【金持ちの職業】世界長者番付から紐解くスーパーリッチな仕事

あなたの周りにお金持ちと呼べる人はどれくらいいますか?世界には想像を絶するお金持ちがいますが、世界で最もリッチな彼らがどんな仕事をしているのか、知りたい人、そして「自分もいつかは…」と思う方必見です!



世界長者番付:最上位ランキング TOP10

世界長者番付(The World's Billionaires)はアメリカの経済誌「フォーブス(Forbes)」が1987年から毎年発表している個人資産番付です。

2015年3月、2015年版のビリオネアリストが公表されました。

登場する「お金持ち」はケタ違い。ランキング上位10名の人物像を、10位から順に見ていきましょう。

Forbes ビリオネアリスト2015
参照元:フォーブス・ジャパンHP(2015年10月現在、筆者調べ)

第10位:リリアンヌ・ベタンクール

リリアンヌ・ベタンクール(Liliane Bettencourt)は世界最大の化粧品会社ロレアルの創業者の一人娘として生まれたフランス人女性。年齢はなんと93歳**。

高齢の彼女がどれほどロレアルの経営に参画しているかは分かりませんが、創業者一族のご出身とのことで、職業は「経営者」としておきましょう。

総資産額は約401億ドル(約4兆8,000億円*)

ロレアルグループの傘下にはたくさんの有名ブランドがありますが、日本人メークアップ・アーティスト故植村秀さんが創業したシュウ ウエムラ化粧品もロレアルグループの一員です。

*1USドル=120円で換算、以下円換算の額も同じレートを使用します。
**2015年10月現在、以降、本稿内では同じ時点とします。

第9位:ジム・ウォルトン

第9位のジム・ウォルトン(Jim Walton)は世界最大のスーパーマーケット・チェーン「ウォルマート」の創業者サム・ウォルトンの三男。アメリカ人で年齢は67歳**。

総資産額は約406億ドル(約4兆9,000億円*)

職業は、10位のリリアンヌ同様、創業者の息子とのことで「経営者」としましょう。
彼はウォルマートの他、父サムが創業し、一族がオーナーである地元の銀行や新聞社の経営にも携わっているようです。

日本の西友は2005年にウォルマートの子会社となりました。西友に買い物に行くとウォルマートのロゴがあちこちで見られます。

第8位:クリスティ・ウォルトン

クリスティ・ウォルトン (Christy Ruth Walton)は「ウォルマート」の創業者サム・ウォルトンの次男の妻。夫は飛行機事故で既に他界しています。

「アメリカで最も裕福な女性」と言われており、年齢は60歳**。

総資産額は約417億ドル(約5兆円*)

亡き夫の遺産として大量のウォルマート株を相続したようです。職業は「経営者」兼「慈善活動家」としておきましょう。富豪の妻の定石通り、慈善活動家としても頑張っているようです。

英語版Wikipediaによると、1970年に、薬物や窃盗に関わる3つの嫌疑で逮捕となり起訴されたのですが、警察の不当な捜索と手続きの不備を理由に、いっしょに逮捕された仲間とともに起訴は取り下げられたとのこと。

1970年といえば彼女は16歳。ベトナム戦争終結前の時代背景もあったでしょうが、ずい分ヤンチャな十代を送ったのですね。今ではアメリカ一リッチな女性とは大したものです。

さて、アメリカでウォルマートの従業員といえばマクドナルド店員と同様に、低賃金労働の典型例として引用されることも多いのですが、一方で創業者一族が世界有数の大富豪としてこのようなランキングに登場しているかと思うと、その落差に愕然としてしまいます。11位のアリス・ウォルトン、12位のロブソン・ウォルトンも創業者一族です。

ウォルマート恐るべし!

