【介護保険】被保険者の年齢や収入でサービスの違いがある!?

40歳になると自動的に加入となる公的の介護保険。その被保険者の年齢によっては、サービスを利用できないことがあるって知ってましたか?さらに被保険者ごとのサービスにも利用限度額などがあるんです。サービスの種類や利用限度額などについても確認しておきましょう。



介護保険とは

40歳になると自動的に被保険者となる介護保険。この制度の運営は、被保険者の住んでいる市区町村となっています。介護保険は、その年齢や介護認定の度合いによって、受けられるサービスに違いがあります。

2015年4月からは、新たに介護保険の予防給付も始まりました。予防給付は要支援の方に対するサービスで、そのうち介護予防の訪問介護と介護予防の通所介護が、市町村の事業にて実施されます。

では、その対象となる介護保険の被保険者について、詳しくみていきましょう。



介護保険の被保険者

介護保険のサービス利用対象者は、65歳以上の第1号被保険者と、40歳から64歳の第2号被保険者の2種類に分かれています。

第1号被保険者と第2号被保険者には以下のサービスの違いがあります。

■第1号被保険者(65歳以上)
疾病やケガに関係なく、認知症や寝たきりなどによって、要介護状態となった場合や、日常生活の身支度や家事などの支援が必要となる、要支援状態となった場合に、介護サービスを受けられます。

■第2号被保険者(40歳~64歳)
脳血管疾患や認知症などの老化が原因となる「特定疾病」によって、要介護状態や要支援状態となった場合に、介護サービスを受けられます。

被保険者の年齢による条件の違い

65歳以上の人はその原因に関係なく、要介護状態や要支援状態になると、サービスを受けられるのですが、40歳~64歳の人はその原因が、老齢を原因とする「16種類の特定の疾病」による要介護状態や要支援状態でなければ、サービスは受けられないのです。

つまり、第2号被保険者である40歳~64歳の人は、介護保険の被保険者ではあるものの、限定された場合でしか利用ができないということになります。

40歳以上の人が、毎月支払っている介護保険料は、この介護サービスを運営していくためのものですが、そのほとんどは65歳以上の高齢者のためとも言えるでしょう。

しかし、この高齢者社会を支える為には必要ですし、40歳以上ともなると、この「特定疾患」に関して急激に増える年齢になってきますので、いざという時は公的介護保険でのサービスが利用できるのは安心ですね。

なお、介護給付・予防給付などのサービス利用には、公的な要介護や要支援認定を受けている必要があります。

介護保険とは | 介護保険の解説 | 介護事業所・生活関連情報検索「介護サービス情報公表システム」
参照元:厚生労働省(2015年12月、著者調べ)



要介護認定について

要介護認定とは、援助を必要とする度合いを8つの区分に分けて認定をすることです。認定は、要支援1~2と要介護1~5に分かれていて、数字が大きくなるほど重い状態で援助が必要ということになります。要介護認定の非該当の人は、そのサービスを受ける対象ではなく、自立できると判断されたということです。

要介護認定を受けるためには、市町村の介護保険の窓口へ申請などの手続きが必要です。

また要介護度によって、1割(2割)負担で受けられるサービスの種類や量が違ってきます。重い状態の高い認定ほど、そのサービスは多く利用ができます。

要介護度によるサービスの違い

要介護度によるサービスの違いは、要支援と認定されたのか・要介護と認定されたのかで違ってきます。

要介護1~5と認定された場合は「介護給付」といわれるサービスの利用、要支援と認定された場合は「予防給付」といわれるサービスの利用となります。

サービスの種類

自宅へ訪問するサービス

自宅へ訪問するサービスは、日常の生活援助などの他に、通院の介助や入浴介助などが中心のサービスです。また状態によっては、自宅へ看護師来てもらい、健康状態を確認してもらう場合もあります。さらに、理学療法士や作業療法士が訪問してリハビリを行うサービスもあります。

また、重い状態の場合には、夜間にも対応している訪問介護があり、定期的に巡回するタイプ・随時対応するタイプとなり、看護師や介護しなどが対応するものがあります。しかし、これについては要支援1・2の方は受けられません。

