〈雇用保険で再就職手当がもらえる9の条件〉祝い金について解説

失業保険をもらっている間に再就職先が決まるとお祝い金がもらえることご存知でしたか?失業保険に比べ、あまり知られていない再就職手当。知らないなんて絶対損です!その内容、もらえる条件から手続き方法まで紹介します。



再就職手当とは?

再就職手当とは、失業保険の受給が決定した後、比較的早い段階で安定した再就職先が決まったときに、残りの給付日数に応じて手当てが一括でもらえるものです。就職お祝い金のような意味合いがあります。

失業保険を満額もらうよりは金額的には少なくなりますが、早めに就職が決まればその分お給料は手に入りますし、生活が安定するのも早くなります。ギリギリまで失業保険を受給するよりもいいスタートを切ることができると思います。

今回の記事では、再就職手当の支給の条件やもらえる金額の計算方法、ハローワークでの手続きの方法まで解説していきたいと思います。失業保険を受給しながら就職活動をしている方はぜひ参考にしてください。



再就職手当を受け取るための条件

まずは、もらえる人の条件から説明していきたいと思います。再就職手当をもらうためには以下のようないくつかの条件があります。この条件すべて満たしている必要があります。

支給の要件について

■ 再就職手当の支給を受けるには下記のすべての要件を満たす必要があります。
① 受給手続き後、7日間の待期期間(※)満了後に就職、又は事業を開始したこと。
② 就職日の前日までの失業の認定を受けた上で、基本手当の支給残日数が、所定給付
日数の3分の1以上あること。
③ 離職した前の事業所に再び就職したものでないこと。また、離職した前の事業所と
資本・資金・人事・取引面で密接な関わり合いがない事業所に就職したこと。
④ 受給資格に係る離職理由により給付制限(基本手当が支給されない期間)がある方
は、求職申込みをしてから、待期期間満了後1か月の期間内は、ハローワークまた
は職業紹介事業者の紹介によって就職したものであること。
⑤ 1年を超えて勤務することが確実であること。
(生命保険会社の外務員や損害保険会社の代理店研修生のように、1年以下の雇用期
間を定め雇用契約の更新にあたって一定の目標達成が条件付けられている場合、又
は派遣就業で雇用期間が定められ、雇用契約の更新が見込まれない場合にはこの要
件に該当しません。)
⑥ 原則として、雇用保険の被保険者になっていること。
⑦ 過去3年以内の就職について、再就職手当又は常用就職支度手当の支給を受けたこ
とがないこと。(事業開始に係る再就職手当も含みます。)
⑧ 受給資格決定(求職申込み)前から採用が内定していた事業主に雇用されたもので
ないこと。
⑨ 再就職手当の支給決定の日までに離職していないこと。
※待期期間中に仕事等をしたことにより失業の状態でなかった日や、失業の認定を受けていな
い日については、待期期間に含まれませんのでご注意下さい

出典:

www.hellowork.go.jp
ハローワークでもらえる手引きの引用ですが、少し難しいので1つづつわかりやすく説明したいと思います。

①受給手続き後、7日間の待期期間満了後に就職、又は事業を開始したこと。

受給手続き後というのは、失業保険の手続きをした後、という意味です。

前の仕事を辞めると離職票をもらいます。その離職票を持ってハローワークに行きます。すると、失業保険の申請をしてくれますのでその手続きの後7日間ということです。この7日間働かないことで失業者であると認定されるのです。この待機期間中に勤務が開始されると失業と認定される前に再就職となり、再就職手当はもらうことができません。

だいたい7日間後に失業保険の説明会がありますので、この説明会に出席していれば7日間の待機期間満了ということになります。説明会に出た後の就職であれば大丈夫ということです。

② 基本手当の支給残日数が、所定給付日数の3分の1以上あること。

所定給付日数とは、失業手当を受けられる日数です。失業保険の手続きをするともらえる、『雇用保険受給資格者証』で確認することができます。この日数は雇用期間、年齢、退職理由などによって人によって違いますのでご自身のものをきちんと確認してください。

