【任意整理にかかる費用】何にいくらかかる?詳細を解説

借金問題で頭が一杯て仕事すら手につかいないあなたへ。契約書を一度見てみましょう。そしてその日付や年率を確認しましょう。任意整理で借金の悩みが解決するだけではなくもしかして払い過ぎた利息があるかもしれません。今回ご紹介しますのは任意整理をする費用の他にさまざまな事柄をご紹介します。



任意整理

任意整理とは

借金を整理する方法のひとつで。裁判所を通さずに行う意味で私的整理とも呼ばれています。

借主本人が貸主と話し合いによる交渉で現在抱えている借金をどうするかの処理を決めることをいいます。任意整理の目的は借主の借金額の減額や毎月の支払額を今より安く抑えるという経済的再生があげられます。

また借主が法人の場合は個人のような経済的再生を目的とはせずに、会社法人の清算をすることが最大の目的となります。

借主が、個人や法人においても任意整理はいわゆる倒産手続とは違い、裁判所を通さない私的なものですので借主(以下、個人と法人の両方を含む)と貸主との間での合意した上で借金を整理するものです。

借主本が直接、金融業者(以下、消費者金融業者、クレジットローン会社、銀行を含む)に任意整理をしようと頑張ってみても金融業者が個人を相手に交渉することは少ないと考えられますので、一般的には弁護士や司法書士に依頼することになることと思われます。

平成19年6月13日に出資の受入れ、預り金及び金利等の取締りに関する法律、簡単にいうところの出資法改正により出資法に定められた上限が引き下げられたことにより、それ以前の借金の契約をしている方は約定利息(契約した時の利息の意味)を利息制限法に引きなおし再計算することで借金額を減額できたり、残った借金をまた36回から60回の分割払いで和解することによって借金を整理することが多いと推測できます。

出資の受入れ、預り金及び金利等の取締りに関する法律
参照元:法務省(2015年11月、著者調べ)

任意整理の仕方

前述しました通り、借主本人では貸主側がなかなか交渉してくれない場合が多いようですので今回は弁護士や司法書士に依頼した場合をご紹介します。

■借金の時効を確認する
任意整理の手続きを依頼する前に時効の確認をしましょう。今も借り入れを継続している方は時効の成立がありませんが、何年も前に借金を完済している場合は貸金業者がある方は必ず確認しておくことをお勧めします。これは民法第167条に定められてあります。

時効によって、借金の返済義務がなければ任意整理をする必要がありませんの必ず確認することをお考えください。そうすれば弁護士や司法書士(以下弁護士等という)の事務所に出かける必要はありません。

ではここで簡単に時効についてご説明します。なお、ここで紹介する金融業者は法人であることを前提としておりますのでご了承をお願いします。

・借金が残っていて支払わない期間が5年以上経っている場合は時効である可能性が高いといえます。

ただし諸条件がありますので弁護士等に相談するのが望ましいでしょう。

・借金を完済してしまっている場合は10年が時効となります。

この場合は任意整理の権利を失いますので意味がありません。この10年の意味は後でご紹介する過払い金請求に関係します。

■現在の借金額と収入について説明する
弁護士等が必要な情報として以下が必要になります。

・借金している会社名、残額、契約日、毎月の支払額、とできれば直近の領収証数カ月分。
・毎月の収入
・毎月必要な固定費(生活費、車のローン、水道光熱費、家賃、携帯代などの経費)
・返戻金特約のある生命保険に加入しているかどうか
・連絡先電話番号

弁護士等はこれらを計算し、毎月どのくらいなら無理なく返済できるのかどうかを判断します。

■費用について説明を受ける
任意整理についての費用は定価というものはありませんので、弁護士等事務所によって異なると思われますが、基本的な例を書きます。

・相談料5,000円/30分

相談は30分ごとにかかりますので最低1時間はかかると思ってもいいでしょう。

・着手金2万円x貸主の数

貸主が5社の場合は10万円となります。

・報酬額20万円から40万円

これらを合計しますと31万円から51万円くらいは見込んでおいていいかと思われますので、相談に行ったときに費用がいくらかかるのかや、支払い方法を確認しておくことをお勧めします。

