【奨学金体験談】日本学生支援機構の奨学金を借りてみました

3年前、著者の子どもが、日本学生支援機構の奨学金を借りました。その時の記録を元に日本学生支援機構の奨学金を借りるための手続きやノウハウをみなさんにも紹介します。大学進学を目指して勉強を頑張っているお子さんやご両親の方はぜひ参考にしてください!



日本学生支援機構とは?

奨学金といえば一度は聞いたことがある日本学生支援機構。日本で一番メジャーな奨学金ではないでしょうか。私が学生の頃は日本育英会といっていました。2004年から現在の日本学生支援機構という組織になっています。

大学・短大・高等専門学校・大学院等で学ぶ学生のための貸与型の奨学金を実施しています。
貸与型のため、必ず返済する義務があり、返済された奨学金は次に奨学金を借りる学生の原資となります。そのため、日本学生支援機構の奨学金は「ローン」と考えて差し支えないと思います。後述いたしますが、返済の義務があるために、保証人が必須となります。

独立行政法人日本学生支援機構(にほんがくせいしえんきこう、Japan Student Services Organization:JASSO、ジャッソ)は、独立行政法人通則法に基づく、中期目標管理法人たる独立行政法人である。設立根拠法は同法及び独立行政法人日本学生支援機構法。主に学生に対する貸与奨学金(student loans)事業や留学支援、また外国人留学生の就学支援を行っている。

出典:

ja.wikipedia.org

独立行政法人日本学生支援機構-JASSO
参照元:独立行政法人日本学生支援機構(2015年12月時点 著者調べ)

日本学生支援機構 – Wikipedia
参照元:Wikipedia・日本学生支援機構(2015年12月時点 著者調べ)



奨学金の種類と借りられる額

日本学生支援機構の奨学金には、いくつかの種類があります。
まず、おおまかにわけて国内の大学・短大・高等専門学校で学ぶための奨学金と、海外留学の際に利用できる奨学金です。
ここでは国内奨学金について説明していきたいと思います。

第一種奨学金と第二種奨学金

奨学金の種類には第一種奨学金と第二種奨学金があります。これは利息がつくかつかないかという違いです。第一種奨学金は無利息です。第二種奨学金は有利息です。

当然、第一種奨学金が借りられたらこんなに嬉しい事はありません。そのため、第一種奨学金は狭き門です。

第二種奨学金は、有利息奨学金です。ただし、年利は上限3%となっており、在学中は無利息となっています。そのため、民間の教育ローンを借りるよりはるかに低利です。

なお、第一種奨学金と第二種奨学金は併用する事ができます。

入学時特別増額貸与奨学金

毎月貸与される奨学金とは別に、規定を満たせば入学時にまとまった金額の奨学金を借りる事ができます。例えばサラリーマンの場合、4人家族で年収400万円以下の場合などがひとつの目安になります。貸与金額は貸与金額:10万円・20万円・30万円・40万円・50万円のいずれかです。

くれぐれも注意していただきたいのは「入学時貸与」であり、「入学前の貸与ではない」という事です。貸与された奨学金をそのまま入学金の支払に当てたい、入学前に借りたアパートの敷金などに使いたい…などには間に合いませんので、ご注意ください。

予約採用と在学採用

もうひとつ、奨学金の種類には予約採用と在学採用があります。予約採用は、高校在学中(高校3年生時)に「私は進学する予定ですので、奨学金を予約します」という手続きです。在学中の高校を通じて申し込みます。(大検合格者は直接日本学生支援機構に申し込みます)わが子が借りた奨学金はこれです。これに対して在学採用は進学後に進学先の大学等を通じて申し込みます。年に1度、入学直後の春に申し込みます。

予約採用のメリットは在学採用よりも奨学金の振込みが早い事です。また、奨学金を借りられる事がわかっていて入学する事ができるので、精神的な負担がかなり軽くなります。デメリットは受験勉強と予約採用のための作文の作成や手続き等を平行して本人が行うため、うっかり忘れて期限が過ぎてしまう可能性があるという事です。

予約採用は在学高校を通じて申し込みますので、だいたい高校3年生のゴールデンウィーク明けごろから高校で説明会が行われます。説明会に参加し、資料をもらい、志望動機の作文等を添削してもらう必要がありますので、予約採用を希望する人は必ず、高校の説明会がいつ開催されるのかという情報をきちんと把握しておきましょう。小中学生のように保護者向けにお手紙が出されるわけでもなく、あくまでも学校と本人とのやりとりです。大学や短大・専門学校などに進学する事が見えてきた時点で、ご家庭で奨学金についてよく話し合っておき、本人が学校で情報を逃さないように注意しておく必要があります。

在学採用は進学後に進学先の大学等を通じて申し込みます。在学採用のメリットは大学進学後に本当に奨学金が必要なのかどうか、じっくり考える時間が持てる事ではないでしょうか。デメリットは、入学してからの申し込みのため、初回の奨学金を受け取るまでにタイムラグがあるという事です。

