相続権を得られるのは一体誰?時効を知らないと損をする!

あなたは相続権について学んだことはありますか?相続というものは、頻繁に起こることではありません。かと言って、あなたに全くの無関係のことではないと思います。相続権について知っているか、または知らないかで大きな差が生まれてしまうこともあるでしょう。そこで今回は、あなたが損をしないように、相続権について紹介していきます。



相続権者は誰?相続権の範囲とは?!

人が亡くなると、亡くなった人が持っていた財産というものは、相続人に引き継がれます。これが「相続」というものです。法律では、亡くなった人のことを「被相続人」といい、被相続人から相続する人を相続人といいます。

相続人というのは、誰でもなれるわけではなく、しっかりと法律で範囲というものが決められています。ですから、相続の問題になるとまず考えなければならないのが、「相続権は誰にあるのか?」ということではないでしょうか。

相続権の範囲というものを知っておかなければ、相続できるものだと思っていても、実は相続の範囲外で相続できなかった。ということも考えられるでしょう。相続権のある人の範囲というものを、しっかりと学んでおきましょう。

もちろん配偶者は相続できるよね?

配偶者(妻や夫)というのは、被相続人が亡くなった時点で、相続権が必ずあるとされています。配偶者に相続権がない時があるとすれば、配偶者が亡くなっているような時でしょう。配偶者が健在であれば、配偶者は常に相続人であると言えます。よくドラマなどで見かけるかもしれませんが、遺言書というものがありますね。亡くなった人が、誰に財産を譲るか?ということを書いてあるもののことです。

この遺言書に、「財産を配偶者以外の人に全てを譲る!」と書いてあったとしても、全ての相続財産の1/4の財産は請求することができます。この事を「遺留分滅殺請求権」というのですが、配偶者だからこその権利であると言えます。

このことからも、配偶者というものは、被相続人がなくなった時点で常に相続権があることがわかると思います。また、通常であれば配偶者は、被相続人の財産の1/2を相続出来ることになっています。

どんな形でも奥さんになっていればいいの?

先程、配偶者は常に相続権があると紹介しました。この配偶者というものは、女性からすれば、「被相続人の奥さん」に当たるわけですが、ここで一つ注意点があります。それは、配偶者と認められて相続権があるのは、法律的にもしっかりと認められている配偶者のことです。つまり、婚姻届をしっかりと提出しているかどうか?ということになります。世間でよく言われる、事実婚というものや、内縁の妻というものでは、配偶者のように相続権がありません。

では、どうすればいいのか?というと、このような状況に備えて、遺言書を作成する必要があると言えるでしょう。

配偶者の他にも相続権があるのは?

配偶者の他にも、被相続人に子供がいれば、その子供も相続権があると言えます。配偶者の場合は、先にも少し説明しましたが、被相続人の財産の1/2を相続できます。子供の場合は残りの1/2を相続する形になります。

例えば、子供が一人であった場合は、「配偶者に1/2、子供に1/2」となります。ですが、子供が二人いたとすると、「配偶者に1/2、子供Aに1/4、子供Bに1/4」というわけ方になります。つまり、配偶者に1/2の相続があるのは決まりですが、子供は残りの1/2の財産を子供の人数で割っていくということです。

また、子供も配偶者と同じように「遺留分滅殺請求権」をもっています。配偶者と同じく、被相続人の遺言書に、「子供以外の誰かに全ての財産を相続させる!」と残されていても、相続の請求をすることができます。相続権のある子供が一人だった場合は、配偶者と同じく、1/4を請求することができるのです。ですが、二人だった場合には、1/8ずつ請求することになります。

養子の相続権はどうなる?

被相続人が養子縁組を行っていれば、養子も被相続人の子供であるとされますので、被相続人の子供と同じように相続権を得ることができます。また、現代では離婚率も高く、再婚する方も多いかと思います。そこで出てくる問題が、被相続人の前の配偶者の子供はどうなるのか?ということでしょう。これも被相続人が亡くなった時点での、配偶者との間の子供と同じように相続権があります。

ようするに、あなたの旦那さんが一回離婚していて、前の奥さんとの間に子供がいたら、その子供もあなたと旦那さんとの間の子供と同様に、相続権が得られるということです。離婚の時に問題になるのが、子供の親権はどうなるのか?ということですが、相続権に関しましては、親権があるなしに関わらず、相続権は得られるということになるようです。

No.4132 相続人の範囲と法定相続分|相続税|国税庁
参照元:国税庁(2015年12月時点、著者調べ)

遺産分割の基準(法定相続人・相続順位・法定相続分)
参照元:岩手遺言・相続相談センター(2015年12月時点、著者調べ)



相続権には優先順位というものがある?!

