老後の資金、必要な額は?金額を計算してみよう!

老後のお金、貯めていますか?これからますます寿命が延びると、その分どんどん必要なお金も増えていきますよね。定年後、ゆっくり有意義な老後を過ごすためにも、今からできることをちょっとずつでも始めてみませんか?



老後の資金、いくら必要?

あなたの「老後」って、何年先でしょうか?「老後のためにお金を貯めなきゃ!」と思っていても漠然としすぎていて、一体いくら貯めるといいのかわからないですよね。

老後のことを考えるためには【老後のために必要な資金】を計算することから始めましょう。



1:住宅費を考えよう

現在の生活費の中でも「住宅費」が大部分を占めているという方もいるのではないでしょうか?この住宅費、老後に必要な額は持ち家か賃貸かで、大きく異なってきますよ!

「住宅と土地のローンを払っているor払い終わったから、老後の住宅費はかからないな!」と思っていませんか?月々の住宅費としてはかからなくても、不動産を持っている人は<固定資産税・リフォーム代・建て替え代>などがかかってくることを忘れてはいけません。

持ち家の場合

建物の固定資産税は、一般的には経年化につれて下がると言われています。けれど、最低限度まで下がったらあとは一定です。また、その時の物価変動によっても変わってきます。

さらに新築の場合には軽減措置があったりと固定資産税の計算方法は様々。大体で計算するためにも<いまかかっている固定資産税の金額がずっと続く>と考えておくのが良いかもしれません。

固定資産税Q&A|熊野町
参照元:広島県安芸郡熊野町(2015年12月現在、著者調べ) また、最近の日本の住宅の寿命は「築30年」と聞いたことがある方も多いかもしれません。30年たつと設備に不良などが出てくることも多く、住宅ローンがやっと払い終わったタイミングでリフォームや建て替えなどの費用がさらにかかってくることがあると言われています。

また、住んでいる間に手入れをきちんとしていた住宅なら60年以上もしっかりともつ家もあります。けれどその手入れをするのにも、100万円単位でお金がかかってしまいますよね。住宅を購入した後のメンテナンス費用もきちんと頭に入れておかなければなりませんね!

住まいのメンテナンススケジュール
参照元:住宅産業協議会(2015年12月現在、著者調べ) 例えば、30歳から30年間で3,000万円のローンを支払ったとしましょう。すると月々約83,000円の支払いです。加えて固定資産税が年間10万円とすると、合計3,300万円かかることになりますね。

そして60歳になってから一気にリフォームをするとして約1,000万。これからも固定資産税はかかるので年間10万円とすると、25年間で1,250万円が必要になるでしょう。

賃貸の場合

ずっと賃貸に住み続けていた方は、もし「老後は子どもたち家族と一緒に住める・自分の実家に住む」という方なら良いのですが、一般的には老後も家賃がかかります。

また老後となると子どもも巣立ち、夫婦2人の生活となるという方も多いかもしれません。そういった場合には「小さなアパートでも十分だ」という方もいます。また「階段の上り下りがしんどいから、一戸建てからアパートに移った」という方も多いのだそう。 賃貸の場合には、ライフスタイルの変化によって住み替えができるのがメリットの一つです。賃貸派の方の中にはメンテナンス費用もかかることはほとんどないため、「かかる費用も持ち家とあまり変わらない」という声も多く聞かれます。

持ち家の場合には最新設備を付けても、ローンを支払っていくうちにどんどん古くなっていきますよね。それを新しくするためにはリフォーム費用がかかります。しかし賃貸の方は新しい家にも住みかえることができますよね。そういった意味でも、ずっと賃貸に住み続けたいなという人も多いかもしれませんね。 例えば、30歳から60歳になるまでは8万円の家賃のマンションに住んでいたとすると、30年間で2,880万円を家賃として支払うことになりますね。

そして定年後85歳までは月5万円の家賃のアパートに移るとすると年間60万円×25年=1,500万円が必要となるでしょう。 おおざっぱに考えてみると、賃貸の場合は2,880万円+1,500万円=4,380万円。持ち家の場合には3,300万円+1,250万円=4,550万円です。持ち家の場合には土地と建物は財産になりますので、1,000万円の価値があると考えてみると、「一人生にかかる費用」は持ち家の方が良さそうにも思えますね。

また老後だけで考えてみると、賃貸だと1,500万円。持ち家の場合はリフォーム代を含めて1,250万円となるでしょう。こちらも家によってかかるリフォーム代も変わってきますし、住んでいる地域によっては賃貸の家賃がもっと高額になる場合もありますね。

転勤族だったり周辺の環境、家族の人数などを考慮してみると、どちらがいいかは人それぞれとしか言えないのが実際のところ。自分の家族ではどうかなと、一度住宅のお金に関しても計算してみることをおすすめします!

