家計簿は<手書き>が楽しい!手書き歴10年の主婦のススメ

手書き家計簿歴10年以上の主婦が、楽しい手書き家計簿の世界をご紹介します。



家計簿<手書き>のススメ

今どきの家計簿はスマホも駆使した、お手軽・便利・楽ちんの3拍子揃ったものがたくさん出回っています。そんな世の中に逆行するように思われる「手書き」の家計簿。なぜ、あえて今「手書き」なのでしょうか。

体力づくり

手を動かすと痴呆になりにくいらしい、というのはよく耳にするお話しです。手書きの家計簿はとにかくよく「書き」ます。毎日真面目につけていたら、1日に10文字くらいは最低でも書くことになるでしょう。あなたは最近、文字を書いていますか?

気が付くと、メールがあるから手紙は書かない。ブログがあるから日記も書かない。電話を掛けるのはダイヤル式でなくプッシュ式。水道の蛇口はいつの間にか、ひねるものではなくレバーを上げ下げするようになっていました。

そんな便利な生活を毎日続けているうちに、いつの間にか私たちの手はすっかり怠けものになってしまっているようです。年末、印刷済みの年賀状に一言コメントをつけるために数時間ペンを握っただけで、あっという間に手が疲労困憊。

せめて宛名だけでも手書きに…と一念発起したところ、久しぶりのあて名書きに手が攣りそうになってしまった、なんて経験のある方もきっといるはず。

たまには逆行してみる

今、私たちの生活は便利になる一方です。どこへ行っても、何をするのにも機械化され、便利になっています。そんな生活の中で、せめて自分の身の回りのこと一つくらいは、時代に逆行してみてもいいのではないでしょうか?

化繊のものに囲まれている時にふと触れた木綿にホッとするように、機械的な文字ばかりの中に自分の手で書いたものが一つくらいあったら、毎日の生活の息遣いが聞こえてくるようです。



文明の利器

まずは今現在、世の中でよく使われていると思われる家計簿を二つに分けてみました。文明の利器を巧みに操る近代型の家計簿と、昔ながらの手書きでコツコツ書き込んで作り上げていく家計簿です。手書きでない家計簿にはどのようなものがあるのでしょうか?

まずは大御所・エクセル

エクセルが得意な方は、まずはこのエクセルで作る家計簿に挑戦されることが多いでしょう。自分でカスタマイズしやすいですし、月々の支払いなどをグラフにしてみたり、と視覚的に家計の動きを把握できるからです。また、入力を費目別に分けずにランダムにどんどん打ち込んでいっても、後で並べ替え機能などを使っていくらでもきれいに並べることができます。

しかしエクセルは、使いこなせる人には非常に便利なツールですが、「ちょっと使える」程度の人がエクセルで家計簿を作ろうとすると、なかなか難しいものです。思いのほか自由が利かないのがその理由。自分がイメージしたとおりにシートを作ったつもりでも、途中からいろいろと改善を加えていきたくなります。

そうして、組んであった関数が崩れてしまっていたことを見過ごしてしまい、月末の収支がイマイチ合っていない…あら?いつの間に?どこで?という具合に気が付いた時にはどこが原因でこうなったのか、原因究明と新しい関数の組み直しで時間を取られて今夜は終了~…などということに。

ただでさえ忙しい中で家計簿をつけるのは面倒くさいものです。そこに加えて修正で時間を取られていると毎日続けるのが難しくなってしまいます。

フリーソフト

ネット上で便利なフリーソフトがある、と聞いて使ってみて驚いたのが、他人の家計簿をちょこっと参照できることです。特定しやすいものが表示されるわけではありません。しかし、同じくらいの年収の人が、どのくらいの生活費でやりくりをしているのかが垣間見られるのはとても興味深いものでした。

また、中にはクレジットカード会社のサイトとリンクして、その月の利用明細が計上されてくるなど、至れり尽くせりなものまであります。しかし、アナログ派の最大の弱点、「PCを立ち上げるのが面倒くさい…」という現代人とは思えないような理由により、徐々に面倒くさくなってきてしまうのがこのネット型の残念なところです。

スマホとアプリ

世の中には頭のいい人がいるものだなぁ、と感心したのがこの携帯電話とアプリを使った家計簿です。携帯電話の最大の強みである「カメラ」を使って、レシートを読み込む。まさか入力までしてくれるとは…。便利な時代になったものです。

携帯電話、スマホは先ほどの「PCの電源を立ち上げるのが面倒」という人間にはありがたい、「常に電源ON」のツールです。まさかこれで入力が面倒だから続けられない、なんて言わせないぞ、という続けやすさが前面に出た家計簿アイテムでしょう。

こうした文明の利器を用いた家計簿は、より正確に、より抜け漏れを無くして継続させていくことで週間、月間、年間といろいろな区切りで管理が可能です。また、前年同時期との比較もしやすく、総合的に家計を見つめることができるのが素晴らしいところです。

日本人ならでは?

