介護保険を利用できる年齢は?保険料を払うのはいつから?

介護保険という制度があるのは知っているけれど一体何歳から使えるの?何歳からお金を払うの?など意外と内容をきちんと理解している人は少ないかもしれません。平成27年8月からの一部改正もありますのでこの機会に一緒に調べてみましょう。



介護保険の制度

介護保険制度は介護が必要な人や家族を社会全体で支えていく仕組みで2000年から始まりました。以前介護をするのはほとんどは一緒に住んでいる家族で配偶者やその子供達、孫たちが行っていました。しかし高齢者の割合が多くなったのと、核家族化が進んだこともあり家族だけで介護することが難しくなってきました。

実際に自分の親が介護が必要になった時に、同居して面倒を見ることが出来るでしょうか。お仕事をしている人や転勤などで住まいがあちらこちらになったり、小さなお子さんがいる場合は両方の面倒を見ることはやはり難しいかと思います。

介護保険は40歳以上の国民から介護保険料を徴収して、介護を必要とする人や家族をみんなでお互いに支えていくしくみなのです。

介護・高齢者福祉 |厚生労働省
参照元:厚生労働省(2015年12月時点著者調べ)



介護保険料を払う年齢は?

介護保険料は65才以上の第1号被保険者と40才~65才の第2号被保険者から徴収することになっています。第1号被保険者の保険料はおもに年金から天引きされることになっています。介護保険料の金額は市区町村によって異なり、収入額によっても違ってきます。

介護保険料は3年ごとに見直しがされるのですが毎年上がっていく傾向にあります。厚生労働省の全国平均によると65才以上が支払う保険料は次の通りになります。

・平成12年~14年度/2,911円
・平成15年~17年度/3,293円
・平成18年~20年度/4,090円
・平成21年~23年度/4,160円
・平成24年~26年度/4,972円

となります。平成12年度と平成26年度を比べると2,000円の差があるかと思います。それだけ介護保険の制度が年々必要になってくる人が多くなった証拠だと思われます。

そして第2号被保険者の介護保険料については、それぞれが加入している医療保険の一部として徴収されます。会社員や公務員の方は給料からの天引きになります。

介護費用と保険料の推移|厚生労働省
参照元:厚生労働省(2015年12月時点筆者調べ)

実際に介護保険を使える年齢は?

原則は65才以上

介護保険に加入して給付を受ける権利があるのは65才以上すべての人と、40才~64才の医療保険に加入している人です。このうち65才以上の人を第1号被保険者、40才から64才の人を第2号被保険者といいます。第1号被保険者の人は、要支援状態もしくは要介護状態になった場合に介護保険サービスを利用する事ができます。

40才以上でも使える場合

第2号被保険者が介護保険サービスを利用できるのは、特定疾病によって介護や生活の支援が必要となった場合に限られています。65才以上の高齢者に多く見られる症状ですが、40才以上65歳未満でも加齢が原因となる場合は認められています。

そして3~6か月以上継続して要介護状態または要支援状態となる割合が高いと考えられる疾病の事で合計16種類あります。例えば末期がん、関節リウマチがあります。その他骨折を伴うような骨粗鬆症や認知症なども該当しますので詳しく見てみましょう。

がん【がん末期】※
(医師が一般に認められている医学的知見に基づき回復の見込みがない状態に至ったと判断したものに限る。)
関節リウマチ※
筋萎縮性側索硬化症
後縦靱帯骨化症
骨折を伴う骨粗鬆症
初老期における認知症
進行性核上性麻痺、大脳皮質基底核変性症及びパーキンソン病※
【パーキンソン病関連疾患】
脊髄小脳変性症
脊柱管狭窄症
早老症
多系統萎縮症※
糖尿病性神経障害、糖尿病性腎症及び糖尿病性網膜症
脳血管疾患
閉塞性動脈硬化症
慢性閉塞性肺疾患
両側の膝関節又は股関節に著しい変形を伴う変形性関節症

出典:

www.mhlw.go.jp

特定疾病の選定基準の考え方|厚生労働省
参照元:厚生労働省(2015年12月時点著者調べ)



