調停費用にはいくら掛かる?弁護士費用はどの位?

調停ってどんな制度でいくらで出来るの?弁護士さんに依頼する時の費用は?



調停とは?

生活して行く中で起きて来るご近所や親族間のトラブルや事業の再建に裁判所の機関が両者の間に入り話し合いをしながら解決をするためにサポートする制度です。話し合いの席には裁判官と一般市民から選出された調停委員2名以上(弁護士・各種専門家・有識者など)が立ち会います。

またトラブルの相手と同席を避けたり直接交渉しないと言う選択も出来ます。話し合いの折り合いがつかない時は数回調停日を設けられます。合意内容に従って調停証書(確定判決と同じ効力)が作成され、何か問題があれば強制執行の申し立てを行えますし、手数料が安い・手続きが簡単と言うものですので終了まで自力で出来ますし非公開で行われます。

トラブルの内容によって取り扱う裁判所が変わります。

1. 民事調停
2. 特定調停
3. 家事調停

と3つの種類があります。

調停の種類と取り扱う裁判所

1. 民事調停

簡易裁判所で行います。身近なところで起きたトラブルはここに申し立てます。

■扱う案件(一般調停)

・交通事故の損害賠償
・売買関係
・土地建物
・不法行為
・近隣関係
・金銭貸借
・建築関係
・労働関係
・医療関係
・知的財産など

■メリット

・手続きが簡単なので終了まで自力で出来る
・裁判所より手数料がかからない
・およそ3ヶ月以内で解決出来るので短期である
・確定判決と同じ効力がある
・トラブルの相手と直接交渉しなくて良いしプライバシーが保護される

■必要書類

・申立書
・申し立て手数料
・郵便料
・添付書類(法人;登記事項証明書・個人未成年者:親権者を証明する戸籍謄本・証拠書類:契約書等のコピー)

■手順

・相手側の住所管轄の簡易裁判所に申し立てを行う
・呼出状が届く
・調停日;話し合う
・合意したら調停調書・不合意なだ調停不成立となる

2. 特定調停

簡易裁判所で行います。個人法人ともに借金関係で、債権者と返済方法を話し合い生活または事業の再建をするものです。

■扱う案件

・サラ金関係
・クレジット返済関係
・多重債務

■メリット

・手続きが簡単
・費用が掛からない
・借金の残高が減るかもしれない
・完済まで利息がつかない事がある
・業者と直接交渉しなくて良い
・非公開で行える

※月々の返済が明らかに出来ない場合と支払う能力がある場合は調停出来ないと言う事です。

■手順

・借りた先の多い場合は最も件数が多い地域、それ以外は本社や支社のある地域の簡易裁判所へ申し立てを行う
・呼出状が届く
・調停準備期日:ご自身で借用書・月々の収入が分かる物・生活状況が分かる物などを持参し調停委員と話し委員の人が返済能力や調停で解決出来るかを検討する
・調停期日:調停委員が相手と話し利息制限法に則って再計算された残債の総額を確定し月々の返済額をご自身の了解を得て決め、相手と返済条件を調整する交渉をする
・相手とご自身が合意すれば決定書もしくは調停証書が作成される
・返済の実行が始まる:正式書類が裁判所から届く
・完済

■必要書類:各簡易裁判所に確認

3. 家事調停

家庭裁判所で行います。夫婦・親子・親族間のトラブルはここに申し立てます。

■扱う案件:離婚・親権・相続など

■必要書類

・申立書
・申し立て手数料
・郵便料
・添付書類(戸籍謄本・未成年者:親権者を証明する戸籍謄本・印鑑)

個別の申立書一式は下記のリンクからご覧になれます。

裁判所|民事調停で使う書式
参照元:裁判所(2015年12月 筆者調べ)

裁判所|家事調停の申立書
参照元:裁判所(2015年12月 筆者調べ) ※民事調停と特定調停の申し立て先は原則として相手方の住所を管轄する簡易裁判所ですが例外としてご自身の住所を管轄する簡易裁判所または地方裁判所に出来る場合もありますので、最寄りの簡易裁判所へ確認される事をお勧めします。

■手順

・相手方の住所管轄の家庭裁判所に申し立てをする
・調停期日:裁判官と調停委員がご自身のお話を聞く・調停委員会が相手とご自身個別に話を聞く・各々の言い分を調整し合意になると調停成立になり調停調書が作成される・合意しないと調停不成立となる
・郵送か受け取りに行くかを選択し申請すると調停調書を受け取れる

裁判所|民事調停
参照元:裁判所(2015年12月時点、筆者調べ)



調停に掛かる費用は?

