[専業主婦が離婚]する前に知っておくべき「お金」のこと。

これまで専業主婦だった方が離婚を考えるとき、考えてしまうのがこれからの「お金」のこと。また、子連れでの離婚となれば、親権問題も出てきます。自分は仕事が見つけられるんだろうか?という不安もあるでしょう。これから離婚を考えたい方、また離婚の準備をされている方へ知っておくとよい「お金」について調べてみました。



離婚で考えられるリスクとは?

専業主婦が離婚について悩むとき、リスクになると考えられるものは、

■これからの「お金」のこと
■これからの「仕事」のこと
■「子ども」の親権問題
■探さなければならない「住む場所」

などではないでしょうか?特に、専業主婦だった期間が長い人だと、仕事を見つけるのも一苦労になるかもしれません。また、アパートを借りるにも契約金が必要となってきたりなど、思ったようにいかないことも発生することでしょう。離婚する前に知っておくべきことを見ていきましょう。



離婚する前に準備するべきこととは?

離婚でかかるお金を見積もっておく

まず、離婚でかかる費用について考えて見ましょう。

■アパートを借りるための「契約金」「数か月分の家賃」など
■仕事が見つかるまでにかかる生活費(数か月分)
■離婚で発生するかもしれない費用(弁護士費用など)

どこに住むかによっても必要となる金額が異なると思いますが、仕事が見つかるまでの数ヶ月間にかかる生活費については、前もって準備しておくことをおすすめします。特にお子さんがいるとなれば、なおさらです。離婚によって生活が苦しくなるかもしれませんが、生活の質がガクンと下がってしまえば、お子さんへも影響してくるのではないでしょうか。

離婚手続きの際には、「調停費用」や「弁護士費用」が必要となることも考えられます。また、お子さんの親権問題も出てきますので、その辺は、きっちり見積もっておいた方が良いかもしれません。

そのため、離婚する前にお金を貯めておくことが重要ポイントとなってきます。または、独身時代に隠しておいた貯金があれば、望ましいでしょう。

離婚する際にもらえるお金は?

ここでは、離婚する際、旦那へ請求することが出来る「お金」についてみていきたいと思います。

婚姻費用分担請求について

夫婦には、お互いの生活レベルが同等になるように助け合う「生活保持義務」というものがあります。婚姻した時から生ずる費用を互いの収入を考慮し、分担する義務のことです。婚姻から生ずる費用というのは、日常の生活にかかる費用のことで、衣食住の費用・医療費・子供の教育費や養育費などを指しています。

夫婦が円満な婚姻生活を過ごす場合は、この分担問題は発生しないと思いますが、婚姻生活が破綻し、夫婦が別居した時など、この問題が出てくるでしょう。

・夫婦の一方が家を出て、別居状態にある
・同居していても収入がある方が生活費を渡さない

別居中の夫が妻と子どもへ生活費を渡さないということは、法律的にも違反となるでしょう。夫からの暴力(DV)を逃れるためや、離婚の協議中、又は裁判中の別居だとしても、婚姻費用分担の義務は生じることになると思います。

この婚姻費用分担請求については、判例によって多少の違いはあるものの、原則としては、

・別居を解消し、同居するまで
・別居を解消し、離婚するまで

離婚訴訟中も婚姻関係は続いているため、請求が可能となるでしょう。 <婚姻費用の分担の金額>

婚姻費用の分担額は、法律的に金額が決まっているわけではありません。家庭裁判所の統計によると、月額4万から15万円程度という金額が多いようです。家庭裁判所は、以下の事情を考慮して分担額を定めていると思われます。

■別居の期間やそれに至った理由

■婚姻関係の破綻における責任の割合:破綻に対して当事者にどれだけ責任があるかによって婚姻費用の額が変わってきます。どちらかの不貞行為が原因の離婚かどうか。また、相手の承諾無く別居を開始したなど、夫婦間の同居義務を果たしていないとみなされ、有責性に応じて婚姻費用が大幅に減額、免除されることも考えられます。

■当事者の収入:夫の収入や夫婦の生活レベルなどを考慮した上で、分担額が決まります。しかしながら、夫自身の生活に余裕のある時にすれば良いのではなく、夫側の生活に余裕がなくとも婚姻費用の分担は発生します。