Christy Walton
参照元:Wikipedia英語版(2015年10月現在、筆者調べ)

第7位:デイビッド・コーク

コーク兄弟の弟、デイビッド・コーク(David Koch)は75歳**のアメリカ人。

総資産額は約429億ドル(約5兆1,000億円*)

コーク・インダストリーズの創業者の息子です。デイビッドと彼の兄チャールズが経営するコーク・インダストリーズは石油・化学・繊維・製紙産業を含むエネルギー・コングリマリットで、個人経営の私企業(非上場)では穀物メジャーのカーギル社に次いで全米2位の規模を誇るそう。

コーク・インダストリーズを創業した父親から会社を引き継いだ時には、今ほどの巨大企業ではなかったようなので(時代の追い風もあったのでしょうが)、文句なしのヤリ手実業家と言えるでしょう。

コーク・インダストリーズの副社長ということで、彼も「経営者」です。

1980年のアメリカ大統領選ではリバタリアン党の副大統領候補として出馬するなど、リバタリアン(個人的な自由、経済的な自由の双方を重視する、自由主義上の政治思想を主張する人)として政治的な活動にも積極的に関わっているようですが、同党の得票率はわずか1%と惨敗してしまいました。

企業経営のようにはうまくはいかなかったようです。

第6位:チャールズ・コーク

コーク兄弟のお兄さんの方、チャールズ・コーク(Charles Koch)は、コーク・インダストリーズのChief Executive Officer(CEO=最高経営責任者)です。

79歳**のアメリカ人で「最も裕福なニューヨーカー」とも称されます。

コーク・インダストリーズの本拠地は「オズの魔法使い」の舞台となったカンザス州ですが、彼はニューヨーク在住なんですね。

総資産は約429億ドル(約5兆1,000億円*)

あれ?弟の総資産と同額です。きっちり等分に財産を分け合ってでもいるのでしょうかね?兄弟の結束は固そうです。

コーク兄弟は2人そろって全米屈指のリバタリアン。本人たちは目立たないようにやっていたつもりらしいのですが、全米を揺るがしたティーパーティー運動に、密かに資金を提供して拡大させた黒幕が彼ら兄弟だったということは、今ではほとんどのアメリカ人の知るところです。

アメリカで政治的保守派のリバタリアンと言えば、同性愛、中絶、医療保険改革、政府による救貧、増税、徴兵制、これら全てにダメ出ししているのですが、なぜか「銃所持」についてはダメじゃないって言っているような人達のことです。

あ、「銃規制反対!」とやっぱりこれもダメ出ししてました。

第5位:ラリー・エリソン

ラリー・エリソン(Lawrence Joseph Ellison)は71歳**のアメリカ人。

ご存知の方も多いかもしれませんが、自宅を和風建築にするほどの大変な親日家です。

ラリーはForbesの長者番付の常連で、2000年の一時期には彼がランキングの首位だったこともあるとか。ちょうどITバブルの頃ですかね。

総資産額は約543億ドル(約6兆5,000億円*)

職業はソフトウェア会社オラクル・コーポレーションの共同設立者兼会長です。

10位~6位までの巨大企業の後継者やその家族と違い、彼自身が創業者であるため「起業家」兼「経営者」と言えるでしょう。

離婚歴4度の強者ですが、日本びいきらしいので次は日本人の奥さんなんてどうでしょう?

第4位:アマンシオ・オルテガ

4位はスペインの大富豪アマンシオ・オルテガ(Amancio Ortega Gaona)です。

アパレルメーカーのインディテックス社の創業者、と紹介するよりもファストファッション「ZARA」のオーナーと言った方が分かりやすいですね。79歳**です。

彼も5位のラリー・エリソン同様に「起業家」です。

総資産額は約645億ドル(約7兆7,000億円*)

1972年にバスローブの製造メーカーとして起業し、その3年後にはアパレルのチェーン・ストア「ZARA」を創業したそうです。

スペインのガリシア州ア・コルーニャ(大西洋に面した港湾都市)に14歳の時に転居して以来ずっと住み続けているそうで、もちろん、スペインの長者番付では圧倒的首位です。

「ZARA」は「ヨーロピアン」な雰囲気のあるデザインで人気のあるファストファッション・ブランドですが、人種差別的なアイコン(ナチスの鉤十字やユダヤのダビデの星など)をデザインに使用して批判を浴び商品の回収騒動に発展したりといった問題を起こしたこともあり、残念なことです。

郷土愛にあふれるオルテガ氏が経営する会社だけに、博愛精神も求めたいところです。

第3位:ウォーレン・バフェット

「投資の神様」や「オマハの賢人」などと呼ばれるウォーレン・バフェット(Warren Edward Buffett)は85歳**のアメリカ人です。

総資産額は約727億ドル(約8兆7,000億円*)

