マイナンバー制で年金未納が発覚?他人事じゃない年金滞納問題

年金を払っていない人いませんか?年金未納者が若い世代を中心に増えているといいます。マイナンバーの導入が本格的に始まれば、これまで未納通知を受けていなかった人の所にも納付勧告が届くかも?!マイナンバーと年金未納の関係とは?年金未納するとどうなるのか。他人事じゃない年金滞納問題についてまとめてみました。



年金未納者って意外と多い

国民年金というと「払ってないよ」「将来もらえるか分からないでしょ?」といった声をよく耳にします。年金を未納する背景には、どんな理由があるのでしょう。気になったので調べてみました。

厚生労働省の調査で「国民年金未納の理由は?」という質問に対して、一番多かった答えが「保険料が高く、経済的に支払うのが困難」でおよそ62%。半数以上の人は収入が少ないために払えない、ということでした。他にも、「将来の年金制度が不安だから」とか「まだ若いから払わなくていいと思う」などといった意見も、少数ですがありました。

年金問題だけでなく、消費税が8%から10%に増税されることも決まっていますし、手元に残るお金に不安があると国民年金の支払いをためらってしまうのかもしれません。

平成27年度の国民年金定額保険料は、月額15,590円となっています。これが12カ月分なので、年間では187,080円。この金額が高いか、安いかは人それぞれだと思います。しかし、アルバイトや契約社員といった仕事で生計を立てている人にとっては、毎月これだけの保険料を納めるのは厳しいかもしれません。

国民の義務とされている国民年金。毎月支払う事ができればいいですが、経済上の理由などで、どうしても払えない人は諦めるしかないのでしょうか?

国民年金にはこのような人のために救済手段がちゃんと用意されています。まったく払わないと、将来の年金を受け取る事は出来ません。救済手段があるのなら、フル活用して免除や猶予してもらった方がお得です。国民年金を未納している人は、年金についてもう一度考えてみませんか?

国民年金保険料|日本年金機構
参照元:日本年金機構(2015年12月、著者調べ) 国民年金の平成27年度保険料について説明されています。



マイナンバーと年金の関係

2016年1月からマイナンバー制度が本格的に始まります。マイナンバーで生活に便利なことは色々あるといいますね。これまでは公的手続きをする時に、必要書類を自分で各役所を回って集めなければいけませんでした。マイナンバー導入で、役所通し情報を連携できるようになるので手間が省けるそうです。

例えば私の経験ですが、入籍しようとした時に戸籍謄本を一緒に提出して下さいと言われて面倒だなあと思った事がありました。主人の本籍地が住所からだいぶ離れた県だったのです。電話で問い合わせをしてから取り寄せるまでずいぶん手間がかかりました。

マイナンバーがあれば、このような手続きの際にも役所の間で情報の確認ができるようになり、書類の数も減るし、申請する私たちの手間も減るので便利です。他にも銀行の情報をマイナンバーに紐付けしようなどといった問題もあるので、メリットばかりではなさそうですが、どのようになってゆくか期待しましょう。

年金記録問題が一時期テレビなどで大きく取り上げられましたが、マイナンバー導入の背景にはこういった事も関係しているようです。そのため、今後は年金情報を管理するのにマイナンバーがフル活用されるでしょう。国民年金を未納にしてきた人は、今のうちに見直した方がいいかもしれません。

ところで年金を未納すると将来もらう年金がもらえなくなると聞きますが、払わなかった場合なにか罰則はあるんでしょうか?年金を未納のままにしているとどうなるのか、見てみましょう。

未納のままだとどうなるの?

未納のままにしているとどんな事が起こるんでしょうか?厚生労働省の年金未納者に対する対応をまとめた報告書によると、次のような手順で年金の支払いを促しているようです。

①催告状を郵送、電話や戸別訪問を行う
②特別催告状を郵送
③最終勧告状を郵送
④督促状を郵送
⑤滞納処分を開始、電話や戸別訪問により納付を促す
⑥財産調査を開始
⑦差し押さえ予告通知を郵送
⑧差し押さえ実施

上の内容を詳しく解説します。国民年金が未払いの状態になると、”催告状”が日本年金機構から送られてきます。国民年金の保険料が未払いですので支払いをして下さい、支払いが難しい場合には年金事務所まで相談に来て下さい、というような内容が記載されているようです。

この時点で未納分を支払うか、年金事務所に”免除・猶予”の申請をすれば問題ないと思われます。この催告状を放置していると、年金事務所から年金支払いの催促する電話がかかってくるそうです。この電話も無視し続けていた場合には”最終催告状”というものが送られてきます。

