[国立大学の学費]リアルに必要な額はいくら?現実と費用対策

お子さんがいるご家庭では、生活の負担となってくる「子どもの学費」。義務教育中は、まだ気にされていないかもしれませんが、高校、そして大学となると、かなりの費用が見込まれます。私立大学は、費用的に絶対無理!でも、国立だったら…と考えている、お父さんお母さんも多いはず。国立大学でかかる費用について、調べてみました。



国立大学について

国立大学は、どのくらいある?

はじめに、国立大学と聞いて思い浮かべるのは、やはり東京大学や京都大学、東北大学、一橋大学などの有名どころでしょうか。しかし、日本には他にもたくさんの国立大学があるのをご存知ですか?関東圏だけでなく、全国に数多く点在しています!どこが国立大学なのか?確認してみましょう。 現在、日本にある国立大学の数は、全部で82校(383学部)です。

■北海道、東北地方:14校
・北海道大学
・北海道教育大学
・室蘭工業大学
・小樽商科大学
・帯広畜産大学
・旭川医科大学
・北見工業大学
・弘前大学
・岩手大学
・東北大学
・宮城教育大学
・秋田大学
・山形大学
・福島大学

■関東、甲信越地方:24校
・茨城大学
・筑波大学
・筑波技術大学
・宇都宮大学
・群馬大学
・埼玉大学
・千葉大学
・東京大学
・東京医科歯科大学
・東京外国語大学
・東京学芸大学
・東京農工大学
・東京芸術大学
・東京工業大学
・東京海洋大学
・お茶の水女子大学
・電気通信大学
・一橋大学
・横浜国立大学
・新潟大学
・長岡技術科学大学
・上越教育大学
・山梨大学
・信州大学

■東海、北陸、近畿:23校
・富山大学
・金沢大学
・福井大学
・岐阜大学
・静岡大学
・浜松医科大学
・名古屋大学
・愛知教育大学
・名古屋工業大学
・豊橋技術科学大学
・三重大学
・滋賀大学
・滋賀医科大学
・京都大学
・京都教育大学
・京都工芸繊維大学
・大阪大学
・大阪教育大学
・兵庫教育大学
・神戸大学
・奈良教育大学
・奈良女子大学
・和歌山大学

■中国、四国地方:10校
・鳥取大学
・島根大学
・岡山大学
・広島大学
・山口大学
・徳島大学
・鳴門教育大学
・香川大学
・愛媛大学
・高知大学

■九州、沖縄地方:11校
・福岡教育大学
・九州大学(九州芸術工科大学)
・九州工業大学
・佐賀大学
・長崎大学
・熊本大学
・大分大学
・宮崎大学
・鹿児島大学
・鹿屋体育大学
・琉球大学

平成26年度の学生募集人数は、国立大学全体で約96,270人となっています。各大学には、それぞれの得意分野もあり、多くの大学の中から選択することが出来るのも魅力の一つですね!

国立大学:文部科学省
参照元:文部科学省(2015年10月時点、著者調べ)



子どもにかかる学費について

生活の負担となり得る教育費

毎年やってくる受験シーズン。みなさんのお子さんもお受験に向けて勉強している頃でしょうか?志望する大学も国公立、私立とそれぞれ異なるでしょう。

日本で子ども1人当たりにかかる、高校入学から大学卒業まで費用は、平均880万円と言われています。この880万円は、私立、国公立大学を合わせた「学費平均の金額」となっています。国立大学は、私立大学よりも安く済むから大丈夫!と思われる方も多いでしょう。しかし、安いといっても生活の負担となり得る金額かもしれませんよ。国立大学に必要となる目安の費用について、私立大学と比較しながらみていきましょう。

子どもの教育費:日本政策金融公庫
参照:日本政策金融公庫(2015年10月時点、著者調べ)

家計負担の現状と教育投資の水準:文部科学省
参照元:文部科学省(2015年10月時点、著者調べ)

国立大学の学費は?