よく海外の方は、日本ほど高水準な生活のできる国で、なぜ未だにファックスを使っているのか?と驚かれるそうです。ほかにもよく言われるのがクレジットカードを使える店が少ない、電子ブックよりも紙媒体の読み物が好まれる、などなど。

どんなに便利なものが生み出されても、どこかアナログを好むのは日本人ならではかもしれません。そして「紙」に対する愛着は、なかなか捨て去ることはできません。むしろ今まで以上に紙の良さ、手書きの便利さを感じることもしばしばです。



手書きの家計簿とは?

では、「手書きの家計簿」とはどのようなものなのでしょうか。二つのグループに分けてみました。

プレタポルテ?

書店などで販売されている家計簿に、自分で記入をしていくタイプです。日付や費目などが最初から記載されていて、その日使った分だけをどんどん書き込んでいけばいいという作りになっています。中にはレシートを貼るだけのタイプもあります。

メリットは、とりあえず書き込んでいけば、とりあえずレシートを貼っていけば、なんとなく仕上がる手軽さ、でしょう。デメリットは、一年の途中から始めたい時、買った家計簿の半分くらいが既に使えない日付の場合があってもったいない場合があります。また、費目が一般的なものを最初から割り当てられているため、必ずしも自分の家のスタイルに合うとは限らない点も気になります。

セミオーダー

枠だけ用意されているタイプです。上にご紹介した既製タイプに比べるとやや自由度が上がります。1月から始めても6月から始めても1年間使えます。また、費目が空欄になっているタイプもありますので、その場合は自分のライフスタイルに合わせた費目を作ることが可能になります。

決められた形の中で、セミオーダーのように自分好みにカスタマイズしながら作り上げていく、というこのタイプの家計簿の最大のメリットは、自分の都合に合わせて使える点でしょう。給料日が15日、20日、末日といずれの場合にも対応が可能ですし、自分の家だけの特殊な支払いなどにも柔軟に対応できます。

デメリットとしては、既製品タイプもセミオーダータイプも結局は自分専用に作られたものではないので、必ず無駄なページや記入欄があるということです。それでも、自分が毎日書き込むことで、徐々に成長していくような家計簿には愛着が湧きますので、その成長過程を見るのはなかなか楽しいものです。

完全オーダーメイド

手書き派にもいろいろな方がいます。家計簿を始めたときからずっと変わらずに同じタイプを使い続ける人。徐々に自分の好みの傾向が出てきたことに気づいて、より相性のいい家計簿を求めて変遷していくという人。

そしてこの「完全オーダーメイド」タイプに行きつく人は、自分の求める家計簿がなかなか世の中に見つけられず、最後には自分で作ってしまうという長旅を経た猛者です。ここに至るまでにいろいろな家計簿を使ってみた経験を生かして、自分に必要な項目とそうでない項目、自分に必要な費目と、使いやすいページの割り振りをある程度イメージしてからここに到達します。

完全オーダーメイドタイプのメリットは、注文住宅の如く、自分の要望のみを反映させているため、完成形に近づいた暁には使い心地は抜群であるということです。デメリットは、自分で手さぐりで作り始めるので、最初はなかなか思い通りに完成しないということです。完成形になるまでには、月ごとにちょっとずつ改良を加えて育てていく必要があります。

また、袋分け式、レシート貼り付け式など、いろいろなタイプの家計簿の合わせ技も可能になりますので、様々な方式のいいとこ取りが可能になります。

家計簿が手書きだと?