■妻の就労や家事労働:妻に小さな子供がいるため働けないといった事情が無い場合において、労働が可能でありながら働いてない場合には、妻に自活する意欲が無いとみなされます。その分、婚姻費用の減額対象となる可能性も出るでしょう。また、別居により夫の世話をしなくなることも減額の要素となると思われます。

■子の養育費:夫婦が別居期間中も、もちろん子供への扶養義務は発生します。法律では、子供の福祉が最優先されるため、婚姻破綻の責任の割合などは無視して考えられるようです。また、夫が別居して他の女性との間に子供が生まれた場合には、その生まれた子の養育費が婚姻費用分担から控除されることもありますので、確認が必要です。分担額の裏付けが取れるよう、家計管理をつけておくと良いでしょう。

夫婦関係や男女関係に関する調停:裁判所
参照元:裁判所(2015年11月時点、著者調べ)

養育費、婚姻費用算定表:裁判所
参照元:養育費算定表(2015年11月時点、著者調べ)



慰謝料について

慰謝料とは、相手の不当な行為によって精神的苦痛を受けた場合、その償いとして請求できるお金のことです。これについては、大きく分けて以下の場合が挙げられます。

■浮気・不倫をした場合:相手が他の人と浮気・不倫をした場合は、これは不貞行為にあたります。実際に、とても精神的にダメージを受けますので、慰謝料を請求することが可能です。

■身体的・精神的な暴力(DV)を受けた場合:殴る蹴るの身体的暴力を受けた、又は、妻を対等とみなさない夫から精神的に侮辱され続けた「誰が食わせてやっていると思っているんだ」「頭が悪い女だな」等、言葉の暴力を受けた。そのような場合は、慰謝料の請求ができます。

■悪意の遺棄を受けた場合:夫婦は同居し経済的にも家計をともにして互いに助け合う義務がありますが、悪意の遺棄とはそれを行っていないことを指します。妻子へ生活費を渡さない。不倫相手と同居し、妻子とは同居しない。健康なのに働かない、などが挙げられます。

■婚姻を継続しがたい重大な理由がある場合:理由なく夫婦間の性交渉を拒否し続けた(セックスレス)、嫁姑問題を夫が解決する努力をしなかった場合など。

慰謝料の相場とは?

離婚に至るまでの理由は、それぞれ夫婦ごとに違うため、慰謝料の金額についても異なります。また、お互いの話し合いがつくならば金額は自由に設定できます。相手が合意すれば、1億や2億円という金額も可能と言えるでしょう。但し、実際には裁判例を参考にした相場というものが存在しており、裁判例では、以下を検討して金額を算出しているそうです。

■離婚原因の中に浮気や暴力など、不当な行為があるかないか。
■離婚に至った主な原因であるのか。
■当事者の性別や年齢。
■結婚していた期間、同居又は別居をした期間はどの位だったか。
■離婚による経済的不利益をどの程度受けるか。
■子供の有無や、何人いるか。

慰謝料の相場金額は、その離婚原因ごとに下記のとおりとなっているようです。また、裁判によらない話し合いで慰謝料の額を決める際も、相場を参考にして決められることが多いでしょう。 東京家庭裁判所の判例から、500万円以上の慰謝料は、殆どないと思って良いかもしれません。また、一般的な慰謝料は、100万円~300万円程度と考えられます。慰謝料の大まかな目安は、平均で200万円前後になるでしょう。統計によれば、慰謝料額は500万円以下が約94%、そのうち100万円以下が約28%になるそうです。

離婚慰謝料の相場:弁護士会の法律相談センター
参照元:弁護士会の法律相談センター(2015年11月時点、著者調べ)

慰謝料(離婚):東京弁護士会
参照元:東京弁護士会(2015年11月時点、著者調べ)

夫婦関係や男女関係に関する調停:裁判所
参照元:裁判所(2015年11月時点、著者調べ)

慰謝料を多くもらうためには

慰謝料を多くもらうためには、「証拠」を集めることが必須となるでしょう。どのようなものが有力な証拠となるのか、みていきたいと思います。

■不倫・浮気の場合

・2人がホテルに出入りしている写真
・メールなど、明らかに肉体関係があったと思われるようなやり取り。
・配偶者本人や、浮気相手がその事実を認めたことを記録した念書。

現時点では、肉体関係が証明されない場合、法律的に不貞行為とはみなされません!そのため、できるだけ多くの「肉体関係があったであろう」証拠を集めておくが必須となるでしょう。 ■身体的・精神的な暴力(DV)を受けた場合