■受任契約を結ぶ
借主が弁護士等に正式に任意整理を依頼し、弁護士等が確かに依頼を受けましたという内容の書面です。

■借金の支払いを止める
この受任契約を結んだ時点で全ての借金の支払いをストップして構いません。もし、貸主から電話などで請求がきたら任意整理中であることを告げれば金融業者はそれ以上何もいわないと思われます。

■手続き終了
弁護士等の事務所を出た時おそらく安堵感が出てくるでしょう。しばらくは借金の支払いのことを考える必要もなければ支払いに困ることもないと考えられます。

後の処理は弁護士等が貸主への書類のやり取りをするだけです。借主は何もする必要はありません。貸主の数にも寄りますが、すべての合意文書ができあがるまでに半年から1年くらいはかかると思ってもいいようです。もし借主の情報が足りなければ弁護士等から打ち合わせの電話連絡が入ることが予想されます。全ての処理が済むとその旨の電話連絡が入ります。

■合意文書の確認
数カ月後、再度弁護士等の事務所へ出かけ、でき上った合意文書に署名、押印します。

■返済の開始
合意文書に記載されている内容に従って貸主へ支払いを開始します。この支払い額も決して借主の負担にならないように計算されていますので今までよりは返済が楽になることが期待できます。

以上の手続きで任意整理は終了となります。

民法
参照元:法務省(2015年11月、著者調べ)



任意整理の費用:過払い返還請求

利息制限法

任意整理の目的はほとんどが過払い金返還請求と思ってもいいと考えられます。過払い金とは何だろう、と思われる方も多いと推測されますので事前の知識として利息制限法から簡単にご説明します。

お金を借りることを目的とした金銭消費貸借契約(借用書)の利息の契約は、利息制限法の第一条にその利息が次の利率(年率)により計算した金額を超えるときは、その超過部分につき無効となることが定められております。つまりそれ以上の契約は違反ですよ、ということです。

・借入額が100,000円未満の場合 年2割(20%)
・借入額が100,000円以上1,000,000円未満の場合 年1割8分(18%)
・借入額1,000,000円以上の場合 年1割5分(15%)

そもそもこのように決まっているのです。

利息制限法
参照元:法務省(2015年11月、著者調べ)

出資法

お金に関する法律は出資法にも記載されています。正式には、出資の受入れ、預り金及び金利等の取締りに関する法律という長い名称になっていますが、ここでは簡単に出資法ということにします。

出資法の第5条の3に、お金の貸し借りにおいては年率で20%を超えたら罰則がある旨の記載がありますのでそれ以上の契約には罰則があることになります。

出資の受入れ、預り金及び金利等の取締りに関する法律
参照元:法務省(2015年11月、著者調べ)

過払い状態とは

以上のようにお金の貸し借りには2つの法律がありますが、利息制限法は変更されたことはないのですが、出資法に関しては過去6回見直しがされています。以下になります(年率で書いてあります)。

・1954年/109.5%
・1983年11月1日/73%
・1986年11月1日/54.75%
・1991年11月1日/40.004%
・2000年6月1日/29.2%
・2010年6月18日/20%

という具合に近年になってから急激に上限金利が引き下げらるようになりました。金融業者の殆どがこの出資法に則って経営をしていたと考えられますので、利息制限法の年率とはかなりの差があったわけです。

では何故多くの金融業者は出資法の利率で営業していたのでしょう。その理由は、利息制限法により定められている上限金利を超える利息はダメですよということは承知していたと思われますが、出資法で利息を計算しても罰則の対象になっていないからというこが考えられます。ですから例え違反しても処罰の対象にはならなかったため守られることがなかったと推測できるのです。

この2つの金利差のことを世間ではグレーゾーン金利といいます。

よって2010年6月18日よりも前に契約をした方は金利差がありますので、利息を払い過ぎている可能性があることになります。このことを過払状態になっているということになります。ということはこの期間が長ければ長いほど多く支払い過ぎているわけですから、利息制限法通りに計算しなおすと借金の額が少なくなっているか、または既に完済状態になっている可能性があることが考えられます。

完済状態になったにも関わらず、その後も支払いを続けていますとその分を取り戻すことができるのです。これを過払い金返済請求といいます。

過払い請求の仕方

過払い金返還請求も個人で出来ないこともありませんが、金融業者があまり熱心に協力してくれないことが考えられますのでやはり弁護士等に依頼するのが効率がいいと思われます。ここで問題になるのが、時効の問題です。