例えば、この日数が90日となっている場合、3分の1は30日分です。ですので、60日分の失業保険を受け取っていても再就職手当をもらえることになります。

③ 離職した前の事業所に再び就職したものでないこと。

辞めた会社にもう一度再就職するという場合は認められません。また、その会社の関連会社への再就職も同じく認められませんのでご注意くださいね。

④給付制限がある人に限り、待期期間満了後1か月の期間内は、ハローワークの紹介によって就職したものであること。

自己都合で退職した場合は、3ヶ月の給付制限があります。その制限がある人は、7日間の待機満了日から1ヶ月間はハローワークからの紹介での就職でなくてはいけませんということです。

この1ヶ月の間にハローワークからではなく、バイト情報誌や転職サイトから再就職したとしても再就職手当はもらえません。

ですが、会社都合で退職した場合や、倒産で離職した場合は、給付制限はありませんので、どのような経緯で就職しても給付の対象となります。

⑤ 1年を超えて勤務することが確実であること。

再就職先の雇用条件を確かめましょう。もし、1年以内の短期での採用の場合は条件を満たしません。アルバイトや派遣でも1年以上の雇用が見込まれるのであれば大丈夫です。

もし、パートやアルバイトで1年以内の雇用の場合は、『就業手当』がもらえます。この就業手当については後の方に詳しく説明しています。

⑥ 原則として、雇用保険の被保険者になっていること。

再就職先でも雇用保険に加入することが条件です。正社員の場合は加入することがほとんどですが、パートやアルバイトで就職する場合は採用条件によっては加入できない場合もあるので確認が必要ですね。

雇用保険に加入できる条件は、1週間の労働時間が20時間以上であることと、31日以上の雇用の見込みがあることです。この条件を満たした勤務でしたら雇用保険に加入することができます。

⑦ 過去3年以内に再就職手当又は常用就職支度手当の支給を受けたことがないこと。

これはそのままですね。3年以内に再就職手当を受け取っている場合、今回は受け取ることができません。たとえば、再就職ではなく、新しく事業を始める場合にもらえる再就職手当をもらっていてもだめです。

⑧ 受給資格決定前から採用が内定していた事業主に雇用されたものでないこと

失業保険の申し込み手続きをする前から、すでに再就職先が決まっていたら受給できません。失業している状態からの再就職が条件となります。

⑨ 再就職手当の支給決定の日までに離職していないこと。

再就職手当の決定までの日数は書類を早めに出したとしても、だいたい申請してから2ヶ月ほどかかります。この決定までは退職してはいけませんよということです。

再就職手当のご案内
参考元:厚生労働省 ハローワーク (2015年12月時点、著者調べ)

いくらもらえるの?

では、再就職手当はいくらくらいもらえるものなのでしょう。この金額はその人によって変わってきます。次の仕事をする前日までの基本手当の支給残日数により給付率が変わってきます。

残日数が所定給付日数の3分の2以上の場合は、残日数の6割相当額、残日数が所定給付日数の3分の1以上の場合は、残日数の5割相当額もらえます。

ということは、早く就職すればその分多くの給付金をもらえるということです。

基本手当日額× 所定給付日数の支給残日数×50%又は60%で金額を計算できます。基本手当日額、支給残日数ともに、雇用保険受給資格者証に記載されていますので、計算してみましょう。

例えば、基本手当日額が5500円、所定給付日数が90日、支給残日数が60日の場合
5,500円×60日×60%=198,000円となります。結構大きな金額になりますよね。

このような制度を知らずに就職してしまう人も多いようです。新しい生活の始まりは何かと物入りだったりしますよね。ぜひ、有効に使いましょう。

再就職手当の計算 – 高精度計算サイト
再就職手当の額を計算します。雇用保険受給中に一定の条件で再就職をすると、再就職手当を受給することができます。



手続きはどうすればいい?