”最終催促状”は、年金が未納になっているというお知らせの最終告知のようなものです。この段階ではまだ、保険料を支払える収入があるのか調査しているわけではないようです。そのため、もし支払い困難な時には相談をすれば免除してもらえる可能性があります。

さらに、この機会も逃してしまったらどうなるのか。”最終催告状”の次は”督促状”が送られてきます。催告状と違って、強制的な意味合いが強まります。これを無視すると、大変なことになります。ここで初めて銀行の預金残高や所有物など財産調査がされ、最悪の場合、本人や配偶者の財産が差し押さえられるというのです。

厚生労働省の調査によれば平成25年度の督促状送付実績は全国で4.6万件、差し押さえ通知書の送付だけでも1.0万件あるそうです。差し押さえに至るまでには、何度も日本年金機構から未納についてのお知らせや電話があるはずなので、もし未納になっていたなら早めに対応した方が良さそうです。

滞納処分される人・されない人

国民年金の支払いを未納すると差し押さえになるかもしれないというのは驚きでしたが、未納しているけど催告状も来ないし、差し押さえにもあってないよという人もいますよね。年金未納者への支払い勧告がされるのには、一定の条件があるようです。滞納処分を実行される条件は次の2点です。

・年金未納期間が13か月以上
・年間所得が400万円以上
(いずれも平成26年現在の内容)

この条件に当てはまる年金未納者の人すべてに督促状を送付するとしています。さらに今後は、免除・猶予の申請を行っていない年金未納者すべてに督促目指すとも言っているので、もしかするとこれから強制徴収される人が増えるかもしれませんね。

督促状が送られてきて、指定された期限までに未納分の保険料を払わないと延滞金が科せられます。延滞金の利率は年14.6%とされています。想像していたより高い利率で驚きました。督促状が送られるより前に何かしらの対応をするのが賢明です。

厚生労働省:政策レポート(延滞金軽減法及び遅延加算金法の成立について)
参照元:厚生労働省(2015年12月、著者調べ) 国民年金滞納者への対応と延滞金について説明しています。

年金未納には時効がある?

20歳以上で日本に住んでいる人は、国民年金は支払うのが義務とされています。大学在学中の人なら、収入はアルバイトの給料くらいだと思いますが、その中から年金を収めるのはちょっと厳しそうですね。実際、学生で年金を未納になっている人は少なくないと聞きます。

いくら国民の義務だからと言って、学生や収入が少ない人も皆同じだけの年金を収めてくださいというのは少し酷ですよね。そんな経済的理由で年金が払えないという時に、申請すれば国民年金の支払い免除や猶予期間を受けられる制度があるそうです。日本年金機構のホームページに、基準が掲載されていました。

この中で、”若年者納付猶予制度”というのは、20歳以上30歳未満で国民年金が払えない人を救済するための制度です。納付猶予される所得の基準を下に挙げておきました。他にも、保険料が免除される所得基準も載せておきましたので参考になさってください。

・全額免除
前年所得が以下の計算式で計算した金額の範囲内であること
(扶養親族等の数+1)×35万円+22万円
・4分の3免除
前年所得が以下の計算式で計算した金額の範囲内であること
78万円+扶養親族等控除額+社会保険料控除額等
・半額免除
前年所得が以下の計算式で計算した金額の範囲内であること
118万円+扶養親族等控除額+社会保険料控除額等
・4分の1免除
前年所得が以下の計算式で計算した金額の範囲内であること
158万円+扶養親族等控除額+社会保険料控除額等
・若年者納付猶予制度
(扶養親族等の数+1)×35万円+22万円

出典:

www.nenkin.go.jp
免除や猶予を受けた場合、将来受け取れる年金額が少なくなります。これを補う救済制度が”追納”です。しかも、保険料の免除を受けてから過去10年以内であれば、遡って免除額を納めることができるそう。追納すれば年金額を増やせますし、可能であれば期限内に収めた方がお得ですね!

これらの免除や猶予または追納は全て自己申告ですので、もし該当しているのであればご自分で申請をするようにしてください。分かりにくい時は、お住まいの市町村の年金窓口に相談すると申請方法など教えてくれると思いますので、問い合わせしてみてください。

保険料を納めることが、経済的に難しいとき|日本年金機構
参照元:日本年金機構(2015年12月、著者調べ) 国民年金の追納制度について説明されています。

後納制度を活用しましょう!