・民事調停:対象の金額により変動する10万円:500円・30万円:1,500円・100万円:5,000円の収入印紙となっています。
・特定調停:申し立て料が借入先1件500円の収入印紙と切手代
・家事調停:1件1,200円の収入印紙と切手代

公益法人 日本調停協会連合会
参照元:公益法人日本調停協会連合会(2015年12月 筆者調べ) 民事調停の種別割合は民事一般62%・商事12.9%・特定9.9%・宅地建物9%・交通5.7%・農事0.3%・公害など0.2%となっています。

当事者同士の話合いで円満解決を図る 「訴訟」に代わる「民事調停」:政府広報オンライン
参照元:政府広報オンライン(2015年12月 筆者調べ)

調停費用は各自の負担とするの意味は?

民事調停法と言う法律の中に「第二十条の二  調停が成立した場合において、調停手続の費用の負担について特別の定めをしなかったときは、その費用は、各自が負担する。」と言う一節があります。
この解釈は調停が行われる裁判所までの交通費などは各々が負担し、申し立てに掛かる費用は申立人が負担すると言う事の様です。

非訟事件手続法及び家事事件手続法の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律
参照元:衆議院(2015年12月 筆者調べ)

弁護士の費用

弁護士に相談する場合

2つの方法があります。

・法テラスや公的な無料相談をする
・弁護士事務所へ行き有料で相談する

筆者自身も少し聞きたい事があり市の窓口に問い合わせた事がありますが、平日に行われ予約が必要と言われた経験があります。弁護士事務所では、30分いくらとか時間単位で相談料が発生します。

着手金

弁護士を頼むとなると着手金を支払う事になります。このお金は戻って来ない物です。途中で弁護士に辞めてもらっても調停が不成立になっても戻らない物なのです。また調停が上手く行かず裁判になる場合案件が違いますので再度着手金を支払う必要がありますので、弁護士さんに依頼される前に確認されると良いと思います。

成功報酬

調停が終了したら、成功報酬を支払う事になります。案件の金額によって価格が変わって来ます。

弁護士費用は経済利益の額によって変動します。

・300万円以下の部分:着手金8%・報酬金16%
・300~3,000万円の部分:着手金5%・報酬10%
・3,000万円~3億円の部分:着手金3%・報酬6%
・3億円以上:着手金2%・報酬4%

例えば4,000万円の案件の場合は3,000万円以下の部分5%+3,000万円以上の部分3%の合計が着手金と言う事になります。着手金と報酬の標準は案件の内容で30%の範囲で増減が出来るそうです。時間制の場合は1時間毎に1万円以上であり初回市民法律相談は事業に関わるものは除き30分毎に5,000~10,000円・市民相談以外の一般法律相談は30分毎に5,000~25,000円になっています。

13 弁護士報酬 | 消費者庁
参照元:消費者庁(2015年12月 筆者調べ) 2008年度アンケート調査の結果がありましたので一部ピックアップしてみます。

■一般市民からの相談で1時間使って相談のみで解決した時の相談料

・5000円:36.1%
・10000円:55.7%
・20000円:2.8%
・30000円:0.5%
・その他:5%

■金銭消費貸借

<内容証明郵便手数料>

・10000円:15.9%
・20000円:17.4%
・30000円:41.7%
・50000円:17.2%
・その他:7.8%

<引き続き訴訟(上記は含まない)>

●着手金

・10万円位:11.9%
・15万円位:26.2%
・20万円位:43.9%
・25万円位:11.8%
・30万円位:5.1%
・その他:1.1%

●報酬

・10万円位:4.9%
・20万円位:18.9%
・30万円位:50.2%
・40万円位:14.5%
・50万円位:9.9%
・60万円位:0.8%
・その他:0.8%

建物引き渡し・強制執行:土地建物時価合計2500万円で付き10万円の賃料不払いが続き建物の明け渡しを要求

<民事調停合意の場合>

●着手金

・20万円位:46.6%
・30万円位:34.8%
・40万円位:7.3%
・50万円位:6.1%
・60万円位:0.5%
・70万円位:0.2%
・その他:4.6%

●報酬

・40万円位:41.5%
・60万円位:23.1%
・80万円位:9.3%
・100万円位:10.5%
・120万円位:1%
・140万円位:0.5%
・その他:14%

■離婚

<離婚調停受任>

●着手金

・20万円位:45.1%
・30万円位:41.5%
・40万円位:6.6%
・50万円位:2.2%
・60万円位:0.2%
・その他:4.3%

●報酬

・20万円位:30.3%
・30万円位:39.6%
・40万円位:14.2%
・50万円位:10.3%
・60万円位:2.3%
・その他:3.2%

<調停不成立後、引き続き訴訟受任し離婚成立>

●着手金

・0円:26.3%
・10万円位:42.5%
・20万円位:17%
・30万円位:11.5%
・40万円位:1%
・その他:1.7%

●報酬

・20万円位:19.6%
・30万円位:36.2%
・40万円位:17.8%
・50万円位:16.9%
・60万円位:5.1%
・70万円位:0.7%
・80万円位:0.5%
・その他:0.7%

