が付いたら貯金を夫に使いこまれていた」なんて事になったら大変です。日々変動する生活とそのお金を管理できる夫であるのかという見極めが非常に重要なポイントになるでしょう。以下、見極めポイントをまとめてみました。

【見極めポイント】
・独身時代にはお金を考えなく使い、自力での貯金を全くしていなかった。
・バイクや車、楽器に模型等、収集癖を兼ね備えた長いお付き合いの趣味がある。
・ギャンブルやお酒が大好きで特に熱が入った時は周りが見えなくなってしまう。
・会社でのお付き合い(飲み会やゴルフ等)をとても大切にしている。

このような事を感じたら夫が管理をする際、収支を明朗化して妻にもわかるようにし不安のない管理をしていく事をおすすめします。

3 役割を分担して管理する場合のメリットデメリット

そして、夫婦だけでなく同棲カップルにも多いのがこの「役割の分担制管理方法」です。夫婦それぞれに一定額以上の収入があり、同棲からの新婚さんカップルがそのままお金のやりくりを変えないという夫婦がこの管理法を採用している家庭が多いようです。

例えば家賃は折半、水道光熱費など固定費、車などの趣味性の強いものは夫の役割、食費や日々の日用品といった生活費や化粧品等妻の必需品などは妻の役割などといったカテゴリ別に支払いの役割を分担し管理する方法です。この管理方法の最大のメリットは自分の中で管理が完結するという事です。月々の目安も付きやすくなりますし、煩わしいお金の話し合いもほぼしなくて済むので比較的楽な管理方法といえるでしょう。

しかし、生活費担当の妻は「今月は外食が多い」など固定費よりも予算が読みずらい点がありますし、レジャーなどの2人分の娯楽はどうするか、雑貨類など日用品でありながら趣味性の強いものの振り分けをどうするか等、細かい支払い設定に振り回される事もあります。

対して固定費担当の夫としてもシャワーが長い、ドライヤーかけ方など女性特有の使い方にイライラしてしまう事もあるかもしれません。お金の話をリアルにしなくてよい分、お互いの譲り合いや兼ね合いは注意しなければいけないかもしれませんね。

また、夫婦関係のみでは成り立ちやすい管理方法ですが、子供が産まれた際の管理方法についての話し合いも必要になります。生活費の中に子供のオムツやミルクなどを入れてしまうとかなりの負担を強いられますし、その他色々な出費がかさんできます。そうなると夫婦間の支出に差が出てきてしまう恐れもあります。妊娠や出産と共に妻に収入がなくなる事もあるかも知れません。

色々なパターンを想定し環境の変化に合わせてた分担分けの変更や金額設定の話し合いを常に持っていく事でスムーズに管理ができるでしょう。

4 共有財布を利用してお金を管理する場合のメリットデメリット

夫婦が正社員で共働きの場合の管理方法の1つとして選択されるのがこの「共有財布」を利用してお金の管理をしていくという管理方法で、一つの場所(家の決まった場所やお財布)にそれぞれ決められた金額を入れて夫婦共有の出費に使われます。お互いの収入にさほど差がない場合には同等の金額をいれたり、収入に差がある場合はその収入に対して同じ割合分を入れて、夫婦での食費や生活費等に利用するという管理方法です。

そうすることで、その他の収入に関してはお互い自分の好きなように貯金や娯楽に回すことができますし、固定費や家賃についても共有口座をつくる事で支出の差を出来るだけ出さないように管理していく事ができます。役割分担とは違い、すべての項目が夫婦共通になるので節約意識も芽生えどちらかに不満が出るという事が少なくなるでしょう。

しかし、これも役割分担での管理方法と同様に子供が産まれた場合や双方の購入意見が割れた場合などその都度の話し合いと修正が必要となる事と、お互いの収入がわからない場合が多いので片方の収入が増えた時にそれをもう片方に知らせない場合も多く、貯蓄がしずらいという点もあります。

また基本的に夫婦双方が柱となりうる収入を持っているというのがこの共有財布管理を取り入れている夫婦の多い特徴になりますので、夫婦間の中に問題が起きた際に経済的に不安がない事から離婚が簡単に成立してしまう恐れもあります。