相続権は基本的には先程紹介したように、配偶者と子供が持つようになっています。被相続人の子供などのことを、「直系卑属」と言います。相続では優先順位というものがあり、直系卑属に当たる、被相続人の子供は第一順位になります。これは、被相続人に両親や兄弟姉妹がいたとしても、被相続人の子供が優先的に相続を受けることができ、被相続人の両親や兄弟姉妹には相続権が無いことを表しています。

このように、相続権には優先順位がついており、優先順位が高い相続人が相続出来る場合は、被相続人の両親や兄弟姉妹であっても、相続ができないことになっています。

被相続人の孫はどうすれば相続できるのか?

直系卑属である、被相続人の子供がすでに亡くなっていて、相続権がなかったとしましょう。すると、どうなるのかといいますと、被相続人の子供の子供、つまり被相続人からしたら、孫に当たる人物が相続権を得ることになります。この孫も直系卑属と言われるのです。

では、孫も亡くなっていた場合にはどうなるのでしょうか?その場合は、孫の子供に相続権が渡ります。被相続人から見ると、ひ孫にあたる人物が相続するということになりますね。

このように、直系卑属は第一順位になっていますので、子供から子供へと相続権が移っていくのです。当然ながら、被相続人の直接の子供が健在で、相続権がある状態であれば、孫には相続権は無いということになります。

孫に相続権が移るのは、あくまでも最初に相続権のあった、被相続人の子供が相続できないときだけになるのです。

被相続人の両親が相続するには?

相続権の優先第一順位は直系卑属ですので、直系卑属がいる限り、子供から子供へと相続権が移っていくわけです。孫やひ孫がいる場合はこのようになるのですが、仮に孫などがいなかった時はどうなるのでしょうか?被相続人の子供が既に亡くなっていて、相続権が無く、さらに孫などの直系卑属もいないという時には、第二順位である、直系尊属と言われる非相続人の両親に相続権が渡ります。

第二順位まできたので、わかりやすく、ここで少し相続財産の分け方を説明します。配偶者には1/2の相続があることは決まっていますので、直系卑属である子供が一人であった場合、残りの1/2の財産を、子供が受け取ります。この時に、子供に相続権がない状態でなおかつ、被相続人の孫もいなければ、被相続人の両親に子供に行くはずだった相続権が移ります。

しかし、財産の受け取れる量が変わります。1/3に減りますので、母親・父親両方とも健在であるときは、1/6づつ相続することになり、どちらかが健在である場合は、健在である親が1/3を相続することになるのです。配偶者は2/3を受け取れるようになるのです。

被相続人の兄弟の順位はもしかして最後?

相続権は、第一順位である直系卑属がいなければ、第二順位である被相続人の両親、つまり直系尊属が受け取ることになります。直系尊属というのも、直系卑属同じように、被相続人の両親がいなければ、被相続人の祖父母へと相続権が移っていきます。そして、相続権のある人が、直系卑属にいない!直系尊属にもいない!となった時に被相続人の兄弟姉妹に相続権が移ります。被相続人の兄弟姉妹は、優先順位が最下位の第三順位になります。

もし、被相続人の兄弟姉妹に相続権が回ってきた時に、相続権のある兄弟姉妹が亡くなっていた時には、その子供が相続権を得ることができます。非相続人から見たら、甥や姪に当たる関係になる人物が、相続権を得ることになるのです。ただし、直系卑属である被相続人の子供の時ように、子供から子供へと相続権が移ることはありません。甥や姪の一代でしか相続権を得られません。つまり、甥や姪が亡くなったりしていても、その子供に相続権は無いのです。

相続権順位で相続割合が変化?

