<借金の踏み倒し>は本当にできる?合法的な方法を教えます

借金の踏み倒しと聞くとなにやら悪いイメージが湧いてでそうですが、運が良ければそんなことが合法的に可能な場合だってあるのです。借りたお金はかなくちゃいけないのは当たり前の話ですね。でもどうしても返せないときどうしますか?どこかで借りて返すなんで無茶ですよ。そういう時は法律知識を生かすのが得策です。お教えしましょう。



借金の踏み倒し

借金を踏み倒すということ

友人や知人から数千円お借金をした場合ならいろいろ理由をつけて返さないことや、飲み屋のツケをそのままのして、引っ越しをして行方をくらまして飲み代を払わないくらいなら、借金を踏み倒すこともできるかも知れません。また、お金を貸した友人も数千円くらいなら諦めてくれるかもしれないし、飲み屋にしてもツケをため放題で引っ越ししてしまったら、金額によっては「仕方ない」で終わらせてくれるかもしれません。

しかしその代償として、友人や知人を失うことが考えられますしツケを溜めた飲み屋に顔は出せなくなるのは当然としてその店の近辺に近づくこともできなくなるでしょう。もしかなり遠くへ、違う市や県に引っ越すのでなければどこかでばったり出会うことも考えられます。

友人や飲み屋から逃げ、一歩も街を歩けない状態なんて割りに合わないのではないでしょうか。そんな個人からの借金などたかが知れているでしょう。そのくらいなら直談判して分割でもいいから返すのが当たり前というものかもしれません。

「それでも構わない」と考えるのでしたら、それこそ借金を踏み倒すことになると考えられますが、そんな少額ではなく金融業者(以後、消費者金融、カードローン会社、銀行を含む)からの借金はもっと多額ですから、催促の電話や督促状がくるほど支払いに困窮して延滞金を含めると話は違ってくるでしょう。膨大な金額になれば、ちょっと引っ越したくらいでは相手もプロですからどこまでも追いかけてくると推測されます。

金融業者からの借金を踏み倒すことはまずできないと思ってもいいかもしれません。しかし、業者だって人間ですからミスを犯してしまうことも考えられます。そのミスが業者にとって致命的なミスであれば合法的に借金を踏み倒すこともできる可能性があると思われます。

借金の時効

借金を踏み倒す前にそもそも借金には時効があることをご説明します。以下に例をあげますので参考までにしてください。

・個人(金融業者も含め)からの借金:10年
・法人の金融業者からの借金:5年
・いわゆる慰謝料の時効:は3年
・何か品物をツケで買った場合:2年
・飲み屋(飲食店)のツケ:1年

これらは主な例となりますので、詳細は「民法第166条から第174条の2」に規定があります。

ということは、先ほどの友人、知人からお金を借りた場合の時効は10年で飲み屋のツケは1年で時効になるといえるでしょう。飲み屋の店主も1年で時効ですから、そのうち払ってくれるだろうと呑気にしておれないことになりますね。

民法
参照元:法務省(2015年11月、著者調べ)



借金の踏み倒し:時効の利用

時効の援用とは

借金の時効を成立させるにはただ時間を待てば良いというわけではありません。刑事事件となりますと犯人が逃亡してある一定の期間内に逮捕できませんと自動的に時効になってしまうのですが借金の場合には時効になったことを貸主に知らせることが必要になります。これを消滅時効の援用といいます。

もし金融業者が何らかの理由で借主に何も請求しないでただ見逃してしまうという重大なミスがあれば法的に借金を踏み倒すことが可能になるのです。借金の額は大小は関係なく例え1,000万円の借金でも借主は支払う義務がなくなってしまいます。

金融業者の請求から逃れる方法はあるのでしょうか。先ほどの刑事事件の犯人なら逃亡さえしていれば時効になりますが、借金から逃げるには「夜逃げ」になるでしょうか。住民票を移動すると、引っ越した先が分かってしまいますので住民票をそのままにして引っ越ししてしまうのでしょうか。

しかし、それはちょっと無理がありそうです。住民票をそのまま引っ越しても、移動先で仕事を見つけた際に、会社から免許証や住民票の提出を求められたりしたら困ることになりそうです。どうして住民票を移動しないのか?聞かれることでしょう。子供がいれば学校の手続きもできません。

