健康保険と年金制度は表裏一体!会社手続きから保険給付まで基礎解説

会社員として勤めている場合、社会保険に強制加入されています。健康保険料と厚生年金料は毎月給与から天引きされています。どちらかを解約して、違う制度に入りたい!そんなことは出来ません。社会保険は国が定めた強制保険なのです。では基礎的な事柄を説明していきます。



日本の社会保険について

会社の公的な保険

会社の公的な保険というものは、社会保険制度にことを主にいいます。ここでは法で定められている保険制度について説明していきます。

○社会保険-健康保険、厚生年金保険、介護保険
○労働保険-雇用保険、労災保険

上記のことを全体的な公的な保険として「広義の社会保険」と呼ぶこともあります。又、健康保険と厚生年金、介護保険のことを「狭義の社会保険」と言って「労働保険」の雇用保険と労災保険と区別することがあります。

狭義の社会保険

世間一般的には社会保険といえば、健康保険制度と年金制度のことを指すようになっています。ここではこの二つの公的保険制度がどのように一体化しているのかを説明致します。



旧・社会保険庁について

会社で社会保険関係の書類を提出する際に、以前は社会保険庁という厚生労働省の外局が健康保険の提出先でした。この社会保険庁では社会保険の年金制度、それと健康保険を管理運営されていました。

その後、医療保険制度の改革、社会保険庁の諸問題発覚による廃止・解体などから2008年10月1日より、健康保険事業は「協会けんぽ」が、年金事業者「日本年金機構」へとそれぞれ設立して現在に至っています。

健康保険=「協会けんぽ」について

協会けんぽの健康保険

健康保険とは、仕事以外で皆さんが疾病や負傷等のケガ、死亡・出産に対して保険給付を行ってくれます。なお仕事が原因の場合には労災保険が対象になってくれています。

この健康保険は、主に中小企業に勤務している会社員の方は全国健康保険協会(以下、協会けんぽ)が運営している健康保険制度に加入していることが多いです。健康保険証を確認してみますと、どの保険者に運営されているか明記されています。 協会けんぽ以外でしたら、大手の企業が独自に運営している健康保険組合に加入しています。健康保険証には〇○健康保険組合と記載されていいます。

家族の健康保険

対象者は協会けんぽに加入している会社の従業員の方が対象になっています。健康保険料を納付している従業員を被保険者と呼び、そのご家族である配偶者や親・兄弟姉妹・お子さん等も被扶養者と読んでいます。

被扶養者のご家族も被保険者とほぼ同様の健康保険の保険給付を受けることが出来ます。

全国健康保険協会
参照元:全国健康保険協会(2015年10月、著者調べ)



年金=日本年金機構について

年金被保険者の分類

日本年金機構では、3種類の国民年金被保険者の管理をしています。

1.第1号被保険者-農業等に従事する、学生、フリーター、無職の人などが対象者です。
2.第2号被保険者-厚生年金保険の適用を受けている事業所に勤務する方が対象になります。
3.第3号被保険者-第2号被保険者の配偶者で20歳以上60歳未満の人をいいます。

ただし、第3号被保険者には年収要件があります。年間収入が130万円以上で健康保険の扶養となれない人は第3号被保険者とはならず、第1号被保険者となります。

公的年金の種類と加入する制度|日本年金機構
参照元:日本年金機構(2015年10月、著者調べ)

会社員としての年金

会社員である場合は、「厚生年金法」という法に基づいて強制的に厚生年金保険料を納付する者となります。厚生年金保険料は毎月給与天引きされています。

会社員である方が、厚生年金を納付する場合を「厚生年金被保険者」と呼んでいます。なお被保険者として厚生年金保険料を納付すると同時に国民年金保険料も合わせて納付しています。

また会社では毎月従業員から給与天引きして、それと同額の厚生年金保険料を半分折半しています。

社会保険書類の提出方法

2機関への提出先がある

健康保険と年金に関する書類の提出先は、旧・社会保険庁の名残もありまして注意をしなければなりません。

健康保険制度ですが、
1.保険給付申請先は協会けんぽの「各都道府県支部」
2.資格所の取得・喪失・異動については日本年金機構の各都道府県「年金事務所」
と2機関の提出先に分かれています。

1.の保険給付申請先が「協会けんぽ」であるのは理解出来ますが、2.資格取得関係は何故、「日本年金機構」なのでしょう?

年金と健康保険に関する書類の提出先 | 申請書のご案内 | 全国健康保険協会
参照元:全国健康保険協会(2015年10月、著者調べ)

会社が従業員を採用したとき

社会保険が適用される事業所で社員を新たに雇用する場合、健康保険と厚生年金の手続きが必要になります。資格取得届は普通でしたら、協会けんぽと日本年金機構にそれぞれ提出すると思ってしまいます。

実際の提出用紙は、「健康保険・厚生年金保険 被保険者資格取得届」というものです。一つの様式に二つの社会保険の提出書類を持ち合わせているのです。

つまり会社の提出先の煩雑さを減らすためと、健康保険と厚生年金制度の事務の簡素化でもあるのです。

毎月の健康保険料と厚生年金保険料を算出する基礎的資料である、「標準報酬月額報酬」の等級表は同じものを使用しています。またその保険料の徴収も日本年金機構となっています。

従業員を採用したとき|日本年金機構
参照元:日本年金機構(2015年10月、著者調べ)

「健康保険被扶養者(異動)届」

被保険者の扶養である者の被扶養者異動関係も同様です。

この「健康保険被扶養者(異動)届」を提出する際に、同じ用紙の3枚目で「国民年金第3号被保険者関係届」というのを提出して処理しているのです。

1枚目:「健康保険被扶養者(異動)届」の正
2枚目:「健康保険被扶養者(異動)届」の副
3枚目:「国民年金第3号被保険者関係届」

という3連式の提出書類を使用しています。 もし、扶養者が配偶者であった場合、健康保険の異動と共に国民年金の第3号も異動するというわけです。年金事務所で書類の受理をして年金関係の事務を終了したあとに、協会けんぽに健康保険関係の事務が移行します。

家族を被扶養者にするとき、被扶養者となっている家族に異動があったとき、被扶養者の届出事項に変更があったとき|日本年金機構
参照元:日本年金機構(2015年10月、著者調べ)

まとめ

健康保険と厚生年金を管理運営していた旧社会保険庁が解体されて久しくなりましたが、会社の事務員さんから見れば両方の公的保険は事務処理が同じ場所となっています。二つの保険制度が常に同時に資格取得と喪失をしたり、被扶養者の資格取得・喪失という異動をしているということになるでしょう。

会社員である限りは、健康保険と厚生年金保険の被保険者です。毎月給与天引きされている保険料の保険制度を仕組みを理解して、有意義な会社員生活を過ごされることを祈っています。 ※本記事は一般的な情報に過ぎず、適用法令等の改正、前提事実や個人状況の違いおよび変化によって、掲載内容と実際の結果が異なってしまう可能性があります。従って本記事の掲載内容については一切の責任を負いかねますので、内容の解釈や実践はご自身の責任で行い、専門家に相談されることを推奨いたします。