失業保険の申請方法を教えて!受給条件と手続きの解説

終身雇用が謳われなくなった今、いつ職を失ってもおかしくない時代です。「もしも失業してしまったらどんな手続きをすればよいの?」そんな失業保険の疑問について受給するための条件や手続きの流れ、必要書類などについてご紹介します。



失業保険とは?

「もし職を失ってしまったら?」「契約を更新してもらえなかったら?」「育休後、会社に復帰出来なかったら?」など仕事を失ってしまう心配って誰にでもあると思います。特に今の時代は“終身雇用”を掲げている企業は少なくなり、いつ失業してもおかしくない時代ですよね。

そんな時、加入している雇用保険でどんな補償が受けられるのか気になります。よく「失業保険」と言われているものとはどんなものか?実際に失業してしまった場合に補償される内容や申請手続きの仕方などについてまとめてみました。

再就職を手助けするための手当

一般に言われている『失業保険』とは『雇用保険の失業等給付』のなかで「基本手当」に該当するものを指します。職を失ってしまった方が安定した生活を送りつつ、一日も早く再就職できるよう求職活動を支援するために支払われるお金です。 

『雇用保険の失業等給付』には一般被保険者に対する「基本手当」、高年齢継続被保険者に対する「高齢年齢求職者給付金」、短期雇用特例被保険者に対する「特例一時金」などがあり、その中で最も代表的なものが「基本手当」いわゆる『失業手当』や『失業保険』とみなさんが仰っているものなんですね。

『失業保険』はあくまでも働きたくても一時的に職を失った状態にある人に対する支援のためにあるものなので「職を失ったら必ずもらえるお金」ではないという事を念頭に置いておきましょう。

ハローワークインターネットサービス – 雇用保険制度の概要
参照元:ハローワーク(2015年11月、著者調べ)



失業手当の受給条件

失業手当を受給するにあたっては、その条件をきちんと確認しておく必要があります。雇用保険をかけていた期間や、自身の状況など失業手当を申請するにあたって確認しておく点があるので以下にあげていきます。

失業手当を受ける資格

失業手当を申請できるのは次のような方です。

・原則、離職の日以前2年間に12ヶ月以上雇用保険の被保険者期間があること。
・「特定受給資格者」(※1)「特定理由離職者」(※2)については離職の日以前1年間に6ヶ月以上雇用保険の被保険者期間があること。(※1,2については後で解説)

すぐに働けるか働けないかで手続きが分かれる

〈すぐに働ける人〉とは、離職し「働きたいという意思といつでも働ける能力(健康状態や家庭環境など)があり、積極的な求職活動を行っているにもかかわらず就職出来ない方」の事をいいます。一方、〈すぐに働けない人〉は離職しているが「病気・出産・育児などですぐに就業出来ない方」の事を指します。

失業保険は就職したい人を支援するための手当なので、同じ失業した方でも上記の違いで手続きが分かれます。現在の自分自身の状況がどちらに該当するのか確認してみましょう。

・〈すぐに働ける人〉⇨受給資格決定の手続き
・〈すぐに働けない人〉⇨受給期間延長申請 ※注意点①へ

ハローワークインターネットサービス – 基本手当について
参照元:ハローワーク(2015年11月、著者調べ)

いくらもらえるの?

いくらもらえるかは、個人個人の状況や年齢によって異なるのでここで細かい金額をお伝えすることは難しいです。ただ、その金額を算出する上での条件については決まっているのでその中身をお伝えします。

失業手当の日額

まず、失業手当の日額(1日あたりにもらえるお金)をどのように算出するかというと、

■離職前の6ヶ月間に支払われた賃金の合計額を180で割った日割り額のおよそ45%〜80%

と決まっており、上記が原則として支払われる日額となります。「45%〜80%」と記載していますが、日割り額の何%になるかは賃金日額によって決まっており、賃金が高いほどパーセンテージは低くなります。

また、もらえる日額や日数は①「離職理由」②「雇用期間」③「年齢」によって決まっています。なので、それぞれの項目についてご自身がどこにあてはまるかを確認する必要があります。①〜③については以下で順に説明します。(尚、基本手当の日額は「毎月勤労統計」という統計結果に基づいて毎年8月1日に改定されます。)

①「離職理由」で給付日数が違う

どのような理由で離職したかによって、失業手当の支給日数や開始日が異なります。基本的には以下の3種類に区分されて決定します。

■【特定受給資格者】:「倒産」「解雇」などが理由で離職した場合

■【特定理由離職者】:更新を希望したにもかかわらず、労働契約期間が満了し契約が更新されなかった場合や正当な理由のある自己都合での離職(病気や家族の介護、妊娠・出産など細かい規定があるので詳しくはハローワークなどで確認が必要)