介護サービスを利用することになったら

もし自分や家族が介護サービスを利用したい時はどうしたらいいでしょうか。手続きの仕方や流れをご紹介します。

まず申請をしましょう

介護や支援が必要な65歳以上の人もしくは老化が原因とされる病気(特定疾病)がもとで日常生活を送るために介護や支援が必要な40才以上64才以下の人がいることを確認します。そして本人や家族が近くの地域包括支援センター、在宅介護支援センターの窓口または区役所介護保険課で申請します。

申請の時に必要なものは65才以上であれば介護保険被保険者証(65才の誕生日を迎えると住んでいる市区町村から送られてきます)、40才~64才の場合は健康保険被保険者証の写しと介護保険、要介護認定・要支援認定等申請書になります。こちらの書類は申請窓口にもありますし、HPからもダウンロードができます。

トップページ/生活情報/高齢者/介護保険の手続き・届出/要介護・要支援認定の申請について(新規申請)
参照元:江東区HP(2015年12月時点著者調べ)

要介護認定

介護サービスがどれ位介護のサービスを行う必要があるかを判断します。客観的で公正な判定を行うためにコンピューターによる一次判定とそれを元にして学識経験者が行う二次判定の2段階で行います。

まずは訪問調査員による聞き取り調査が行われます。調査の内容は心身の状態や日常生活の様子など全部で74項目の質問に答えていきます。その後1次判定とそして区がかかりつけの医師に病気や心身の状態に関する書類を作成してもらいます。その結果数名の専門化による介護認定審査会が開かれて二次判定が行われます。

要介護認定 |厚生労働省
参照元:厚生労働省(2015年12月時点、著者調べ)

認定結果の通知

原則申請から30日以内に介護保険課により認定結果が通知されます。認定結果には8通りの結果があります。非該当の場合は介護保険のサービスは利用することができませんがさまざまな介護予防プラグラムをおこなっているのでそちらに参加するのもいいかもしれません。

要介護度は軽いものから順に要支援1.2、要介護1~5の全部で7段階があります。要支援1は生活機能の一部がやや低下している状態です。要介護1は排泄や入浴などに一部介助が必要な状態、要介護5になるとほぼ寝たきりで日常生活について全面的な介護が必要な状態となります。

ケアプランの作成

要介護度が決定してもすぐに介護サービスを利用できるわけではないのです。どんな介護サービスをどの介護事業者に依頼し、そのくらいの頻度で受けるかという計画書(ケアプラン)を作る必要があるのです。

要支援1.2の認定を受けた方は長寿サポートセンター等にケアプランの作成をお願いします。要介護1~5の認定を受けた方は、介護支援事業所に依頼をしてケアマネージャーにケアプランを作ってもらうよう依頼します。

ケアプランは自分で作ることもできます。自分で作ると介護に対して受け身ではなく主体的に取り組めるようになることがメリットです。サービス事業者とのやりとりを自分で行う必要があるので変更したい場合などには直接調整ができるのでその点でもいいかもしれません。最初のうちはどのサービスを利用したらいいか戸惑うこともあるので専門家に相談に乗ってもらうといいかと思います。

トップページ/生活情報/高齢者/介護保険制度について/認定の申請から介護サービス利用まで
参照元:江東区(2015年12月時点)

サービスにはこんなに種類がある

サービス事業者と契約してケアプランに基づいてサービスを利用します。原則として利用者の自己負担はサービス費用の1割です。サービスの内容も様々です。介護サービス情報公表システムを使うと、お住まいの都道府県ごとに介護事業所、地域包括支援センター、生活支援等サービス、在宅医療検索など細かくサービスごとの検索、そしてサービスの種類も検索できるので一度参考にしてみてください。

介護予防サービスのいろいろ

介護予防サービスは要介護状態が軽くて、改善する可能性が高い人たちを対象に心身機能の維持や改善を図るサービスです。

サービスには介護予防訪問介護、介護予防訪問入浴介護、介護予防リハビリテーション、介護予防短期入所生活介護などがありその他にもたくさんの種類があります。

介護サービスのいろいろ

要介護1~5の方が利用できる「介護サービス」にもさまざま種類があって、4つに分けることが出来ます。

[自宅で利用できるサービス]訪問介護や訪問看護と呼ばれるものです。その他福祉用具購入費の支給、住宅改修費の支給、福祉用具の貸与なども含まれます。

[施設に通う、または短期間入所して利用するサービス]・デイサービスと呼ばれるもので入浴、食事、機能訓練などのサービスを日帰りで利用できます。
・デイケアと呼ばれるもので利用者が介護老人施設に通って心身の機能の維持回復に必要なリハビリテーションを行います。
・ショートステイというもので老人ホームや医療施設などに短期間入所してサービスを利用します。

