自動車保険の「家族限定」子供を扶養していないと補償の範囲外?

現在加入している自動車保険は運転者限定がどのようになっていますか?お子さんが運転をしても補償されるようになっているでしょうか?実はお子さんが独立した場合、保険を見直した方がよい場合があるのです。自分たちの車だけでなく、実家の車など心当たりのある人は保険証券を確認しておきましょう!



自動車保険「運転者限定」とは?

誰が主に運転するのかを確認してみよう

自動車保険ではまず「記名被保険者」を誰にするかということが重要になります。

記名被保険者とは自動車保険の対象になっている車両を主に運転する人のことをいいます。たとえばご主人名義の自動車を奥さんが主に運転しているのであれば、自動車保険の記名被保険者は奥さんとなります。ただし使用する割合がご主人と奥さんで同じくらいであれば記名被保険者はどちらでも設定することができます。

自動車保険では運転者限定を設定して、補償を受けられる範囲を広げたり狭めたりすることができるのですが、その基準となるのが記名被保険者です。

なお記名被保険者は一定の範囲の人かつ一定の回数であれば保険契約の期間中でも変更することができます。奥さんが主に運転していたが、ご主人の方が乗る頻度が増えたという時には記名被保険者をご主人に変更しましょう。

記名被保険者と保険契約者の違い|自動車保険はチューリッヒ
参照先:チューリッヒ保険会社(2015年11月時点、筆者調べ)

保険料が安くなる方法がある?

自動車保険では基本的に誰が運転して、交通事故にあってしまっても補償を受けられるようになっています。たとえばあなたが車で旅行に行き、友人と交代しながら運転していたとします。万が一友人が事故を起こしてしまってもあなたが入っている自動車保険で補償されるということになります。

しかし中にはご主人しか運転しない、家族しか運転しないなど決まった人しか運転をしない車もあるでしょう。そのような場合は補償を受けられる人を限定することができます。これを運転者限定と呼びます。

運転者を限定することで、自動車保険料を節約することができます。これは限定のない人よりも保険会社が保険金を支払うリスク少なくなるため保険料が安くなるためです。

運転者限定とは?

運転者限定は主に次のようなものがあります。

・本人・配偶者限定
・家族限定
・運転者限定なし

限定は下に向かって広くなっていきます。補償の範囲が広がるにつれて保険料も高くなっていきます。

では、それぞれの限定の内容を確認しておきましょう。

ご契約条件の設定・料率制度・各種割引 | 『THE クルマの保険』 | 損保ジャパン日本興亜
参照先:損害保険ジャパン日本興亜(2015年11月時点、筆者調べ)

本人・配偶者限定とは?

本人・配偶者限定とは、記名被保険者本人および配偶者が保険の対象になっている車両を運転し、万が一事故があった際に補償を受けられるようにするものです。保険商品によってはさらに補償される人を記名被保険者本人に限定できる「本人限定」というものもあります。

ご主人だけが運転する、それぞれ車を持っているので他の人が運転することはないなどという人は本人・配偶者限定にすると保険料が節約できるかもしれませんよ。

三井ダイレクト損保 | 本人・配偶者限定特約
参照先:三井ダイレクト損害保険(2015年11月時点、筆者調べ)

家族限定とは?

家族限定は記名被保険者およびその家族が補償の対象になります。

とはいえ一口に家族といっても、親子だけで生活をしている、祖父母と同居している、子供は一人暮らしをしているなどとその形態は家庭によってさまざまではないでしょうか。そこで自動車保険の場合、家族とは次に該当する人であると定義しています。

・記名被保険者本人
・記名被保険者の配偶者
・記名被保険者またはその配偶者の同居の親族
・記名被保険者またはその配偶者の別居の未婚の子(婚姻歴のある方は含みません)

これらにあてはまる家族しか運転しないという人は、家族限定にすることをおすすめします。

運転者家族限定特約|JA共済
参照先:JA共済(2015年11月時点、筆者調べ)



子供を扶養していないといけない?

先ほどの家族に該当するかわからない、子供が社会人になって扶養していないけど家族限定で大丈夫なのかなどと疑問に思っている人はいるでしょうか?

