【相続税対策で保険活用法】本当は相性がいい保険と相続

 平成27年1月1日から改正された相続税。基礎控除枠が小さくなり相続税も「お金持ちの税金」から「庶民の税金」に変わりましたね。よく「相続税対策には保険がいい」という噂はきいたことあるけれど、具体的には何がどういいのかがわからない。ここでは、相続税対策と保険が具体的にはどういいのか?なぜ有効なのかを簡単に説明いたします。



そもそも相続税対策とは

まずは相続税改正の基本をおさえましょう!

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ここのところ何かと話題に上がる相続税問題。先日も近くの大型書店で、あるお客様が店員さんに「どの本が、相続のことで一番わかりやすいですか?」とたずねられていました。店員さんも笑顔で「そういうことは、私どもにはわかりかねますので、どうぞ、ご自由に中を少しだけ見られてご自身で一番わかりやすそうなものをお選びください」とお返事をされて困り顔でした。

このように、やはり相続税対策についての本などをいきなり見られても、相続に関して最低限の知識が備わってなければ対策って打てないんです。

そのためにも、ここでは簡単ではありますが、相続税対策を考えるに際には、どうしても避けて通ることができない基礎的な事項、「法定相続人」と「相続税改正による基礎控除額の減額」についてのみ説明させていただきます。

相続の順位と相続分について知りたい|公益財団法人 生命保険文化センター
公益財団法人 生命保険文化センター(2015年11月時点、著者調べ)

法定相続人について

相続税を理解するにおいて、まずは避けては通れないのがこの「法定相続人」です。なぜかというと、改正により大きな減額が行われた基礎控除の計算をする際に、どうしても、この法定相続人の人数が必要となるからです。

つまり、法定相続人の数や言葉が理解できていないと、ご自身の相続税額がかかるかかからないかのボーダーラインの数値さえもがわからないという結果になってしまうんです。
でも、心配しないで下さい。言葉の割には簡単ですので、しっかりと確認しておきましょう。

●法定相続人とは…被相続人(亡くなられた人)の財産を引き継ぐことのできる一定範囲の人たちのこと(相続人といいます)です。法定相続人になれるのは、被相続人の配偶者と一定範囲の血族関係者である子(その代襲相続人を含む)、直系尊属(いわゆる被相続人の両親など)、兄弟姉妹(その代襲相続人となる子を含む)に限られます。

また、相続人には相続を受ける優先順位が定められています。

●相続人の順位

(1)第1順位…子供。子が数人いる場合は同順位で均等に分割します。

(2)第2順位…直系尊属(両親、祖父母など)。第1順位の相続人がいない場合に被相続人の父母が相続人になります。また、被相続人の父母がいない場合で祖父母がいるときは祖父母が相続人になる。

(3)第3順位…兄弟姉妹。第一順位、第二順位の相続人がいない場合、兄弟姉妹が相続人になります。

ちなみに、配偶者は常に相続人になり、第1順位から第3順位の相続人がある場合は、それらの者と同順位で相続します。

相続税改正後のポイント

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それでは次に、具体的に今回の相続税改正で何が、どう変わったのかを確認してみます。。平成27年1月改正で行われたのは以下の3つになります。

1、遺産にかかる基礎控除の4割縮小

2、最高税率の引き上げ

3、小規模宅地等の特例の適用範囲拡大

そのうち、最も多くの方に影響を及ぼすのが、「1、遺産にかかる基礎控除の4割縮小」になります。さらにこの改正はご自身の相続課税基準額を把握されるのに特に重要な要素でもあるため、ここで取り上げさせていただきました。

 ●遺産にかかる相続税の基礎控除算定計算

 ・平成26年12月31日まで(改正前)
  5,000万円 + 1,000万円 × 法定相続人数

 ・平成27年1月1日から(改正後)
  3,000万円 +  600万円 × 法定相続人数

どうでしょうか?この計算式は相続税の課税時に計算した相続税額から基礎控除分として差し引いてくれる基礎控除額を求める計算式となりますので、この額が小さくなるということは改正前よりも大きく相続税がかかりやすくなった。ということがお分かりになると思います。これが相続税が「お金持ちの税金」から「庶民の税金」になったといわれるゆえんとなるところです。

それでは、次の質問で具体的な例で現実にあった事案に基づいての計算をしてみましょう!!