[施設に入所して利用するサービス]特別養護老人ホーム、老人保健施設、療養病床等などの施設に入所してサービスを受けます。この場合利用者はサービス費用の1割に加えて、食費・居住費・日常生活費を負担します。

[その他のサービス]有料老人ホームなどの入居者で要介護の認定を受けた人が日常生活の介護を受けます。

東京都 | 介護事業所・生活関連情報検索「介護サービス情報公表システム」
参照元:東京都(2015年12月時点著者調べ)

お金はもらえるの?介護費用の事

介護保険でサービスを受けられるというところまではおわかりいただけたかと思います。介護保険でサービスを利用するときにどのくらい費用がかかるか気になるところですよね。サービスは要介護ごとに利用料が決まっていてその1割が利用者の自己負担額となります。

それでは実際に1か月にどのくらい決まっているのでしょうか。平成26年4月以降で見ていきましょう。

要支援1/5,003円
要支援2/10,473円
要介護1/16,692円
要介護2/19,616円
要介護3/26,931円
要介護4/30,806円
要介護5/36,065円

となっています。利用者はこの範囲内で介護サービスを使う事になります。この分を超えた金額については全額自己負担になってしまうので注意が必要です。介護サービスの利用料や支給額は自治体によって金額が違うこともありますので詳細はお住まいの介護保険課までお問い合わせ下さいね。

つまり、介護保険の給付というのは認定を受けた利用者が1割の利用料を支払うことで「現物給付」によるサービスを受けることができるというものなのです。介護認定をされたからといって毎月お金をもらえるのではなく、さまざまなサービスを負担の少ない金額で受けられるという考えです。

区分支給限度基準額の現状①
参照元:厚生労働省(2015年12月時点著者調べ)

平成27年からは注意が必要です

平成27年8月から一定以上所得のある方は介護サービスを利用した場合の負担割合が1割から2割になります。収入が年金だけの場合は年収280万円以上の方、年金収入以外がある方は合計所得金額160万円以上の方が対象になります。

そして世帯の中で現役世代並みの所得がある高齢者がいる場合は負担の上限から37,200円から44,400円になります。市区町村民税の課税所得が145万円以上の方がいる場合に対象になります。

自分が今どういう状態なのかわからない場合は、要支援・要介護認定を受けている方全員に負担割合が何割かを示した「負担割合証」というものが平成27年の6月もしくは7月ごろ送られてくるので、ご両親が現在介護サービスを利用されている方は一緒に確認しましょう。

介護保険の費用負担が変わります
参照元:厚生労働省(2015年12月時点著者調べ)

まとめ

いかがでしたでしょうか。介護保険というと寝たきりになった場合や高齢者のイメージが高かったかと思われますが、保険料を納めている40才以上の人にも使えるものだということが分かったと思います。ただし、40才以上の方の場合は指定されている特定疾病のみの適用となります。

そして忘れてはいけないのが事故や他の病気が原因で介護が必要になった場合は使うことが出来ないいうことなのです。例えば交通事故などでけがをして介護が必要になった場合は、車の保険やご自身の生命保険、医療保険でまかなう必要があるのです。

さらに39歳以下の場合は保険料を納めていないだけでなく、該当している特定疾病でも介護保険は使えませんし、やはりこちらもご自身での備えをする必要があります。

ご両親の介護が必要になったら、自分一人で面倒を見るのにも限界があると思われますのでこの介護保険サービスを使ってお互いに気持ちの良い介護ができるといいですね。そして若い方は時間のある時に医療保険について考えてみてはいかがでしょうか。

そして普段から生活に気を付けて、適度な運動やバランスのとれた食事、質のいい睡眠をとるように心がけましょう。ご家族みなさんが元気で健康であることが一番ですので少しでもそれに近づけられればいいですね。
※本記事は一般的な情報に過ぎず、適用法令等の改正、前提事実や個人状況の違いおよび変化によって、掲載内容と実際の結果が異なってしまう可能性があります。従って本記事の掲載内容については一切の責任を負いかねますので、内容の解釈や実践はご自身の責任で行い、専門家に相談されることを推奨いたします。