実際に海外では夫婦それぞれが自分の収入を管理し家計費についてはお金を出し合うという家庭も少なくありません。日本と比べて女性の働いている割合が多く経済的自立をしている事、そして離婚率が高いという背景がありそれを見越したお金の管理をしているようです。離婚率が高いからお金を別に管理しているのか、お金を別に管理しているから離婚率が上がるのか離婚の原因は多種多様ですので一概には言えませんが気になるデータの1つですね。

もちろんこの管理方法をしている夫婦が必ずしも離婚するわけではありません。しかし、他の管理方法に比べて夫婦が独立しているお金の管理方法という事を頭に入れて常に変化に対応していけるように夫婦での話し合いをもつよう心がけましょう。

世界のビックリ「家計簿事情」:PRESIDENT Online – プレジデント
参照元:PRESIDENT Online(2015年10月時点著者調べ)

今後予想されるお金の管理方法

夫側の管理割合が増加傾向に!!

管理割合としては圧倒的に妻の管理の割合の高いお金の管理ですが、2013年ごろから妻の管理割合の減少と共に夫の管理割合が増加傾向にあり、その差が縮まりつつあるという状態が続いています。2014年のアンケート調査結果によると1年間で妻による管理は3%減に対し夫の管理は1.7%増、そして見過ごせないのが夫婦共同の管理も1.4%増という結果になっているということです。つまり、今まで家計管理をしてこなかった内の3.1%の男性がお金の管理に携わってくるようになったという事になりますね。

アンケート調査結果「家計管理の実態に関するアンケート調査」 | トピックス一覧 | オリックス銀行
参照元:オリックス銀行(2015年10月時点著者調べ) この男性のお金の管理が増加しているという背景には、女性の社会進出という事が原因の一つとしてあげられると思います。「主婦の就業に関する1万人調査20~49歳の既婚・子供あり女性の就業状況」のまとめによると妻の就業率は40.7%、就業意向のある人も51.1%と「外で働きたい」または「経済的事情により働かざるを得ない」という場合も含め、働く妻は一昔前に比べて大幅に増えました。今後益々その割合は増加傾向となり、その結果今まで専業主婦で妻が任されていた家庭での役割、つまり家事やお金の管理についての役割も妻と分担し夫が受け持つ機会が増えてきた可能性があります。

今後、収入の男女比が狭まることによりそれぞれの収入の中から家計費としてにそれぞれ同等の金額をいれるという共用財布での管理方法も益々増加傾向になるかもしれませんね。

主婦の就業に関する1万人調査20~49歳の既婚・子供あり女性の就業状況
参照元:株式会社リクルートジョブズ(2015年10月時点、著者調べ)



夫婦に合った管理方法を話し合う事が大切

いかがでしたか。4つに分けた管理方法をご紹介しましたがこれはベースにすぎません。厳密には各家庭の数だけその管理方法があるでしょう。その背景にはそれぞれの家庭環境やお互いの収入状況が複雑に絡み合っていますので、これが正しいこれは間違いと確定できる基準もないのです。

自分たち夫婦だったらこの管理方法が合っているかな、子供が産まれたらこんな管理方法だといいのかな…とその都度見直し、沢山話し合う事で、より効率的な貯金方法を考えたりオリジナルの管理方法が出来てくるものです。

どの方法を採用して管理をしたとしても夫婦で情報をシェアしていけるのであれば得意な方が管理をすれば良いのですし、「お金の管理がうまい夫婦」といえます。逆にお金の管理が苦手の方が管理をしていたり、自分の方が好きなように使いたいなどという、自分本位な管理をするようであれば、「お金の管理が下手な夫婦」という事になります。

お金というデリケートな問題をしっかり話し合う事で、「お金」の管理がうまい夫婦というだけでなく、「2人の仲」の管理もうまい夫婦になっていってくださいね。 本記事は一般的な情報に過ぎず、適用法令等の改正、前提事実や個人状況の違いおよび変化によって、掲載内容と実際の結果が異なってしまう可能性があります。従って本記事の掲載内容については一切の責任を負いかねますので、内容の解釈や実践はご自身の責任で行い、専門家に相談されることを推奨いたします。