〈全国保険協会〉けんぽの保険料って?意外と知らない健康保険

全国保険協会(※正しくは全国健康保険協会)通称「協会けんぽ」の保険料の計算基準って知ってますか?計算基準に限らず、意外と知らない健康保険のこと、知っておいて損はありませんよ。



全国健康保険協会(協会けんぽ)について

そもそも「協会けんぽ」って何でしょうか?

全国保険協会(※正しくは全国健康保険協会といいます)は、通称「協会けんぽ」といいます。病院へ行くときに、健康保険証を出しますね。そう、いわゆる「健康保険」のことなのです。

「協会けんぽ」とは、中小企業で働く人やその家族が加入している「健康保険」です。もともと、政府管掌健康保険といわれ、社会保険庁での運営をしていましたが、平成20年10月より新たに「全国健康保険協会」が設立されました。この協会が運営する健康保険なので「協会けんぽ」というのですね。

健康保険にはこの他に、自営業の人や学生が加入する「国民健康保険」と公務員の人が加入する「共済組合」、そして同じように企業でも大企業で独自の運営をしている「健康保険組合」などがあります。

健康保険にも、立場によって加入する健康保険は違うのです。そしてその運営もそれぞれで特徴があり、大筋では同じ健康保険でも、保険料やその保障内容については、少しずつ違っています。

協会けんぽとは | 協会けんぽについて | 全国健康保険協会
参照元:全国健康保険協会(2015年12月、著者調べ)



協会けんぽの保険料について

協会けんぽの保険料については、被保険者が毎月の給料から納付されています。その保険料の額については、「被保険者の標準報酬月額×一般保険料率」となります。さらにこれに、40歳以上の人については、介護保険料もプラスされます。

この一般保険料率は、実は各都道府県ごとに違います。都道府県ごとの保険料率というのは、その地域の加入者方の医療費に基づき計算されます。

例えば、病院で治療を受けたり薬をもらったりなど、健康保険を使った医療費が上がれば、保険料率も上がりますし、予防に努めて医療費が下がれば、保険料率も下がるという仕組みになっているのです。

費用の負担 | 健康保険ガイド | 全国健康保険協会
参照元:全国健康保険協会(2015年12月、著者調べ)

年齢と所得の違いで保険料率は変わる

都道府県ごとに保険料率が変わるのですが、この設定については、その地域の所得水準や医療費などがダイレクトに反映するわけではありません。年齢構成などが違えば、医療費の多さも変わってくるからです。例えば、高齢の方が多ければ、医療費も増大してしまうでしょうし、所得も少なくなるでしょう。

協会けんぽでは、全国で連携をしているという点で、こうした年齢の構成に伴った医療費の差、また所得水準の違いなどについては、都道府県の間で相互に調整をしたうえで、保険料率が設定されるようになっています。

保険料率を急激に上げないために

この都道府県での保険料率の設定の確立は、平成30年3月までの期間をかけながら行っています。これは、急激に保険料率が上がってしまう都道府県が存在してしまうからです。そのため、全国の都道府県の間で保険料率の調整を行っています。

また、任意継続被保険者(退職してもそのまま協会けんぽの健康保険を利用する方)について、一般の被保険者と同じように「標準報酬月額×保険料率」が健康保険の保険料としています。

その標準報酬月額については、退職したときの標準報酬月額と、約28万円(協会けんぽ加入者の平均報酬月額)を比較した上で、その低い方の額で計算をされるようになっています。

保険料の負担割合

協会けんぽの保険料については、全額が被保険者負担ではなく、事業主と被保険者が半分ずつの負担となっています。事業主はその従業員にたいして半分の健康保険の保険料を負担しているのですね。

ただし、任意継続の方については、よく保険料が高いといわれる方がいるのですが、退職をされているので全額自己負担となるためです。半分事業主が負担してくれているというのは、働く方にとってありがたい制度なのです。 例えば、標準報酬月額28万円で保険料率が10%の場合の保険料は、以下のようになります。
<28万円×10%=28,000円>
この内の半分の14,000円が自己負担分となるわけですね。

保険料の納付の期日について

保険料の納付については、半分が事業主が負担でしたね。事業主はその負担分と、被保険者から徴収した保険料をあわせて、協会けんぽに健康保険料を納付します。基本的に被保険者の保険料は、厚生年金などとあわせて社会保険料として給与から控除されていますね。

