【被扶養者】意味を知って即活用!あなたがそうかもしれません!

「被扶養者」と言う言葉、よく耳にしますよね。健康保険や年金の書類を読んだとき、生命保険の説明を受けるとき、扶養者と被扶養者がごっちゃになってどっちがどっちかわからなくなる時もあるのでは?まずは言葉の正しい意味をつかみましょう。社会サービスを適格に受けるために、ぜひ覚えておきたいポイントです。



1,まずは扶養者って何?

扶養の意味

被扶養者を考える前に、まずは「扶養」とはどんな意味かを考えましょう。扶養とは何でしょう?ある辞書では下記のようになっていました。

たすけ養うこと。生活の面倒をみること。

出典:

www.excite.co.jp

扶養者とは?

扶養に関しては、いろんな熟語があります。
・扶養義務:生活の面倒を見る義務
・扶養家族:生活の面倒を見ている家族
・扶養親族:生活の面倒を見ている親戚
・扶養控除:生活の面倒を見ている人がいるので受けることが出来る税制上の優遇措置
・扶養手当:生活の面倒を見ている人に対し支給される手当

などでしょうか。
ですから扶養者と言うのは、生活の面倒をみる人なのですね。例えば親子であれば親が子を扶養する、夫婦であれば夫が妻を扶養する、という感じです。また親が年を取ると、今度は子どもが親を扶養することになります。



2,被扶養者の意味は?

「被」がつくとどうなる?

それでは被扶養者とは何でしょう?扶養者の頭に「被」がついただけで、どのような意味になるのでしょう。

元々「被」という漢字は、訓読みだと「こうむる」になります。一般的には「被害を被る」「ご愛顧を被る」などの形で使われていると思います。いずれも「被害を受ける」「ご愛顧を受ける」という意味合いなので、「被」には受けるという意味があると思うと理解しやすいです。

このように言葉の頭に追加されて、別な意味を加える言葉を接頭語と言います。「非」「不」などは良く知られていますね。幸せと不幸せ、運と不運、日常と非日常、凡人と非凡などなどたくさんありますが、「被」もこれと同様に接頭語で、言葉の頭に付くことで意味が加わります。

「被」は受けるという事になります。被が付く言葉でよく耳にするのは、被選挙人、被疑者、被告人、被保険者などがあります。被選挙人は、選挙を受ける人という事で立候補する人、被疑者は疑いを受ける人という事で疑われて捜査の対象になっている人、被告人は告訴を受けた人という事で訴えられた人、被保険者は保険を受ける人という事で保険に加入している人となります。

ひせんきょけん【被選挙権】

選挙に立候補することができる資格。公職選挙法上,衆議院議員・地方議会議員・市町村長は満二五歳以上,参議院議員・都道府県知事は満三〇歳以上の者に与えられる。

出典:

kotobank.jp

被扶養者の意味

ですから被扶養者は扶養を受ける人という事で、生活の面倒を見てもらってる人という事になりますね。ですから生まれてから社会人になるまではみな被扶養者で、親が扶養者になります。また夫が主たる稼ぎ手の場合、夫が扶養者で妻や子供が被扶養者になります。

扶養される人。健康保険の場合、被保険者の直系尊属・配偶者(事実婚を含む)・子・孫・弟妹、および被保険者と同居し家計を共にしている三親等以内の親族や事実婚の配偶者の父母・子が被扶養者にあたる。

出典:

kotobank.jp
大辞林第三版では「扶養されている者」だけですが、デジタル大辞泉では、上記のように定義しています。詳しくて具体的ですね。事実婚であっても扶養に含めていて、事実婚の配偶者やその父母や子供までも被扶養者となっています。

結論として、被扶養者とは世帯主である扶養者と家計をともにしている親族で、収入がある一定以下の人という事になります。そこで考えたいのが、親族って何親等まで?ある一定以下の収入って具体的にいくら?という事です。社会制度や社会サービスとして運用することを考えると、「被扶養者」の定義は厳格に規定する必要が出てきます。

被扶養者(ヒフヨウシャ)とは – コトバンク
参照元:デジタル大辞泉(2015年12月著者調べ)

kotobank.jpデジタル大辞泉,大辞林 第三版

3,被扶養者もいろいろある

被扶養者となると様々な優遇や義務の免除を受けられるケースがあります。そのためか被扶養者の定義について、制度ごとに細かい規定があります。しかも厳格に実施されますし、制度への見直しも頻繁に検討されます。

