保険の料率を決定している「損害保険料率算出機構」とはどんなところ?

自動車保険・火災保険等で使用される損害保険の料率は、どの保険会社でも共通で使用しているものです。任意の自動車保険の基礎的な自動車損害賠償責任保険(自賠責保険)は国の強制保険であり、損害保険料率算出機構では自動車事故が発生した際には損害調査を行い、公正な保険料支払いになるよう調査結果を損害保険会社に報告をしています。



損害保険料率算出機構の概要

「損害保険料率算出機構」とは、損害保険料率算定会と自動車保険料率算定会が2002年7月に統合してできた日本で唯一の損害保険料率算出団体というものです。この機構の目的は「損害保険料率算出団体に関する法律」に基づいて、参考純率と基準料率の算出・損害保険会社である会員への情報提供、「自動車損害賠償保障法」による自動車損害賠償責任保険(自賠責保険)の損害調査を業務としています。損害保険会社からの会費と自賠責保険料の一部が財源となって運営活動を実施しています。

損害保険料率算出機構:ホームページ
参照元:損害保険料率算出機構(2015年11月、著者調べ) 損害保険料率算定会と自動車保険料率算定会が2002年7月に統合してできた日本で唯一の損害保険料率算出団体です。

会員|損害保険料率算出機構
参照元:損害保険料率算出機構(2015年11月、著者調べ) 損害保険料率算出機構の加入している、損害保険会社の社名一覧です。平成27年4月2日現在で、会員会社数は39社です。

損害保険料率算出団体に関する法律
参照元:損害保険料率算出団体に関する法律(2015年11月、著者調べ) 「損害保険料率算出団体に関する法律」の法律条文です

自動車損害賠償保障法
参照元:自動車損害賠償補償法(2015年11月、著者調べ) 「自動車損害賠償保障法」の法律条文です



損害保険料率算出機構の主な業務内容

損害保険料率算出機構の主な業務内容としては、参考純率や基準料率の料率を算出する業務、自動車損害賠償責任保険の損害調査業務、政府保障事業損害調査業務、データバンク業務を行っています。

料率算出業務

保険数理等の理論から料率を算出しています。 「損害保険料率算出団体に関する法律」に基づいて、損害保険会社の会員等から提供されたデータをもとにして保険統計を作成し、分析して科学的・工学的手法・保険数理の理論を駆使して適正な参考純率と基準料率を算出して、金融庁長官へ届け出ています。 「参考純率」とは、自動車保険、火災保険、傷害保険、医療費用保険、介護費用保険に使用されています。
損害保険会社の保険料率は、保険金に充当する純保険料率部分と保険事業を営むための部分等に充当する付加保険料率部分によって構成されています。損害保険料率算出機構では、純保険料率部分を算出して会員に提供しています。この純保険料率を参考純率といいます。

参考純率|損害保険料率算出機構
参照元:損害保険料率算出機構(2015年11月、著者調べ) 自動車保険・火災保険・傷害保険・介護費用保険の参考準率です。 「基準料率」とは、自賠責保険と地震保険に使用されています。基準料率とは保険料率であって、損害保険会社である会員は、損害保険料率算出機構が算出した基準料率を自社の保険料率として使用するという届出の手続きをすれば、保険業法に基づいた認可を取得したものとみなされているのです。この基準料率というものには公共性が高い保険種目とされていますので、付加保険料率部分には損害保険会社の利潤が織り込まれていません。

基準料率|損害保険料率算出機構
参照元:損害保険料率算出機構(2015年11月、著者調べ) 基準料率としての、自賠責保険・地震保険料率表です。

自動車損害賠償責任保険の損害調査業務

全国に設置された自賠責損害調査事務所の調査員が業務を実施します。 すべての自動車(原動機付自転車を含みます)に加入が義務付けられている自動車損害賠償責任保険(自賠責)ですが、交通事故が発生した際には「自動車損害賠償保障法」に基づいて損害調査業務を実施します。調査員は全国の都道府県庁所在地等に設置された自賠責損害調査事務所に常駐していて業務を行っています。その調査結果を、会員である損害保険会社に報告をして、支払いの基準料率算出の資料として用いられることとなります。

自賠責損害調査事務所|損害保険料率算出機構
参照元:損害保険料率算出機構(2015年11月、著者調べ) 調査員は全国の都道府県庁所在地等に設置された自賠責損害調査事務所に常駐しています。

政府保障事業損害調査業務

ひき逃げ・相手の車が不明の場合・無保険車・盗難車等による自動車事故の場合は、自賠責保険では基本的には救済がありません。このような場合に、政府の保障事業として請求することができます。被害者に支払った後で、政府が加害者へ求償を実施することになります。

データバンク業務

長年の料率算出業務、損害調査業務、損害保険会社である会員等から収集した各種保険の膨大なデータや専門性の高いノウハウを蓄積しています。これらの損害保険データを情報提供することでデータバンクとしての機能を果たしています。

その他:採用情報

「損害保険料率算出機構」でネット検索しますと、「保険」の他に「就職活動」でもヒットしてきますので、採用情報内容も参考にどうぞ。「アクチュアリー」としての資格保有者や実務経験者には自分の能力を生かせるとてもいい職場環境なのでしょう。

新卒者採用情報|損害保険料率算出機構
参照元:損害保険料率算出機構(2015年11月、著者調べ) 新卒採用情報です。全国型と地域型に区分されて募集されています。

キャリア採用情報|損害保険料率算出機構
参照元:損害保険料率算出機構(2015年11月、著者調べ) キャリア採用情報です。アクチュアリーとして数理分野の経験のある方を採用しています。主に本社である東京採用となっています。

保険は損害保険料率算出機構の調査結果に影響

損害保険料率算出機構の調査結果に基づいて支払いがなされています 自動車事故が発生した際の、自賠責保険金支払いは最終的には損害保険会社にあります。ですが損害保険料率算出機構の調査結果に基づいて支払いがなされています。ですからこの損害調査結果が、被害者の受け取る補償内容に大きな影響を与えることとなります。そして当事者同士の示談交渉する際にも大きく影響してくるのです。 ※本記事は一般的な情報に過ぎず、適用法令等の改正、前提事実や個人状況の違いおよび変化によって、掲載内容と実際の結果が異なってしまう可能性があります。従って本記事の掲載内容については一切の責任を負いかねますので、内容の解釈や実践はご自身の責任で行い、専門家に相談されることを推奨いたします。