過払い金返還請求の時効は借金を支払い終えて10年となっていますので過払い金が発生していると思われるときはいつ完済したかを確認する必要があります。確認する方法として、その完済した時に金融業者から戻される借用書や、支払った時の領収証があるといいのですが、手元にない場合金融業者に問い合わせるのがいいかと思われます。この場合も個人の問い合わせにあれこれ注文を付けてくることが考えられますので、やはり弁護士等に相談することをお勧めします。

では過払い金返還請求の流れを以下にご説明します。

■弁護士等の事務所に行って相談

必要な書類としては任意整理とあまり変わりはないのですが、目的が過払い金返還ですから必要な情報は以下になります。

・借りた会社の名
・契約書
・直近の領収証
・自分の口座番号
・認め印
・連絡先電話番号

これだけあれば他に必要なものはありません。契約書や、領収証が無くても大丈夫のようです。おおよそで構いませんので、いつ頃、どこから、いくら借りたか、現在の残高はいくらか毎月の返済額さえ分かれば後の処理は弁護士等が行います。おそらく簡単にざっと計算してこのくらい返ってくる可能性がありますね、と教えられると思われます。

■受任契約を結ぶ

弁護士等が金融業者から借主の返済状況を調べるためには、受任契約を結び弁護士等が借主の代理人となる必要があります。

■費用についての説明

契約が古く、利用している期間が長いほど過払い金が多く発生しますので、おおよその金額が分かり、その額が多いと判断させますと相談料や着手金、報酬は金融業者から戻ってくるお金から差し引くことが期待されます。

費用的には総額で20万円から30万円かかるとおもわれますので、過払い金が50万円くらいになると予想される場合は差し引き分が自分に戻ることが多いようです。

■借主はここで帰ることになります

これで借主は借金の支払いを止めても構いません。もし電話かかってきたら弁護士の名前を告げて手続き中の旨を伝えればいいと思われます。

■弁護士等が金融業者へ取引明細を請求

金融業者へ今までの支払い状況の一覧表(取引明細)を請求し、取り寄せた時引き明細書を元に利息制限法の利率で再計算をして返還額を確定します。その金額を金融業者へ請求するのです。

■返還額の説明を受けます

各金融業者から返還された過払い金は一旦弁護士等の口座へ振り込まれますが、ここまでの期間は半年くらいはかかると考えられます。借主は依頼してから半年くらいは待たなければなりません。すべてのお金が振り込まれると呼び出しの電話連絡を受けることになります。

そして、ひと通りの説明を受けますと弁護士等の費用を差し引かれた分が自分の口座へ入金されると思われますので、費用の心配はしなくても良いと推測されます。

任意整理の費用:諸問題

メリット

過払い金請求のメリットとしては以下が考えられます。

・お金が戻ってくる、または借金が減額される
・過払い金を請求する金融業者を選べる
・官報に載らない
・信用情報に傷がつかない(借金が残らない場合)

などがあげられます。よく、過払い金を請求すると信用情報に傷がつくのではないかとしんぱいされる方も多いと思われますが、事故情報には過払い金の請求(借金が残らない場合)が含まれていませんので心配は不要かと思われます。もし不安でしたら日本貸金業協会に聞いてみることをお勧めします。

一般のみなさまへ
参照元:日本貸金業協会(2015年11月、著者調べ)

デメリット

過払い金請求でのデメリットは多くはありません。以下が考えられます。

・過払い金を請求した業者からは借入が難しい(提携会社を含む)
・再計算後、借金が残ったら返済しなければならない
・借金が残った場合は事故情報として信用機関に登録される

当たり前のような気がしますが、このくらいしかないと思われます。



最後に寄せて

いかがでしたでしょうか。

任意整理は借主個人ではちょっと敷居が高いかもしれませんので、弁護士等に相談することをお勧めします。また、信用情報に載ってしまうことが明らか(借金が残ってしまう)な業者へは話し合いでの和解がいいのではないかと思われます。

※本記事は一般的な情報に過ぎず、適用法令等の改正、前提事実や個人状況の違いおよび変化によって、掲載内容と実際の結果が異なってしまう可能性があります。従って本記事の掲載内容については一切の責任を負いかねますので、内容の解釈や実践はご自身の責任で行い、専門家に相談されることを推奨いたします。