家族限定について少し掘り下げていき、内容を一緒に確認してみましょう。

同居していれば扶養していなくても問題ない

まずは「同居の親族」についてです。

同居ををしている場合は扶養していようが、していまいが関係ありません。たとえば社会人のお子さんと同居していても家族限定では対象になります。ご主人や奥さんの両親と同居していて、同じ自動車を運転する場合でも自動車保険は家族限定または運転者限定なしであれば同居している親族でも補償の対象となります。

ただし同じ住所に住んでいても同居とみなされないケースもあります。二世帯住宅などで完全に独立している、里帰り出産などで一時的に同居をしている場合などが該当する可能性の高いケースです。

ちなみに保険会社は同居しているかについては実態を確認します。そのため住民票を移していなくても実際に同居をしていれば補償の対象となることがあります。詳しくは保険会社や保険代理店に確認をしてみることをおすすめします。

別居でも未婚ならOK

次に別居の場合です。

別居の場合は「未婚」でかつ記名被保険者またはその配偶者の「子」であれば対象になります。基本的にはまだ扶養されている大学生のお子さんなどを想定しているものなので、このように定義されているのではないかと思われます。

しかし、扶養については特に定義されていませんので経済的に独立しているであろう社会人になっても補償の対象になることはあります。

ここで重要になりますのは婚姻歴です。未婚というのは「婚姻歴が一度もない人」のことです。一度でも結婚をしていれば、離婚や別居、死別などを問わず原則的には既婚となります。

「婚姻歴なんて言わないとわからないんじゃないの?」と思った人もいるでしょうか。その通りなのです。保険に加入する時には保険会社の担当者または保険代理店を通じて加入します。加入の際に婚姻関係については書類審査などありませんので、告知された内容にそって契約をします。

しかし、万が一事故があった時に加入した時点で誤った内容で契約していたと判明すると、その期間をさかのぼって保険料を請求されたり、契約自体がなかったとこにされ事故の補償を受けられなくなったりと不利になってしまうことがあります。

デリケートなことですので話しにくいかもしれませんが、しっかりと補償を受けることができるように正確に告知をしましょう。

団体扱、集団扱は要注意!

大手保険会社の自動車保険の商品を割安の保険料で加入できる方法として「団体扱」「集団扱」というものがあります。

まず団体扱とは、 団体(企業や官公庁等)の従業員10名以上が加入し、かつ団体が月々の給与から天引き(または保険料集金代行サービスを使った口座振替)により保険料を集金して保険会社(取扱代理店)に一括して支払う形態です。世間的に大企業と呼ばれる企業では福利厚生として取扱いがあることがあるようです。契約者は団体から給与を受け取っている本人になります。

次に集団扱とは、集団の構成員の10名以上が契約に加入し、かつ集団が月々の保険料を集金(または保険料集金代行サービスを使った口座振替)して、保険会社(取扱代理店)に一括して支払う形態です。団体扱と似ていますが、ここでいう集団とは協同組合や商工会議所などに加入している組合員などと指すことが多いです。契約者は集団に所属している人、または集団に所属している企業の従業員などとなります。

ちなみに割引率は団体扱の方が大きくなっています。一般の代理店で加入する場合と比べて団体扱いでは20~30%またはそれ以上の割引のある団体もありますが、集団扱はおおむね約5%の割引率のようです。

保険料をおさえるためにはとてもよいと思われる団体扱や集団扱ですが、家族限定にしている契約の場合注意が必要になることがあります。

団体扱自動車保険のご案内 | NEXCOグループ会社従業員の皆さま専用 | 株式会社NEXCO保険サービス
参照先:NEXCO保険サービス(2015年11月時点、筆者調べ)

集団扱自動車保険 | 事業案内 | 東京税理士協同組合
参照先:東京税理士協同組合(2015年11月時点、筆者調べ)

子供を扶養しなくなると継続できない!?

