【オール電化にかかる費用】オール電化で得する人・損する人

オール電化にするための費用は60~70万が相場だそうですが、リーズナブルな業者であれば50万円以内のところもあるようです。ただオール電化は日中の電気代がとても高くなることはご存知ですか?生活パターンによってはガスとの併用より光熱費がかかってしまうことも。オール電化に向いているのかどうかチェックしてから計画しましょう。



オール電化の初期費用相場

オール電化住宅にするための費用

オール電化住宅にするためにはエコキュートなどの電気給湯システム、IHクッキングヒーターなどの加熱調理器、暖房もすべて電気にする必要があります。工事費用などを合わせると、相場としては機種にもよりますが60万円前後となる場合が多いようです。

ガス給湯器が工事費込みで20万円程度なのに比べ、エコキュートは100万円以上も初期費用がかかり割高だとよく言われますが、比較サイトはエコキュートが定価のような価格で出され少し大げさに書かれているような印象です。実際は100万円以上などということはなく、エコキュートのみの導入であれば30万円程度でできることも多いようです。

ぼったくり業者も多いので注意が必要

しかしながら、訪問販売などで法外な金額を提示してくる業者もあるようですので注意が必要です。安く書かれていても本体価格のみで工事費が別途ということも多いようなので、必ずご家庭に合った工事費込みの価格を信頼できる業者で見積してもらいましょう。

電気配線や水道工事費など、今の設備を利用できる場合もあれば、一から工事しないといけない場合もあるようです。また既存の設備の撤去費などもかかる場合がありますので、相見積で相場を把握するのが安心でしょう。

インターネットの一括見積サイトなどで何社かを比較するのもお勧めです。中には30万円台になったというケースもあるようですので、エコキュートとIHクッキングヒーターの設置+工事費で100万円以上かかる場合は、配管の延長などを考慮しても明らかに高過ぎると考えたほうがいいかもしれません。

オール電化の見積り価格を一括比較! – オール電化一括見積.com
参照元:オール電化一括見積.com(2015年11月:著者調べ)

ベストのオール電化標準取付工事費用(IH+エコキュート)
参照元:ベスト電器(2015年11月:著者調べ)

オール電化の工賃が高くなる原因

エコキュートやIHクッキングヒーターを使うには200Vの電圧にする必要があります。多くの家庭では単相3線式といって、すでに分電盤まで100Vの電線が3本届いており屋内配線工事をするだけで200Vの電圧に変更することができるとのことです。しかし分電盤まで3線が来ていない住宅の場合、分電盤の交換費用や分電盤までの配線工事費用が6~10万円ほどかかることがあるようです。

あとは既存の給湯器の配管を利用せず交換する場合や、追い炊き機能が今までついておらず新しく浴槽に循環口を付ける場合など、各1~5万円程度ずつ追加費用が発生すると思われます。その他にも既存の給湯位置から動かしたい場合や、浴室が2階にあるなど配管が長く必要になる場合は追加費用が発生するようです。

200V電気工事|エネサポートコム|中国電力
参照元:中国電力エネサポートコム(2015年11月:著者調べ)

リースでオール電化

orihocom
オール電化の導入費用は60万円前後が相場のようですが、もしローンを組んで導入しようと思っておられるとしたら、ちょっと待って考えてみましょう。ローンを組んでまでオール電化にするくらいなら、リースという手段はいかがでしょうか。

エコキュートとIHクッキングヒーターだけなら月々5千円程度から可能だとのことです。買取だと、もし故障した場合は保証期間外なら自己負担となりますが、リースだと何といっても無料で修理してもらえるので安心です。またリース期間が終了したら気軽に最新機種に変更できるのも魅力ですね!

月々定額のリース料金 | エネラ(株式会社エネルギア・ライフ&アクセス)
参照元:中国電力グループ㈱エネルギア・ライフ&アクセス(2015年11月:著者調べ)

かんでんeリース|関西電力のグループ会社である かんでんE ハウスがリースをはじめました!
参照元:関西電力グループ会社かんでんE ハウス(2015年11月:著者調べ)



オール電化のランニングコスト

初期費用が100万円以下と聞くとオール電化住宅にするための敷居は思ったより高くは感じられないですが、そもそもオール電化にすると本当に光熱費はお得になるのでしょうか。実はオール電化住宅の電気代は深夜電力が低めに設定されている分、昼間の電力は高めに設定されているのです。

オール電化の電気代

2015年11月:著者作成
(参照元:東京電力電気料金メニュー)

電化上手|東京電力
参照元:東京電力(2015年11月:著者調べ) オール電化の昼間の電気代単価はなんと30円以上(2015年11月現在:東京電力の場合)!午前10時~午後5時までの昼間の電気代は1kwhあたり31.64円で、夏季はなんと38.63円にもなっています!これは2015年11月現在の太陽光発電の全量買取単価以上の額です。

