<入院費用>突然、入院になったときに知りたい心得

突然入院といわれたら、何が困るかというとお金です。事前に知っていて損はない入院費用についてまとめてみました。これを読めば入院費用が安くなって、臨時収入もあるかも!?



突然の入院は困る!

「手術が必要ですね。1週間の入院が必要です」

そう突然医師からいわれたら「どうしよう…」と戸惑いますよね。貯金が少ない場合は、入院費用がまかなえるのかも心配です。そういう方のために自分が、もしくは家族が入院となったときに必要な入院費用と各種助成制度についてまとめてみました。



入院費用っていくら必要?

入院費用が合計いくらになるのかは期間・手術の有無やその種類・部屋のグレード・病院によって様々です。そのため、一概にいくらということは難しいのが現状です。でもおおよその額を知りたいですよね。そこで生命保険文化センターの調査をもとにみんなの入院費用の自己負担額がいくらだったのか、みていきましょう。

<入院費用の自己負担額>
・5万円未満:7%
・5万円~10万円:17.9%
・10万円~20万円:35.3%
・20万円~30万円:16.6%
・30万円~50万円:13.3%
・50万円~100万円:6.5%
・100万円以上:3.5%

※高額療養費制度を利用した人は利用後の費用です。療費・食事代・差額ベッド代・衣類・日用品費・(付き添いの人も含む)交通費なども費用として計算しています。

入院したときにかかる費用はどれくらい?|公益財団法人 生命保険文化センター
参照元:公益財団法人生命保険文化センター(2015年11月、著者調べ) 平均はおおよそ23万円。働いていたとしたら休んだ分、給料も減ることになるでしょう。そこに20万円近い出費は厳しいと感じる方も少なくないと思います。入院中も出費を減らして、出来れば少しでも収入を得たいですよね。そこで入院費用を安くするにはどうしたらいいか、また収入を途絶えさせない手はないのかをみていきます。

入院費用を安くしたい!

入院費用を安くするのに1番効果的だと個人的に思うのは高額療養費制度を活用することです。この高額療養費制度は基本的に申請すれば、健康保険制度に加入している方はみなさん受けられます。

「申請すれば、つまり申請しないといけないの?」と思った方は鋭いといえます。そう、つまり申請しないとこの制度を受けられない可能性が高いです。では、高額療養費制度とは何なのか?その制度の特徴と申請方法をみてみましょう。

高額療養費制度ってなに?

高額療養費制度というのは医療機関や薬局で支払った費用が月内に一定額を超えた場合、その超えた額を国が代わって支払ってくれる制度です。この一定額とは所得や年齢によって異なります。

<70歳未満の自己負担限度額>
・標準報酬月額83万円以上の方: 252,600円+(総医療費-842,000円)×1%/年間3カ月以上該当の4カ月目140,100円
・標準報酬月額53万円~79万円の方:167,400円+(総医療費-558,000円)×1%/年間3カ月以上該当の4カ月目93,000円
・標準報酬月額28万円~50万円の方:80,100円+(総医療費-267,000円)×1%/年間3カ月以上該当の4カ月目44,400円
・標準報酬月額26万円以下の方:57,600円/年間3カ月以上該当の4カ月目44,400円
・被保険者が市区町村民税の非課税者等:35,400円/年間3カ月以上該当の4カ月24,600円

<70歳以上の自己負担限度額>
・標準報酬月額28万円以上で高齢受給者証の負担割合が3割の方:外来44,400円/外来・入院80,100円+(医療費-267,000円)×1% /年間3カ月以上該当の4カ月目44,400円
・市区町村民税の非課税者等:外来8,000円/外来・入院24,600円
・被保険者とその扶養家族全ての方の収入から必要経費・控除額を除いた後の所得がない方:外来8,000円/外来・入院15,000円
・一般所得者の方(上記該当外の方):外来12,000円/44,400円

高額療養費制度を利用される皆さまへ |厚生労働省
参照元:厚生労働省(2015年11月、著者調べ)

高額な医療費を支払ったとき | 健康保険ガイド | 全国健康保険協会
参照元:全国健康保険協会(2015年11月、著者調べ)

杉並区 生活ガイド – 後期高齢者医療制度
参照元:杉並区(2015年11月、著者調べ) 年齢や収入によっては、大きく入院費用が減るのが分かりますよね。しかも同じ月に同じ健康保険を使う家族が2人以上入院した場合などは、その合算の医療費が自己負担上限額になります。家計に負担が重くのしかかる時に嬉しい制度だと思います。

※ただし70歳未満の方の場合は21,000円以上のものに限ります。

高額療養費制度ってどう申請するの?

