【住宅ローン金利】私が変動金利を選んだ理由とは?

住宅ローン金利の選び方は考えても考えても分からない人がほとんどだと思われます。建築業者や金融機関からは変動金利でのシミュレーションをされることが多いと思いますが、返済額を少なく見せるマジックだとか変動金利は怖いとか…頭がこんがらがりますね。そこで主婦なりの「難しいことは考えないシンプルな選び方」を書かせていただきます。



住宅ローンの金利比較

ここでは「変動金利か固定金利か」主にそれについてシンプルに考えていきたいと思います。固定金利と言っても当初10年などの期間型のものについては(後述しますが、私は短期に大きな金利上昇の心配はないと考えているため)対象に入れず、フラット35をはじめとした全期間型固定金利と変動金利を比較していきたいと思います。

変動金利は怖い?

変動金利は将来の予測がつかないから怖い…とよく聞かれると思います。たしかにフラット35など全期間型固定金利の住宅ローンは、昨今の金利も団信保険料を上乗せしたとしても2%以下、一部の民間金融機関が取り扱う全期間型固定金利も2%前半と変動金利に近づきとてもお得になってきました(2015年10月現在)。

とは言っても変動金利は住宅ローンの中で最も低い金利であり、当初金利の安さは大変な魅力です。一般的に景気が良くなると金利が上がるらしいですが、好景気がそれほど実感できないのに住宅ローンの金利だけがそこまで急に上がるものでしょうか。素人なりにですが、下のリンクの住宅金融支援機構の返済プランシミュレーションをお借りして考えてみました。

返済プラン比較シミュレーション – 住宅金融支援機構
参照元:住宅金融支援機構(2015年10月 著者調べ) とても分かりやすく住宅ローン金利の比較シミュレーションができます。毎月の返済プラン明細も見られ、繰り上げ返済のシュミレーションもできます。

各金利ごとに比較してみましょう

※ 借入額3,000万円、返済期間35年を例に考えてみます。返済は毎月のみでボーナスはなし、民間は保証料が必要で、フラット35は手数料が必要ですが(どちらも借入額の2%程度)3タイプとも一括前払いと考えます。

・フラット35は2015年10月現在、最も安い金利で1.59%、団信保険料+0.3%と考えて、1.89%とします。
・民間の35年固定金利については新生銀行の2015年10月の金利2.2%で考えます。
・変動金利はネット銀行は除外すると、主要都市銀行の場合2015年10月現在0.775~1.075%ですが、わかりやすいように当初金利1%として考えます。そして、5年ごとに1%ずつ上がっていくと仮定します。 2015年10月 作成:takeringo 変動金利は総返済額がフラットより600万円以上高い!これは怖い、やっぱり固定にしよう…と思われたかもしれませんが、ちょっとお待ちください。住宅ローンの変動金利が5年ごとに1%ずつ上がれば、当然、民間金融機関でそれ以降に契約する人の固定金利も上がります。金利が3%以上に上がったら返済プランはどうなるのか落ち着いて考えてみましょう。



住宅ローンの金利が将来5%になったら

あなたは家を買いますか?

住宅ローンの金利が3~5%になった場合のシミュレーションをしてみます。とりあえず分かりやすいように、上記と同じ【借入期間:35年、借入額3,000万円】その他も同様の条件で、民間金融機関の全期間固定金利ローンの場合でシュミレーションしてみます。 2015年10月 作成:takeringo 変動金利が3~5%まで上がるということは、その時点での民間金融機関の固定金利はもっと上がるはずだと思われます。金利3%だとしても毎月11万円以上の返済で、利息は借入額の38%以上になるのです。金利4%で毎月返済額は13万円を上回り、5%で15万円を上回っています。

そして4%の場合で利息は借入額の46.3%、5%で52.8%と借入額の倍以上(!)支払う計算になります。確かにバブル時期には変動金利は8.5%にまで上がったことがあり、平成に入ってしばらくまでは4%ほどを推移していたようです。

しかし、その頃は銀行の定期預金などの金利も6%を上回っていたということで、1億円あれば利子で暮らせると言われた時代です。預金金利は上がらずに住宅ローン金利だけが上昇するとは思えません。そんな金利になってしまったら、それ以降にローンを組んで家を買おうという人が一体どれほどいるでしょうか。

