<子供教育費の推移>教育費貧乏?家計に占める割合の平均は?

子どもを育てている世帯にとって「教育費」は大きな問題です。「どのくらい貯めておくべきだろうか」「子どもの教育費を考えて子どもの数を計画しなくては」など人生プランにも影響しています。教育費貧乏という言葉もあるくらいですから「大学進学をさせるだけのメリットがあるのか」ということも含めしっかり考えておく必要がありそうです。



子供の教育費

理想の子どもの数と現実

どんな夫婦でも「何人子供が欲しいですか?」と聞かれて答えるとき、経済的背景を加味して答えることが多くなります。「子供を育てるにはお金がかかる」というのは現実です。「貧乏子沢山」という言葉があるように、子供の数が増えれば増えるほど経済的負担がかかります。

日本は少子高齢化ということで「子供を増やす」ことが課題になっているものの、最も大きな問題として「子供を育てる際にかかるお金」ということが言えるでしょう。

内閣府の「国民生活選好度調査」(2005年)で「理想の子どもの数に比べて予定の子どもの数が少ない理由について」調査を行っています。その結果の概要をご紹介しましょう。

●(圧倒的多数:60%程度)教育のための費用がかかるから
●(多数:50%程度)世帯収入が少ないから
●(その他:10~30%程度)
・貯金残高が少ないから
・住宅ローンなど住居費がかかるから
・生活を楽しむことにお金を使いたいから
・老後のためのお金を貯めておきたいから

「教育費がかかる」ことに負担感を感じている人が多いことがわかります。実際、2003年における子どものいる世帯の月当たり教育費は下記のようになっています。

●20代世帯:5,470円
●30代世帯:13,600円
●40代世帯:37,400円

確かに教育費の負担が大きいと言えるようです。

教育にかかる費用
参照元:内閣府(2015年12月時点、著者調べ)

家計消費支出に占める教育費割合の推移

教育費がかかるのはわかっていますが、では、家計の消費支出に対する割合がどうなっているか気になるところです。これについても内閣府は調査を行っています。

【増えています】
なんと、家計の消費支出に対する割合は増えています。少子高齢化対策で減っても良さそうですが、実は増えているという現実があります。子どもを持つハードルが高い状態が続いているということですね。具体的な数値をお知らせしましょう。1993年から2003年の結果です。

●10.1→10.4→10.6→10.8→11.1→11.2→11.3→11.5→11.6→11.8→11.8

見事に増え続けています。なお、この数字を見る際に大学進学率の変化を知っておくことも大事なポイントと言えるでしょう。93年には28.0%だった大学進学率が2003年には41.3%に変化しています。奨学金を利用する学生が増えているのもこのことが関係しているかもしれませんね。

授業料に関しては小中学生のうちは公立に通う子どもが多いため低いのですが、逆に平均学習塾支出額の調査結果から「公立中学校に通う子どもが学習塾に通う」割合が高いことがわかっています。

教育にかかる費用
参照元:内閣府(2015年12月時点、著者調べ)



大学に通わせる場合の収益率

元がとれるのか?

最近、沢山の教育費をかけて、あるいは奨学金を借りてまで大学進学したものの「就職状況が厳しく」それに見合った賃金がもらえないのでは、という話を聞く機会が増えています。

内閣府ではこの問題についても調査、分析を行っています。具体的な状況がよくわかりますので内容をわかりやすくご紹介しましょう。

内閣府調査の切り口がとても興味深いものとなっています。それは「教育費の負担が大きいが、大学教育を受けることはそれに見合うだけの経済的合理性があるのだろうか」というものです。まさに現在の状況を表している切り口ですね。

1960年生まれから1965年、1970年、1975年生まれの「高卒」「大卒」それぞれの生涯所得比較の推移からわかったことは「高卒の生涯所得が大卒に近づいている」ということです。高卒生涯所得の伸びに対し、大卒生涯所得の伸びが良くないという背景があります。これには「大学進学率の上昇により大卒であることの価値が下がった」ということがあるようです。

皮肉なことに「大卒であることの価値が低下している」一方で「大学教育を受けるための費用は増加」しているのです。私立小・中学校授業料、高校補習教育費、大学教育費の合計額で見てみましょう。

【1960年生まれ:1965:1970:1975】(単位:万円)
●248:306:370:360

つまり、「大学教育の投資収益率は低下している」ということになります。

教育にかかる費用
参照元:内閣府(2015年12月時点、著者調べ)

教育費と大学進学収益率のバランス

いかがでしたか?家計に占める「教育費支出」の割合は負担感が大きいものの、「大学に行けば生涯賃金で元をとれる」という状況は低下しつつあるということがわかりました。

「とにかく大学に」と考える前に「どうして行きたいのか」「どんな仕事を目指すのか」などをしっかり検討した上で選択する必要があるようです。

また、収益率が下がっていることがわかった上で教育費をどのようにかけていくかを検討していくことも大事と言えるでしょう。「こんなはずではなかった」とならないように知っておくと良いポイントと言えます。

「子どもの教育費」の現状を知った上で人生プランを立てることに今回の知識を活かしてみてはいかがでしょうか。 *本記事は一般的な情報に過ぎず、適用法令等の改正、前提事実や個人状況の違いおよび変化によって、掲載内容と実際の結果が異なってしまう可能性があります。従って本記事の掲載内容については一切の責任を負いかねますので、内容の解釈や実践はご自身の責任で行い、専門家に相談されることを推奨いたします。