やっぱり矯正したい!費用とともに紹介する最新の矯正方法6選

笑顔が素敵な人は、たいてい歯がきれいですよね。自信をもって口を開けて笑える、話せる。そんな解放感を、手に入れたいと思う人は多いのではないでしょうか。



矯正とは…

矯正とは、何かが正しくない状態にある物を、力を加えることで正しい状態に戻すことをいいます。犯罪者の矯正施設、乱視の矯正、歯列矯正などといった使い方をしますそして今回は、「歯列矯正」についてご紹介したいと思います。



きれいな歯並びを手に入れる

「歯列矯正」と一口に言っても、実は様々な種類があるのをご存知でしょうか。一般的によく見かけるのは、歯に金属でできたチップ(ブラケット)をつけて、それをワイヤーでつないでいるタイプでしょう。ワイヤー矯正と呼ばれています。そのほかにも、舌側矯正、インプラント矯正、クイック矯正、外科矯正、小児矯正、マウスピース矯正など、多種多様です。

1、ワイヤー矯正

一般的に「矯正」と言えばこれ、というメジャーな方法です。歯の表面にブラケットをつけ、それぞれをワイヤでつなぎ、歯を引っ張って移動させます。メリットとしては、比較的歯が動きやすく、短時間(と言っても数年)で終了できます。また、メジャーな方法なだけに過去の実績も多く、安心できます。

デメリットは、やはりこの矯正をつけている間は見た目が良くないという点でしょう。口を開けるとお歯黒のように見えますので、話す時や笑う時、始終気にしているようになってしまいます。また、装着中の数年間は虫歯になりやすくなるというのもこの方法の難点です。

比較的目立ちにくいタイプとして、金属製のブラケットを透明のプラスチックやセラミックでできたものにするタイプも最近はあります。しかし、ワイヤー自体は見えますので、歯だけの状態よりは少し違和感があるかもしれません。

また、歯の動きとしては金属製ブラケットに比べると目立ちにくいタイプはやや時間が借るようです。

期間とお金

期間は患者によりさまざまですが、平均で2~3年、長い場合は3年以上かかる場合もあります。期間中、1~2カ月に1度ワイヤーの調整などで定期的に受診する必要があります。また、費用も患者の状態により様々ですが、上下とも矯正を行う場合で基本料が60~100万円。矯正を始める前の診断料3~10万円前後や最初の相談料などがこの「基本料に含まれている場合とそうでない場合があります。

また、ワイヤーの調整で受診するごとにかかる調整料が3,000~10,000円ですので、期間が長くなればなるほどワイヤーの調整料も回数が増えますのでかかります。また、見た目を重視した目立ちにくい透明なタイプのブラケットなどを使うと、先ほどの基本料にプラス5~20万円かかります。

ワイヤー矯正-最も一般的な歯列矯正方法
参照元:歯チャンネル88(2015年12月、著者調べ)



2、舌側矯正

ワイヤー矯正で歯の表面につけていたブラケットを歯の裏側、舌の側につける方法です。表からは矯正具が見えませんので、見た目の自然な感じを残しつつ矯正が可能になります。しかし、この方法はこの見た目を維持できる以外はデメリットの方が多いです。

例えば、まず割高です。ワイヤー矯正の1.5倍ほど割高になります。また、歯を動かすのに時間を要するため、矯正をしている期間が長くなります。また、装着感ですが、歯の裏側には常に舌があり、それ程スペースがあるわけではないので常に違和感、異物感があることは想像に難くありません。そして当然のことながら、歯磨きもしづらいため虫歯にもなりやすくなります。

期間とお金

期間はワイヤー矯正と同じく、患者によりますが2~3年程度。抜歯をしない場合など簡単な歯の移動で済む場合は6カ月~1年程度です。しかし、この舌側矯正はこの期間が思っていたより長くなりがちです。

費用は上下とも矯正を行う場合の基本料で100~150万円ほどです。相談料や診断料は基本料に含まれている場合とそうでない場合があります。また、ワイヤー矯正と同じく1~2カ月に1度のワイヤーの調整が必要で、その都度3,000~10,000円が必要になります。

舌側矯正(裏側矯正)
参照元:歯チャンネル88(2015年12月、著者調べ)

