老後資金の必要額はいくら?真面目に計算!早目に心構え!

老後資金の必要額って、気になりますよね。しかも老後の資金としていくら必要なのかは人それぞれ前提条件が異なるし、そのときにならないとわからない事もたくさんあります。でも備えあれば憂いなし!今この時を充実させるためにも、今出来ることは知っておいた方が良いし、出来る事ならやっておきたいものです。今ならまだ間に合う!かも。



1.老後資金てそもそも何?

老後って、いつから?

最近では生涯現役をモットーに働き続ける人が増えているので老後の線引きがあいまいな傾向がありますが、今回は年金受給開始年齢と定年退職の年令を考慮して、65才以降を老後と位置付けて話を進めていきたいと思います。

実際には年金は男性61才、女性60才から受け取れるようですが、これは段階的に変わっていくし引き上げ論もあるぐらいなので、遅くなることはあっても早くなることはありません。

老後資金って何に使うの?

老後資金と言う言葉をよく耳にしますが、そもそも「老後資金」とはどんな資金なのでしょう?

・仕事を辞めた後の毎日の生活費や家賃等
・仕事を辞めた後の医療費や住居維持費、冠婚葬祭費
・仕事を辞めた後の旅行やお付き合い、趣味のお金

必要性の高い順に三つ並べました。三番目の旅行やお付き合いや趣味のお金などは、健康寿命が延びて90才過ぎても心豊かな毎日を送るためにはあったほうが良いと思われます。

そう考えると、この三つが全て「老後資金」として必要なお金になります。そして仕事を辞めて収入がなくなってからの事なので、資金として貯めておくか、定期的に受け取れるようなお金として準備する必要があります。



2.老後は何年あるの?

平均余命を考えてみましょう

実際に何才まで生きるのかは本人も含めて誰にも分らない事ですが、平均寿命はどんなものでしょう?厚生労働省の統計によると、2015年現在では男性80.21才、女性86.61才。日本人はやはり長生きですね。

では平均余命はどうでしょう?どのくらい寿命が残っているのでしょう?単純に平均寿命から現在の年令を引き算すれば良いようですが、実は世代によって育った環境が異なるせいか、世代により余命が異なります。

厚生労働省が発表した平成25年の簡易生命表によると、2015年現在65才の人の平均余命は男性が19.08年、女性が23.97年です。すなわた男性19年、女性24年の老後ということになります。今回はわかりやすくするために、人並みに生きた場合は老後を20年として話を進めていきます。

「主な年齢の平均余命」という項目がありますので、自分の年齢でご確認下さい。

平成25年簡易生命表の概況|厚生労働省
平成25年簡易生命表の概況について紹介しています。参照元:厚生労働省(著者調べ)

人並み?それとも長生き?

将来設計のために二つのゴールを設定したいと思います。一つは平均余命まで生きるということで、先ほどの老後20年で考えます。もう一つは100才までにします。

100才まで!!と思うかもしれませんが、健康で長生きな方が増えています。健康寿命をいかに長く延ばすかが現代の課題です。長生きの家系で、非常に長生きしそうな人にとっては100才までは現実問題です。そういう人が65才で老後をスタートしたら、老後は35年ですね。

3.夫婦二人で預金3,000万円!?

老後を夫婦二人で生活する場合、必要なお金の目安として預金3,000万円という説があります。

どんな根拠で3,000万???と思いますが、3,000万円ないと生きていけないという事ではありません。ただお金には羽が生えてますから、使い方次第では3,000万円あっても不足するでしょう。

仮に年金ゼロで預金3,000万円だったらどうでしょう?計算したところ、預金だけで80才までをカバーすることは難しいです。【3,000万円÷生活費24万円÷12カ月=10.41年】ですから11年目、すなわち夫婦が76才のときに預金はゼロになります。カバーしようと思えば生活費を削ることになります。【3,000万円÷20年÷12カ月=12.5万円】すなわち毎月12万円ほどで生活してやっと平均余命までとなります。

預金3,000万円は簡単に作れる額ではありません。それでも老後を迎えるまでになるべく多くの預貯金があったほうが安心なのは確かです。ですから長い期間をかけて、少しずつ貯えを作る心づもりが必要になります。

総務省統計局の2014年家計調査報告によると、世間の貯蓄の傾向がわかります。やはり貯蓄額のピークは60代ですね。世帯主が60代以上世帯の平均貯蓄高は2,484万円。そして2500万以上の預貯金等がある世帯が全体の1/3あるそうです。

こう考えると、年金+預金が老後資金のベストスタイルですね。

統計局ホームページ/家計調査報告(貯蓄・負債編)−平成26年(2014年)平均結果速報−(二人以上の世帯)
参照元:総務省統計局(著者調べ)



4.2015年現在、60代はどんな老後?

