<年金の受給額いくらなの?>老後貯金、始めるなら今のうち!

「将来年金がもらえなくなる?」なんて話、聞いたことありませんか?もらえないことはないにしろ、実際のところ年金受給額が減ったという現実もあって不安はつきもの。だからこそ、いまの基準でおおよその目安をたててみませんか?そしたら「貯金しよう!」という意欲も湧くかもしれません。



基本的な年金の仕組み

「年金」と一言でいっても、さまざまな種類があります。今回ご紹介したいのは公的年金の「老齢年金」についてです。

公的年金とは、企業などではなく国が行っている年金制度のこと。そして「老齢年金」とは、一般的に65歳から受け取ることができる年金のこと。ではその仕組みについて見ていきましょう! 日本の公的年金は「2階建て」の建物を考えるとわかりやすいですよ。1階部分は【20歳以上60歳未満のすべての人が加入することになっている国民年金】、2階部分は【企業で働くサラリーマンなどが加入する厚生年金】と考えましょう。

今回は共済年金・国民年金基金・厚生年金基金については考えないでお話ししますね。

第1号・第2号被保険者とは

厚生年金保険料を支払っていない人は1階建ての建物なので、将来もらえるのは1階部分の【国民年金のみ】。ここに当てはまる人を<第1号被保険者>と呼びます。

また、厚生年金保険料を払っている人は1階と2階部分両方の建物なので【国民年金と厚生年金両方】将来もらえるというわけです。この人たちを<第2号被保険者>と呼びます。

公的年金制度の仕組み
参照元:厚生労働省(2015年11月現在、著者調べ)

第3号被保険者って?

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実は<第3号被保険者>と呼ばれる人もいます。ここに属する人は、【第2号被保険者に扶養されている配偶者】で20歳以上60歳未満の人だけ。あくまでも配偶者のみという点に注意しましょう。

ここでの「扶養されている」というのは「健康保険の扶養になっているか」で決められます。健康保険の扶養は一般的に年収130万円未満であることとされています。税金の扶養は年収103万円未満ですので間違えないようにしましょう!

いつからもらえるの?

現在では65歳の誕生日が来てからもらうのが一般的とされていますね。ですが厚生年金に加入していた人で昭和36年4月2日以前生まれの男性、昭和41年4月2日以前生まれの女性であれば、65歳前に「特別支給の老齢厚生年金」がもらえる場合があるんです。

特別支給の老齢厚生年金は、報酬比例部分と定額部分に分かれていて年齢別に徐々に引き上げられているので確認してみましょう。

特別支給の老齢厚生年金について|日本年金機構
参照元:日本年金機構(2015年11月現在、著者調べ) また、希望に応じて60歳から65歳になるまでの間に繰り上げて受給したり、65歳以降に繰り下げて受給することも可能だそう。こうした場合には、もらえる額が少なくなったり増えたりということがあります。

基本的には65歳から、でも必要に応じて受給開始年齢は変えられる!ということを覚えておきましょう。

年金の繰上げ受給|日本年金機構
参照元:日本年金機構(2015年11月現在、著者調べ)



年金保険料の計算方法

第1号被保険者の保険料は?

日本に住所のある20歳以上60歳未満の人は、国民年金の加入が義務となっています。被保険者はその立場によって保険料が変わっています。

<第1号被保険者>の場合、国民年金保険料は平成29年度に16,900円となるとされています。それまでは年々280円ずつ引き上げられているそう。 20歳から60歳まで40年間毎月16.900円を払ったとすると、合計8,112,000円の保険料を納めたということになりますね。

国民年金保険料の変遷|日本年金機構
参照元:日本年金機構(2015年11月現在、著者調べ) 自営業の方や学生などで、月16,900円の支払いが厳しいなという方を助けるためにあるのが<免除・猶予>という仕組みです。年金額を計算する際、「保険料を支払った期間」というものが大事になってきます。本来保険料を滞納してしまうと、その期間は保険料の納付期間が0になります。しかし、例えば半額免除になった場合には、1/2は納めていたという期間になるというもの。

また、一般的に保険料を滞納した場合には2年間しかさかぼれません。しかし猶予期間をもらった場合には10年以内に延長して、さかのぼって保険料を支払うことができるようになります。その期間は保険料は納めていたという期間にはなりませんので注意しましょう。

国民年金保険料の免除・猶予・追納|日本年金機構
参照元:日本年金機構(2015年11月現在、著者調べ)

第2号被保険者の保険料は?