では、再就職手当の手続きの仕方を説明します。まず、失業保険の受給している状態で再就職先が見つかったら、すぐに最寄のハローワークに行きましょう。就職日の次の日から1ヶ月以内に書類を提出しなくてはいけません。できるだけ早めに行動しましょう。

手続きは、ハローワークで再就職手当の申請をする→書類を受け取る→自分で記入→再就職先に記入してもらう→ハローワークに提出(郵送でも可)。という流れになります。

注意したいのは、就職先は地方でも書類に記入してもらうのは本社の総務で、という場合があります。この場合本社と郵送でのやり取りになると思うのですが、ここでも結構時間がかかってしまいます。1か月という期限がありますので、余裕を持って早めに行動に移しましょう。

調査が行われ、支給・不支給が決定するとまず決定通知が郵送で届きます。その後、口座に入金されます。

必要な書類

必要な書類は以下のものです。「再就職手当支給申請書」、「雇用保険受給資格者証」、「採用証明書」です。「再就職手当支給申請書」は再就職手当を申請するときにハローワークでもらえます。「雇用保険受給資格者証」は失業保険の手続きのときにもらえるものです。「採用証明書」は雇用保険受給資格者のしおりの最後に付いています。

「再就職手当支給申請書」と「採用証明書」は自分で記入するところだけでなく、再就職先に記入してもらうところもあるます。新しい職場に迷惑をかけないためにも早めに書類をもらいに行きましょう。

いつ支給されるの?

手続きをした後、いつ頃手当はもらえるのでしょうか?申請から何日後といった明確な日数はわからないのですが、だいたい申請から1ヶ月~2ヶ月程かかると思われます。気長に待ちましょう。

再就職手当は申請したからといって必ずもらえるわけではなく、支給するかしないかの調査が行われます。再就職先へ電話等で確認の問い合わせがあり、問題なく働いていますと回答があれば調査完了です。そこで、このままの雇用は難しいだとか、すぐに辞めそうだという回答があると一旦保留となります。

支給条件でもありましたが、再就職手当を支給される前に辞めてしまうともらえませんのでご注意くださいね。

再就職すると他にもこんな手当がもらえます

就業促進定着手当

再就職先のお給料が、前の勤務先のお給料よりも下がってしまった場合、6ヶ月間継続して働いたら前のお給料との差額6か月分をもらうことができるのです。2014年から始まった手当で「就業促進定着手当」といいます。これは、再就職手当だけをもらってすぐに辞めてしまう「手当狙い」を防ぐための対策とのことです。

支給額は「前職の賃金日額-再就職先の6か月間における日額×再就職先で6か月間の就労日数=支給額」で計算されます。

条件は以下の通りです。

平成26年4月1日以降の再就職で、次の要件をすべて満たしている方
① 再就職手当の支給を受けていること
② 再就職の日から、同じ事業主に6か月以上、雇用保険の被保険者として
雇用されていること
(起業により再就職手当を受給した場合には、「就業促進定着手当」は受けられません)
③ 所定の算出方法による再就職後6か月間の賃金の1日分の額が、離職前の賃金
日額を下回ること

出典:

www.mhlw.go.jp

再就職後の賃金が、離職前の賃金より低い場合には 「就業促進定着手当」が受けられます
参考元:厚生労働省 (2015年12月時点、著者調べ)

就業手当

再就職手当には支給条件⑤「1年を超えて勤務することが確実であること。」という条件があります。この条件ですと、再就職がパート・アルバイトの場合当てはまらないことが多いです。就業手当は長期の雇用以外の雇用に支給される手当です。

短期の雇用は『就業』なので就業手当、長期の雇用は『就職』なので再就職手当と考えるとわかりやすいかもしれませんね。

再就職手当と条件はほとんど変わらないのですが、「基本手当の給付日数が3分の1以上で45日以上残っていること」というのがありますので注意が必要です。

支給額は『支給残日数×30%×基本手当日額=支給額』で計算されます。しかも1日1,747円(60歳未満、60歳以上65歳未満は1,416円)という上限があります。再就職手当に比べると結構少なく感じてしまいますね。ここにも「バイトじゃなくてきちんとした仕事さがそうね」といった国からのメッセージがこめられているような気がしてしまいます。