年金世帯、生活費の実態は?

実際、現在年金生活している人たちはどうなのでしょうか?毎月をどのぐらいの生活費で送っているのでしょう?

世帯主が60歳以上の無職世帯を高齢無職世帯と呼ぶそうです。総務省の家計調査によりますと、高齢無職世帯で夫婦2人の世帯の消費支出は月平均239,878円でした。2人でおよそ24万円です。

それでは収入はどうでしょう?収入としては毎月22万円ほどありますが、税金等を差引いた実際の手取りは187,098円。ということは、収入と支出の差が5万円ちょっとあるという事になります。

ちなみに収入の9割は年金などの社会保障給付になっているそうで、その額は月19万円でした。やはり老後は年金が収入の柱ですね。

統計局ホームページ/平成26年/統計トピックスNo.84 統計からみた我が国の高齢者(65歳以上)−「敬老の日」にちなんで−/5.高齢者の家計
参照元:総務省統計局(著者調べ)

5.老後資金の必要額を計算する!

人並みに生活して、人並みに長生きしたら

夫婦ともに平均寿命近くまで生きるとして老後は約20年となります。そうなると人並みに生活した場合の生活費を上記統計の数字を使って毎月24万円とします。すると65才から生活にかかる総費用は【24万×12カ月×20年=5,760万円】

このうち会社勤めだと厚生年金として夫婦で受け取るのが月々20万円として、年金で賄える分は【20万×12カ月×20年=4,800万円】なので、差し引き不足するのは1,000万円ぐらいになります。

ですから年金が月額20万で預金が1,000万円ぐらいあって普通の生活をしていれば、平均寿命までは何とかなるというところでしょうか。余裕資金として、できればもう少し欲しいかなと感じます。急な出費はいつだってあるものです。

ちなみに年金は厚生年金を受給している前提の数字です。年金が20万円に満たないと不足額は当然増えます。年金がゼロの場合は、夫婦二人で平均寿命まで、5,760万円が生活のためにかかる金額となります。

人並みに生活して、100才まで生きたら

ここまでくると厚生年金があれば、3,000万円なくても大丈夫なんだ!とホッとする半面、月々24万円で十分かな?とか、長生きの家系だから夫婦二人で100才まで生きたらどうなるんだろう、と考えてしまいます。

早速、上記の計算を100才までにしてみましょう!

・100才までの生活費用【24万×12カ月×35年1億80万円】
・100才まで受け取る年金【20万円×12カ月×35年=8,400万円】

差引1,680万円が不足します。

仮に預貯金が3,000万円あったら、穴埋め用に1,680万円で、残りは1,320万円です。これを35年で割ると【1,320万円÷35年=37.7万円】つまり毎年37万円程度の余裕資金が見込めます。

これだと夫婦で100才まで生きても安心です。しかも余裕資金が毎年37万という事は月々3万円ぐらいになります。いざという時のためのお金としてプールする、あるいは趣味のお金として使うなど心豊かな生活を支えてくれます。

結論として、夫婦二人の場合

・年金は出来れば月20万円前後を確保
・生活費は月24万円を目標に
・65才時点まで1,000万円以上の預金を

年金が足りない場合は、預金を増やす。長生きに備える場合も預金を増やす。あるいは働き続けるという選択肢になります。

現役時代の金銭感覚で行きたかったら

余裕ある生活費を35万円とする考え方もあります。月35万円の生活だとどうなるでしょう?

平均余命で計算すると、必要な額は【35万円×12カ月×20年=8,400万円】です。一方で受け取る年金は変わりませんから【20万円×12カ月×20年=4,800万円】で差引は3,600万円となります。ですから預貯金が4,000万円近く必要となります。

という事は、生活費が月35万円は、預貯金で潤沢な老後資金を確保してある人、企業年金・共済年金を受け取っている人向けですね。これなら夫婦で月に二回ぐらい旅行やゴルフに行けそうです。

6.危険シグナルは出ていませんか?

危険なシグナルはひっそりやってくる

夫婦二人世帯でも単身世帯でも、老後は必ずやってきます。40代、50代の決断が65才以降の生活を圧迫するケースもあります。例えば、

・高額な家賃や住宅ローン、教育ローンを65才以降も抱えている人
・年金額が不十分な人
・子どもが社会人になる前に65才を迎えた人
・有り金は使い果たすという金銭感覚で、預金をしていない
・予算無制限という「聖域」がたくさんあって、そのために預貯金を切り崩している人

心当たりがあったら、今から出来ることを少しずつでも始めた方が良いかもしれません。

心豊かな人生後半!