<第2号被保険者>の場合、国民年金保険料は厚生年金保険料と一緒に支払われています。サラリーマンであれば、お給料から毎月引かれているでしょう。つまり厚生年金保険料の金額の中に国民年金保険料も含んでいると考えましょう。

また、厚生年金保険料は「事業主と被保険者とが半分ずつ負担」することになっています。つまり自分が支払っている厚生年金保険料と同じ金額を、会社から日本年金機構へ支払っているということ。 毎月の保険料は標準報酬月額×保険料率で計算できます。標準報酬月額は4月から6月の報酬の平均額から求められます。ボーナスからも保険料が引かれますが、こちらは標準賞与額×保険料率で求められます。

保険料率も毎年引き上げられていて、平成29年には18.30%と固定となるそう。

厚生年金保険の保険料|日本年金機構
参照元:日本年金機構(2015年11月現在、著者調べ) 例えば、平成26年の保険料率17.474%で計算すると、標準報酬月額30万円の人は26,742円が厚生年金保険料として差し引かれます。会社が支払ってくれる分と合わせて53,484円を日本年金機構に支払っているということになります。そして、ボーナスが年2回×50万円の場合には、43,685円が差し引かれるそう。

この人の場合、年間408,274円を厚生年金保険料として支払っているということになりますね。そして毎年お給料が上がるごとにこの支払額は増えていきます。お給料やボーナス額が40年間一定だったとすると、総額約1,633万円を支払うことになるんです!会社から支払ってもらっている折半分も合わせると、なんと3,266万円もの支払いになるでしょう。

第3号被保険者の保険料は?

「第2号被保険者に扶養されている20歳以上60歳未満の配偶者」が当てはまる第3号被保険者、実は保険料は払いません。

「130万円の壁」とよく聞く言葉ですが、それはこのポイントと関わってきます。配偶者が130万円以上お給料をもらうと第3号被保険者ではいられなくなり、自分で第1号被保険者または第2号被保険者に加入することになります。すると、自分で保険料を支払う必要がでてきますよね。そのため、保険料を納めなくてもいいようにお給料を130万円までに納めようというものなんですね。

横浜市 健康福祉局 国民年金に加入する方 第3号被保険者
参照元:横浜市 健康福祉局(2015年11月現在、著者調べ)

年金の受給額はいくらになる?

ではこの高額の保険料を支払ったみなさん、いったい年金はいくらもらえるんでしょうか。その計算方法をみていきましょう!

ここでお話しする年金は「老齢年金」のことです。そして老齢年金は2種類に分けて考えられます。1つが老齢基礎年金、もう1つが老齢厚生年金です。

老齢基礎年金

老齢基礎年金をもらうためには、必要な納付期間が決められています。それは<保険料納付済み期間+保険料免除期間+合算対象期間が25年以上ある>というものです。

「保険料納付済み期間」とは第1号・2号・3号として保険料を納めた期間。3号の方は自分では支払っていませんが2号が払った保険料で賄われています。そして「保険料免除期間」とは、第1号被保険者の中で免除された分の期間。「合算対象期間」は過去年金が任意加入だったときの期間を指します。 平成27年度の老齢基礎年金の年金額は780,900円。これは今まで40年間×12カ月の480カ月、毎月国民年金保険料を納めていた人がもらえる満額の年金額です。そこから、免除期間や納めていなかった期間を差し引いて、自分がもらえる年金額を計算していきます。

第1号被保険者で免除を受けた人は、その免除の段階によって全額免除は1/2・3/4免除は5/8・半額免除は3/4・1/4免除は7/8をかけることができます。 例えば40年間毎月16.900円を納めていたAさんの、これまでに支払った年金保険料は合計8,112,000円です。Aさんが今年から年金を受け取ることになったとすると、満額の780,900円を年間受け取れるので月65,075円となります。つまり11年間年金を受け取ると、支払った年金保険料よりも多く年金を受給できるということになりますね!

年金の受給(老齢年金)|日本年金機構
参照元:日本年金機構(2015年11月現在、著者調べ)

老齢厚生年金

by Stockbyte
老齢厚生年金をもらうためにはいくつか条件があります。1つ目が老齢基礎年金の支給要件を満たしていること。つまり<保険料納付済み期間+保険料免除期間+合算対象期間が25年以上ある>ということですね。2つ目が、厚生年金保険の被保険者期間が1カ月以上あることです。 65歳以上で老齢厚生年金を受給する場合の保険料は、<報酬比例年金額+経過的加算+ 加給年金額>で計算ができます。老齢厚生年金の金額の計算は少し複雑。計算する場合は下のリンク先を参照してみてくださいね!