学費の推移について

実は、国立大学の授業料(年間)は、年々増加傾向を辿っていることをご存知でしょうか?ご自分が入学した頃と同様と考えられている、お父さんお母さん。それは大変です!かかる学費の増加傾向をみていきましょう。

<国立大学:授業料標準額>

■昭和50年:36,000円
■昭和52年:96,000円
■昭和54年:144,000円
■昭和58年:216,000円
■昭和61年:252,000円
■昭和63年:300,000円
■平成元年:339,600円
■平成4年:375,600円
■平成10年:469,200円
■平成15年:520,800円
■平成17年~現在:535,800円
昭和から見てみましたが、授業料が格段に高くなってきていますね!ここで挙げたのは、授業料の例ですが、同様に入学金などの費用も値上がりしているため、私立より格安と言えども、ある程度の準備が必要になっていることを覚悟しておく必要があるでしょう。
また、国立大学は、2004年度より法人化され、国から独立した「国立大学法人」となっています。独立行政法人化されたことで、授業料が自由化された形になったのです。これから、どのように学費に差がひらいてくるのか、まだ判りません。最近も、財務省が国立大学の「授業料引き上げ」を提案していることが話題になっており、近い将来、値上げされる可能性も出てくるでしょう。

国立大学と私立大学の授業料等の推移:文部科学省
参照元:文部科学省(2015年10月時点、著者調べ)



学部別の費用を見てみよう

文学部、理工学部にかかる学費は?

さて、ここからは、国立大学の文学部・理工学部にてかかる費用について、みていきたいと思います。 ■国立大学-文学部、理工学部
・初年度(2015年度):817,800円
・2年目以降:535,800円

初年度は、入学金が含まれているため高いと思われるかもしれません。卒業までの4年間で合計いくら必要なのか、計算してみましょう。

・(初年度)817,800+(他3年間){535,800×3}=2,425,200円

4年間の教育期間で約250万円必要になることが判りましたね!では、私立大学の文学部とどのくらいの学費の差があるのか?みてみましょう。
ここでは、国際基督教大学を例に挙げて比較してみましょう。

■初年度(2016年度)1,698,000円

<その内訳>
・入学金(入学時のみ):300,000円
・授業料:1,056,000円
・施設費:342,000円

4年間通うことを考え計算してみると、

・(初年度)1,698,000円+(他3年間){1,398,000×3}=5,892,000円

卒業までの4年間にかかる費用は、約590万円となります。すでに国立大学の2倍以上の学費が必要であることがわかりますね。もし在学中に「留学したい」と言われてしまったら、さらにお金が必要なことも考えられます。私立大学は、それなりの出費があることを想定しておきましょう。

入学金・学費|国際基督教大学(ICU)
参照元:国際基督教大学(2015年10月時点、著者調べ)

医学部にかかる学費はいくら?

次に、「学費が一番かかる」と言われている医学部について、いくら必要なのか?みてみましょう。 ■国立大学-医学部医学科
・初年度(2015年度):817,800円
・2年目以降:535,800円

意外にも、基本的な授業料は他学部と同じ金額でした!但し、医学部生の場合は、6年間の教育期間となります。他学部よりも長く在学することを忘れないで、計算しておきましょう。

6年間の教育があるため、
・(初年度)817,800+(他5年間){535,800×5}=3,496,800円

6年間の教育期間で約350万円必要になることが判りましたね。ちょっと高いなぁと思われた方、あまいです!私立大学の医学部とどのくらいの学費の差があるのか、みてみましょう。
私立大学の医学部では、「年間700万円を超え!」の学費が必要なところもあります。例えば、帝京大学の医学部でかかる費用を挙げてみましょう。

■初年度(2016年度)8,924,090円

<その内訳>
・入学金(入学時のみ):1,000,000円
・授業料:3,000,000円
・施設拡充費:2,000,000円
・実験実習費:216,000円
・医学教育維持費:2,700,000円
・学生傷害保険費(入学時のみ):8,090円

6年間通うことを考え計算してみると、

・(初年度)8,924,090円+(他5年間){7,916,000×5}=48,504,090円

卒業までにかかる費用合計、48,504,090円!!まさかの、家が買える金額!?です。一般家庭では、考えられない費用がかかることが判明しました。お金持ちしか行けない気がするのは、私だけでしょうか。 私立大学と比較すると、かなり安く抑えることができるのは、国立大学の魅力ですね!お子さんがお医者さんになりたい場合は、ぜひ国立大学を目指すよう、説得が必要かもしれません。

納入金 医療系学部 :帝京大学
参照元:帝京大学(2015年10月時点、著者調べ)

学費負担を減らす方法とは?

