老後の資金いくら必要?平均相場3,000万円!知っておきたい費用の内訳と調達術

誰もが迎える老後を安心して過ごすために、いまから少しずつでも準備していきたい老後資金。老後破産や下流老人などの言葉とよく聞くようになっている今。年をとってから「こんなはずじゃなかった…」とならないように準備しておきたい老後資金の平均的な相場を知っておきましょう。



今から備えたい老後の資金

高齢化社会を突き進む今の日本では、介護が必要になったり病気になったりして支出が増えた結果、貯金が底をつき破産状態になる高齢者も多いのだとか。

年をとったらお金がない!というような老後破産にならないためにも、安心して老後を過ごすためにお金を備えるとしたら、平均的に日本で老後を過ごす場合、どのくらいの資金が必要になるのでしょうか?

今回は気になる老後のお金を徹底解説いたします。



老後生活、毎月の支出は平均いくら?

平均的な高齢夫婦の支出は月27.6万円!

2013年に行われた厚労省の調査によれば、高齢無職世帯の1ケ月あたり平均支出は26.9万円と報告されています。

その一方で、1ケ月あたりの平均的な高齢無職世帯の収入はおよそ21.6万円ですから、実に毎月約5.3万円の赤字となっているのが仕事をしていない高齢者世帯家計の平均となります。

毎月5.3万円の赤字ということは年間で72万円の赤字ですから、年金などの収入だけでは足りない分を若い頃からの蓄えから少しずつ切り崩すとすれば、20年で約1,440万円の貯金が必要です。

「平成25年度厚生年金保険・国民年金事業の概況」
参照元:厚生労働省年金局 (2015年10月、筆者調べ)

一人暮らしの高齢者の平均支出は約15.5万円!

女性の方が男性よりも平均寿命が長いことからも分かる通り、老後生活をパートナーに先立たれて一人で過ごす方が少なくありません。子どものいない世帯であれば、頼れる家族は自分だけ、なんてこともあるかもしれません。

生涯独身の方やパートナーに先立たれた方が老後一人暮らしをする場合のお金はどのくらい必要なのでしょうか?

仕事をしていない高齢単身世帯の1ケ月あたりの支出は平均15.5万円であるのに対して、毎月の収入は12.7万円が平均ですから、毎月の赤字は2.8万円。夫に先立たれて70歳から90歳まで20年間一人暮らしをするとしたら、単純計算で最低でも672万円の貯金が必要です。

ただし持ち家に暮らす場合は問題ありませんが、賃貸住宅のを借りる際には保証人が必要となり、身寄りがない方は困ってしまうことも。こうした際に、保証人代行などを外部サービスに依頼すれば費用がかかることもありますから、一人であるが故の支出というものも考えておきたいところです。

「平成25年度厚生年金保険・国民年金事業の概況」
参照元:厚生労働省年金局 (2015年10月、筆者調べ)

病気や介護になれば支出は更に増…

更に老後は、病気や介護など若い頃には縁の遠かった支出も増えてくるもの。例えば介護で寝たきりになった場合、民間の有料老人ホームに入居すれば毎月10〜30万円程度の支出に加えて、ときには数百から数千万円単位の入居金が必要になることがあります。

また、病気になったり子どもが結婚したりと予想外の支出は長く生きていれば何度かあるもの。普段の生活資金に加えて、こうした予定外の支出に対する備えを考えておかなければいけません。

だからこそ、万が一のときに困らないように、老後資金を考える際には生活費プラス介護・医療費や突然の支出があることも想定しておきましょう。

サラリーマンか自営業かで大きく違う年金収入

ここまで見てみると、「一体老後資金にどのくらい必要なの!? 」と不安になる方も多いのでは?実は、年金収入が厚生年金もあるサラリーマンの場合と、自営業で国民年金だけの方の場合では備えておかなければならない金額は大きく変わってきます。

一般的な年金の平均受給額は、平成25度時点で厚生年金が約14.6万円、国民年金は5.5万円と言われています。サラリーマンであれば毎月20万円近くの年金収入が期待できますが、厚生年金に加入していなければ月あたりの年金収入はわずか5.5万円ですから用意しなければいけない老後資金はより高額になってきます。

もちろん、これから更に年金受給額は下がる可能性もありますし、年金が受け取れる年齢も70歳まで引き上げられる可能性もありますから、年金収入だけで生活ができるというのは夢のまた夢というのが厳しい現実かもしれません。

「平成25年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」
参照元:厚生労働省年金局 (2015年10月、筆者調べ)

老後資金は夫婦で平均3,000万円が必要!