 

4人家族ですが相続税がいくらからかかりますか?

Q:現在、我が家は家族4人で一戸建ての家で生活しています。夫は47歳で妻の私は40歳です。子供は長男12歳、長女が10歳です。最近相続税がかかると聞いたのですが、もし夫が逝去した場合いにはいくらから相続税がかかりますか?相続税の対象になる額を教えてください。

A:相続人が配偶者とお子様2名ですので、法定相続人は3名。

基礎控除額の算定式に当てはめると、3,000万円 +(600万円 × 3名)= 4,800万円となります。よって、こちらのご家族の場合相続時の相続純財産が4,800万円以下であれば相続税はかからない!ということがわかります。

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相続税対策と生命保険の相性はいい!

相続税について考えるとき、考えれば考えるほどわからなくなってくる。ということはありませんか?それはおそらく相続というまだ来ていない未来の出来事に対して今から万全の体制で準備しておかなければならないという負担が重くのしかかっているからではないでしょうか?

そして、そうした対策案を練っているとき、昔から相続には保険がいい!と言われるのはなぜでしょう。意外に相続と保険には皆さんが気づいていない共通点があります。(気づいてるかな?)
それは、保険の考え方も基本的には死亡という遠い先の未来を予測し、ご逝去された方が残された遺族のために心配をかけないようにとの思いで作られた未来予測型の商品だからです。

考え方がよく似ているとは思いませんか?そして相続も保険も残された方(保険では受取人遺族、相続では相続人ですが…)に対しての配慮や特典が用意されています。

生命保険の場合ではその代表例が、「死亡保険金の非課税枠の活用」です。これは、ご契約者・被保険者が被相続人で、受取人が法定相続人の場合は「500万円×法定相続人の数」までは非課税でいいいですよ!!という相続税法上にでも認められた生命保険特有の特典になります。

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No.4114 相続税の課税対象になる死亡保険金|相続税|国税庁
参照元:国税庁(2015年11月時点、著者調べ)

生命保険での死亡保険金非課税枠について

生命保険では基本的に死亡保険金自体は残念ながらこの非課税枠以外の金額は相続税の対象となります。しかしながら、その非課税枠に関しては、残されたご遺族を守るために相続税法上でも、その特典を認めていただけているわけですから、これを相続税対策として活用しない手はありません。
その非課税枠については以下の通りです。

●500万円 × 法定相続人の数 = 死亡保険金の非課税枠 
<契約者・被保険者は被相続人、かつ保険金受取人は法定相続人>
(ただし、注意点として、被相続人が保険料を負担しているという必要がありますのでご注意です!!)

具体的には①納税資金の準備として使用ができる。②生前贈与であらかじめ財産を移転ができる。③相続財産の評価額を引き下げるというメリットがあります。

注意点としては、契約者と被保険者が被相続人であることかつ死亡保険受取人が法定相続人。被相続人が保険料負担していることなどの条件がありますので、再度、現在加入されている保険証券を見直されて、条件が合われてない場合には契約者や受取人などの変更をしておくことをお勧めします。このあたりが相続税対策を具体的に合わせていないと効果を発揮しないところになると思われます。

まだある、保険の相続対策活用法

相続税対策としての保険活用としては先ほどの「死亡保険金の非課税枠」が大きな目玉となることは言うまでもありません。しかしながら、「相続税」というワードから外れて「相続問題」といったワードに関しても保険は有効活用ができます。

それは相続時における「遺産分割対策」と「流動性資金対策」です。

●遺産分割対策…相続人の間でもめないための対策です。
ここでは、①遺言書の作成②死亡保険金受取人の指定③生前贈与④代償分割などが該当します。要は生命保険では受取人指定という「あて名」をつけることができますのでそれを活用して相続(争続)を回避しようというわけです。