ですから金融業者からの借金で時効を迎えるには、余程のミスがなければまずありえないことであると考えられます。あるとすれば会社の統廃合、担当者の変更、パソコンへの入力ミスなどが考えられます。社保庁でも一時問題になった消えた年金、ですね。あれと同じことが起きないとはいえないでしょう。

時効のカウント

運よく金融業者から何の連絡も請求もなかった場合、時効の開始はいつが起点になるのでしょうか。民法第166条に規定がありますが、以下に法人の金融業者から借りた借金の時効の起点を上げます。

・金銭消費貸借契約書(借用書)に返済期日が決まっているものは返済期日から数えます
・金銭消費貸借契約書(借用書)に返済期日が決まっていないものは契約を交わした日から数えます
・もし1回でも支払いをした場合は次回の返済日の翌日から数えます

また、借金の利息や延滞金は起算日がことなり以下の通りになります。

・利息は契約日の翌日から数えます
・延滞金は支払期日の翌日から数えます

援用するための条件

時効の援用をするためには金融業者に時効になったので支払いしません、といっても法的には通りません。なぜなら日付を証明できないからです。それどころか金融業者の担当者がミスしたことに気が付いて法的な手段を取ってくることが考えられ結果的に墓穴を掘ってしまうことになると容易に推測されます。

よって通常は、内容証明郵便で文書を送るのがいいと思われます。この方法ですと文書の内容も郵送した日付もはっきりしますので、後で裁判になった時の重要な証拠となるのです。

■内容証明郵便の出し方

・差出郵便局

内容証明を扱っている郵便局は集配している郵便局か郵便会社が指定した郵便局だけです。簡易郵便局をはじめとしてすべての郵便局で郵送することができませんので出し前に郵便局に確認することをお勧めします。

・差出すのに必要なもの

1,内容文書
2,上記の謄本2通
3,差出人及び受取人の住所氏名を記入した封筒
4,内容証明の料金+郵便料金

また、内容文書に使用できない文字がある場合は、削除しなければなりませんの印鑑を持っていくといいでしょう。内容文書や謄本ともに用紙の大きさや何で書いたかは関係ありませんので、市販されている内容証明用紙以外の用紙でもコピーでも構わないようです。ただし、内容文書には文字数や行数の決まりかありますので、郵便局に確認することをお勧めします。

■料金について

内容証明郵便は書留での郵送になりますので、書留料金+430円が必要になります。この430円は文書が1通の場合となり2枚目からは+260円づつの加算になります。

内容証明 ご利用の条件等
参照元:日本郵便(2015年11月、著者調べ)

時効がストップ?

金融業者の担当者がある日突然思い出して手続きを取ってしまうと、今までカウントされていた時効の時間が中断したりリセットされてしまう場合があります。

■金融業者が訴訟を起こした

金融業者が裁判所へ少額訴訟(とは限りませんが)を起こし支払督促をしてきた場合は今までの時効日数はオールクリア、つまりリセットされてしまいます。借主へ文書が届いてリセットされるのではなく、金融業者が裁判所へ申立てた日で以ってリセットされてしまいます。

ですから、借主が住所を変えたりして裁判所からの郵便が届かなくても関係はありません。夜逃げしても無駄ですといった最大の理由です。

■金融業者から督促状が送られてきた

借主が支払いを怠ると、まず電話によって貸金業者から催促されます。その後金融業者は4,5日様子を見ますが、それでも入金の確認ができないと内容証明郵便によって催告書が送られてきます。そうすると6カ月間時効が延長されます。金融業者が時効が迫っていると。まずこの方法で時効の期間を延長し、その間に裁判所へ訴訟を起こすことが常套手段となっているようです。

■金融業者が債務名義を取得する

債務名義とは、貸主が公証人役場に申請し借主に借金の存在を公に証明してもらった書類のことをいいます。この債務名義を取られると、最悪強制執行により差し押さえされることがあります。債務名義を取られると時効はその時点でリセットされ、時効のカウントはその日より始まり10年間は時効になることはありません。

金融業者はその10年の間に民事執行法第22条に規定されている各文書を裁判所から受け取ります。主な例を上げますと以下の種類になります。

・確定判決
・仮執行付判決
・抗告
・仮執行付支払督促
・訴訟費用を定める裁判所書記官の処分
・執行証書

これらが認められますといつ借主の財産及び預貯金、給料などの差し押さえがされるかが非常に不安を誘うようになってしまいます。

またその他に金融業者が上手に借主をそそのかして借金の存在を確認させる手法も多く見られると思われます。この方法は違法とまではいえませんが借主は十分に気を付けなければならないことと考えられます。いづれも借金があることを承認させることができるもので、時効はリセットされてしまいます。以下に例をあげます。