3、クイック矯正

人工の歯を歯の表面につける方法です。歯を動かしたりするわけではないので、矯正というとちょっと違うかも知れませんが…。手順としては、歯の表面を削ったり、必要に応じて歯髄をとってしまい、型を取ります。その型に合わせて歯を作り、上から載せたりかぶせたりします。

メリットとしては、通常のワイヤー矯正が2~3年、長ければそれ以上となるのに対して2週間から1カ月で終わるというのが最大の魅力でしょう。また、通常のワイヤー矯正ではあくまで自分の歯ですので、自分の歯が黄色かったり黒かったりしたらそのままですが、クイック矯正は人口の歯が表にきますので、歯が白くなります。

デメリットは、歯を動かさずに歯列を整えるには限界があるということでしょう。また、健康な歯を削ってしまうわけですから、場合によっては本来の歯の寿命が短くなってしまう場合があるということです。

あくまでも表面の見た目を改善する方法ですので、噛み合わせを治すことはできません。また、この人工の歯は再利用ができませんので、虫歯になるなどして治療のために外す必要があった場合、再度型取りをして歯を作成しなくてはいけなくなります。

ワイヤー矯正に比べ、後々いろいろな問題が出てくる可能性がある矯正方法ですので、お世話になる歯科医師とよく相談をしてから決める方が良さそうです。

期間とお金

通常のワイヤー矯正が2~3年からそれ以上であるのに対して、2週間から1カ月と非常に短縮できます。費用は保険が効かない自由診療のため、施術する歯科医院によって値段はまちまちです。

例えば、上の前歯6本だけをセラミックのクラウンを被せるクイック矯正にした場合、歯の方向を変えるための土台、2万円が6本で12万円。そして被せるセラミックのクラウンが1本12万円を6本で72万円。合わせて84万円になります。

また、ラミネートベニアを被せるだけのクイック矯正を上の前歯6本にした場合は1本8万円が6本で48万円となります。

クイック矯正(補綴矯正)-人工の歯を使用した歯列矯正
参照元:歯チャンネル88(2015年12月、著者調べ)

4、外科矯正

通常の矯正だけでは効果が望めない場合に行われるもので、外科的な手術をすることで顎骨を切って動かすので、本格的な手術になります。しかしその分、矯正の中では唯一、保険が適用される場合があり、効果も期待できる方法です。

メリットは、短期間で済む場合があること、効果が期待できること、保険が適用になる場合があるということです。デメリットは、全身麻酔が必要な手術であるため、2~3週間の入院が必要であることや、手術後に鼻の変形が起こる場合があること、術後3~5日をピークとして半年~1年の間顔が腫れる恐れがあるということです。

時間とお金

外科矯正は、外科手術の前に通常のワイヤー矯正を6カ月~1年ほどしてある程度歯を並べてから行われます。つまり、前準備のワイヤー矯正が1年とすると、外科手術の入院で2~3週間、術後にもワイヤー矯正を必要とし、その期間は再び6カ月~1年ほど。2年半から3年となります。

費用ですが、もしも保険が適用される症例の場合ですと、術前・術後の矯正費用や手術の際の入院費用を含めて50~60万円です。保険外だと100~200万円。大がかりなだけに費用も掛かります。

外科矯正
参照元:歯チャンネル88(2015年12月、著者調べ)

5、小児矯正

子供の歯列矯正です。顎の骨が成長する6~14歳の間に行うのが有効とされています。特に、歯の生えてきた位置が悪く、後から生えてくる歯に悪影響を及ぼすことが予想される場合などは、矯正をする事で効果が期待できるとされています。

子供時代に矯正をするメリットは、顎の骨の成長段階であるため、歯を動かしながら顎の骨の成長もコントロールできることです。大人の場合は顎の骨の成長は終わっていますので歯を動かすことでしか歯列を矯正することはできません。

一方でデメリットは、ワイヤー矯正と同じく見た目が悪くなること、虫歯になりやすくなること、顎の骨の成長と様子を見ながら歯を動かすため、期間が長くなりがちであるということ、大人になってから再度矯正が必要になる場合もあるということです。

期間とお金

期間はその子によってまちまちです。顎の骨の成長、歯の生え代わりのスピードなどもありますので一概には言えません。基本料は30~60万円、大人のワイヤー矯正と同じく、事前の相談料がかかる場合もあり、更に診断料で3~10万円が必要です。更に、こちらも大人の場合と同じく、1~2カ月ごとに経過観察とワイヤーの調整などで受診が必要で、都度3,000~10,000円が必要になります。

