【配偶者控除と配偶者特別控除】どの年収の壁に設定すべきか?

よく聞く配偶者控除ですが、年収100万、103万、130万、141万と色々壁があります。最近は106万の壁まで!そのたくさんある壁について説明します。どの壁がご自身に合っているのか?パートの年収をどれだけに抑えた方が良いか?それとももう少し働いた方が家計のためになるのか、一緒に考えていきましょう。



「配偶者控除」と「配偶者特別控除」

そもそも「配偶者控除」とは(年収103万)

まずは一番よく聞く配偶者控除とは旦那さんの扶養に入ることができる控除です。これは年末調整で関係してくる事ですが、所得税の面で優遇が受けることができるでしょう。

年末調整では所得税の計算をします。それでは住民税は?と思うかも知れません。住民税は所得税を計算した後に翌年住民税が計算されます。これは年末調整や確定申告で申告した年収額となりますが、さて住民税の控除ことは後で述べるとしまして、まずは所得税の配偶者控除について説明します。所得税の配偶者控除は年収103万未満だと旦那さんの控除になるでしょう。

年収と所得という言葉を聞いた事があるとは思いますが、所得が38万円未満だと配偶者控除になるということです。配偶者控除、扶養控除、基礎控除とも38万円です。

・給料収入(103万円)-所得控除額(65万円)=所得額(38万円)という事になるでしょう。

No.1191 配偶者控除|所得税|国税庁
参照元:国税庁(平成27年10月 著者調べ)

「配偶者特別控除」との違い(年収103万~141万)

さて配偶者控除と配偶者特別控除の違いは何でしょうか?配偶者特別控除とは年収の場合、103万円を超え141万円未満の場合に段階的に控除してもらえる制度です。

◆【年収】:【控除額】
・103万~105万未満:38万円
・105万~110万未満:36万円
・110万~115万未満:31万円
・115万~120万未満:26万円
・120万~125万未満:21万円
・125万~130万未満:16万円
・130万~135万未満:11万円
・135万~140万未満:6万円
・140万~141万未満:3万円
・141万~:0万円

No.1191 配偶者控除|所得税|国税庁
参照元:国税庁(平成27年10月 著者調べ)



色々な配偶者控除

住民税の配偶者控除(年収100万)

所得税は、給料収入(103万円)-所得控除額(65万円)=所得額(38万円)でした。所得が38万円ならば扶養に入るということになるでしょう。

さて住民税での所得はいくらまでならば所得に入るのでしょうか?
住民税は所得が33万円です。これを年収100万円で計算すると
・給料年収(100万)-所得控除額(65万円)=所得額(35万円)
所得が33万円なら・・・
・給料年収(98万)-所得控除額(65万円)=所得額(33万円)
年収98万未満なら住民税が抑えられるということになるのですが、住民税の壁は年収100万円なのでしょうか?これは住民税の非課税範囲(所得割)が100万円と決まっているからなのです。ですので年収100万円までならば住民税はかからないということになるでしょう。

横浜市 よこはま市税のページ(Q5 パート収入と税金は…)
参照元:横浜市財政局主税部(平成27年10月 著者調べ)

新しくできる社会保険の壁!?(年収106万)

2016年の10月より年収130万円から年収106万円に引き下げられます。
これは該当する会社だけと限定されます。その限定条件は下記のとおりです。
①週20時間以上の労働
②勤務時間が1年以上
③従業員が501人以上
④そして年収が106万円(月収8万8千円)
この際、旦那さんの扶養から外れてご自身の会社の保険に入る事になるでしょう。

社会保障審議会医療保険部会資料P.42~52
参照元:全国健康保険協会(平成27年10月 著者調べ)

旦那さんの会社の扶養手当(会社の規定)

旦那さんの会社によって違いますので会社の規定を調べてもらう必要がありますが、103万円未満か?130万円未満か?そして年間いくら扶養手当があるのか?それとももともと扶養手当がないのか?旦那さんの扶養に入るか抜けるかの判定基準になるかと思います。

さて、いくらの壁がご自身に合っているのでしょうか?

そもそも税金がどれだけ抑えられるのか?

ここで旦那さんの年収500万円で考えてみます。
【所得税の計算】
扶養などあるので一概には言えませんが年収500万円だと税率が10%の場合が多いです。
配偶者控除が38万円なので
・配偶者控除38万円×10%=38,000円の税金が抑えられるという事です。
38,000円だけの税金を考えて扶養のままか?それとも年収103万までと考えずに130万円までにすると社会保険の扶養は入る事ができ給料は27万円多くなります。

No.2260 所得税の税率|所得税|国税庁
参照元:国税庁(平成27年10月 著者調べ) 【住民税の計算】
・年収(130万円)-所得控除(65万円)=所得(65万円)になります。
保険料控除など他の控除もありますのでこれを引いて10%掛けたのが住民税になります。
ただ均等割が市役所によって違いますが6,000円程度ありますのでこれも含めないといけません。
保険料控除が5万円あったとしましたら、
・所得(65万円)-基礎控除(33万円)-保険料控除額(5万円)=27万円
所得控除後27万円に住民税が10%の税率ですので
・27万円×税率(10%)=27000円
・27,000円+均等割(6,000円)=33,000円の住民税がかかると予想されます。

横浜市 よこはま市税のページ(平成27年度市民税・県民税の計算(例))
参照元:横浜市財政局主税部(平成27年10月 著者調べ) 103万円から130万円にする事によって、27万円給料が増え旦那の税金は3万8千円、住民税が3万3千円増えます。結果、概算20万円家計が潤うということです。(103万円の給料なら均等割程度の住民税の納付が必要です。)

そして問題は、旦那さんの毎月扶養手当がいくらか?が問題です。扶養手当が支給されるのが奥さんの年収103万円までなら年間いくら扶養手当があるのか計算してどちらが得か考えられた方がよいと思います。

そして年収130万円以上働こうと思えば、現在ご自身でかける国民健康保険料や国民年金が30万円程度はかかります。扶養から外れる場合は年収160万円以上働かなければ保険料が賄えません。しかし2016年からの改正の年収106万円以上の場合に該当する場合は、健康保険や厚生年金の額の納付額が同じだとしても将来の厚生年金の受給額は違ってきます。厚生年金は企業側との折半になりますので長く働こうと思っている方は働く時間の余裕がありましたら年収160万以上もいいと思います。



まとめ:配偶者控除と配偶者特別控除

●年収100万~103万円: 
住民税の均等割がかかりますが、生命保険控除などがあれば103万でも税金が抑えられる場合もあります。
●年収103万~106万円: 
2016年の保険加入に該当するかどうか?
●年収103万~130万円:  
扶養にするかしないかで旦那さんの税金がいくら抑えられるか?住民税がいくらかかるのか?扶養手当はどうなのか?を確認して下さい。
●年収130万~:      
社会保険、所得税、住民税とも全部扶養から外れますので働くなら最低でも160万以上働ける環境かどうかを確認して下さい。

配偶者控除と配偶者特別控除を知ることにより、どれだけの時間まで働けるのか、旦那さんの扶養手当はいくらなのかなどを確認してご自身がどの壁に合うのか、検討する材料にしてみてはいかがでしょうか。
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