だいたいですが標準報酬月額と賞与額を合計した金額に生年月日に応じた率をかけることになります。また時代によって変わる貨幣価値の誤差をなくすために「再評価率」をかけるそう。

老齢年金(昭和16年4月2日以後に生まれた方)|日本年金機構
参照元:日本年金機構(2015年11月現在、著者調べ) 厚生労働省が発表したデータによると、厚生年金保険受給権者の平均年金月額は、平成25年度で約146,000円だそう。また標準報酬月額には上限62万円が設けられており、仮に40年間62万円の標準報酬月額だったとすると、厚生年金として月239,000円をもらえるという計算になるとか。

平成25年度厚生年金保険・国民年金事業の概況について |報道発表資料|厚生労働省
参照元:厚生労働省(2015年11月現在、著者調べ)



年金額で生活できる?

支出はいくら?

年金を受給している間に支払わなければならないものを考えましょう。まず40歳以上の人が必ず支払う<介護保険>を引くことになりますね。介護保険料は市区町村によっても変わりますが全国平均で月額4,972円だそう。

第5期計画期間における介護保険の第1号保険料について |報道発表資料|厚生労働省
参照元:厚生労働省(2015年11月現在、著者調べ) 次に医療保険。60歳まで働いていた人が退職した場合、「健康保険の任意継続被保険者・国民健康保険・家族の被扶養者」のどれかに入らなければなりません。家族の被扶養者となると保険料は支払わなくても良いのですが、他の場合だと自分で支払いが必要になります。

保険料は市区町村によって、また前年の所得などによっても変わるので、自分の住んでいる地域の保険料を確認した方がよいでしょう。

平成27年度国民健康保険料試算
参照元:横浜市 健康福祉局(2015年11月現在、著者調べ) また、75歳以上になると後期高齢者医療制度に加入することになります。医療費が1割になるという医療制度ですが、所得によっては3割負担の人もいます。保険料は年金からの天引きで、月額およそ5,600円です。

後期高齢者医療制度の平成26-27年度の保険料率 |報道発表資料|厚生労働省
参照元:厚生労働省(2015年11月現在、著者調べ)

手元に残る生活費

例えば、65歳のAさんと65歳の妻Bさん。2人とも<第1号被保険者>として40年間毎月年金を納めていたとしますね。基礎年金が満額の780,900円×2人=1,561,800円となるため、月あたり130,150円の受給額となります。この年金から介護保険料・医療保険料を支払うことになります。 厚生年金を納めていた<第2号被保険者>だったCさんと、<第3号被保険者>だった妻Dさん。基礎年金はAさん家と同じですが、加えてCさんの厚生年金があります。平均額受給していたとして、月146,000円がAさん家の受給額にプラスされると言えますね。つまり、130,150円+146,000円=276,150円が月あたりの受給額となるでしょう。

家賃は大丈夫?

いかがですか?現在の生活費を考慮してみると、年金額のみで生活するのが少し厳しいかなと思う方も多いかもしれません。また住宅ローンを払い終わった人であれば家賃はかかりませんが、もしずっと賃貸に住み続けている人であれば、家賃もかかることを忘れてはいけません。

Aさん家が2人で月6万円のアパートを借りるとすると、130,150円-介護保険料9,944円×2人-家賃60,000円=50,262円。ここから医療保険料を支払うとなると、生活費はほとんど残らないということになりそう。

今からやれることは?

貯金をする

もし30歳の夫婦だとしたら、年金受給まで残り35年。60歳で定年を迎えるとして、お給料をもらえるのはあと30年ということになります。

お給料から月1万円貯金をするとして、1人の貯金額は30年×12カ月×10,000円=360万円。夫婦で貯金をすると720万円となります。これを65歳から85歳までの20年間で使っていくとすると年に36万円、月に3万円の余裕が生まることになりますね!これに退職金を加えると、暮らしていけそうな気がしませんか?

住宅ローンを払い終わる

可能であれば、住む家を確保しておくのがおすすめです。家賃がかからなければ、手元に残るお金もかなり変わりますよね。現在賃貸に住んでいる人も、将来どこに住むのか考えておくのがよいでしょう。これから住宅ローンを組める人は少しでも減らすのが良いのでは?また、退職金で家を購入してしまうという方もいるそうですよ!

保険に加入する

老後資金の蓄えのため、保険会社ではさまざまな保険のプランが用意されています。医療保険とセットになっているものや、個人年金として使えるものなどさまざま。この場合には満期保険金などでお金が返ってくるものを選びましょう。

この機会に、自分たちのライフスタイルに合わせて保険を見直すのもいいかもしれませんよ!

老後(貯蓄)に備える|目的から選ぶ|住友生命保険
参照元:住友生命保険(2015年11月現在、著者調べ)

おわりに

いかがでしたか?「年金をもらえるから」と思って貯金をしないでいると、生活費がほとんど残らなくて苦しい老後を送ることにもなりかねません。いまから少しずつ老後のためにできることをしていると、老後への安心感・楽しみも残りますね!少しずつ貯金、始めてみてはいかがですか? ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
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