私が変動金利を選んだ理由

金利が上がりすぎると家が売れなくなる

前述のとおり3,000万円借入の場合、金利が4~5%まで上がれば借入額の約2倍の返済をしなくてはならなくなります。家を購入する人の購入理由の第一位は「家賃がもったいないから」なのだそうです。13万円以上の家賃を負担している世帯はどのくらいいるでしょうか。

そのうえ賃貸住宅には維持費はかかりませんが、持ち家には維持費がかかります。毎月の支払額だけではないのです。家賃がもったいないと考える人が、借入額の2倍を支払ってまでさらにお金のかかる家を買おうとするとは私にはどうしても思えなかったのです。 厚生労働省の国民生活基礎調査によると、平成25年度の世帯平均所得は529万円となっており、そのうち最も住宅購入の可能性が高いと思われる「児童がいる世帯」の平均年収は696万円となっています。住宅ローンの年間返済額は年収の3割までが望ましいとよく言われるので、世帯年収696万円の3割だと208.8万円となり、月額返済額の上限は17.4万円となります。

少し現実的でない金額になってしまいました。この場合の年収は総支給額だと思われるので、手取り額を約8割の550万円位と仮定すると、550万円の3割は165万円、月額負担の上限は14万円弱となります。実際は手取り額の3割が上限と考えたほうが良いのではないでしょうか。
厚生労働省 平成25年度国民生活基礎調査資料より抜粋
(2015年10月 著者調べ)

調査の概要|厚生労働省
参照元:厚生労働省(2015年10月 著者調べ) 上の表から見ても、平均世帯所得はここ10年で減少していますので、これから数年の間に急激に上がるとは考えにくいのではないかと思われます。住宅ローンは低金利とはいえ借入額が大きいので、史上最低と言われる今の金利ですら一般的な家庭には大変な負担だと思われます。

住宅ローン金利が仮に4%以上になるとすると、ローンを組んで家を買おうという人がいなくなるのではないかと私は考えています。それに伴い、建築業者も次々と経営不振に陥るのではないかと思うと、住宅ローン金利のみが上昇するとはどうしても私には考えられません。

ローン破綻者が続出したら金融危機になってもおかしくない

自己破産者の2~3割は、住宅ローン破綻が原因なのだという情報もあります。固定金利を選択する人が増えているとはいえ、変動金利を選択する人の割合は減っても約半数と言われています。つまり現在住宅ローンを契約している人の中で、変動金利で返済している人は契約者全体のかなりの割合を占めていると思われます。

そんな中、変動金利が急激に上昇したらそのうちどれだけの人が問題なく返済できるのかと私は思うのです。終身雇用が危ぶまれ世帯年収の平均も下がってきている今、住宅ローンの返済が逼迫すれば破綻者は続出するのではないでしょうか。 日本ではローンを残して不動産を売却できませんが、アメリカではそれが可能でした。売却することで住宅ローンは消えてしまう、それならと返済できない人たちがどんどん不動産を売却し、地価が暴落しました。それによって無理な住宅ローンの貸し倒れが続出し、それが原因でリーマンショックという世界的な大恐慌が起こったのは記憶に新しいと思われます。

所得が増えないのに住宅ローン金利のみが上昇すると、日本でもリーマンショックに代表されるサブプライム問題と似たようなことが起こらないとは言い切れないと思うのです。住宅ローンのデフォルト率は0.2~0.3%と言われていますが、ローン契約者の自己破産が続出すれば一気に膨らむのは間違いないと思われます。だから私は住宅ローン金利のみが上昇するということはまず考えられないと思うのです。



住宅ローンを金利ごとに再シミュレーション

「住宅ローンの金利は、今の経済情勢では上がってもここまで」と私が考えるラインが、金利3.5%です。20年後までに段階的に3.5%を上限として金利が上昇した場合を再度金利の種類ごとにシミュレーションしてみます。

