【独身者が知っておきたい老後資金】一生独身だったらいくら必要?

「おひとりさま」という言葉が出てきて久しいですが、そんな「おひとりさま」の老後にかかるお金、知っていますか?すべてを一人でまかなう必要があるからこそ、一度じっくりと向き合ってみましょう



おひとりさまだからこそ考えたい老後資金の準備

ファミリー世帯よりもお金がかからないように思われがちなおひとりさま世帯。ですが、「夫(妻)に頼る」ことや「子供に頼る」という選択肢がない分、すべてのことをお金で解決していく必要があります。

独身者の場合、ファミリー世帯と違い教育費などの大きい支出はありませんが、その分節約する意識が薄れてしまいがちだそう。将来へしわ寄せが来ないよう、ひとりでも安心して老後を過ごすにはいったい老後にいくら必要なのか?

老後のお金のプランを考えてみましょう。



<おひとりさま>老後にもらえるお金

公的年金はいくらもらえる?平均的な受給額

老後の収入のメインとなるのが公的年金。支給額は加入している年金の種類や年数によって異なります。ではいったいいくらもらえるのか、年金制度の仕組みが複雑であるため正確な金額を計算することは難しいですが、現時点での平均的な受給額を確認してみます。

まず、公的年金は自営業者が加入する「国民年金」と会社員が加入する「厚生年金」に分けられます。厚生年金に加入している人は同時に国民年金にも加入することとなり、二段階で受給することになります。

平成25年度の1人当たりの平均的な毎月の受給額は、国民年金が5.5万円、厚生年金が14.8万円です。公的年金は一生涯にわたりもらえる制度のため安心ですが、これからも少子高齢化がすすむことで年金額は減少傾向になる可能性がありますので、将来的には現水準の2割~3割減は想定しておいた方がいいでしょう。

特に、自営業の人は現水準でも5.5万円と少額です。ですが、会社員と違い定年はありませんので、健康な限り働き続けることが可能なので収入が途絶えることがないようにしたいですね。

厚生労働省「平成25年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」

退職金や企業年金を活用

公的年金だけで老後の生活費を支えるには無理があり、その他の収入として考えられるのが退職金や企業年金です。退職金や企業年金は勤めている会社の制度によって大きく異なりますので、勤務先の制度を確認する必要があります。

1人当たりの平均退職給付額は、厚生労働省の調査結果によると勤続35年年以上の大卒者の場合は2,562万円、高卒者の場合は2,158万円となっています。一方で、勤続20年の場合には大卒者が991万円、高卒者では931万円と勤続年数によって大きく差が出ています。

自社の退職金の制度を確認する際は、まずそもそも退職金制度があるのか、退職金のベースとなる数字は何か(最終給与が一般的)、勤続年数によってどのくらい差が出るのかを確認することをおすすめします。

退職金などは勤続年数や会社の業績によって左右されやすく、長く勤めていたり業績の好調な企業であれば期待できますが、転職などが多く勤務年数が少なかったり業績が不安定な場合にはあまり期待できません。

厚生労働省 「平成25年就労条件総合調査結果の概況」
平成25年就労条件総合調査結果の概況紹介しています。

不労所得や保険商品の活用

活用次第で公的年金の不足分を補えるものとして、投資商品(株・投資信託など)の配当収入・売却収入、不動産の賃貸収入などの働かなくても収入になる不労所得や、個人年金保険などの保険商品があります。

個人年金保険には60歳から年金の受取りを開始できる保険会社もあるので、公的年金が支給されるまでの期間の収入を補うことも可能です。

また、すでに貯蓄がある程度ある人であれば、600万円を年利2%で運用しながら60歳から25年間取り崩すとすると毎月25,000円受け取れることになります。これくらいの金額が年金に上乗せでもらえるとなると少し心強いのではないでしょうか。

個人年金保険や投資商品の活用は、若いうちからコツコツと積み立てて時間がかかりますが「自分年金」を作るのもおススメです。

おひとりさまの老後生活費はどれくらいかかる?