毎月の保険料の納付する期限は、その翌月の月末となっています。保険料はその納付期限までに支払われない場合、督促状がきたり、さらには延滞金が発生してきます。それでも支払われない場合は差し押さえということになります。

一般の被保険者は、基本的に事業主からその支払いがされるため、あまり関わりがないですね。しかし、任意継続の被保険者の方は、要注意です。期日までに支払いがされない場合、基本的には被保険者資格が取り消されます。

ちなみに、この健康保険料の支払い方法ですが、半年分や1年分を前納することも可能です。

費用の負担 | 健康保険ガイド | 全国健康保険協会
参照元:全国健康保険協会(2015年12月、著者調べ)

育児休業期間の保険料

育児休業中の健康保険の保険料についてですが、その期間については健康保険料は免除となります。これは、事業主が年金事務所へ申し出をすることにより、この免除がされるようになっています。ちなみに、事業主も被保険者もどちらも免除となります。

育児休業の期間とは、企業によって違いますが、法律では「1歳に満たない子・1歳から1歳6ヶ月の子の育児休業または、1歳から3歳までの子を養育するための期間」となっています。

基本的には、企業で取得できる育児休業期間ということになりますね。直接の年金事務所への手続きについては、事業主を通して行うことになっています。

費用の負担 | 健康保険ガイド | 全国健康保険協会
参照元:全国健康保険協会(2015年12月、著者調べ)

都道府県ごとの保険料率

全国健康保険協会「協会けんぽ」は、各都道府県での運営となっています。基本ラインは10%となっていますが、その都道府県ごとに保険料率が違います。

平成27年度の各保険料率については、一番高い料率で10.21%の佐賀県、次いで10.14%の北海道、10.11%の香川県となっています。逆に低い料率では、一番が9.91%の富山県・長野県、次いで9.92%の福島県・茨城県・静岡県、9.93%の埼玉県・福井県となっています。

ちなみに、介護保険の第2号被保険者である40歳から64歳の方に対しては、全国一律での1.58%の介護保険料率が加わります。

平成27年度の協会けんぽの保険料率は4月分(5月納付分)から改定されます | 健康保険ガイド | 全国健康保険協会
参照元:全国健康保険協会(2015年12月、著者調べ)

なぜ都道府県ごとの保険料率なの?

では、なぜ都道府県ごとの保険料率なのでしょうか?

保険料率というのは、都道府県ごとの加入者の医療費に基づいて計算されています。ですので、その都道府県での病気への予防などが左右されるとも考えられます。

加入者の医療費が下がることで、保険料の徴収も少なくて済みますので保険料率も下がるということなのです。逆に、医療費が上がってしまうと、その分保険料の収入を増やす必要が出てきてしまうので、保険料率は上がってしまうのですね。

ポイントは、病気などに対する予防ということになると思います。

これからの保険料率はどうなる?

残念なことに、医療費というのは年々増加傾向にあるようです。これは高齢化社会が進んでいるのも一つの要因ともなっていると考えられますね。逆に保険料収入の基礎となる収入は、その伸び率が低いということもあり、医療費の伸びに保険料収入が追いついていないというのが現状です。

このままの状態で行くと、保険料率を上げて保険料収入を上げていかないと、健康保険の仕組みが成り立たなくなることが考えられます。できるだけ保険料率を上げない努力をしていくことが大切になってきますね。

そのためには一体何をすれば良いのでしょうか?



医療費を抑える為のヘルスケアの取り組み

全国健康保険協会「協会けんぽ」では、さまざまな取り組みをしているようです。

例えば、ジェネリック医薬品の使用を促進したり、医療機関からの誤った請求がされていないかの確認、健康診断や保健指導、扶養家族についての再確認、そして健康保険の正しい利用の仕方などを行っています。

これは加入者の協力があって初めて実現できる取り組みになっていると思います。

平成27年度の協会けんぽの保険料率は4月分(5月納付分)から改定されます | 健康保険ガイド | 全国健康保険協会
参照元:全国健康保険協会(2015年12月、著者調べ)

