【配偶者特別控除の金額】廃止でも130万の壁は関係なし?

「配偶者特別控除」ってどんな制度?控除だから税金に関係しそう。でも具体的にどんな金額が関係する?また、「配偶者控除の廃止」の話が出ているけれど、関係するのは103万円の壁なの?130万円の壁は関係ある?ない?など配偶者特別控除の基本知識についてわかりやすくまとめました。



配偶者特別控除って何?

配偶者控除とはまた別のもの?

名前だけではわかりづらいものが世の中には沢山ありますね。「配偶者特別控除」もそうです。「何が特別?」と思う方もいることでしょう。「配偶者控除とはまた別なの?」と思う方もいることでしょう。そうなのです。「こういうものですよ」と説明されればなるほどと思えても、「名前だけではわからない」のですよね。

ですので、ここではわかりやすく説明していきましょう。

「配偶者控除」の「特別配慮バージョン」と考えるとわかりやすいかもしれません。

「配偶者控除」のこともよくわからない

配偶者控除のこともよくわからない、という場合もあることでしょう。

「配偶者控除」とは、「ある条件を満たした配偶者のいる人が税金負担を軽くしてもらえるもの」です。わかりやすい具体例で言うと、収入が103万円以下の奥さんのいるご主人は所得に応じて税金負担が軽くなっています。

税金がかかる収入額から38万円(←ココが配偶者控除と呼ばれる部分)を引いてくれる

ということです。例えば所得税額が10%かかる人であれば38,000円税額負担が減るし、20%かかる人であれば76,000円税額負担が減るということ。

控除とは「税金のかかる所得金額から引かれる一定額なのだな」というイメージがつかめましたね。

No.1191 配偶者控除|所得税|国税庁
参照元:国税庁(2015年12月時点、著者調べ)

配偶者特別控除の「特別」とは

配偶者控除の話で103万円というキーワードが気になった人が多いことでしょう。「じゃあ、103万円以上働いたら損じゃないの?103万円分働いたら得なのに105万円分働いてしまったら損ということ?」と思いますね。そうなのです。それが世間で言われている「103万円の壁」です。

あまりにも急激ですよね。38万円分もの控除が「ある一定額」できっちり線引きされるわけですから。

そこで配偶者「特別」控除のご登場となります。政府もそこはちゃんとわかっているわけです。104万円(厳密には103万円を超えた金額)から141万円未満の収入の人の場合には「段々金額は減らされるものの一定額を控除しますよ」という制度なのです。つまり、141万円に近い収入金額だと控除額は3万円とかなり少なく、104万円くらいの収入だと控除額が38万円で103万円の人と変わらないのです。階段状に減っていくイメージ。

No.1195 配偶者特別控除|所得税|国税庁
参照元:国税庁(2015年12月時点、著者調べ)



配偶者特別控除の金額

階段状に減っていく金額が知りたい

「38万円」と決まった一定額が控除してもらえる配偶者控除と異なり、「配偶者特別控除」は働いた金額によって異なることをご説明しました。だとすると、そのくらいの金額で働く人は「具体的な金額」が気になりますね。ご紹介しましょう。

「正確」には合計所得額で決められているものの、「所得額」は「収入から経費などを引いたもの」にしていいこととなっており、一律65万円(いちいち計算するのは大変だから基本額が決まっています)引いていいことになっています。ですから、基本的には「収入換算額」で考えればいいわけです。

【合計所得額:収入換算額:配偶者特別控除の金額】
●38万円を超え40万円未満:103万円を超え105万円未満:38万円
●40万円以上45万円未満:105万円以上110万円未満:36万円
●45万円以上50万円未満:110万円以上115万円未満:31万円
●50万円以上55万円未満:115万円以上120万円未満:26万円
●55万円以上60万円未満:120万円以上125万円未満:21万円
●60万円以上65万円未満:125万円以上130万円未満:16万円
●65万円以上70万円未満:130万円以上135万円未満:11万円
●70万円以上75万円未満:135万円以上140万円未満:6万円
●75万円以上76万円未満:140万円以上141万円未満:3万円
●76万円以上:141万円以上:0円

ご覧の通り大体5万円刻みで金額が減っていきます。そして、最後は中途半端な1万円刻みがありますが、上限が76万円未満(141万円未満)と決まっているためにそのようになっているようですね。

No.1195 配偶者特別控除|所得税|国税庁
参照元:国税庁(2015年12月時点、著者調べ)

廃止になっても130万円の壁は関係ない

130万円の壁は社会保険の問題だから

最近よく耳にするのが「配偶者控除の廃止が検討されているらしい」ということ。これまで説明してきたように「配偶者特別控除」は配偶者控除に関連したような制度ですから、同時に廃止される可能性がありますよね。

まず、抑えておきたいポイントとして「配偶者控除の廃止」でなくなる壁は「103万円の壁」です。130万円の壁とは関係ありません。配偶者控除が廃止になっても130万円の壁はなくならないのです。

では、130万円の壁とは?という話になりますが、130万円以上働くと社会保険の負担が増えるということです。具体的には年金保険料や健康保険料を自分で負担しなければならなくなるということ。それは大きな負担です。

ちなみにこの130万円の金額も平成28年10月から106万円くらいに引き下げられてしまうのですが、それはまた別の機会にお話ししましょう。大事なのは「社会保険の負担」と「配偶者控除の廃止」が別の話ということです。



ソフトランディングの制度だった

いかがでしたか?「配偶者特別控除」は「配偶者控除」だけでは急激な変化となってしまうため、控除額をソフトランディングさせるための制度ということでした。

税改正が続いて「よくわからなかった」ワードを理解する必要が出てくることも増えてきました、そのために今回の知識が役立てば幸いです。

*本記事は一般的な情報に過ぎず、適用法令等の改正、前提事実や個人状況の違いおよび変化によって、掲載内容と実際の結果が異なってしまう可能性があります。従って本記事の掲載内容については一切の責任を負いかねますので、内容の解釈や実践はご自身の責任で行い、専門家に相談されることを推奨いたします。