1人暮らし世帯の生活費は毎月いくらかかる?

ライフスタイルとして基本的な生活が送れればいいのか、または余暇なども楽しみゆとりのある生活を送りたいのかで、かかる生活費は異なります。ここでは両方の金額を検討してみます。

60歳以上の1人暮らし高齢者の平均的な基本生活費は、15.3万円。この金額には住宅ローンを考慮していないので、60歳以降も賃貸住宅の場合には賃料を上乗せしてみてください。さらにこの金額は、衣食住のいわゆる「基本生活費」にかかる金額です。例えば、旅行に行ったり趣味や習い事など、ゆとりある老後を過ごしたいと思うなら、「ゆとりある生活」を送るには25万円くらいを考えておくといいかもしれません。

参考までに、夫婦二人の場合には基本的な生活費は毎月25万円、「ゆとりある生活」の場合には35.4万円となるので、1人暮らし世帯のかかる生活費は二人世帯よりも低くなります。

統計局ホームページ/家計調査報告(家計収支編)―平成26年(2014年)平均速報結果の概況―

おひとりさまの老後の生活費

では、85歳まで生きたとして、ざっくりですが老後にかかる生活費はいくらなのか?基本生活コースであれば15.3万円、ゆとりコースであれば25万円として計算すると、基本生活コース15.3万円×12月×25年=4,590万円、ゆとりコース25万円×12月×25年=7,500万円となります。

ゆとりのある老後を送りたい場合、3,000万円程生活費は上乗せすることに。老後生活にどのくらいのお金がかかるかは、個人の価値観やライフスタイルで決まりますので、将来どうしていきたいかを改めて考えてみましょう。



では準備する老後資金はいくら必要?

老後の収入は85歳までなら、国民年金であれば1,320万円、厚生年金であれば3,552万円の収入が見込めます。60歳から85歳までにかかる生活費が基本的な生活であれば4,590万円、ゆとりある生活だと7,500万円なので、その差額を自分で準備する必要があります。

厚生年金に加入していて基本的な生活であれば1,000万円ほどで足りますが、国民年金のみの加入でかつゆとりのある生活を送ろうとする場合、6,000万円を準備することになります。ご自身のライフスタイルをどうしていきたいのかにより準備する資金は異なるため、資金の心配も大事ですが、まずは自分の希望や価値観を知ることが計画の第一歩です。

病気や介護など…突然の支出にも備えて

高齢になると医療費の負担が大きくなる可能性はありますが、70歳以上の場合の医療費の自己負担は基本的に1割となります。また、高額療養費制度を活用することで、入院したとしても最大で4.4万円の負担でありそれ以上の医療費はかかりません。

ただ、通院するときの交通費や差額ベッド代など公的な制度ではカバーしきれないところもあるため、医療保険をうまく活用してみてもいいかもしれません。

また、1人暮らしの場合には配偶者や子供たちに介護を頼ることが難しいたえ、ヘルパーや介護施設への入居が必要な可能性もあります。介護保険制度などの公的制度もありますが、介護施設への入居には一時金として100万円前後、毎月の入居費用も20万円前後かかります。

おひとりさまだからこそ、何かあったときの備えは必要です。

おわりに

独身・既婚に関わらず、老後資金を考えることで人生のビジョンをイメージしやすくなると思います。ここに挙げた金額はあくまで平均的なものです。あなた自身が大事にしたいことや価値観を知り、より具体的な計画を立ててみると、老後への不安も少なくなっていくかもしれません。

そして一生独身でいるということは、お金の管理や準備をすべて一人でまかなうことになります。老後を迎えたとき、こんなはずではなかったとならないためにも、時間を味方につけて無理なくできることから始めてみてはどうでしょうか。

※本記事は一般的な情報に過ぎず、適用法令等の改正、前提事実や個人状況の違いおよび変化によって、掲載内容と実際の結果が異なってしまう可能性があります。 従って本記事の掲載内容については一切の責任を負いかねますので、内容の解釈や実践はご自身の責任で行い、専門家に相談されることを推奨いたします。