<訴訟から受任し、離婚成立>

●着手金

・20万円位:26.4%
・30万円位:52.7%
・40万円位:11.7%
・50万円位:6.3%
・60万円位:0.6%
・その他:2.3%

●報酬

・20万円位:20.1%
・30万円位:37.1%
・40万円位:16.5%
・50万円位:17.1%
・60万円位:4.2%
・70万円位:1.2%
・80万円位:0.5%
・その他:3.4% この数字は日本弁護士連合会が一般的な案件を受ける時の費用を全国の弁護士さんにアンケートを取った結果です。詳しくは「市民のための弁護士報酬の目安」と言うリンクにあるPDFでご覧になれます。

また弁護士さんに依頼するとその他にも費用が掛かります。

・契約書作成・遺言書作成などの手数料
・依頼された案件を処理するために必要になった時間に単価をかけた時間制報酬
・印紙代・コピー代・交通通信費などの実費
・顧問料など

日本弁護士連合会│Japan Federation of Bar Associations:弁護士報酬ってなに?
参照元:日本弁護士連合会(2015年12月 筆者調べ)

調停費用を抑えるには?

まずは弁護士さんに依頼すると大きな金額の費用が必要になるのが上記のアンケート結果で分かります。調停自体にはそれほどの費用が掛かりませんが法律の専門家が入ると費用が跳ね上がりますので、一旦調停で話し合って交渉が上手く行かなかった時にだけ弁護士さんに依頼するのが良いのではないでしょうか?また無料相談などを利用してから弁護士事務所に行くと言うのも1つの方法だと思います。

弁護士さんを選ぶポイントは?

・依頼する予定の人の得意分野を知る:その人によって得意な分野がありますのでそれを確認する
・実際に数人に会って確かめる:話しやすさ・専門性・説明が理解しやすい・話をちゃんと聞いているか
・リスクの説明がちゃんとあるか
・相談者の経済的事情も考慮してくれるか
・細かい事も聞いてくれるか
・適切なアドバイスをしてくれるか

以上のポイントを踏まえて選ばれると良いのではないかと思います。

注意点

調停にするにしても弁護士さんに依頼するにしても、ご自身の訴えたい事が相手に伝わらないと適切な判断が出来ないと思います。

・言いたい事を箇条書きにして書き出す
・補足説明が必要かどうか考える
・不要な部分がないか見る
・その事に関する証拠があれば揃えておく
・順序立てて話せるようにまとめる

以上の事をするだけでも何を話せば良いか、どんな説明をすれば良いかが自分で分かりますし脳の整理も出来ると思います。話している間に感情的になると言葉が出て来にくくなりますのでまとめておくと冷静に話せるのではないでしょうか?特に弁護士さんに相談する時に有料だと時間がもったいないので上手く整理して話すと費用の節約にもなると思います。
離婚調停の場合にはこのリストを使って陳述書を作成するのも良いかもしれません。

弁護士の探し方と頼み方 [暮らしの法律] All About
参照元:All About(2015年12月時点、筆者調べ)



まとめ

日常生活の中にあるいろんなトラブルに対応している調停と言う制度は、いきなり訴訟して裁判にするよりも費用的に少額で出来るし手続きその物は簡単なので、困った時に利用すると良いかもしれません。ご近所の方との間に問題が起きて話し合いで解決しない場合、第3者に間に入って貰って話し合うのに法律のプロである裁判官やいろんな事のエキスパートの調停委員の方が居てくれると心強いのではないでしょうか?

ここで上手く解決が出来ない時に初めて訴訟を考えてみても良いのではないか?と個人的に思いました。裁判所では、申立書の書き方などを教えてくれるそうですし、一度相談に行くのも良いかもしれませんね。弁護士さんはいろんな場での代理人が出来る事が特徴で、依頼人の利益を守るために仕事をしていますので、訴訟になった時に良い弁護士さんに依頼出来れば安心だと思います。離婚が得意な方・債務整理が得意な方と得意分野が合えば良いですよね。

調停の費用は個人で行えば、とてもリーズナブルな金額です。しかし、「何をしたらいいのかわかない」という人が多いのではないでしょうか。餅は餅屋ということで、専門家の弁護士さんにお願いするのが、無難な選択ではないかと個人的には思います。とはいえ、弁護士さんの費用で何十万円もかかるかもしれません。事前に相談する内容や予算をしっかりと考えてから相談を行いたいものですね。

※本記事の情報は、一般的または筆者個人の調査によるものです。法令などの改正、前提事実や個人状況の違いや変化によって、掲載内容と実際の結果が異なってしまう可能性があります。 従って本記事の掲載内容については一切の責任を負いかねますので、内容の解釈や実践はご自身の責任で行い、専門家に相談されることを推奨いたします。