なぜ団体扱や集団扱の場合、注意が必要なのでしょうか。それは補償される範囲が少し違っているからなのです。

家族限定の補償される範囲を今一度確認しておきましょう。

・記名被保険者本人
・記名被保険者の配偶者
・記名被保険者またはその配偶者の同居の親族
・記名被保険者またはその配偶者の別居の未婚の子(婚姻歴のある方は含みません)

このようになっていますが、対して団体扱や集団扱の場合に記名被保険者として指定できる人はこのようになっています。

・契約者本人
・契約者の配偶者
・契約者またはその配偶者の同居の親族
・記名被保険者またはその配偶者の別居の扶養親族

仮に契約者がご主人、記名被保険者がお子さんとなっている団体扱の自動車保険があるとします。記名被保険者にだけ注目するならば、お子さんが学生など扶養している状態であれば同居していても別居していても契約をすることができます。

しかし社会人など扶養していない状態になりますと、お子さんが別居の場合は記名被保険者の範囲から外れますので団体扱や集団扱を継続することができなくなります。

また運転者限定を家族限定にしていた場合は、お子さんが別居をすると記名被保険者であるお子さんからみた関係性になりますので別居している両親は家族限定の対象にはなりません。

このように扶養関係や同居をしているかどうかなどが変わった時には自動車保険を見直す必要が出てきます。

自動車保険を見直すタイミングとは

お子さんが免許を取った時

運転者限定を変更するタイミングとしてお子さんが運転免許を取得したときがあります。

今まではご主人と奥さんだけが運転していた車もお子さんが乗るようになると思います。その場合、自動車保険の補償内容を見直す必要が出てきます。

見直す内容は主に次の3点です。

・年齢条件
・運転者限定
・補償内容

まず年齢条件ですが、下記の中で年齢が一番若い人が補償されるように設定します。

・記名被保険者本人
・記名被保険者の配偶者
・記名被保険者またはその配偶者の同居の親族

同居しているお子さんが免許を取った時には年齢条件を見直しましょう。お子さんの年齢が18歳であれば「年齢条件なし」に設定し、21歳であれば「21歳以上」にしましょう。ちなみに別居の未婚の子は運転者限定にもよりますが、年齢条件にかかわらず運転できます。

次に運転者限定ですが「本人・配偶者限定」にしている場合は「運転者限定なし」または「家族限定」に変更する必要があります。家族だけが運転する場合は家族限定でもいいですが、お子さんが通勤や通学、友人とドライブや車での旅行に行く頻度が高そうであれば運転を交代してもらう可能性があるため運転者限定なしでもよいかもしれません。

そして補償内容ですが、免許を取ったばかりということで運転に不慣れであると考えられます。車両保険を付けたり、人身傷害の金額を見直すなど補償を手厚くしてもよいかと思われます。

お子さんが独立した時、結婚した時

お子さんが結婚や就職などで独立をした場合には補償の見直しをしましょう。

就職を機にお子さんが自分で車両を購入したり、一人暮らしをしていたお子さんが結婚したなどの場合には運転者限定や補償内容を見直すことをおすすめします。ご主人や奥さんだけが運転をするのであれば本人・配偶者限定にすると保険料をおさえることができます。

また先述のとおり、団体扱や集団扱では契約内容によっては継続できない場合もありますので、その場合も見直しが必要です。具体的な手続きについては担当者に確認しておきましょう。



まとめ

自動車保険では記名被保険者からみた関係性で、運転する人を限定することができる仕組みがあります。これを運転者限定といいます。

家族限定では、たとえば就職や結婚で子供が扶養から外れてしまっていても同居していれば補償の範囲になることがあります。ただし団体扱や集団扱などは扶養関係がないと契約が継続できないケースもありますので注意が必要です。

お子さんが独立したなど生活状況が変わった時には自動車保険の見直しをすることをおすすめします。具体的な補償内容の確認や見直しの相談は保険会社や保険代理店、企業内の保険担当者などに連絡、相談をしてみましょう。

※本記事は一般的な情報に過ぎず、適用法令等の改正、前提事実や個人状況の違いおよび変化によって、掲載内容と実際の結果が異なってしまう可能性があります。従って本記事の掲載内容については一切の責任を負いかねますので、内容の解釈や実践はご自身の責任で行い、専門家に相談されることを推奨いたします。