借りられる額について

さて、肝心の奨学金の額ですが、いったいいくらぐらい借りられるのでしょうか。以下は月額の貸与額です。

・第一種奨学金
国公立・自宅通学の場合45000円
国公立・自宅外通学の場合51000円
私立・自宅通学の場合54000円
私立・自宅外通学の場合64000円
(これ以外に30000円を選択する事も可能)
・第二種奨学金
30,000円・50,000円・80,000円・100,000円・120,000円のいずれか

万が一の事を心配するあまり、なるべく沢山借りられるなら借りたいという心理が働く事もあるかと思いますが、あくまでも本人の借金であり、返済の義務があります。返せるかどうかという事を念頭に入れて借りる額を決めるようにしましょう。

奨学金の種類-JASSO
参照元:独立行政法人日本学生支援機構(2015年12月時点 著者調べ)

奨学金を借りるための条件

奨学金を借りるための条件について簡単に説明します。ここでは4年制大学の条件を説明します。
■第一種奨学金
・学力基準
高等学校又は専修学校高等課程の1年から申込時までの成績の平均値が3.5以上であること。

・家計基準
家計の基準額は、世帯人員等によって異なります。
家計支持者(父母、父母がいない場合は代わって家計を支えている人)の収入金額が選考の対象となりますが、収入・所得の目安はおよそ次の金額以内です。
※3人(例・父母と学生本人の3人家族)
給与所得者の場合は源泉徴収票の収入金額の欄が692万円
自営業者等給与所得者以外の場合は確定申告書の所得金額の欄が286万円
※4人家族(例・父母と学生本人、兄弟姉妹1人等)
給与所得者の場合は源泉徴収票の収入金額の欄が781万円
自営業者等給与所得者以外の場合は確定申告書の所得金額の欄が349万円
※5人家族(例・父母と学生本人、兄弟姉妹が2人等)
給与所得者の場合は源泉徴収票の収入金額の欄が896万円
自営業者等給与所得者以外の場合は確定申告書の所得金額の欄が464万円

■第二種奨学金
第二種奨学金は有利子です。
・学力基準
高等学校・専修学校の成績が平均水準以上
(普通に大学進学を目指して勉学に励んでいれば特に問題が無いものと考えられます。)
・家計基準(条件については第一種と同じ)
※3人
給与所得者1,033万円
給与所得者以外601万円
※4人
給与所得者1,124万円
給与所得者以外692万円
※5人
給与所得者1,274万円
給与所得者以外842万円

■第一種奨学金と第二種奨学金の併用
・学力基準
第一種奨学金と同様
・家計基準
※3人
給与所得者633万円
所得者以外245万円
※4人
給与所得者720万円
給与所得者以外306万円
※5人
給与所得者858万円
給与所得者以外426万円

家計基準は第一種奨学金のみを借りる場合よりも厳しいものとなっています。

例えば両親が共働きの場合、収入(所得)は両親のものを合算したものとなります。源泉徴収票や確定申告書の控えを提出する事になりますので気をつけてください。母親が専業主婦等で無収入である事を証明する場合には自治体で「(非)課税証明書」を発行してもらう必要があります。

大学で奨学金の貸与を希望する方へ-JASSO
参照元:独立行政法人・日本学生支援機構(2015年12月時点 著者調べ)



奨学金を受けるための手続き

窮状を訴える

学業成績や家計の状況など、奨学金を受けるための条件をクリアしていたら、いよいよ奨学金を受けるための手続きに入ります。ここからが本人の頑張りどころです。なぜ奨学金を必要としているのか、窮状を訴えるための作文を書きます。予約採用の場合、在学高校の先生に細かくチェックしていただいて、添削していただく事ができます。わが子の場合、なぜ大学に進学したいのか、大学で何を学びたいのかという事と、当時父親(私の夫)がうつ病で休職していたため、うつ病の治療費が家計を圧迫している事と、父親の復職の見通しが立たない事などを切々と訴えました。

しかしながら、特段家計に問題がなく、学費を支払う見通しがあったとしても、低利であるために「それこそ在学中の万が一のため」の保険として奨学金を借りておくというご家庭も多かったように思います。
我が家ももちろん、学資保険を掛けておりましたので、学資の見通しはある程度はありました。しかしながら万が一国立大学の受験に失敗して私立大学に通う事になった場合は学費が大幅に増える事となりますので、その懸念もありましたので申し込みをする事となりました。

保証人はどうする?