施設に通うサービス

施設へ通うサービスには、デイサービスやデイケアなどをよく聞きますね。どちらも、自宅で介護をしている家族にとっては、介護の負担を軽減することができるので、よく利用されています。デイサービスやデイケアなどでは、食事や入浴、またさまざまな機能訓練を行っています。

介護される側にとっても、自宅で引きこもることなく、人と触れ合う良い機会になりますね。

また、常に看護師などの観察が必要な難病・認知症などの方や、末期のがん患者の対象サービスとして、療養のための通所介護もあります。

特に重い状態の介護を自宅でしている家族にとっても、介護される方にとっても、気分転換にもなりますし、看護師などにいろいろな相談などもできるので、安心できるサービスですね。

訪問・通い・宿泊の組合せのサービス

介護サービスでもいろいろ複合的に行うのが、小規模多機能型居宅介護や複合サービスとなります。

その状態や希望などで、通うことを中心に自宅への訪問や、短期的な宿泊での介護などを組み合わせて行うことができます。もちろん、看護師による訪問介護などができるものもありますが、こちらについては、要支援1・2の方は利用ができません。

短期間の宿泊のサービス

短期間で施設などに宿泊をする介護サービスになります。よくショートステイといわれますね。介護される方が、自宅への引きこもりにならないよう、また介護している家族の負担を軽減するという目的で、よく利用されています。

例えば、旅行や出張で介護ができないなどの場合でも、利用をされることが多いようです。状態によっては、医療や看護などもできる施設もあるので安心です。

介護される人にとっても、いろいろな人との交流をすることで、楽しい時間になることも多いようですね。ただし、連続で利用できるのは30日間となっています。

施設で生活するサービス

特別養護老人ホームや老健といわれる介護老人保健施設、また介護療養型医療施設や有料老人ホームなど、さまざまな介護施設があります。このような介護施設で生活をするために入所しながら、介護を受けるサービスになります。

特別養護老人ホームや介護老人保健施設・介護療養型医療施設などでは、自宅での介護は難しい、特に重い状態の常に介護が必要な人や、長期での療養が必要な人が入所する施設になります。もちろん、自宅での介護へ復帰できることが目的となっています。

また、有料老人ホームなどでは、家族が自宅での介護が難しい方などが入所していることが多いようです。

こういった施設での生活は、同年代の人たちとの交流などを通して、気持ちも軽くなるようですし、家族にとっても介護での負担が軽く済むため、安心して生活が送れるという利点があります。

ただし、入所についてはそれなりの料金がかかることが多いことや、入所希望者が多くなかなか空きがないという面もあるようです。

地域密着型のサービス

地域密着型のサービスでは、地域密着型介護老人福祉施設へ入所し、日常生活などを送りながら介護を受けることができます。入所者の定員が30人未満で常に介護が必要な人が入所できる施設や、自立した生活を送るための施設となっており、生活の支援や機能訓練などを行います。

地域に密着している施設ですので、家庭的な雰囲気が特徴で、家族や地域の結びつきを大切にした運営をしています。ただし、このサービスについては、要支援1・2の方は利用できません。

福祉用具の貸与や販売のサービス

福祉施設の用具については、貸与や販売のサービスが行われています。例えば、介護に必要なベットや手すり、車椅子など、購入するには高額になるものについてはレンタルで使えると、予算的にも安心です。またこれらを購入することもできます。

レンタルについては、その費用の1割(2割)負担となり、購入の場合は10万円を限度として、費用の9割が給付という形で払い戻されます。

公表されている介護サービスについて | 介護事業所・生活関連情報検索「介護サービス情報公表システム」
参照元:厚生労働省(2015年12月、著者調べ)

サービスに対する利用料について

介護サービスの利用の場合の負担分は、そのサービスの費用の1割(一定所得の方は2割)となります。また、介護施設などを利用している方は、費用の1割負担の他に、食費や日常生活費・居住費などの負担も必要です。

ただし1ヶ月の利用料が高額になった場合や、低所得の方については、負担の軽減措置があります。

サービスの費用負担と利用限度額

居宅サービスの利用には、1ヶ月の利用限度額が設けられています。要介護度別に、利用できるサービスの支給限度額が決められています。その支給限度額は、要支援1では50,030円から要介護5では360,650円となっており、重い状態になるほどその限度額は大きくなっています。