年金未納期間を何とかしたい、とお考えの方は国民年金の後納制度を利用される事をお勧めします。これは、年金未納期間の分の保険料を過去5年に遡って支払う事ができる制度です。遡って保険料を納める事で未納期間をなかったことにできたり、将来もらえる年金額に上乗せできたりするというのでお得です。

国民年金は20歳になったら支払い義務が発生し、60歳で満期となります。この全期間を支払った人が満額で、780,100円(平成27年4月からのデータです)受け取れます。

老齢基礎年金を受け取るためには25年以上の保険料納付が条件になります。年金を納めていないカラ期間があるとその分は老齢年金の受け取り金額が少なくなってしまいます。カラ期間があるか分からない人人は、年金定期便、または「ねんきんネット」に登録すると保険料の納付状況を確認する事ができます。利用してみてください。

過去10年分を遡って後納できる制度も行われていましたが、こちらは平成27年9月30日で終了してしまいました。現在行われている後納制度は、平成27年10月~平成30年9月までの3年間限定となっていますので、この機会に未納期間を埋めて年金上乗せするのがお勧めです。

老齢基礎年金の計算式は次のとおりです。
780,100円×〔保険料納付月数+(保険料全額免除月数×8分の4)+(保険料4分の1納付月数×8分の5)+(保険料半額納付月数×8分の6)+(保険料4分の3納付月数×8分の7)〕/加入可能年数×12
ただし平成21年3月分までは、全額免除は6分の2、4分の1納付は6分の3、半額納付は6分の4、4分の3納付は6分の5にて、それぞれ計算されます。

出典:

www.nenkin.go.jp

障害年金がある事もお忘れなく

65歳以上になると支給される国民年金は、年金受給年齢になる前に病気などの理由で障害が残ってしまった時に、障害基礎年金というものを受け取ることができます。障害基礎年金で受け取れる場合の条件と金額について日本年金機構に記載されていた内容を、下に載せておきますので参考になさってください。

障害基礎年金を受給するには一定の条件を満たしている必要がありますが、国民年金を納めている人なら、こういった状況になってしまった時に受給する権利があるのです。もし国民年金を未納のまま放置してしまったら、もしかするとこの権利が得られなくなるかもしれません。

こう考えてみると、将来に何が起こるか分からない自分の人生を自分で守るために、国民年金はしっかり納めた方がよさそうに思えます。

ところで年金の未納期間がある人は、遡って追納できることをご存知ですか?事情があって国民年金を未納していたけれど、後から気付いて追納したいと思ってるんですが…。そういった人はある一定の期間、遡って追納が可能だと言います。その一定期間というのが2年間なのです。

2年を過ぎるとどうなるのか?年金の未払いを国が徴収できる期間は、2年で時効になります。後納制度を利用すれば「保険料の未納期間」を埋めることができますが、この後納期間を過ぎてしまうと「未納期間」として老齢基礎年金の受給金額が少なくなってしまいます。

障害基礎年金、老齢基礎年金、どちらも収入が少なくなってからの生活を支えてくれる大切な財産です。今はあまり実感がないかもしれませんが、しっかり納めて将来に備えるようにしましょう。

国民年金に加入している間に初診日(障害の原因となった病気やケガについて、初めて医師の診療を受けた日)のある病気やケガで、法令により定められた障害等級表(1級・2級)による障害の状態にある間は障害基礎年金が支給されます。
※平成27年4月分からの年金額(定額)
 975,100円(1級)
 780,100円(2級)

出典:

www.nenkin.go.jp



自分への投資と考えてみる

国民年金といえば、株式運用で7兆円が消えた!などあまり明るくない話題がよく取り上げられます。それらの情報を聞くとなんとなく国民年金は危ないんじゃない?と不安な気持ちも起こります。そのためか、若い世代を中心に、年金未納者が増えているそうです。

マイナンバーが2016年1月から本格的に始まれば、これまで年金未納でも勧告などされなかった人にも、年金未納者として督促状が送られるかもしれません。

経済的に支払う事が出来ない人もいると思います。そういう人の中には、免除の制度があるのを知らない人もいるかもしれません。国民年金は日本に住む人なら支払う義務があります。とはいえ、生活に困るほどの人にはちゃんと救済制度が作られているのです。

国民年金で受け取れる年金は、65歳以上になった時に受け取れる老齢基礎年金だけではありません。もしも事故や病気で障害が残ってしまった時には、障害年金を受け取る権利もあるのです。自分に何かあった時のために、自分への投資だと考えてみるのはいかがですか?

もし未納のまま放置しているなら、早めに年金事務所に相談に行く事をお勧めします。早めに対応すれば、それぞれの状況に応じた納付の方法を教えてくれます。それもしなかったら最悪の場合、差し押さえに遭うかもしれません。そうならないよう、年金の支払いについて見直してみてください。 *本記事の情報は、一般的または筆者個人の調査によるものです。法令などの改正、前提事実や個人状況の違いや変化によって、掲載内容と実際の結果が異なってしまう可能性があります。 従って本記事の掲載内容については一切の責任を負いかねますので、内容の解釈や実践はご自身の責任で行い、専門家に相談されることを推奨いたします。