ここまで、国立大学にかかる学費について、私立大学と比較しながらみてきました。でも、進学するお子さんが1人だけではなかったり、また家庭の事情などで、少しでも学費を抑えたいと思う方もいらっしゃるでしょう。学費を抑える方法として有効と思われるものを以下に挙げてみました。各奨学金、制度、教育ローンとも申込み時に条件が付いてきます。ご興味のある方は、大学または、地方自治体、団体へ確認してみると良いでしょう。

■日本学生支援機構の奨学金
・第一種奨学金(無利子)
・第二種奨学金(利子付き)
・入学時特別増額貸与奨学金(利子付き)
・海外留学奨学金(大学院学位取得型、短期留学)
※大学へお問い合わせ下さい。

■大学独自の奨学金
・学内奨学金
・授業料等減免制度
・徴収猶予制度
※大学へお問い合わせ下さい。

■地方自治体で設けている奨学金制度
・地域条件のある奨学金
・地域条件の無い奨学金
※市町村の窓口にお問い合わせ下さい。

■東日本大震災の被災学生等に対する奨学金
※大学へお問い合わせ下さい。
■民間企業による奨学金
・毎日育英会(毎日新聞):返済不要の奨学金制度、無利子の学費貸付、給与と無料の個室提供など。
※各団体(企業)へお問い合わせ下さい。

・日本経済新聞育英奨学会(日経新聞):学費全額貸与(返済不要:450万円まで)、完全個室の提供など。
※各団体(企業)へお問い合わせ下さい。

各奨学金を併用して利用することも考えられると思います(申込み条件あり)。他にも、教育ローンなどを活用することも頭に入れておくと便利でしょう。

■公的機関・民間金融機関の教育ローン
・「国の教育ローン」:日本政策金融公庫
お子さんの人数に応じて、幅広い世帯年収の方に対応しており、世帯年収200万円以下の方には優遇制度もあるので、確認してみましょう。
※詳細は、日本政策金融公庫へお問い合わせ下さい。

・教育ローン:JAバンク
入学前に必要な入学金や授業料などの学費を借りることが可能。在学中は、元金の返済を据え置き、卒業後に本人が返済することもできるローンです。
※詳細は、各金融機関へお問い合わせ下さい。

■大学が提携している教育ローン
※各大学へお問い合わせ下さい。

その他、

■母子寡婦福祉資金貸付制度教育貸付:社会福祉協議会
ひとり親家庭や生活困窮者向けの教育貸付制度(いずれも無利子)があります。但し、学費限定。大学の場合は、修学貸付が月額上限54,000円。他に、就学支度資金一括貸付もあります。原則無利子の貸付けですが、連帯保証人がいない場合は、1.5%の低金利での貸し付けもあります。
※詳しくは、市区町村役場の母子福祉担当課へお問い合わせ下さい。

■生活福祉資金貸付制度教育貸付:社会福祉協議会
低所得世帯、障害者世帯、高齢者世帯等を世帯単位に、それぞれの世帯の状況と必要に合わせた資金を貸付ける制度。原則無利子の貸付けですが、連帯保証人がいない場合は、1.5%の低金利での貸し付けもあります。
※詳しくは、市区町村役場の母子福祉担当課へお問い合わせ下さい。

奨学金情報:日本学生支援機構(JASSO)
参照元:日本学生支援機構(2015年10月現在、著者調べ)

教育一般貸付(国の教育ローン):日本政策金融公庫
参照元:日本政策金融公庫(2015年10月時点、著者調べ)

教育ローン : JAバンク
参照元:JAバンク(2015年10月時点、著者調べ)

奨学金について :日経育英奨学制度
参照元:日本経済新聞育英奨学会(2015年10月時点、著者調べ)

返済不要の奨学金制度:毎日育英会
参照元:毎日育英会(2015年10月時点、著者調べ)

経済的支援策:(財)全国母子寡婦福祉団体協議会
参照元:(財)全国母子寡婦福祉団体協議会(2015年10月時点、著者調べ)

まとめ

ここまで国立大学にかかる学費をみてきましたが、いかがでしたでしょうか?私立大学と比較してもだいぶ経済的な費用であることが判りましたね。しかしながら、大学を4年間、医学部だと6年間も通うとなると学費だけでなく、自宅外から通う場合は、生活費も別途必要となってきます。親の仕送りだけでなく、子どももアルバイトなどで自分の生計を賄わなければならないかもしれません。

そう考えると、教育のための貯金や学資保険をかける意味を改めて実感できるのではないでしょうか。これまで資金を準備してこなかったご両親も今からでも遅くありません!とりあえず、出来るところから準備してみることをおすすめします。 ※本記事は一般的な情報に過ぎず、適用法令等の改正、前提事実や個人状況の違いおよび変化によって、掲載内容と実際の結果が異なってしまう可能性があります。従って本記事の掲載内容については一切の責任を負いかねますので、内容の解釈や実践はご自身の責任で行い、専門家に相談されることを推奨いたします。