日本学生支援機構の奨学金を借りるためには連帯保証人と保証人が必要です。保証人は文字通り「人」に頼む場合と、保証機関を利用する場合があります。連帯保証人は親でもかまいませんが、保証人の条件として大事な事は「学生と生計を別にしている事」です。したがってたいていの場合、両親は保証人になる事ができません。また、原則として四親等以内の親族となっています。

保証機関を利用する場合は、保証料が必要となります。保証料を差し引いた額が学生本人の口座に振り込まれる事になります。

私の知り合いで保証料を節約したいが為に、実弟(学生にとっての叔父)に保証人のお願いをした人がいました。ところが実弟にも家庭があり、妻がいて子がいるわけです。妻が激怒して「保証人なんかお断りだ」と電話してきたそうです。知り合いのほうも「返済できないわけじゃないのになんて失礼な事を言うんだ」と激怒していました。電話で激しくやりあった後、実弟家族とは一切連絡を取っていないと言っていました。

様々な立場があり、様々な考え方があるでしょうが、保証人というのは万が一、借りた人が返せなかった場合に返済の義務を負うものです。たとえ身内といえども、よく考えてから保証人を頼んだり、引き受けたりしたほうが良いでしょう。

保証制度について−JASSO
参照先:独立行政法人日本学生支援機構(2015年12月時点 著者調べ)

大学に入学したら…

本人名義の銀行口座を用意する

奨学金は学生本人の口座に振り込まれます。従いまして、本人名義の口座を用意する必要があります。子どもの頃からお年玉などを貯めるのに本人名義の口座を持っている人はそれでもかまわないと思います。ですが、自宅を離れて大学の近くで一人暮らしをする場合など、地元の銀行の口座では手数料などが発生し、不便な事もあるかと思います。入学する大学が決まったら、大学内やアパートの近くにATMがある銀行の口座を開設するのが便利なのではないでしょうか。個人的に一番お勧めなのは、ゆうちょ銀行です。

2年目には継続願の提出を忘れずに

在学中、奨学金を受け続けるためには「継続願」の提出が必要になってきます。期日までに提出しないと奨学金を打ち切られる事になります。提出書類の記載内容と、学業成績を総合的に審査して『学校』が奨学金継続の可否を決定します。期日までに忘れずに提出するようしましょう。提出用の書類は学校を通じて手に入れますが、提出は書面ではなくパソコンで「スカラネットパーソナル」を通じての提出となります。ユーザーIDやパスワード等の登録を忘れずに行いましょう。

ここでも本人が学校側と連絡を取って必要書類を手に入れて、期日までに手続きを済ませる事になります。

奨学金情報-受けている方へ-JASSO
参照元:独立行政法人日本学生支援機構(2015年12月時点 著者調べ)

こんな時はどうするの?よくあるQ&A

Q1.まとまったお金が欲しいのですが、1年分まとめて振り込んでもらえるの?
A1.奨学金の振込みは毎月です。まとまった金額が必要な場合は、入学時特別増額貸与奨学金を利用する事になります。

Q2.奨学金が必要なくなったんだけど継続願いを出さなければいいの?
A2.幸いにも在学中に奨学金が必要なくなった場合は「辞退」の手続きをとる必要があります。学校の指示に従ってください。

Q3.返済できないんだけど…
A3.減額返済・返済期限猶予等様々な措置があります。ほうっておかずに必ず日本学生支援機構にご連絡ください。

よくあるご質問-JASSO
参照元:独立行政法人日本学生支援機構(2015年12月時点 著者調べ)

まとめ

先ほどから何度も申し上げていますが、奨学金は学生本人の借金です。親が多重債務者であるなど、もうこれ以上どこからもお金が借りられない場合でも、学生本人が低利で借りる事ができます。

念のために奨学金を借りておいて、学生本人ではなく、親が退職金で一括返済するというケースも私の周りでは見受けられます。

我が家も幸いながら夫が復職し、以前と同じようにお給料をいただいていますので学資の心配をする必要がなくなり、奨学金を借りていたのは2年間だけでした。現在は奨学金辞退の手続きを行い、卒業後に一括返済する予定です。

日本学生支援機構から送られてきた返還条件等通知によりますと、借り入れ金額(残元金)は720,000円(月額貸与額30,000円)、利息合計20,742円。年利0.63%で返還回数108回。一回あたりの返済金額が6,879円となっています。

このように、返済のめどがついていればいいのですが、全額を学生本人が返済する場合、その負担は並大抵のものではありません。結婚後も奨学金の返済が家計を圧迫している事例も多々あります。「奨学金を抱えたお子さんと自分の子を結婚させたくない」と言い切る方もいらっしゃるほどです。

教育は財産であり、可能性を広げるものであると私は考えていますが、果たして本当に奨学金を借りてまで身につける必要があるものかどうか、今一度慎重に考えることをおすすめします。

※本記事の情報は、一般的または筆者個人の調査によるものです。法令などの改正、前提事実や個人状況の違いや変化によって、掲載内容と実際の結果が異なってしまう可能性があります。 従って本記事の掲載内容については一切の責任を負いかねますので、内容の解釈や実践はご自身の責任で行い、専門家に相談されることを推奨いたします。