最も電気を使う時間帯である午前7~10時までと、午後5時~11時は25.92円ですが、一般的な従量電灯Aプランと比べると割高です。夫婦共働きで子供も昼間学校などに行っていて誰もいない家庭なら問題なしですが、昼間電気をよく使う場合はオール電化にしてもあまり光熱費が軽減されないことも懸念されます。

ガス併用の場合と比較

オール電化デビューしたばかりのわが家の今夏電気使用量(8月中旬~9月中旬)を例に見てみると、デイタイム夏季(10~17時)1,519.20円、リビングタイム(7~10/17~23時)3,248.43円となっていました。夜間は1,158.05円で合計料金は7,086円となっています。

17時以降のリビングタイムにIHを使って調理することが多いですし、エアコンも17時になったらつけていました。そのため、その時間に一番電気代がかかっています。10~17時は意識してあまり使わないようにしていたつもりですが、それでも夜間のエコキュート沸き出し以上の電気代がかかっているのが分かります。

▼関西電力の場合(2015年10月現在)

・デイタイム夏季:38.89円
・デイタイム他季:35.54円
・リビングタイム:27.32円
・ナイトタイム:13.10円 2015年11月:著者撮影 2015年11月:著者作成 上のグラフは、わが家の2014年光熱費のグラフです。この時は89平米程度の築20年軽量鉄骨造2階建てのテラスハウス(断熱性能はあまりなさそう)に住んでいました。専業主婦と幼児1人、小学生1人、夫の4人家族です。都市ガスで、夏場は浴槽にお湯をためるのは週2回程度、冬は毎日です。

9月分の電気+ガス料金を合わせた額は10,887円となっているので、単純に考えると従量電灯A契約時よりオール電化にして3千円以上光熱費が少なくなったことになります。10月分も10,467円→8,822円となっています。ちなみに家は引っ越しましたが、冷蔵庫やエアコンなどの家電の機種はそのままです。

ただ、以前より断熱性の高い住宅になっていることと、照明がすべてLEDになっているのでフェアではないかもしれません。既存住宅をオール電化にした場合はまた違った結果になるのかもしれないとは懸念されます。個人的には、予想より光熱費はかかりそうだな、というのが正直な感想ではあります。

最も光熱費のかかる真冬をまだ経験していないため、年間を通しての光熱費が分かりましたらまた追加でアップしたいと思います。

地域によって電気代に大きな差

東北や北海道などの地域では、真冬は電気代が3万円以上になるお宅もあるようです。それでも灯油を買いに行く手間や灯油の減りの速さに比べればマシという意見もよく聞かれます。

わが家の場合は全国で最も電気代が安いと言われる北陸に数年住んでいましたが、ガス代はものすごく高かったです。給湯と調理のみしか使わないにもかかわらず、真冬のガス代が2万円近くまでになることもありました。電気は1万円弱くらいだったので、合計3万円くらいですね。

全国的にはオール電化とガス併用、どちらがお得なのか分からないですが、北陸などの、ガス代が高く電気代が安い地域ではオール電化にしたほうが光熱費が明らかに抑えられると思われます。私が住む関西は2015年10月より電気代が大幅に値上がりしたため最高単価は全国1位になるといわれています。先が怖いですね…

「日本全国の電気代ランキング2015年夏版」のインフォグラフを発表!
参照元:エネチェンジ株式会社(2015年11月:著者調べ)

オール電化で得する人・損する人

オール電化に向いていない家

オール電化にして最もお得になるのは給湯費用です。お得な深夜電力でお湯を沸かすのですが、日中にお湯を使い過ぎるとタンクの湯量が減り追加で沸き増ししなくてはなりません。そうなると日中の高い電気代でお湯を沸かすことになりますので、朝にお風呂に入ることが多い家庭や、昼間お湯をたくさん使う家庭はオール電化の恩恵をあまり受けられない可能性があります。

窓や開口部が多い家は、電気の暖だけでは家全体が暖まらない例が多く電気代が跳ね上がる場合があります。あとは小さな子供やお年寄りが家にいたり、ペットを飼っていたりしてエアコンや床暖房を日中ずっと使っている家庭なども、オール電化にすると日中の電気代が高くなると懸念されるので注意が必要です。

オール電化向きの家

オール電化プランでは日中の電気代が高く設定されていますので、共働きなどで日中家に誰もいないため電気を使用しない家庭ならオール電化に向いていると思われます。深夜の電気代は高くなっているとはいえ、まだ一般的な従量電灯Aの料金単価と比較するとかなり安く設定されています。共働きで家事を夜にまとめてすることが多いというお宅であれば、オール電化の料金プランは理想的であるといえるでしょう。