世界最大の投資持株会社であるバークシャー・ハサウェイの筆頭株主であり、同社会長兼CEOを務めるバフェットは、「投資家」兼「経営者」と言えるでしょう。

金融業界に身をおきながら、ウォール街のあるニューヨークではなく、故郷ネブラスカ州オマハに居住し続けていることから、敬愛の意味を込めて「オマハの賢人」と呼ばれているそうです。

バークシャー・ハサウェイから受け取っている報酬は年10万ドル(約1,200万円**)のみ。

彼は質素で堅実な暮らしぶりや、金持ちぶらない人柄から「ウォール街」で働くハゲタカ(投機的かつ強欲な投資家の蔑称として使われる)とは異なる印象を世間に与えていますが、綿紡績や毛織物事業を行っていたバークシャー・ハサウェイの株を安い時に買い占め、もとの経営者やその家族と衝突しながら経営権を掌握していったのもまた事実です。

では、なぜ彼がウォール街のハゲタカとは違って見えるのでしょう?

バフェットの投資スタイル

Someone's sitting in the shade today because someone planted a tree a long time ago.
  ー木陰でひと休みしたいなら、ずっと前にその木を植えておく必要があるんだ―

出典:

en.wikiquote.org
安値で買い叩いた企業の株価をつり上げ、高値となったところで売り抜ける。そしてその莫大な差益をむさぼるのが、ハゲタカの常套手段です。

一方、バフェットは、「市場で過小評価されているが優良企業」に目をつけ、安値でその株を買った後は、長期に渡ってその会社の株を保有し続けます。

非常に古典的とも言えるような投資手法で、バフェットのオリジナルではありません。彼のコロンビア大学での恩師でもあるベンジャミン・グレアムによる名著「賢明なる投資家」(1949年刊)に則した手法なのです。

ハゲタカが「狩猟民族的」なら、バフェットは「農耕民族的」、というのが、彼の投資スタイルに抱く私の印象です。 ※引用の出典:Statement of January 1991, as quoted in Of Permanent Value: The Story of Warren Buffett (2007) by Andrew Kilpatrick|Wikiquoteより(2015年10月現在、筆者調べ)
尚、引用の和訳は筆者の解釈によります

第2位:カルロス・スリム

カルロス・スリム(Carlos Slim Helú)はメキシコの実業家、御年75歳**です。

総資産額は約771億ドル(約9兆3,000億円)

テルメックス、テルセル 、アメリカ・モービル等の企業経営者で、ラテンアメリカの通信産業に多大な影響力を持っています。

カルロスの両親はレバノン出身。カルロスのお父さんは当時のオスマン帝国の徴兵から逃れるために14歳の時にメキシコに移住してきたそうです。

レバノンからの移民の息子カルロスは、メキシコ自治大学で工学を学ぶ傍ら、大学で代数学と線形計画問題について教鞭をとっていたそうです。なるほど理数系の人なんですね。

2010年~2013年の間は4年連続で首位を維持しましたが、2014年に続き2015年も2位となりました。

事業内容といい移民の2世であることといい、ちょっとソフトバンクの孫正義さんを彷彿とさせられました。

第1位:ビル・ゲイツ

本稿執筆のためにいろいろ資料を当たっていて、ビル・ゲイツの正式名が「ウィリアム・ヘンリー・ビル・ゲイツ三世」(William Henry Bill Gates III)と知り、いきなりびっくりさせられました。

ウィリアムとヘンリーって英国王子か!しかも三世って!と突っ込みを入れつつ、経歴を見ていくと、父親が弁護士、母親も名家の出身(彼女の父は銀行の頭取)で、いくつかの企業の役員を務める等、もともとかなり裕福な家の子供だったようです。

もはや知らぬ人はいないでしょう、マイクロソフトの創業者です。

総資産額は約792億ドル(約9兆5,000億円*)

60歳**のアメリカ人。え!彼ももう還暦なの?と2度目の驚きです。

子供のころからパソコンに興味を持っていたビルでしたが、お家柄の事情もあってか、ハーバード大学では法律の勉強を志したそう。

しかし法学への向学意欲を保てず、結果、大学を休学して友人と事業を興すことになったのがマイクロソフト社の始まりです。

もしも彼がハーバードで法律の勉強に意欲を燃やしていたら、世界は変わっていたかもしれません。

2015年現在は少しづつですが同社の経営の一線から離れ、夫人や実父と2000年に設立した「ビル&メリンダ・ゲイツ財団」の途上国支援の活動に重きを置くようになっているようです。