保険料率を下げる為に

では、どうしたら医療費、いわゆる保険料率を下げることが出きるのでしょうか。

医療費が上がれば、保険料をあげないと運営ができなくなりますね。ですので、保険料を減らす為にはやはり医療費を下げることが大切になってきます。

ということは、健康な人が増えることで医療費は下がるということになりますね。

とても当たり前のことなのですが、病気にならない努力をすることがまず大切です。そのためには、自分自身の健康管理をしっかりすることが大切になってきます。これは自分の為にもなりますし、その先の健康保険の保険料にも関係してくるので、そういった意識が大切になってきますね。

事業所での取り組みも必要

加入者本人の健康管理が一番大切ですが、事業所での取り組みというものも大切になってきます。

業務の効率化を良くすることや、不正請求の防止を呼びかけること、扶養状況の再確認を徹底すること、また、健康診断の実施と保健指導や運動指導などを実施することなど、事業所を通して加入者へこうした取り組みを徹底することです。

お互いの意識を高めることで、被保険者である加入者の健康保険料も減りますし、それは事業主の健康保険料の負担を減らすことにも繋がります。

健康診断の受診率の向上や保健指導

健康診断は、年に1回必ず受けていると思いますが、35歳以上の方へは「人間ドック」がおすすめです。これは、通常の健康診断よりもより詳しく健康状態を確認することができますし、こうした検診に関しては、健康保険からの補助もでるようになっています。

確かに自己負担はあるのですが、自分の身体の状態をしっかり確認することが大切です。またどうすれば病気が予防できるのかという保健指導などを利用すると良いでしょう。こうした保健指導は無料で行っているところもあるので、気になる方は参加をしてみましょう。

この保健指導や運動などの促進への取り組みは、将来にわたっての健康管理にとても重要になってきます。病気はなってからでは遅いですよね。

自身の健康のためにも、そして、保険料率を減らして自身の負担を減らすためにも、さらに病気になれば医療費がかかりますから、そういった自己負担の費用を抑えるためにも、こうした健康診断や保健指導や、かるい運動への取り組みなどを、自ら行うことが大切です。

ジェネリック医薬品の推進

協会けんぽでは、ジェネリック医薬品を推奨しています。テレビのCMなどでも良く流れているので、知っている方も多いと思いますが、ジェネリック医薬品とは、その医薬品の特許が切れた薬について、同じ作用や効能のある薬を作成することで、その価格が安くなっている薬のことです。

ジェネリック医薬品を使用することで、薬代が少なくて済みますから、医療費が抑えられるというわけです。こうしたジェネリック医薬品の切り替えの薦めについては、協会けんぽに限らず、他の健康保険でも行っていますね。

特に慢性的な病気の方は、その出費を抑えるためにもジェネリック医薬品への切り替えを考えてみると良いかも知れません。

まとめ

全国健康保険協会「協会けんぽ」については、各都道府県での運営をしています。そしてその保険料についても都道府県ごとに違うということがわかりましたね。

それは、保険料と医療費のバランスによるものです。医療費が多くかかれば、それだけの負担が大きくなり、その負担を財源となる保険料を増やす必要が出でくるというわけなのです。

保険料の負担が増えるということは、加入者にとってみればそれだけ負担が増えるということにもなりますし、それに加えて医療費などの負担も増えるので、よく考えてみればあまりいいことではありません。

加入者の負担を減らすためには、やはり「健康」がキーワードになりますよね。いわゆる未病が大切になってくるのです。そうすることで、医療費の負担も減り、保険料率も下がり、保険料も下がるという良いスパイラルとなっていくでしょう。

健康は自身のためにも、そして加入者全体のためにも大切なことなのですね。そのためには、やはりストレス解消をすることや、軽い運動を心がける、食事に気を使うということが非常に重要になってくると思います。

いつまでも健康で過ごしたいのは、どの人も同じだと思います。健康への意識をしっかり持って、元気に毎日過ごしていきたいものですね。 本記事の情報は、一般的または筆者個人の調査によるものです。法令などの改正、前提事実や個人状況の違いや変化によって、掲載内容と実際の結果が異なってしまう可能性があります。 従って本記事の掲載内容については一切の責任を負いかねますので、内容の解釈や実践はご自身の責任で行い、専門家に相談されることを推奨いたします。