それだけ人々の関心が高く、不公平のないように運用することが大切だということでしょう。たしかに税制や社会保険など、社会生活を支える根幹となる部分で被扶養者という言葉は頻繁に使われています。

具体的には下記の三つになるでしょう
・年金や健康保やなどの社会保険
・給与に上乗せして支払われる扶養手当
・税制上の配偶者控除や扶養控除

これら三つを比較しても「被扶養者」の要件は異なります。また変更されることもあります。社会保険の中でも被扶養者の要件が異なっています。要件が少ない場合もあれば、たくさんある事もあります。

ですから自分が扶養に含まれるか否かを知る必要が出て来たら、それぞれの扶養の要件をきちんと調べて該当するかどうか判断する必要があります。

扶養かどうかの認定基準ですが、親族かどうか、収入、年齢などが主な基準です。厚生年金などは、被扶養者の優遇は配偶者のみになります。国民年金の場合は、被扶養者というものは存在しません。

このように制度によって、扶養者の要件は様々だという事を頭に入れて確認しましょう。



4,健康保険の被扶養者

厚生年金の健康保険の被扶養者

厚生年金に加入している場合はどういう人が健康保険の被扶養者なれるのか、HP上で知ることが出来ます。読む際は以下に注意してください。

・被保険者:保険に加入している人なので、通常は世帯主です
・被扶養者:被保険者に扶養されている人なので、扶養されている配偶者や子供などの親族を指します。

被扶養者については、年齢、収入、同居しているか否かで細かく規定されています。

被扶養者とは? | 健康保険ガイド | 全国健康保険協会
参照元:協会けんぽ(2015年12月著者調べ) これを見ると同居していれば三親等まで扶養に入れます。三親等は幅が広いです。親子や祖父母はもちろん、兄姉、伯叔父母、甥姪とその配偶者まで含まれています。だから甥っこも同居していれば健康保険の被扶養者になれる可能性があります。

ただしその甥っ子が年収130万円以上を稼いでたらどうでしょう?答えはNo!です。被扶養者の年収は130万円未満とされているからです。配偶者も同様で、年収130万円で被扶養者ではなくなります。年収130万になったときに被扶養者から外れる手続きを行うことになります。

厚生年金の場合は、被扶養者が何人いても被保険者の保険料は同じです。負担ゼロだったら、同居の甥っ子さんが望むのだったら自分の健康保険に入れてあげたいですね。

国民健康保険の被扶養者

国民年金加入者の場合、国民健康保険を利用することになります。こちらの保険料は扶養だからと言って、保険料を優遇することはないそうです。もともと国民年金には扶養という言葉はありません。各市町村の国民健康保険の案内のページを見ても、被保険者と言う言葉ばかりが目につきます。

国民年金保険は国民一人一人が被保険者となります。ですから家族に収入があればそれに応じた額の保険料を支払うことになります。世帯としての収入に対して保険料がかかることになります。納付書が世帯主宛に届き、世帯主が世帯全員分を納付する義務を負います。

ですから国民健康保険には被扶養者はありません。みなさんが被保険者です。

国民健康保険に加入する方(被保険者) : 横浜市西区ホームページ
参照元:横浜市西区の国民健康保険(2015年12月著者調べ)

5,年金の被扶養者

夫が厚生年金だったら

65才から受け取れる厚生年金。夫が厚生年金なら、夫の扶養の範囲だと妻の保険料が免除されます。この制度を使って、パートで働いている人も多いです。これってどういうカラクリなのでしょう。

妻の厚生年金保険料が免除されていると思われがちですが、実はちょっと違います。免除されているのは国民年金の保険料です。国民年金は国民一人ひとりが必ず加入し、保険料を納めなければなりません。保険料は一人当たりで額が決まっています。要は働いていても無職でも、年金保険料を払わなくてはいけません。

ところが例外になっているのが、サラリーマンや公務員の妻の保険料です。サラリーマンや公務員は厚生年金の加入者であると同時に国民年金の加入者で、第二号と呼ばれています。第二号の妻は、被扶養者の要件を満たしていれば第三号になることができます。第三号になると保険料は免除されます。

だからサラリーマン等の妻は、被扶養者になることでメリットが大きいですね。これに関しては論議があり、税制改正で見直しを図る動きもあるようです。

国民年金に加入するための手続き|日本年金機構
参照元:日本年金機構(2015年12月著者調べ)