●流動性資金対策…すぐに使えるお金の準備をするための対策です。
ここでは、生命保険のお金は被相続人が支払ってきた保険料であっても、受取人が指定されていますので死亡保険受取人は死亡保険金をすみやかに現金化することができます。これにより急な葬祭費への支払いや準備などにも活用ができるわけです。

このように、相続税を心配するほどの財産があるわけではないけれども、いざ、相続になってみると「遺産の分割」での不公平が相続人の間で勃発したり、急な資金の用立てが間に合わなかったりといった相続に関する問題にも生命保険では活用ができるわけです。
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Q.死亡保険金が相続税の対象となる場合、必ず税金を負担するの?|公益財団法人 生命保険文化センター
参照元:公益財団法人 生命保険文化センター(2015年11月時点、著者調べ)

生命保険相続税控除についての質問

Q:生命保険の相続税非課税枠控除の考え方について・・・。父母と子2人の家族です。生命保険に1,000万円加入するとして、契約者と被保険者が父、受取人が子である場合課税対象の現金3,000万円あります。生命保険控除で500万円×3人で1500万 この1,500万円は生命保険に対するものだけですか?1,000万円~1,500万円でマックスなので3000万円は課税対象のままでしょうか?3,000万円+1,000万円=4,000万円、4,000万円-1,500万円=2,500万円で2,500万円が課税対象ですか?

A:なるほど、勘違いしやすいところでもありますね。
答えは、生命保険での死亡保険金の非課税枠は500万円×(法定相続人)3人=1,500万です。
生命保険とは異なる預金などの相続非課税枠に使うことはできません。

よって、課税対象額はこの場合3,000万円です。
(生命保険非課税枠のわかりやすさを追求するため、ここでは他の相続分割合や相続税法での基礎控除額及び配偶者税額軽減特例などは一切考慮してません。ご了承ください。)

まとめ

いかがでしたでしょうか、相続税対策と保険というテーマで基本的な内容でしたが、概略的なことなのですが、「相続について何も知らないけど気になる!!」といった方々に対しても、なんとかわかって欲しいなという思いをもって記させていただきました。

相続税は確かに改正後は庶民の税金になりました。そのため、今までは何も意識していなかった人たちが、いつ突然に、相続課税対象になります!とも言われかねない怖い現実もあります。

冒頭、お話しさせていただいた書店で迷われていた方でも、相続課税の危険性はあります。相続対策の活用法は何も保険だけでもありません。さらに追及するなら相続税対策はとても奥が深いジャンルです。

しかし、ご自身の家庭での相続税課税基準はいくらからなんだろうか?もうすでに加入している保険は使えないのだろうか?あるいは対策としてどう使えるのか?まずは、身近ですでに持たれている可能性が高い保険が相続対策の予防策として使えるのであれば、まずはここからという切り口で対処されるのも良いのではないでしょうか。

また、もしかすると、今回のこの基礎控除算定で計算した結果、我が家は全然、相続税の心配なんてしなくてもいいレベルだったとわかって、胸をなでおろす方もいるかもしれませんね。(それがわかっただけでも大きな不安感からの解放にもなります)どうか、一度、ご自身の家庭での基礎控除額を割り出されることをお勧めいたします。きっと、なんらかの効果はあるはずですので。(早く対策が打てるとか)

長文で稚拙な表現ではありましたがここに記させていただきました。
少しでも、このことが皆様の相続対策の一助となれれば幸いでございます。

※本記事の情報は、一般的または筆者個人の調査によるものです。法令などの改正、前提事実や個人状況の違いや変化によって、掲載内容と実際の結果が異なってしまう可能性があります。 従って本記事の掲載内容については一切の責任を負いかねますので、内容の解釈や実践はご自身の責任で行い、専門家に相談されることを推奨いたします。