家計簿が手書きだと、何が面白いのでしょうか?それは、その家計簿が生きている、ということです。自分とともに成長しているような不思議な感覚が生まれます。毎日めくることで紙が徐々にヨレていき、過去はゴワゴワに、未来はパリっとしていて、自分と家族のこれからの人生も、まだまだ真っ白なんだと思えます。

家計簿だけど家計簿じゃない

手書きの家計簿をつけてみると、後で見返した時に様々なことに気づきます。まずは自分のその時の気分です。「え?家計簿で気分?」と思われるかもしれませんが、月初めに支払いの割り振りなどをして、余った生活費が厳しい月があったとします。そうすると文字が雑だったり普段よりも筆圧がばらばらになります。

書きながら何かいろいろと考えているのかもしれませんが、気分が落ち込んで筆圧が弱くなったかと思うと、何かに腹を立てたのか、その月の生活を圧迫する費目の筆圧が紙にめり込む強さだったりするのです。書いているときにはもちろんそんなことは意識していないのですが、後で見返した時に、その時の自分の気分がわかって、ちょっと面白いです。

「夫の交際費」に書かれたある日の筆圧が濃かったりすると、「あぁ、多分タイミング悪い時に飲みに行ったな」とか、「子供費」に書かれたある日の「ピアノの月謝」の文字が普段よりも紙にめり込んでいる感じがしたら「ロクに練習しないくせに!もう!」とでも思っていたのかな?といった具合です。

また、手書きの楽しいところは欄外にコメントをつけられるところです。エクセルでもセルにコメントを挿入したりできるのですが、わざわざコメントを挿入するためにマウスをカチカチしている間に「コメント挿入」の熱は半分以下に冷めているのです。一方で手書きの場合は、思いついたらそのまま書けてしまうのでまるで言い訳のオンパレードです。

カフェでお茶をした際、これを「外食費」に入れるか「食費」にするか?気持ちとしては平日に1人で贅沢したと思いたくないので「食費」扱いにしてしまいたくなるのですが、現実は「外食費」が相応しい場合、「いつも頑張っているから、たまにはいいよね!」という気持ちを込めて「自分にごほうび!」などと書いていることがあります。後で見返すと「それは言い訳でしょう」と苦笑いしてしまうこともしばしばです。

また、ある日のランチに、ちょっと奮発してしまったらしい金額が記入されています。「今日だけカンベン!」と吹き出しで囲んで書いてあります。何がカンベンなのかよくわかりませんが、ちょっと後ろめたかったのでしょうか。何にしても、これを見て「あ~ぁ、何しているんだか」とは思いますが、そんな出費も正直に書いている自分の真面目さがかわいらしいと思ってみたりもできます。

家計簿だけどそれだけじゃない

普段ならば、レシートは書き写してから処分します。しかしたまに例外があり、子供と映画を見に行った時や電車に乗ってどこかに行ったりした時にその半券や、車掌さんが小さな子供にくれた切符を記念に貼り付けることがあります。後で見返した時に、その切符を汗ばんだ手で握っていた子供の姿を思い出して口元が緩みます。

8年ほど前の家計簿を見ると、割り箸の袋が貼り付けてある月がありました。「なぜこんなものを貼り付けているのだろう?」と不思議に思い、そのひと月分をよくよく調べました。どうやら子供が初めて新幹線のワゴンサービスでお弁当を買って食べた、ということで「とっておいてね」と言ったらしいです。割り箸の袋の裏に書いてありました。

写真を保存するアルバムにわざわざ残すほどではないけれど、その時の出費とそれにまつわる小さな思い出が一緒に取っておけるのが手書きタイプの家計簿のステキなところでしょう。

やっぱり手書きは面白い

自分と家族の出費の歴史を、その時の気持ちや思い出と一緒につづっていけるのが手書きの家計簿の醍醐味ではないでしょうか。10年分ほど貯まってくると、書き始めのころと現在を比べて、自分の筆跡が変わっていることに気づきました。だんだんと母の書く字に似てきているようです。

自分の成長、家族の成長、余白に書かれたその時の悩み事・・・年数を重ねた分だけ、手に持った時の重さがずっしりと感じられて、流れた時の重さを感じることができます。家族の誕生日がある月には色鉛筆でデコレーションをしてみたり、手書きならではの華やかさや温かみが感じられます。

さぁ、皆さんもぜひ、家計簿を書いてみてください。自分と一緒に育っていく、そんな家計簿を感じてみてください。最後に、家計簿をつける上で絶対守った方がいいルールを一つ、ご紹介します。

「レシートは絶対に溜めないこと」です。