それでも総資産額では世界第1位なんですから大したものです。

3位のウォーレン・バフェットとは個人的にも親しい間柄のようです。二人ともお金を稼ぐのは大得意ですが、お金を使うことや贅沢には全く興味がなさそうなところが面白いですね。

マクドナルドのフィレオフィッシュが好物のビルと、コカ・コーラ大好きのバフェットとでは気が合うのでしょう。



大富豪のお仕事アレコレ

上位10名は創業者、創業者一族、投資家兼経営者などでしたが、いずれも何らかの事業を行う実業家(経営者)なんですね。

どうやら大富豪になるためには「事業を興して成功」をおさめる必要があるようです。

事業内容は以下の通りとなりました。

・1位 IT関連
・2位 通信
・3位 金融
・4位 アパレル
・5位 IT関連
・6位 エネルギー
・7位 エネルギー
・8位 小売
・9位 小売
・10位 化粧品

国籍はアメリカ、メキシコ、スペイン、フランスとなり、10人中6人がアメリカ人でした。

2015年ビリオネアリストの傾向

Forbes誌の講評によれば、世界中で起業家精神の高まりがみられるとのこと。番付の中で、自力で成功している人たちは1,191人に上り、財産を相続しているのはたった230人しかいないというのがその根拠のようです。

そして、残りの405人は、一部相続してはいるものの、自身の力で資産を増やしている人なのだそう。

尚、若手のランク入りも増え、セラノスという血液検査の会社を経営する31歳のエリザベス・ホームズという女性が、独力で成功した最年少の女性企業家として世界番付にデビューを飾ったとか。

そして、ランキングに新たに登場した290人のうち、71人が中国籍だったとか。調査が行われた2月は中国株式市場暴落や中国元の引き下げ前だったので、2016年のランキングに中国籍の人達がどれだけ残っているのかも、今から気になるところです。



日本の成績総括

10億ドル(約1,200億円**)以上の個人資産を持つ富豪は全世界で1,826人となり、約3割が米国籍。

日本人は24名が番付入りを果たしました。国籍別人数のランキングでは、日本は17位でした。

日本人の上位者(200位以内、敬称略)は、以下の通りです。 総資産額は1米ドル=120円で換算
参照元:Forbes日本HPより(2015年10月現在) 「なるほど」な面々ですね。

Forbes誌による世界長者番付が始まった1987年~1994年までの8年間にわたり、首位には日本人が立っていました。西武鉄道グループの堤義明氏や、森ビル創業者の故 森 泰吉郎(もり・たいきちろう)氏です。

バブル景気からバブルの終焉にかけ、どちらも不動産長者として知られていました。

今の若い人には想像もつかないかもしれませんが、1960年代半ば以降、日本人は国際社会から(羨望と皮肉を込めて)「エコノミック・アニマル」などと呼ばれはじめ、1979年にはアメリカで出版された「Japan as No.1」がベストセラーになるなど、1980年代およびそれ以前は日本が著しい経済的発展を遂げていたのです。

まとめ

Forbes JAPAN(フォーブスジャパン) 2015年 12 月号
Forbes最新号(2015年10月現在、筆者調べ) かつて、日本にも「高額納税者公示制度」というものがあり、政府が数千万円以上の高額納税者の名前を発表していたことがありましたが、犯罪抑止やプライバシーへの配慮などもあって2005年度分から廃止されました。

長引く経済の低迷で、日本では「起業ブーム」も若干しぼんでしまった感がありますが、好きなことや得意なことをベースに事業を興すことが、大富豪への道であることは間違いなさそうです。

5年、10年、20年先、ランキングに登場するようなアイデア溢れる日本人の横顔を調べられる日を、今から楽しみにしています。

最後に、Forbes誌と記者達、調査に関わる全ての人に心からの敬意を表します。あなたたちの献身と努力と忍耐によって、29年もの長きにわたる詳細な富裕層データが蓄積されていることは明らかであり、大変な偉業だと思っています。 ※本記事は一般的な情報に過ぎず、適用法令等の改正、前提事実や個人状況の違いおよび変化によって、掲載内容と実際の結果が異なってしまう可能性があります。
従って本記事の掲載内容については一切の責任を負いかねますので、内容の解釈や実践はご自身の責任で行い、専門家に相談されることを推奨いたします。