夫が国民年金だったら

先ほども言及したように、国民年金には被扶養者は存在しません。従って年金の保険料は人数分を払うことになります。

国民年金保険料は一律で決まっていて、平成27年度は一人当たり15,590円です。20才以上60才未満の人は毎月15,590円の保険料を納めることになります。仕事をしてても無職でも夫婦二人で31,180円ですね。

学生の場合はどうなるのでしょう?20才を過ぎたら学生でも保険料を払わなくてはならないのでしょうか。学生の場合は申告して在籍中であることを証明することによって免除になります。

学生納付特例制度|日本年金機構
参照元:日本年金機構(2015年12月著者調べ)

6,被扶養者がいるとプラスです

扶養控除

 納税者に所得税法上の控除対象扶養親族となる人がいる場合には、一定の金額の所得控除が受けられます。これを扶養控除といいます。

出典:

www.nta.go.jp
扶養者が年末調整や確定申告等を行う際、被扶養者がいると所得税の控除を受けられます。配偶者が扶養となっていれば、扶養者は配偶者控除と配偶者特別控除を受けられます。

また配偶者以外に扶養している親族がいれば、扶養控除が受けられます。税制上の扶養親族は12月31日現在16才以上となります。種類としては下記のようになっています。

・控除対象扶養親族
・特定扶養親族
・老人扶養親族(同居老親等)
・老人扶養親族(同居老親等以外)

被扶養者の詳細については国税庁のHPで公開されています。これを見ればどんな人が扶養親族と見なされるのかがわかります。

被扶養者がいると一人につき38万から68万円の控除が受けられるため、節税効果がかなり期待できます。同居でなくても大丈夫なケースもあります。要は生計を一にしていると見なされれば良いそうです。

例えば親が病院で長い事入院中でも、療養費を負担していれば一つの生計です。単身住まいで大学に通っている子どもに仕送りしていればお財布は一緒になります。そうすると被扶養者と見なしてもらえる可能性が大です。

でも少々疑問に思うのは16才以下はどうして控除の対象ではないのかと言う点です。実は元々は控除対象だったのですが、子ども手当が支給される際に廃止されたそうです。

No.1180 扶養控除|所得税|国税庁
参照元:国税庁(2015年12月著者調べ)

扶養手当

企業によっては扶養手当を支給してくれるところがあります。普通のお給料に上乗せで、家族がいる分収入が増えるんですから有難いですね!その場合の被扶養者は通常は配偶者と子供になります。

民間企業の場合、会社ごとに決めているため詳細を知るのが難しいのです。社会保険の被扶養者と同等の基準で扶養者と認定し、被扶養者一名につき月々数千から2万円台程度までと定めているところが多いようですが、必ずしもそうとは限りません。トヨタのように配偶者手当を廃止し、その分子ども手当を増額してような企業もあります。子どもの人数分もらえるのだったら、子だくさんの人は助かりますね。

ちなみに国家公務員の場合は、公表されています。配偶者に対して13,000円、子どもや父母には6,500円、子どもが16才から22才の間は5,000円増額されるそう。妻と子どもだけでなく、同居の父母も被扶養者となっています。手厚い心遣いです!

この金額ですが、民間との格差が小幅ということでした。という事は、大手企業はだいたいこのぐらいという事でしょう。目安にして下さい。

時事ドットコム:公務員扶養手当、据え置きへ=民間との格差小さく−人事院
参照元:時事ドットコム(2015年12月著者調べ)

www.jiji.com
被扶養者と言っても、ケースバイケースだという事がよくわかります。被扶養者が存在しないものから、配偶者や子供はもちろん、親や同居の親族まで含める場合もあります。同居していなくても、被扶養者と認められる場合もありました。

一方で、同居している親族にもかかわらず、一定以上の収入があるという事で被扶養者になれない場合もありました。言葉の意味を考えると、一定以上の収入があれば自分で稼いでいる訳であって、もはや扶養されている訳ではないという事でしょうか。

その線引きも最近ではいろいろと議論になっています。上記の国家公務員のケースですが、改定したほうが良いのではないかという事で取り上げられたものの、結局現状のままという事になりました。

7,被扶養者を賢く活用

被扶養者という言葉の意味とともに、現実にどのように被扶養者が定義されているのかをご紹介してきました。被扶養者の生活を支えるためにいろいろな社会制度や社会サービスがありましたね。自分が被扶養者なのかそうでないのかを知って、賢く活用して頂ければと思います。