小児矯正(子供の歯列矯正)
参照元:歯チャンネル88(2015年12月、著者調べ)

6、マウスピース矯正

透明のマウスピースを1日20時間以上装着し、2週間ごとに新しいマウスピースを作って付け替えていく矯正です。装着時はほとんど目立たないため、矯正にありがちな見た目の悪さなどは無く、マウスピースであるため洗浄が可能ですから清潔なのが嬉しい点です。しかし、大がかりな歯列矯正にはこの方法は使えません。デメリットとしては、脱着が可能であるため、ついつい忘れたりさぼったりしてしまい、1日の装着時間を守れない場合は矯正期間が長くなるということです。

期間とお金

この矯正方法は、そもそもそれほど大掛かりでない場合に使用される方法ですので、矯正期間も半年~2年と他の矯正と比べても短めです。しかし、2週間に一度新しいマウスピースに交換しますので、通院も必要です。

費用はやはり上下矯正をした場合で30~60万円です。ほかの矯正と同じく事前の相談料や診断料が必要になります。更に、定期的に調整料がかかることも同じと言えます。

マウスピース矯正
参照元:歯チャンネル88(2015年12月、著者調べ)

美しい歯並びを手に入れるために

美しい歯並びを手に入れるために必要な期間は、大きな違いは無く、早い人なら半年、長いと3年以上というところでしょう。結局どの矯正のタイプも共通していることは「その人による」という点です。また、矯正をする際に共通しているのはまず、既存の虫歯や歯周病などを解決してからでなくては矯正のステップに進めないということです。

ただでさえ矯正中は虫歯になりやすくなるので、まずは今ある問題を解決して、ゼロの状態からでないと始められないということでしょう。そして、矯正期間中にも定期的に経過観察とワイヤーやマウスピースの調整が必要であるということです。

だいたいどの矯正にも共通して必要な額は以下の通りとなります。

・相談料 0~5,000円程度
・診査・診断料 3~10万円程度
・矯正費用(基本料) 大人60~100万円、子供30~60万円程度
・調整料 1~2カ月ごとに3,000~10,000円程度

・特別な装置が必要な場合の料金
 ワイヤー矯正の際の目立たないタイプの装置、舌側矯正、マウスピース矯正などの場合使用本数や状態により違う

一般的なワイヤー矯正で全て高い場合の金額で考えると、大人の場合は相談料5,000円、診断料10万円、矯正費用(基本料)100万円、調整料(毎月調整を24カ月した場合)で10,000円を24回で、総額おおよそ134万5千円となります。

一方子供の場合、同じく高い方の金額で3年間毎月調整を行ったとすると、相談料5,000円、診断料10万円、矯正費用(基本料)60万円、調整料10,000円を36回で、総額はおおよそ106万5千円になります。

矯正治療(歯列矯正)の治療費・料金・費用
参照元:歯チャンネル88(2015年12月、著者調べ)

何事も最後が肝心

更に、大人も子供もすべての矯正に共通しているのは、矯正治療が終了したあと、1~2年は「保定具」というマウスピースのようなものが必要になります。これは、矯正器具を外すと、歯が本来の場所に戻ろうとするためで、それを防ぐために毎日数時間、マウスピースをはめるのです。

これを怠ると、せっかく数年かかって動かした歯が動いてしまい、今までの苦労が水の泡になるので最後のこの保定期間が重要です。

歯列矯正経験者の話

ここまで歯列矯正について様々なタイプ、期間や費用についてご紹介してきましたが、最後に、歯列矯正をした経験者として、筆者の思い出をお話しします。と言っても、今から20年以上昔の話になりますので、今現在行われている歯列矯正に比べたら相当技術的に古いお話しかもしれませんが、歯を動かすことには変わりないと思いますのでご参考までにお付き合いください。

始まり

筆者が歯列矯正を始めたのは14歳のころでした。筆者の母が、子供の歯並びにかなり気を遣うタイプだったため、私の永久歯がある程度生え始めたあたりからなんとなく嫌な予感がしたとのことで、まず最初に小学校3年生、9歳ごろに歯科に連れていかれました。その際に言われた金額が30年以上前で、総額おおよそ90万円だったと記憶しています。