サラリーマン家庭の場合

月々の年金収入と、支出の差となる赤字が約5.3万円という平均的な高齢者夫婦世帯では、人生80年と仮定して定年後20年の生活を想定すれば単純計算で貯めておきたいお金は1,272万円。もちろん、この金額は長生きすればするほどもっと必要となります。

退職金が受け取れれば、貯蓄と合わせて余裕でクリアできそうな金額にも思えますが、退職金がもらえないとしたら、早いうちからコツコツと貯めておきたいところです。

ただし、あくまでも1,272万円というのは生活費ですから、この金額に加えてマイホームの改修費用や介護費用、葬儀費用、夫婦のどちらかが老人ホームに入居するための費用をプラスして、3,000万円は最低用意しておかないと不安が残るかもしれません。

また海外勤務が長い方は、海外勤務中に年金に加入していたかどうかで将来の受け取り年金額に大きな差が生じることも。ずっとサラリーマンとして働いていたからと言って必ずしも安心できる訳ではありませんから、要注意!

自営業なら目標はもっと高く!

自営業としてお店を開店したり、会社から独立してフリーランスで働く方の場合、老のために用意したいお金は更に高額になります。というのも、フリーランスはサラリーマンと違って厚生年金保険に入っていないため、受け取れる年金は国民年金のみとなるから。

平均的な1人あたりの国民年金受給額は5.5万円ですから夫婦であれば毎月の年金収入は11万円。高齢夫婦世帯の平均支出金額は毎月26.9万円ですから差額は15.9万円ということになります。

となると、60歳以降、夫婦で仕事をせずに生活するとしたら年間190.8万円を貯金から切り崩す必要がありますからサラリーマン世帯と比べると必要な老後資金はより一層高額に。60歳から80歳までの20年間年金と貯金のみで生活を続けるとしたら、日々の生活を維持するためだけでも、3,816万円の貯蓄をしておかないといけません。

将来3,000万円以上必要な時代が到来?

今のところ、65歳から支給されることとなっている年金ですが、高齢化がこのまま進めば、支給開始年齢が更に引き上げられることも可能性としてゼロではありません。福祉政策が充実しているイメージのあるヨーロッパでも、高齢化などの影響によって年金支給開始年齢は、次々と引き上げられています。

ドイツやイギリス、アメリカでは段階的に67歳から68歳へと引き上げが進んでいますから、日本でも65歳から更に引き上げられることもあり得ない話ではないのです。

退職金が1,000万円単位もらえるなんて、ほんの一部の人…という時代になっていますから、老後の資金計画を立てるときに、年金だけで大丈夫と思っている方はその考えを改めた方がいいでしょう。



賢い老後準備の方法とは?

まずは自分の年金額をチェック!

一体自分が老後どのくらいの年金を受給することができるのかを把握することは、老後準備のファーストステップ。

もちろん、これからの仕事の仕方などによって変動する可能性はありますが、ざっくりと把握しておくことは心の準備をするという意味でも大切です。

日本年金機構が運営しているホームページ「ねんきんネット」では、将来の受取見込み額をシュミレーションしてくれますから、是非活用したいところです。

日本年金機構ホームページ
「ねんきんネット」コーナーからは今までの年金記録を照会したり、年金見込額を試算したりできます。

活用したい保険商品

不安の残る老後のお金を今から準備しておくために真っ先に「貯金」を頭に浮かべる方も多いかもしれません。

もちろん、コツコツと貯金をしていくことは最低限必要なことですが、最近では民間の保険商品にも老後のライフプランを建てるために便利な商品が登場しています。

老後に向けた積み立てとしてつかえる「個人年金保険」、将来介護が必要になったときに支給される「介護保険」、死亡保障もついてくる「低解約返戻金型終身保険」など色々な商品がありますから、加入を検討してみましょう。

まとめ

誰もが迎える老後生活の資金計画をしっかりと立てておくことは、安心して生活をするために大切なこと。

今30歳なら毎月老後のために2万円ずつ貯めていくだけで60歳のときには720万円の貯蓄が可能ですから、老後準備は早めに始めておくにこしたことはありません。

民間の保険商品などを上手に活用しながら、サラリーマン世帯なら夫婦で3,000万円を目安に今からコツコツと準備を進めていきましょう。 ※本記事は一般的な情報に過ぎず、適用法令等の改正、前提事実や個人状況の違いおよび変化によって、掲載内容と実際の結果が異なってしまう可能性があります。従って本記事の掲載内容については一切の責任を負いかねますので、内容の解釈や実践はご自身の責任で行い、専門家に相談されることを推奨いたします。