限度額の範囲内であれば、1割(2割)負担でのサービスの利用が可能ですが、限度額を超えた分については、全額自己負担となります。

例えば、施設サービスでの1ヶ月あたりの自己負担の目安は、住環境によっても違いますが、次の通りになります。

<特別用語老人ホームの場合>
■要介護度5で多床室利用の場合
・施設サービス費(1割負担分):約24,500円
・居住費:約25,200円(1日あたり840円)
・食費:約42,000円(1日あたり1,380円)
・日常生活費:約10,000円(施設にて設定)
合計は、約101,700円となります。

■要介護度5で個室利用の場合)
・施設サービス費(1割負担分)約27,000円
・居住費:約60,000円(1日あたり1,970円)
・食費:約42,000円(1日あたり1,380円)
・日常生活費:約10,000円(施設にて設定)
合計は、約139,000円となります。

低所得者の支援

低所得者の方については、負担が重くならないように、所得に応じて区分されており、第1段階から第5段階まで分かれています。

第1段階 生活保護者等
世帯全員が市町村民税非課税で、老齢福祉年金受給者
第2段階 世帯全員が市町村民税非課税で、本人の公的年金収入額+合計所得金額が80万円以下
第3段階 世帯全員が市町村民税非課税で、本人の公的年金収入額+合計所得金額が80万円超
第4段階 市区町村民税課税世帯(第5段階に該当する場合を除く)
第5段階 その者の属する世帯内に課税所得145万円以上の被保険者がおり、かつ、世帯内の第1号被保険者の収入の合計額が520万円(世帯内の第1号被保険者が本人のみの場合は383万円)以上

出典:

www.kaigokensaku.jp

特定入所者の介護サービス費の上限

特定入所者介護サービス費では、所得などが一定以下の方で、介護保険施設入所している場合に、食費や居住費などの負担額を超えた分が、介護保険から支給されます。このサービス費を受けるには、負担限度額認定を受けることが必要ですので、市区町村に申請をしましょう。

なお、負担限度額は、施設の種類や部屋のタイプ・所得段階によって異なってきます。

■特別用語老人ホーム・短期入所生活介護での、ユニット型個室の自己負担限度額の例(日額)
・基準費用額:1,970円
・第1段階:820円
・第2段階:820円
・第3段顔:1,310円

■上記施設での食費の自己負担限度額の例(日額)
・基準費用額:1,380円
・第1段階:300円
・第2段階:390円
・第3段階:650円

高額介護サービス費の支給

高額介護サービス費では、世帯の所得に応じて、1ヶ月の1割負担の世帯合計額が上限を超えた分を、介護保険から支給します。支給に関しては市区町村に申請をすることが必要となります。

■段階ごとの上限額
・第1段階:15,000円
・第2段階:24,600円
・第3段階:24,600円
・第4段階:37,200円
・第5段階:44,400円
別途で個人単位での負担限度額もあります。

高額医療・高額介護の合算制度

世帯内で同じ医療保険で、医療保険と介護保険、どちらからも自己負担が発生したとき、負担額を軽減します。限度額は、両方の自己負担額を合算した額が、決められた限度額(年額)よりも500円以上超えた分を支給します。これも市区町村への申告が必要となります。

サービスにかかる利用料 | 介護保険の解説 | 介護事業所・生活関連情報検索「介護サービス情報公表システム」
参照元:厚生労働省(2015年12月、著者調べ)

まとめ

介護保険は、その年齢やその人の状態によって、受けられるサービスや負担額が異なってきます。また低所得者をカバーする為の制度などもあり、安心して介護を受けられるよう、また介護ができるように改善されていますね。

介護はまだまだ先と思いがちですが、この高齢化社会や特定の疾病などでの介護される人の数は増えています。いつどのようなことが起こるかもわかりません。

今私たちにできることは、できるだけ健康を維持していくこと、そして介護に直面した時に焦らないように、その概要だけでも理解しておくことが大切だと思います。

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