想像していたよりも遥かに費用が高額になるということで一旦断念しました。が、その後もどんどんと歯並びが悪くなる子供の状態を見かねて、14歳の春に再度別の小児矯正専門の歯科医院を受診しました。そこでは最初に必要なのは30万円と言われて矯正を始めることになりました。

矯正開始

私の場合は、上の歯を2本、下の歯を1本抜歯しました。それまで虫歯などで歯科にかかったことが無かったことと、健康な歯を抜くわけですから当然ながら相当な痛みがありました。そして歯型を取られ、歯にブラケットを接着剤で貼り付けました。

この段階ではまだワイヤーはつけられておらず、ブラケットだけで帰宅した記憶があります。このブラケットが、口の中では「異物」であるうえ、金属ですので唇の裏側が全体的に腫れて水ぶくれができ、しばらくの間は口の中が血だらけでした。

更につらかったのが初めてワイヤーで固定された直後です。まず、口の中がようやくブラケットになれてきたところで、ワイヤーとブラケットを針金で固定してペンチで切断し、切断面はブラケットにうまく隠されるのですが、結局は新しい金属の凹凸感で再び口の中は血まみれでした。もちろん、痛いです。

更に、歯が動き始めるのですが、今ある歯を無理やり動かすわけですから当然ながら、頭蓋骨をメリメリ言わせるような頭痛がしばらく続きます。口の中が痛いのと、何とも言えない骨の鈍痛で3日ほど食事ができず、おかゆや飲み物を口に入れようにも、スプーンが当たるだけで激痛、ストローを咥えたら思いがけない激痛に悲鳴を上げた記憶があります。

その後、1~2カ月おきに調整にいき、ワイヤーの交換やブラケットとの固定をしている針金の交換、締め直しをするたびにやはり鈍痛がしばらく続きました。また、歯列矯正はただ歯の横並びを揃えるだけではなく、左右の歯と縦の長さもそろえる場合があります。

私の場合もその縦の並びを治すために、短い歯のブラケットと下の歯のブラケットに輪ゴムをはめてお互いに引っ張り合って歯を伸ばすことがたびたびありました。そしてご多聞に漏れず、これも非常に痛いものでした。

子供専門の歯科でしたので、次回の予約を入れる際に中間・期末試験の期間を外して予約を入れるように言われました。一度調整をしてしまうと、その痛みで集中力が著しく低下するからです。

矯正をしている間はやはり見た目が悪くなり、アメリカのように歯列矯正をする子供がそれほど一般的ではなかったため、思春期の子供にとってはなかなかのマイナス要因でした。話すときはいつも口に手を当て、笑う時は口を開けないという習慣がいつの間にか身につきました。当時の写真で口を開けて笑う写真は一枚もありません。

矯正と聞くと「痛い」、とにかくこの一言に尽きると思います。これは子供も大人も変わりはないでしょう。更に大人であれば仕事をしながら矯正をすることになると思いますので、子供のように夏休みの間に最初の大工事をするというわけにもいかないでしょう。

矯正の終わり

筆者の矯正が外されたのは、高校3年生の卒業式の直前でした。14歳から始めて、4年半が経っていました。ブラケットを外された直後、1週間くらいは自分の口の中の、ツルツルしている歯の感触が気持ち悪く感じました。

そして保定具(マウスピース)を夜、就寝中だけするということで作成し、毎晩真面目に装着し続けること約3年でしょうか。途中で骨格が成長したためマウスピースを再度作り直して使い続けました。まだ若いのに入れ歯洗浄剤を購入していた記憶があります。

その後、20年近く経つわけですが、今となってはただただ両親に感謝をする毎日です。今でも鏡の前で一日に何度も自分の歯並びを見ます。やはり、歯並びは口を閉じている時でもその人の口元の印象を大きく変えます。

そして私の周りには、歯列矯正に失敗した人が複数います。そのほとんどは小児矯正でしたが、痛みに耐えられなくなった、虫歯が酷くて断念した、最後の最後で保定をきちんとしていなくて歯が動いてしまった人と様々です。矯正は、稀に歯根が溶けてしまい、本人のやる気とは関係なく中断せざるを得ない場合があります。

しかし、もしも無事矯正期間を乗り越えることができたら、笑顔に自信を持つことができるようになり、その後の歯の手入れも、歯が磨きやすくなるため楽にはなります。もし今、矯正をするべきか迷っているのであれば、まずは歯科で相談をしてみるだけでも価値があると思います。