さて、この高額療養費制度ですがどこに、またいつまでに申請すればいいのでしょうか?更にいつお金を受け取れるのでしょうか?

<高額療養費制度について>
・申請場所:加入している健康保険に会社などから申請(健康保険組合や国民健康保険・協会けんぽなど)
・いつまでに:高額療養費が発生することがわかっていたら事前に申請可能(限度額適用認定証を発行)。もしくは高額療養費発生の診療月の翌月1日から2年以内に申請。
・給金:限度額適用認定証の場合は、退院時など費用支払いの際に病院で提示するとその場で適用されます。後日申請する場合は、診療月から3カ月以上経ってから給金されるのが一般的。

※70歳以上75歳未満の場合は高齢受給者証、75歳以上の場合は後期高齢者医療保険者証が限度額適用認定証の代わりになります。

健康保険給付について | よくあるご質問 | 全国健康保険協会
参照元:全国健康保険協会(2015年11月、著者調べ)

高額な医療費を支払ったとき | 健康保険ガイド | 全国健康保険協会
参照元:全国健康保険協会(2015年11月、著者調べ) 限度額適用認定証は入院費用支払い時に適用されるので有難いですね。ただ、認定証の申請に間に合わなかった場合は後日申請することになるでしょう。

もしその間、入院費用が支払えないなど困ったことがあった場合はどうしたらいいでしょうか?その場合は、協会けんぽなどは給金見込み額の8割を事前に無利子で貸してくれる高額医療費貸付制度を提供しています。こちらを利用するのも1つの手だと思います。

高額療養費制度が適用されない?

「高額療養費制度の限度額適用認定証をもらったし、入院費用は限度額内におさまるから安心かな?」

いえ、安心してはいけないかもしれません。なぜなら、高額療養費制度には適用されない入院費用があるからです。

<高額療養費制度適用外の主な項目>
・健康保険対象外の治療費・先進医療の自己負担金
・差額ベッド代
・食事代(入院中だされる食事)
・交通費や日用品代など

「入院中の食事代も適用外なのか!」と驚いた方もいるのではないでしょうか。低所得者や老齢福祉年金受給者は場合によっては食事代は1食100円程度の場合もありますが、住民税が課税される一般世帯は1食260円であることがほとんどです。10日入院して毎日食事を3食食べたとするとそれだけで7,800円。安く設定してあるとはいえ、1万円弱の出費は家計にとっては少々負担かもしれません。

差額ベッド代を安くしよう!

差額ベッド代とは入院する部屋が1人~4人など少人数である場合にかかる値段です。こちらも高額療養費制度対象外なので、費用を節約したい方は出来る限り差額ベッド代が安い病院や部屋に入院するといいといえます。特にこだわりがなければ、差額ベッド代が無料の部屋を選ぶのも個人的にはおすすめです。

<参考:江別私立病院の差額ベッド代>
・通常の個室:4,500円
・特別室:7,500円

入院のご案内 – 江別市立病院 – 市民の健康の増進と福祉の向上のため、地域の中核病院としてまちづくりに貢献します。
参照元:江別市立病院(2015年11月、著者調べ) <杏林大学医学部付属病院の差額ベッド代>
・2階3人部屋:6,480円
・3階2人部屋:6,480円/8,640円
・3階個室:11,880円~18,360円

病室について | 受診・入院のご案内 | 杏林大学医学部付属病院 KYORIN UNIVERSITY HOSPITAL
参照元:杏林大学医学部付属病院(2015年11月、著者調べ)



入院中に収入が途絶えた!

「2カ月入院することになったけど、給料も入ってこないしどうしよう!」

入院中、仕事が出来ずに困っている方もいるのではないでしょうか。家族をかかえた世帯主の場合は非常に深刻な問題といえます。そんな時頼りになるのが、傷病手当金、民間の医療保険、そして医療費控除です。もしかしたらその2カ月分の無給料の分を全て補ってくれるかもしれません。

傷病手当金ってなに?