あとは太陽光発電システムで余剰買取契約をされているお宅は、昼間の高い電気を買わずに自宅で消費できるのでオール電化住宅に向いているのではないかと思われます。またガス代が高く電気代が安い北陸などで、給湯と調理に使っているだけなのにもかかわらずガス代がかなり高く、電気代はさほど高くないという場合もオール電化向きの家庭といえるでしょう。



オール電化の維持管理費用と今後

オール電化のメンテナンス

オール電化の維持費用は、エコキュートとIHクッキングヒーターのメンテナンスにかかってくると思われますが、耐用年数はどちらも10~15年という情報が多く、実際のところは歴史が浅いためまだ情報が少ないのではないかと思われます。壊れない限りは特にメンテナンス費用は発生しないようです。

場合によっては有料でメンテナンスをすることもできるようですが、実際は調子が悪くならない限り積極的に費用を出してまでメンテナンスをする家庭は少ないようです。年に数回、エコキュートの古い水を出す作業をするのも自分で簡単にできるようです。しかし、交換となった場合はガスや灯油のボイラーと比べると割高となるようなので約15年ごとに数十万の費用がかかる想定はしておくべきかもしれません。

建売住宅などは、今後電気代が上昇するのでオール電化は勧めていないと言われていました。エネファームでW発電というところが多かったです。わが家は電気代が上がるならガス代も上がるだろうと安易に考えて、太陽光発電システムも導入したのでオール電化に決めてしまいましたが吉と出るか凶と出るかまたご報告したいと思います。 IHクッキングヒーターも、火を使わない分よほど乱暴な使い方をしない限り壊れることは少ないと見られているようで、20年以上修理不要ということもじゅうぶん考えられるようです。IHクッキングヒーターについては、確かにお手入れはガスレンジに比べると比較にならないほど楽でいいと個人的には思っています。

空焚きを何分間か継続すると自動で切れるらしいので火に比べ火災の発生リスクも少ないようです。調理においての違和感もさほどなく、火力が弱いと感じることも特にありません。ガスの場合はお鍋を焦がしてしまうことも多かったのですが、そういったこともないのでお鍋の耐用年数はガス以上かと思われます。

電力自由化で今後どうなる?

オール電化を検討するうえでは導入コストも大事ですが、ランニングコストが最も重要だと言えるでしょう。深夜電力もここ数年で大きく値上がりしましたが、2016年の電力自由化によってもっとお得なプランが選べるようになる可能性もあります。

これまでは独壇場だった電力会社にも価格競争が生まれ、オール電化でも昼間の電気をお得に使えるプランが出てくることは大いに期待できます。スマートメーターの導入によって、時間帯ごとの細かい消費量も把握しやすくなるため、各家庭に合わせたおススメプランなどの提案もしてもらえるのではないでしょうか。

一時に比べ恩恵が少なくなったとか逆に光熱費がかかるようになったとか言われるオール電化ですが、電力自由化によってコストダウンしていくことに期待したいですね!

オール電化の費用まとめ

・オール電化システム導入費用の相場は60万円前後とガスに比べ高い
・導入のための適正価格を把握するには相見積は必須なので、1社の見積で決めないほうが良い
・エコキュートとIHクッキングヒーター導入で工事費込み100万円以上になると高過ぎる
・オール電化のためにローンを組むくらいなら、月々5,000円程からのリースという方法もある
・オール電化の電気料金プランは昼間が高く設定されている
・昼間家にいない家庭や、太陽光発電の余剰買取契約をしている家庭ならお得
・ガス代が高く電気代が安い家庭はオール電化にしたほうがお得
・朝風呂派の家庭や、昼間お湯や電気をよく使う家庭は光熱費がガス併用時以上になることも
・窓や開口部が多い家も空調費が高くなるためオール電化向きではない場合もある
・維持費用は15年程度で数十万を想定しておいたほうが賢明である
・電力自由化でお得な料金プランが選べるようになることは期待できる

オール電化で損しないためには、導入前に過去の光熱費の傾向をつかみ生活パターンと合わせてシミュレーションしてみることが大切です。もしオール電化にしてもさほど光熱費が変わらないのであれば、高い費用を支払ってまで導入する意味がなくなってしまいます。

空気はクリーンになり、火災の心配もガス程はないとはいえやはりランニングコストは大きな問題です。初期費用も含め、導入の価値があるのかはご家庭によって本当に違ってくるようです。生活に大きな変化を与えることですので、後悔のないように慎重に検討しましょう。
※本記事は一般的な情報に過ぎず、適用法令等の改正、前提事実や個人状況の違いおよび変化によって、掲載内容と実際の結果が異なってしまう可能性があります。従って本記事の掲載内容については一切の責任を負いかねますので、内容の解釈や実践はご自身の責任で行い、専門家に相談されることを推奨いたします。