ハローワークインターネットサービス 就職促進給付
参考元:ハローワーク(2015年12月時点、著者調べ)

常用就職支度手当

常用就職支度手当とは、基本手当等の受給資格がある方のうち、障害のある方など就職が困難な方が安定した職業に就いた場合に基本手当の支給残日数が所定給付日数の3分の1未満を支給するものです。

常用就職支度手当について
参考元:厚生労働省(2015年12月時点、著者調べ)

よくある質問

そのほか、再就職手当についてよくある質問をまとめてみました。参考にしてみてください。

再就職手当をもらった後、また退職したら返さなくてはいけない?

再就職手当を受給しましたが、再就職後1年を経過せずに退職した場合は、再就職手当を返還しなければいけないのでしょうか?

出典:

detail.chiebukuro.yahoo.co.jp
再就職手当をもらった後に再就職先を辞めた場合、再就職手当を返さなくてはいけないなんてことはありません。嘘の申告をしていなければ、不正受給にもなりませんので安心してくださいね。

受給期間満了日以内で、支給残日数があれば、雇用保険の受給も再開できますので、まずはハローワークへ行くことをおすすめします。

待機期間の7日間の間に内定が決まったら再就職手当はもらえない?

再就職手当について質問です。待機期間が7日間ですが、例えばその7日以内に内定が決まり、出勤日が7日を超えていれば給付されるのでしょうか?ハローワークでは採用日が7日
を超えていれば給付されるとの事でしたが、採用日=出勤日になるのでしょうか?それとも採用日=内定日になるのでしょうか?または全く違っていますか?いずれにせよ、そういった事に対してうといので詳しい方、教えて頂けないでしょうか?そして会社によっては内定日を月の初めにずらしたり出来るのでしょうか?
給付されるためにはどのようにすればよいかご教授願います。

出典:

detail.chiebukuro.yahoo.co.jp
支給条件①についての質問ですね。待機期間の7日間の間に内定の連絡があった場合、再就職手当はもらえるのでしょうか。

支給条件①とは「受給手続き後、7日間の待期期間満了後に就職、又は事業を開始したこと」、となっています。ここでいう就職というのは、あくまでお給料の発生する日なので初出勤の日となります。内定が待機期間中だったとしても、初出勤が待機満了日より後でしたら再就職手当の条件に当てはまるということになります。

ただ、注意したいのはどのように再就職先を見つけたかです。④の条件にあるように、給付制限がある人に限りますが、再就職先がハローワーク紹介の仕事に限りとなります。

再就職手当ては、課税対象になるのでしょうか?

再就職手当ては、課税対象になるのでしょうか?
年間103万以内の収入で扶養範囲に入りたい場合、稼ぎが103万以内で抑えたとしても、再就職手当てを入れて103万を超えた場合は税の扶養から外れ
るのでしょうか?

また、夫の年末調整の申告の際、再就職手当てを含めた収入を記入する必要が出てくるのでしょうか?

出典:

detail.chiebukuro.yahoo.co.jp
再就職手当は非課税所得に該当しますので、課税されません。確定申告も不要です。

ですが、年の途中で退職した場合、確定申告で税金の還付が受けられる可能性も有ります。その場合は確定申告はやったほうが良いかもしれませんね。ともかく再就職手当や失業保険の受給額は非課税です。

まとめ

これまで頑張って働いてきた分、退職したら少しゆっくりしたいという気持ちもあるかもしれませんが、早めに再就職先を決めることでまとめてもらえる金額も増えて生活にゆとりもできます。

せっかくもらえるならしっかり受け取って、新しい勤務先で必要なアイテムを購入するなどして有効に使いたいですね。

今回の記事がお役に立てれば幸いです。