国民健康保険の方は残念ながら対象外ですが、協会けんぽなどに加入する給与所得者の方はこの傷病手当金がもらえます。業務中や通勤中は労災がおりるので、それ以外で被保険者が病気の場合に支給されます。それでは、いつどのくらいもらえるのでしょうか。

・支給開始時:連続する3日間を含む4日以上仕事を休んだ、その4日目より支給
・支給される期間:最長1年6カ月
・給金の額:標準報酬日額の2/3
・給金の時期:会社が協会けんぽなどに申込書を送付してからおおよそ10日前後

※会社から給料が支給されない場合

病気やケガで会社を休んだとき | 健康保険ガイド | 全国健康保険協会
参照元:全国健康保険協会(2015年11月、著者調べ) 標準報酬日額の2/3!結構もらえて嬉しいですよね。例えば支給対象日数が60日間で標準報酬月額が30万円の場合、おおよそ40万円支給されます。

医療保険の給付を受けたい!

民間の医療保険は皆さん入っていますか?契約内容によって異なりますが、大体入院1日目から5,000円や10,000円など給付される保険が多いと思います。また手術をすると別途、10万円など給付される保険も多いです。

加入している場合は、入院が決まったらすぐに医療保険会社に連絡をすることをおすすめします。保険会社によっては入院の領収書のみで給付してくれるところもありますが、保険会社独自の診断書を医師に記入してもらう必要がある場合もあります。

事前に診断書を送ってもらうことで、比較的早めに給付を受けられるでしょう。

医療費控除、いくら戻る?

医療費控除は世帯全員の1年間の医療費から保険金(出産一時金や高額療養費・生命保険会社の入院給付金)を引いた額が10万円以上の場合、その1割が国から戻ってくる制度です。確定申告をしなくてはいけないので、面倒なイメージがある人も多い制度です。ただ、前年の入院費用がかさんだ場合は面倒でも確定申告をすることをおすすめします。1万円2万円単位の大きな金額が戻ってくる可能性があります。

<医療費控除の計算式>
・(1年間の医療費-保険金-10万円)÷10=医療費控除で戻ってくるお金

※その年の総所得金額等が200万円未満の人は、10万円でなく総所得金額等5%の金額

No.1120 医療費を支払ったとき(医療費控除)|所得税|国税庁
参照元:国税庁(2015年11月、著者調べ) 例えば1年間の医療費が40万円かかって保険金が10万円だった場合、2万円が戻ってくることになります。医療費がかかった年は家族分の医療費の領収書をとっておき、翌年の2月中旬から3月中旬に行われる確定申告をして医療費控除を受けるとお得といえます。

子供の入院費用は?

さて子供が入院した場合の入院費用はどうなるのでしょうか?実はお住まいの自治体によって異なります。自治体によっては子供の医療費を所得制限なく無料と掲げているところもあり、そういった自治体では差額ベッド代以外はほとんど入院費用はかかりません。

残念ながら所得制限のある自治体にお住まいの方で所得制限に引っかかってしまった場合は大人と変わらないでしょう。上記の70歳未満の高額療養費制度を利用することをおすすめします。

入院費用に困ったら…

「入院費用が現金で用意できない!」

突然の入院でお財布に現金がなく、そのまま入院ということもあるかもしれません。そういうときに便利なのがクレジットカードです。最近では大きい病院の多くが医療費のクレジットカード払いを認めています。また、入院中のちょっとした日用品も病院の売店でクレジットカードを利用して支払えるようになっているところも多いでしょう。

突然の入院でも高額療養費制度や傷病手当金・民間の保険など様々な制度が助けてくれます。病気にお金に心配する種の多い入院ですが、いざ入院となったときは制度を活用して快適な入院生活を送っていただけると幸いです。 ※本記事の情報は、一般的または筆者個人の調査によるものです。法令などの改正、前提事実や個人状況の違いや変化によって、掲載内容と実際の結果が異なってしまう可能性があります。 従って本記事の掲載内容については一切の責任を負いかねますので、内容の解釈や実践はご自身の責任で行い、専門家に相談されることを推奨いたします。