・文書の内容をあまり見せずに署名、押印させる

この文書は借主に借金があることを書いた文書なのですが、あまりその内容を見せることなく「これからは利息なしでいいのでここに名前とハンコ押してくれるかな」とか甘い言葉で誘って署名、押印をさせるのです。

・1円でもいいと支払いをお願いする

この場合も金融業者の担当者が借主宅を訪問し「もう利息はいらないから1円でもいいから入金して」と頼み込み、借主も1円でもいいならと思い支払いをしてしまうと領収証が発行されますのでその時点で時効はリセットされてしまいます。

・電話での督促

ある日突然金融業者から借金の督促の電話がかかってきます。その時に「もうちょっと待って」とか「月末なら払える」といってしまうとそれで借金があることを認めてしまう結果になってしまいます。当然金融業者は通話内容を録音していますのでそれを証拠に裁判を起こされる可能性があるのです。

何しろ相手は金融のプロですからあの手この手を使って借主に借金の承認をさせようとしてきますので、借主としては知らぬ存ぜぬで通すしかないと考えられます。

民事執行法
参照元:法務省(2015年11月、著者調べ)

デメリットを考える

合法的に借金を踏み倒そうと頑張って、ようやく時効の援用もして借金の支払い義務がなくなってもやはりデメリットはありそうです。

それは今後一切のローンやクレジットカード、新たな借金ができなることです。何故できなくなるのかですが、時効の援用の情報が信用情報に登録されてしまうからです。車を買おうとローンの申請をしても通らず、何かと便利なクレジットカードも作れない可能性が非常に高いと推測できます。

借金を時効によって踏み倒せたとしても、これからの生活に大きな支障が出でしまうと考えた方が良さそうです。

借金の他の方法で踏み倒し

債務整理

借金を合法的に踏み倒すには時効の援用をしなければならず、それもよほど運がいいとできそうもありません。それにうまく時効を利用できてもこれからの人生を考えると全て現金で、というのはさすがに厳しそうです。一生懸命になって努力してもあまりにも代償が大きいのではないかとも考えられます。

いつ金融業者が訪問してくるか、いつ電話がくるか、または知らないうちに裁判を起こされているかわからないのです。そんな風におどおどしながら生活するのも大変なことと思われます。借金の額にもよりますが、なんとか努力して返済できるのならしておいた方がいいのではないかと思われます。そうすれば信用情報に傷がつくこともありませんし、車だってローンを組んで買うこともできるでしょう。クレジットカードも持てるでしょう。

しかし借金の額があまりにも大きすぎるのであれば、債務整理という手段で借金を踏み倒す方が解決するまでの期間は短いです。およそ半年から1年くらいです。信用情報に傷がついてしまうのは同じですが5年、10年末よりは精神的には楽なような感じがします。

幸いなことに2015年現在でも「法テラス」という借金の問題を相談できる機関がありますので、まずは電話で気が済むまで相談するのもいい方法ではないかと思われます。

法律を知る 相談窓口を知る 道しるべ
参照元:法テラス(2015年11月、著者調べ)



最後に寄せて

いかがでしたでしょうか。

借金を踏み倒すことの難しさや、その後の生活に及ぼす影響についてご理解いただけましたでしょうか。借金をしている金融業者が一件だけなら、担当者のミスで時効を迎えることもできなくはないとは思われますが、それが数社から借入しているとなれば、それぞれの担当者が同じようなミスをしなければならないことになります。普通に考えればあり得ないことだと思われます。

もし多額の借金を抱え悩んでいるのでしたら、前述の法テラスが一番手軽な窓口だと考えられます。夜逃げしても無駄なことですので思い切って相談することをお勧めしたいと思います。

※本記事は一般的な情報に過ぎず、適用法令等の改正、前提事実や個人状況の違いおよび変化によって、掲載内容と実際の結果が異なってしまう可能性があります。従って本記事の掲載内容については一切の責任を負いかねますので、内容の解釈や実践はご自身の責任で行い、専門家に相談されることを推奨いたします。