・外傷ができるほどの暴力の場合は、医師からの診断書
・外傷を撮影した写真
・暴力を受けた日時や場所、状況など詳細を記したメモ
・精神的な苦痛を受けた際は、精神科へ受診、診断書も。

外傷は、時間が経つと消えてしまうため、日時が分かるように傷やアザの写真は撮っておくと良いでしょう。また、警察を巻き込むことも証拠を残す上では、有効な手かもしれませんね! ■悪意の遺棄の場合

・生活費の振り込みが無い(途絶えた)ことが分かる通帳の記録
・別居に至った理由や、いつから別居が始まったかの記録
・別居先を特定できる資料や写真など

提示された慰謝料が少ない場合

「少ない」と相手へ言えば、いくらでも釣り上げられる訳ではありませんが、それに対抗する方法も考える必要が出てくると思います。

■専門家に相談すること

少ない慰謝料を提示してくるというのは、慰謝料の相場を知らない相手に対して、安く済ませようと足元を見ているためです。それでなくとも、離婚することで精神的苦痛を受けているのに、さらにこの態度は、腹立たしいですね!このような時は、自分だけで返答することは避け、専門家(弁護士)へ相談することが一番よい方法でしょう。
また、相手と直接交渉をしたくない、話もしたく無い場合は、弁護士へ交渉の代理を依頼することも考えられます。但し、その分お金がかかることは、お判りでしょう。

ですが、早く離婚を成立させたいために、相手の提示する少ない慰謝料で合意するより、弁護士を通して話し合いをする方が、納得できる金額の慰謝料を受けとることも可能になると思います。離婚後の生活を考えても、少しでも多く慰謝料を受け取ることを優先すべきではないでしょうか。

慰謝料(離婚):東京弁護士会
参照元:東京弁護士会(2015年11月時点、著者調べ)

財産分与について

財産分与とは、婚姻生活中に夫婦が協力して増やした財産について、それぞれの貢献した割合に応じ、夫婦の個人財産に分けることです。財産分与の割合の相場は、夫婦の働き方に応じて多少違いはありますが、基本的に半分(1/2)とされています。

財産分与の対象となる財産とは??

財産を取得した「時期」によって財産分与となるか、否かが決まります。

■結婚前に増やした財産:対象外
■結婚後に増やした財産:対象 ■財産分与の対象となる資産とは?

財産分与の対象となるのは、現金だけではありません。結婚している間、夫婦が共同して築き上げた財産のうち、以下のようなものが財産分与の対象となります。

・現金:預金やタンス預金を含む現金

・不動産:土地や建物などの不動産
※相手名義(夫名義または妻名義)のものでも、財産分与の対象。

・有価証券:株券や社債など、有価証券

・家具・家電:ベッドやテレビなどの家具・家電

・年金:厚生年金、共済年金などの年金
※年金については年金分割という制度があります。

・退職金:退職が近く、退職金をもらえる可能性がある場合

■財産分与の際、借金の扱いはどうなる??

借金についても財産分与の際、考慮されるでしょう。例えば、夫婦で所有している自宅の「住宅ローン」が残っている場合、自宅価格からローン残額を引いた形で計算します。但し、すべての借金がその対象となるわけではありません。婚姻期間中に「夫婦の共同生活のために負った借金」が対象となるようです。

財産分与の対象外の資産について

・結婚する以前に個人で貯めていたお金
・結婚する際、一方が実家から持ってきた家具家電
・個人で購入した有価証券(株券や社債)
・自分の親から相続した財産(現金や不動産)
・洋服や化粧品など、個人的な持ち物

■財産分与の際に考慮されない借金とは?

・個人的なショッピングや浪費で増やした借金
・ギャンブルで作った借金

夫婦関係や男女関係に関する調停:裁判所
参照元:裁判所(2015年11月時点、著者調べ)

子どもの養育費について

養育費は、成長途中の子ども(基本20歳以下)がいる場合、離婚で請求することが出来る費用です。一方が不倫して離婚した場合、養育費を請求できないと勘違いされている方もいらっしゃるようですが、実際はそうではありません。離婚する理由を問わず、未成年の子どもがいる場合は、基本的に養育費の支払いを請求することが出来るのです。