第二順位である、被相続人の両親が出てきたところで、少し紹介しましたが、優先順位で相続出来る割合が変わってきます。第一順位である子供と配偶者の時には、「配偶者1/2・子供1/2」になり、子供の人数が2人以上の時は1/2を人数で割ります。第二順位である、被相続人の両親の場合は「配偶者2/3・両親1/3」になります。両親の両方とも健在の時には、1/3を二人で均等に分割します。

そして、最後の第三順位である被相続人の兄弟姉妹の時には、「配偶者3/4・兄弟姉妹1/4」となり、兄弟姉妹が複数いる場合は、1/4を人数で均等に分割します。このように、優先順位が下に行くほど、財産の相続割合は少なくなって行くのです。

No.4132 相続人の範囲と法定相続分|相続税|国税庁
参照元:国税庁(2015年12月時点、著者調べ)

相続権に時効?一体どういうことなのか!?

あなたは相続権にも、「時効」というものが存在することを知っていましたか?時効なんていうのは、事件でしか、あまり使わない言葉ですよね。ですが、相続権にもしっかりと時効というものが存在します。相続権における時効というものは、相続権の消滅を表しています。相続権が発生してから、ある一定の期間が過ぎると、相続する権利が消滅してしまうということです。

つまり、あなたが相続権を持っていたとして、相続が発生しているのにも関わらず、何もしなければ、時効で相続できなくなる可能性があるということです。

相続の時効にもいくつかのパターンがありますので、紹介していきます。時効になってしまわないように、しっかりと学んでおきましょう。

相続放棄にも時効が存在!

相続というものは、被相続人の財産を引き継ぐものです。財産というと、プラスのイメージばかりがあるかもしれませんが、マイナスの財産もあるのです。借金がその代表といえるでしょう。相続をするいうことは、プラスもマイナスも含めて相続をするということになります。もし相続をしたくないのであれば、相続放棄の手続きを行うことで、引き継がなくてもすむようになります。ただ、相続の放棄を行うには期間が決まっていますので、気をつけてください。

期間が過ぎると時効となり、相続しなければいけません。放棄するための期間は、相続が開始したのを知ってから3ヵ月間となっています。3ヵ月過ぎると時効になりますので、3ヵ月以内に手続きを行いましょう。相続放棄を忘れて、いきなり借金まみれということもあるかもしれませんので、忘れないようにしましょう。

No.4132 相続人の範囲と法定相続分|贈与税|国税庁
参照元:国税庁(2015年12月時点、著者調べ)

相続回復請求権の時効とは?

相続にはいろいろな問題が起きます。時には、本来なら相続人にはならない人が、相続を受けてしまうこともあるそうです。このような時に、正当な相続人が相続人に対して「遺産を返してくれ!」と請求することができるのです。このことを「相続回復請求権」といいます。実は、相続回復請求権にも時効というものがあり、その期間は相続権が侵害されていると知ってから5年です。または、侵害されていることに知っていても知らなくても関係なく、相続開始から20年たってしまうと、時効となり請求権がなくなります。

遺留分滅殺請求権の時効とは?

配偶者の相続権の紹介でも説明したように、「遺留分滅殺請求」というものがあります。この遺留分滅殺請求にも時効が存在しています。遺留分滅殺請求の時効は、遺言が発見されてから1年間とされています。ですから、「自分は配偶者であるのにも関わらず、相続が何もないのはおかしい!」と思ったら、すぐに請求を起こさなければいけないでしょう。請求を起こさないでいると、下手したら1円も財産が手に入らなくなる可能性もあるかもしれません。

本来貰えるべき財産は、しっかりと請求して、もらったほうがいいのではないでしょうか。

第27条《相続税の申告書》関係|通達目次 / 相続税基本通達|国税庁
参照元:国税庁(2015年12月時点、著者調べ)

相続登記と時効取得 – 相続登記情報館の横浜リーガルハート司法書士事務所
参照元:横浜リーガルハート司法書士事務所(2015年12月時点、著者調べ)



まとめ

いかがでしたか?相続権というものは、知らないと、いざという時に損をしてしまうこともあるかもしれません。ですが、今回紹介したようなことを、しっかりと学んでいれば、請求をし忘れることもないでしょうし、損する確率はグッと減るでしょう。滅多に相続なんてことは起きないかもしれませんが、いざという時の為に、頭に入れておくといいですね。

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