変動金利を1~3.5%で仮定した3,000万円35年ローン

2015年10月 作成:takeringo 16年目以降、一気に金利が3%まで上がり21年目からは完済まで3.5%と仮定しているので、かなり厳しいシミュレーションだと個人的には思っています。それでも変動金利の総返済額が民間35年固定金利を下回りました。なあんだ、じゃあ変動金利は怖くないし、変動金利にしとこう!と安心されたかもしれませんが、ちょっとお待ちください。変動金利にはまだ危険な罠があるのです。

変動金利の罠【未払い利息】

変動金利の5年ルール

変動金利は半年ごとに見直されますが、返済額を5年間は一定にする「5年ルール」というものがあるのだそうです。実際には金利が半年ごとに上昇していても5年間は月々の支払い額が変わらないため一見楽そうに思えますが、5年後の見直しの際に一気に返済額が増えます。

しかも返済額は一定でも、利息の割合は増えているので元金が思ったより減っていないことも。例えば上の例と同様の条件で1年ごとに0.1%ずつ金利が上昇し、6年目の見直しの際に1.5%になった場合の当初5年間の元利の割合をシミュレーションすると… 2015年10月 作成:takeringo 1年目の最終月の元金返済分が60,235円だったのに対し、5年目の最終月の元金返済分は53,578円となっています。5年間での元金返済額は合計3,390,310円となり、5年間を平均すると1カ月当たりの返済額84,685円のうち元金相当額は56,505円となります。毎月の支払額が増えたとしても5年ルールなどないほうがいいと私には思えます。

変動金利の1.25倍ルール

そして、5年後の返済額の増加も1.25倍までとするというルールがあります。これによって毎月の返済額は25%増までとされますが、実際の金利が上がりすぎていると支払っているのはすべて利息となり元金がまったく減らず、さらに未払い利息が発生するという危険もあるようです。怖いですね。

ちなみに例えば毎月8万円返済していたとしたら、見直されても1.25倍の10万円になるということになりますが、8万円から10万円まで増えるというのは相当の金利上昇なのであり得ない気がします。過去に実際にあったのかどうか調べましたが情報がありませんでした。1.25倍ルールはよほどとんでもない好景気にならない限り心配しなくてもいいのではないでしょうか。 全国銀行協会HPより引用(2015年10月 著者調べ)

変動金利住宅ローンの未払利息とは? – 全国銀行協会
参照元:全国銀行協会(2015年10月 著者調べ)

未払い利息を回避する繰り上げ返済

ちなみにこの5年ルールと1.25倍ルールですが、繰り上げ返済をするとリセット扱いされて毎月の返済額がその時の金利に合わせて変わってしまうようです。私としては返済額が一定で元金が減らないよりそちらのほうがいいと思うのですが、毎月の負担があまりに増えるのも困りますね。

変動金利のほうがいいと思っていた私も、このルールを知った時には愕然としました。昨今、繰り上げ返済するより、その分を高い利率で運用するほうがお得とよく言われていますが、株やFXなどのリスクが伴うものでなければ、そのようなお得な商品はなかなかないと思われます。

繰り上げ返済は手元の貯金がなくなるため無理してまでするのはおすすめしませんが、利息の負担が大きいローン開始初期の段階で、何度か繰り上げ返済して元金を減らしておくのは将来のリスクを減らすうえでいい方法なのかもしれません。最近は少額から手数料不要のものもあるようです。

特集 – 住宅ローン(借り換え・借り入れ) | 新生銀行
参照元:新生銀行(2015年10月 著者調べ)

未払い利息を回避する元金均等返済

どの金融機関でも、元金均等返済にすれば5年ルールや1.25倍ルールは適用されないようですが、契約後の返済方法の変更はできないようです。わが家もこのルールを軽視していたため元利均等返済にしてしまいました。ちなみに、新生銀行やソニー銀行など、5年ルールと1.25倍ルールを採用していない金融機関もあるそうです。

上にも同じ表があるのですが、比較しやすいように元利均等返済の表も再度貼っておきます。同じ条件で、元金均等返済にするとどのくらい差が出るのか見てみましょう。 2015年10月 作成:takeringo 2015年10月 作成:takeringo 当然ですが元金均等返済のほうが支払う利息が少ないため総返済額が大きく減っています。変動金利の総返済額は150万円以上減っている計算になりました。実際には元金均等返済を選択される方は少ないようです。