この養育費は、子どもを育てるためにかかる費用であり、親権者の生活費は含まれておりません。養育費とは、以下のようなものを言います。

■子どもの衣食住のための費用
■幼稚園または保育園から、小中高、大学までの教育費
■健康を維持するための医療費
■子どもが自立した社会人になるまでに必要な費用など

上記の費用は、それぞれ生活レベルによって異なります。その指標となる生活レベルは、養育費を支払う側の生活レベルと同等のものとされるでしょう。もし、離婚しなかった場合の生活と同じレベルでの生活ができる養育費が支払われるべきと考えられるわけです。
養育費の中でも、大きくポイントとなるのは、教育費ではないでしょうか。教育費には、以下の費用も含まれます。

・学習塾の受講料
・家庭教師を雇うための費用
・進学のための予備校の授業料
・受験料
・公立、私立含め学校等の授業料
・教材費
・学校でのクラブ活動費

どの程度の教育レベルの教育かによっても、必要な費用が変わってきます。養育費として請求できるのは、養育費を支払う人の学歴水準と同様の教育を受けるための金額と考えられています。

因みに、養育費は成人になるまで支払うべきとされていますが、大学を卒業するまでは、社会的に独立していないとみなされます。そのため、両親の学歴から大学まで進学することが見込まれる場合、大学卒業までの授業料なども養育費として請求が出来るでしょう。

養育費の相場について

養育費の金額は、親の年収などを踏まえて決定されるため、一律に決まっているわけではありません。そのため、夫婦の話し合いで決めることになるでしょう。しかしながら、基準がないと話がまとまらないこともあるかもしれません。そのため、裁判所が作成した「養育費算定表」が参考にされているようです。

養育費算定表の計算によれば、相手の収入が多いほど、もらえる養育費も多くなっています。もし、相手が過少申告してきたとしても、適正な養育費を得られるよう、相手の収入を把握しておくことが重要になるでしょう。現時点で、相手の給与明細をコピーしておく等、証拠をとって置くことをおすすめします。

養育費、婚姻費用暫定表:裁判所
参照元:養育費算定表(2015年11月時点、著者調べ)

子どもに関する調停:裁判所
参照元:裁判所(2015年11月時点、著者調べ)

地方自治体からもらえるお金は?

ひとり親家庭(シングルマザー)は、手当が支給されるのをご存知でしょうか?

児童扶養手当について

児童扶養手当とは、父母が離婚するなど「ひとり親家庭の児童」のために、地方自治体から支給される手当です。手当は、基本額と所得に応じて支給停止額から決定され、手当ての基本金額は、次のようになります。

■児童1人の場合、 月額41,720円
■児童2人の場合、 月額46,720円
■児童3人の場合、 月額49,720円

※3人目以降、児童が1人増えるごとに月額3,000円加算

<注意>所得額が制限額を超えた場合は児童扶養手当は支給されなくなります。

児童扶養手当:厚生労働省
参照元:厚生労働省(2015年11月時点、著者調べ)

児童育成手当てについて

都道府県単位の制度です。ここに記載している金額は、東京都の手当になります。都内に住所があり、子供(18歳まで)を扶養している方に支給される手当です。(申請した場合のみ)

・支給額は、子供1人につき13,500円(月額)

※お住まいの地域によって金額が異なりますので、市町村の窓口へお問い合わせ下さい。

他には、下記のような制度もあります。

■母子家庭(ひとり親家庭)の医療費助成制度
■母子家庭への減免、割引制度

また、生活が困難な場合は、

■生活保護、生活扶助

などの制度を利用することも可能ですので、各市町村の窓口へお問い合わせ下さい。

児童育成手当:東京都文京区
参照元:文京区(2015年11月時点、著者調べ)

まとめ

ここまで、離婚するにあたり知っておくべき「お金」について見てきましたが、いかがでしたでしょうか?専業主婦が離婚するということは、とてつもないパワーが必要だと判明しました。それと、旦那さんに請求出来る「お金」についても、だいたい目安がついたのではないでしょうか。ぜひ、これを参考に離婚に向けて準備して頂ければと思います。これから先も何かしら壁があるかもしれませんが、それを乗り越えて頑張ってくださいね! ※本記事は一般的な情報に過ぎず、適用法令等の改正、前提事実や個人状況の違いおよび変化によって、掲載内容と実際の結果が異なってしまう可能性があります。従って本記事の掲載内容については一切の責任を負いかねますので、内容の解釈や実践はご自身の責任で行い、専門家に相談されることを推奨いたします。