■【一般受給資格者】:「自己都合」「懲戒解雇」によって離職した場合

【特定受給資格者】は説明を見て分かるよう、自分の意思ではなく「倒産」など自分ではどうすることも出来ない理由で職を失ってしまった方などです。【特定理由離職者】は働き続けたかったのにやむを得ず離職せざるを得ない状況だった方などで、【一般受給資格者】は自分の意思で退職したり言い方が悪いですが“クビ”になってしまった方などです。

この状況によって受給日数が変わります。当然、【特定受給資格者】の方が緊急性が高いですし、救済が必要ですから長くもらえます。【特定理由離職者】は理由によっては【特定受給資格者】に準ずる形になります。【一般受給資格者】はあくまで自己都合となるのでこの中ではもらえる期間は短くなります。

②「雇用期間」と「年齢」で支給日数が異なる

給付日数は雇用保険の被保険者であった期間、つまり働いていた期間や年齢によっても異なります。例えば働いていた期間が5年なのか10年なのか、はたまた20年なのか、現在の年齢が25歳なのか35歳なのかという事です。

もちろん会社にいた年数が長いほど日数は増えます。60歳未満であれば年齢が高いほど日数は増えます。日数は最低90日から最高で330日までです。(障害者等の就職困難者は最低150日から最高360日まで)

③「年齢」で上限金額が異なる

《基本手当の年齢区分と上限額》※H27年8月1日現在

■30歳未満、65歳以上:6,395円
■30歳以上45歳未満:7,105円
■45歳以上60歳未満:7,810円
■60歳以上65歳未満:6,714円

ハローワークインターネットサービス – 基本手当の所定給付日数
参照元:ハローワーク(2015年11月、著者調べ)



受給手続きに必要なもの

失業保険を貰うためにはお住まいの住所を管轄するハローワークに行って、「求職の申し込み」を行った上で「離職票(1)(2)」を提出します。その手続きの際に以下の7点が必要になるので確認をしておきましょう。

■離職票(1)
■離職票(2)
■雇用保険被保険者証 ※手元にない場合は再発行手続きが出来るようです
■運転免許証または写真付きの住民基本台帳カード/どちらも持っていない場合①〜③のうち異なる2種類を持参(コピー不可)※①パスポートor健康保険被保険者証②住民票の写しor印鑑証明書③国民健康保険被保険者証
■本人の印鑑
■写真2枚(縦3cm×横2.5cm)
■普通預金通帳 ※普通預金のみ。通帳がない場合は金融機関指定届に金融機関の確認印が必要。

ハローワークでは、上記書類と共に受給要件を満たしているかどうかを確認し、受給資格の決定をします。
その際、離職の状況についても確認されるようです。受給資格の決定後、受給説明会の日時について説明があるので指定の日時に出席しなければなりません。

ハローワークインターネットサービス – 雇用保険の具体的な手続き
参照元:ハローワーク(2015年11月、著者調べ)

失業保険<申請>の流れ

《失業手当受給手続きの流れ》
①【離職】⇨②【求職の申込みと受給資格の決定】⇨③【受給説明会】⇨④【求職活動】⇨⑤【失業の認定】⇨⑥【受給】

▶大まかな流れは上記のようになりります。具体的に何をすればよいか①〜⑥の項目ごとに簡単に内容を説明します。

①【離職】通常は「離職票(1)(2)」を会社から貰います。「雇用保険被保険者証」も会社が保管しているケースが多く一緒に送られてくるようです。会社が保管していない場合はご自身で保管しているはずなので確認しておきましょう。

②【求職の申込みと受給資格の決定】住所地を管轄するハローワークで「求職申込み」をしたら、「離職票」を提出。その時に「受給説明会」について説明があるので指示に従って出席するようにしましょう。説明会で必要な「雇用保険受給資格者のしおり」もこの時にもらえるようです。

③【受給説明会】雇用保険制度についての説明を受け、「雇用保険受給資格者証」「失業認定申告書」をもらいましょう。またこの時に第一回目の「失業認定日」が決まるようです。

④【求職活動】求職活動の実績などを確認した上で失業の認定が行われるので、ハローワークの窓口で職業相談、職業紹介を受けるなど積極的に求職活動をしましょう。

⑤【失業の認定】原則として4週に1回の認定日ごとに受給資格者証と失業認定申告書の提出が必要です。失業認定申告書には求職活動の状況などを記入しなければなりません。

⑥【受給】失業の認定を行った日から通常5営業日で、指定した金融機関の口座に手当が振り込まれます。再就職が決まるまでの間は所定の給付日数を限度として、「失業の認定」⇨「受給」を繰り返しながら仕事を探すことになります。

注意点

①原則、受給期間は離職日の翌日から1年間!