ローンや年金額などは今更自分の意思ではどうにもなりません。変えようのない事です。ただお金の使い方は自分の意思で変える事が出来ます。だから太っ腹な金銭感覚や、あれもこれもお金を使ってしまう癖などはまだ修正可能です。ただ困った事に、毎日の生活における金銭感覚はかなり必要に迫られないと変わりません。手元が空っぽになってからどうしよう!と思う人もいます。人によっては空っぽになってからも浪費が続きます。かなり意識を変えないといけません。

加えて生活レベルは急には落とせません。実際、意識を変えたり見直しをかけて整理するには時間と労力がかかる場合も多いです。

シンプルな生活への第一歩として、まずは今の生活で毎月どのくらいかかっているのかを把握してみましょう。毎月自分がいくら使っているのか自覚することが大事です。急な変化は難しくても、現状を把握して改善できそうなところを見つけることが第一歩です。

40歳も後半に入ったら、あるいは子育てが一段落したら、人生後半を円熟した実りあるものにするために備えを始める時期です。そのために、今出来ることがあるなら、今から始めてみませんか?

7.今からできることを、今始める!

公的年金だけでは不十分なら

公的年金は40年以上もかけて毎月払い続けます。これは急には増えません。もし年金額に不安があるようだったら、確定拠出年金など私的年金に加入する、預貯金を積み立てるなど、ローリスクの堅実な方法で老後資金を確保しましょう。

私的年金は、自分のお金を年金として受け取りたい方などにお勧めです。公的年金を補完するためにあるものですから、貯金が出来ない性格の方には特にお勧めします。自分に代わって、毎月貯金してくれるような感じになります。個人年金という呼ばれ方もしています。

スタートは早いほうが良いです。というのも長期にわたって積み立てたほうが、受け取る金額も大きくなるし、月々の払い込む金額も安くて済みます。

生命保険会社、かんぽなど各社出していますので、比較検討すると良いと思います。

とりあえず65才まで

企業年金、共済年金、預貯金等で余裕がありそうなら、65才にこだわる必要もありません。会社勤めの場合、早期退職、役職定年を機に今後の人生を真剣に考える時期にきたら決断を迫られることになります。余裕があれば早期に退職し、今後の資金プランを計画し、第二の人生をスタートさせるのも一考です。

でもそうでないなら、65才まではしっかり働いて十分な預金と年金を確保したいものです。不測の事態に備えて、あるいは心豊かな毎日のために、金銭的な余裕はあるに越したことはありません。健康で仕事を見つけられるなら65才までの就労をお勧めします。

働き方はそれぞれです。しっかりフルタイム、空いてる時間で小遣い稼ぎ、それぞれのライフスタイルに合わせて、持続可能な働き方を選んではいかがでしょうか?

65才からはどんな人生?

65才でハッピーリタイアのシナリオを描いていても、人生は必ずしも計画通りに進むものではありません。現実問題として、60才を過ぎてから世間の人はどのようにしているのでしょう?

最近は60代でも何かしら仕事をしている人は多いです。総務省の「労働力調査」(平成24年)によると、61から64才の就労率は男性で71.3%、女性44.6%、65から69才だと男性46.9%、女性27.8%となっています。60代の皆さん、かなり働いていますね!

ただ働き方が「自分の都合の良い時間に働きたい」というのが7割超ということで、生計のためにというより生計の足しや小遣い稼ぎにといった感覚なのでしょうか。

あるいは、生涯現役のつもりでいるから仕事を辞める気がなど全くない方もいます。職種によっては一生働き続けることも可能な場合もあります。自分のキャリアを一生磨き続ける、あるいは外で働くことに生きがいを感じる方もいらっしゃいます。

こうして見ると、老後資金は

・年金
・預貯金
・ちょっとした仕事

の三つを組み合わせて考えるようです。高齢になると新規に仕事を探すのは難しいそうなので、年金と預貯金を軸に考え、ちょっとした仕事で小遣い稼ぎ!というのが実行しやすいパターンのようです。

統計局ホームページ/平成25年/統計トピックスNo.72 統計からみた我が国の高齢者(65歳以上)−「敬老の日」にちなんで−/III 高齢者の就業
参照元:総務省統計局(著者調べ)