が、20年目まで毎月の負担は1万円程ずつ増えますが、毎月1万円の負担増で未払い利息を貯めずに総返済額も減らせるなら良い選択肢なのかもしれません。しかし、これでも借入額の1/4の利息を支払わなくてはならないのですね…

みずほ銀行:選べる2つの返済方法
参照元:みずほ住宅ローン(2015年10月 著者調べ) 元利均等返済と元金均等返済について説明されています。

変動金利がこのまま1~2%台で推移した場合

2015年10月 作成:takeringo これが希望なのですが、3,000万円の35年ローンで金利が5年ごとに1%→1.5%→2%→1.5%→2%という程度の推移だと仮定した場合、変動金利では最後まで月々の返済額が10万円未満となりました。まさに家賃並みの支払いです。これで所得や預金金利などはぼちぼち上がってくれたら景気も良くなると思うのですが…

住宅ローン金利のシンプルな選び方まとめ

金利が上がるなら景気も良くなるはず

預金金利や収入などが急に上がらないのに、住宅ローン金利だけが急に上がるなんてそんな不公平なことがあるはずはないと私は考えます。そんなことになったら住宅ローン破綻が増えて、アメリカのサブプライム問題に似たような金融危機に陥ってもおかしくないと思うからです。

「景気が良い」というのはお金の流れが良いということです。収入も上がり、消費も増えるはずです。景気が良くなったのなら住宅ローン金利が上がっても、収入も増え預金金利も上がるのではないのでしょうか。住宅ローンの金利だけがそこまで上がるなどという心配はないように私は考えます。

超低金利の今「住宅ローンを契約するなら最もお得な変動金利で」と考えるのはそんなに浅はかなことなんでしょうか…預金金利なんてほとんどないのですから、そのくらいの恩恵は受けたいものです。1%違えば総支払額はかなり変わってきます。

総返済額が元金の2倍にもなるローンを組みたい人はいない

住宅ローン金利が4%になると元金の2倍近くの利息を支払う計算になるのは上でも書かせていただきましたが、確かに住宅は千万単位の買い物なので、ローンなしで購入はできないでしょう。ですが、バブル崩壊後の経済打撃やアメリカのサブプライム問題を学習していないほど日本政府は愚かなのでしょうか。

3,000万円借りて6,000万円返す…そんな時代がかつてはあったのかもしれませんが、景気がうなぎ登りだった頃と今とは何もかも違い、バブルは崩壊することも分かっているはずです。そんな無茶はもう繰り返されないのではないでしょうか。

不良債権が増え、だれも住宅を購入しないようになるような金利にまでは上がるはずがない、と私は短絡的に考えています。

毎日新聞|Since1945 バブル経済
参照元:毎日新聞 毎日jp.(2015年10月 著者調べ) バブル期~バブル崩壊後の流れが書かれています。

だから私は変動金利を選びました

…といったような理由で私は変動金利を選びました。住宅ローン金利が安いうちに変動金利で返すのは、それほど危険なことではないのではないかと私は判断しています。ちなみに私がもう一度やり直せるなら、5年ルールのない新生銀行やソニー銀行の変動金利で、できれば元金均等返済にしたいです。

ただ「固定金利のシミュレーションでの返済額が払えないから」という理由で変動金利にするのは危険だと思います。住宅ローンは収入の3割までと言われるそうですが、実は手取り収入の額は8割ほどになるので、実際は世帯年収の2割程度に収めるプランにしたほうがいいのではないかと思われます。

以上、あくまで素人目線の選び方をひとつの例として挙げさせていただきました。実際に借り入れる際にはきちんと検討したうえで後悔のないように選んでくださいね。よい家づくりになるようお祈り申し上げます! ※本記事は一般的な情報に過ぎず、適用法令等の改正、前提事実や個人状況の違いおよび変化によって、掲載内容と実際の結果が異なってしまう可能性があります。従って本記事の掲載内容については一切の責任を負いかねますので、内容の解釈や実践はご自身の責任で行い、専門家に相談されることを推奨いたします。