1年の間に所定の給付日数を限度として支給されるので、この受給期間を過ぎてしまうと給付日数が残っていても支給されません。つまり、早めの手続きが必要ということです!

尚、この期間に下記の理由で働く事が出来ない状態が30日以上続いた場合、受給期間の延長が可能です。

・妊娠・出産・育児(3歳未満に限る)
・病気やけが
・親族等の介護
・事業主の命により海外勤務する配偶者に同行
・公的機関が行う海外技術指導による海外派遣
・60歳以上の定年等により離職、しばらくの間休養する

以上のような場合は「受給期間延長申請書」「離職票(1)(2)」「本人の印鑑」「延長理由を証明する書類」を住所を管轄するハローワークへ提出すれば、受給期間延長の申請が可能です。妊娠・出産・育児、病気やけが、介護などの理由の場合は働ける状況になるまで、最長で3年間受給期間を先延ばしにすることが出来るという事です。

②求職活動を積極的に行いましょう!

原則として前回の認定日から次の認定日の前日までの期間中に、原則として2回以上(最初の認定対象期間中は1回)求職活動を行った実績が確認されます。次の就職先を見つけようと行動を起こしているかがチェックされるという事です。

また、自己都合や懲戒解雇などの場合は、待期期間満了後3か月間は基本手当が支給されませんが、この期間とその直後の認定対象期間をあわせた期間については、原則として3回以上の実績が必要になります。

《求職活動とみなされるもの》とは、
・求人へ応募した。
・ハローワークが行う、職業相談・職業紹介などを受けた。
・ハローワークや公的機関等が行う各種講習、セミナーを受講した。
・インターネット経由などで民間機関が行う、職業相談、職業紹介等を受けた。
・公的機関等が実施する職業相談等を受けた。
・再就職のために各種国家試験、検定等の資格試験などを受験した。

などです。ネットで求人情報を閲覧しているだけでは実績とみなされないので注意しましょう!

③不正受給は厳しい処分に!

本来は手当の対象とならないにもかかわらず、虚偽の申告で失業手当を受給した場合には、不正受給としてそれ以降の支払いがすべて停止され、厳しい処分に問われます。具体的には、

■求職活動をしていないのに、失業認定申告書に求職活動をしているように嘘の申告をする。
■パート・アルバイト・日雇・試用期間も含む就労、自営の場合でも仕事を再開したにもかかわらず申告しない。
■内職や手伝いをしている事や収入を隠したりして、虚偽の申告をする。

などは行ってはいけません。状況をきちんと報告しましょう。

まとめ

いかがでしたか?
失業保険の申請をする際はまず必要書類を用意し、離職後すみやかに管轄のハローワークで手続きを行う事が重要です。もらえる金額については離職理由など判断がハローワークへ委ねられる部分もあるので実際に窓口で確認するのが一番だと思います。今回の内容のまとめとしては、

●離職しても引き続き働く意思があれば、手当をもらいながら求職活動の手助けをしてもらえる方法がある。
●もらえる日額や日数は「離職前の賃金」「離職理由」「雇用期間」「年齢」で異なるのでそれぞれの確認が必要。
●受給期間は原則離職日翌日から1年間。離職したら必要書類を準備し、手続きは早めに行う必要がある。
●手続きは管轄のハローワークへ。ルールに従って積極的な求職活動を。

このような感じです。失業保険は申請すれば必ずもらえるというものではなく、きちんと次の就職に向けて頑張る人への支援という事なんですね。申請をすると同時に求職活動し、ハローワークへ定期的に報告する義務もあるのできちんとルールに従い手続きしていくことが必要です。新たな出発に向けてきちんと準備をしておきましょう。 ※本記事は一般的な情報に過ぎず、適用法令等の改正、前提事実や個人状況の違いおよび変化によって、掲載内容と実際の結果が異なってしまう可能性があります。従って本記事の掲載内容については一切の責任を負いかねますので、内容の解釈や実践はご自身の責任で行い、専門家に相談されることを推奨いたします。