2:生活費を考えよう

生活スタイル・生活水準によってかなりの差が生まれる<生活費>ですが、ここでは一般的な老後の夫婦の生活費について考えましょう。

夫婦2人とも高齢で無職の場合、標準生活費はおよそ25万円とされています。これには住宅に関わるお金は入っていません。食費や水道光熱費、医療費そして税金という一般的にかかるものの他に、高齢になるとお葬式や親戚の集まりなど、「交際費」が高額になってしまうと言われています。

統計局ホームページ/家計調査
参照元:総務省(2015年12月現在、著者調べ) 人によっては、医療費が高額になったり、車の維持費がかかる方。また孫に会いに行くための交通費などもプラスでかかってくることが多いかもしれませんね。

例えば、60歳で定年後85歳まで生きた場合、月25万円の生活費とすると年間300万円×25年=7,500万円が必要となるでしょう。また「老後は海外旅行へ行きたいな」など考えていると、さらに追加されますね。

「7,500万円」という数字を見てみると「貯金しなきゃな」と思うようになりませんか?



3:年金額はいくら?

ここまでは「支出」のお話でしたが、次は「収入」のお話です。老後の収入といえば「老齢年金」ですよね。これまで納めてきた厚生年金額によってもかなりの差が生まれる部分ですので、ここでも一般的な夫婦について考えていきますね。

まず<基礎年金>についてです。国民年金をきちんと納めていて満額受け取れるという方は、今現在の年金額であれば780,900円。月に換算すると65,075円となるでしょう。夫婦二人の場合には2倍の130,150円となりますね。 では次に「厚生年金」についてです。こちらは厚生年金を支払っていた「第2号被保険者」の期間がある方のみが受け取ることができるもの。結婚してから仕事を辞めたという方でも、厚生年金を支払っていた期間が1カ月以上あり、基礎年金も受け取れている場合には厚生年金を受け取ることができるとされているそう。

厚生年金の受給額の計算は少しややこしくなっています。自分のおおよその年金額は「ねんきん特別便」などでもチェックすることができるので、見てみるのが良いでしょう。厚生年金を受け取っている方の平成25年度の平均年金月額は、148,000円なんだそう。
もし夫婦2人とも基礎年金は満額・厚生年金は平均額を受け取れる場合には、基礎年金額130,150円に厚生年金額148,000円×2が加えられるので、合計約43万円となるでしょう。

夫が厚生年金を支払っており、妻はずっと扶養だった場合には1人分の厚生年金額が加えられるので月々約28万円の年金額を受け取れることになるでしょう。

そしてどちらも国民年金のみだった場合には月々約13万円の受給額となりますね。

厚生年金保険受給者平均年金月額の推移
参照元:厚生労働省(2015年12月現在、著者調べ)

老齢年金(昭和16年4月2日以後に生まれた方)|日本年金機構
参照元:日本年金機構(2015年12月現在、著者調べ)

4:退職金

「ローンの返済、退職金で一気に返すぞ!」という方もいるのではないでしょうか?長年頑張って企業に貢献したご褒美にもらえる<退職金>。平成25年の調査では、一時金や年金として退職金がもらえる企業は、75.5%なんだそう。

そのうち一時金としてもらえる企業は65.8%、退職年金としてもらえる企業は11.6%。両方をもらえるという企業は22.6%もあるんだそう。 気になる年金額。この額は企業や学歴によっても様々。上司に「退職金いくらなんですか?」と聞いたことがある方も多いのではないでしょうか。

平成24年で定年退職した人の平均をみてみると、「大卒で一時金がもらえる」人の平均額は1,567万円なんだそう。また、「高卒で一時金がもらえる」人は1,470万円となっているそう。

退職金を当てにしてローンを組んでいると「思ったよりも退職金が少なかった!」という場合や、定年で退職する前に何らかの理由で【自己都合退職】となった場合にはさらに減額される場合もあるので気を付けないといけませんね!

平成25年就労条件総合調査結果の概況|厚生労働省
参照元:厚生労働省(2015年12月現在、著者調べ)

5:その他の収入

年金以外で老後収入源となるものを探しておくのも、大切ですね。働いていない間も年金以外に定期的な収入があれば、安心して過ごすことができそうです。

ではどのようなものが収入になるのでしょうか。「そのまま働き続ける・貯金をする」などいくつかの収入源もありますが、代表的な2つの収入源についてお話しますね。

A 不動産収入

限られた人しかできないかもしれませんが、成功するとかなりのプラスになる「不動産収入」。<マンションやアパートを経営する>という本格的なものだけではなく、<ずっと住んでいた一軒家やマンションを賃貸として出し、自分は小さなアパートに引っ越して老後を過ごす>という人も増えているのだそう!

メンテナンス費用はもちろんかかりますが、上手くいけばアパートの家賃に加えて生活費も賄えることもありそうですね。 他にも<2世帯住宅を新築する際にアパートのような形で建て、親が亡くなった後にその部屋・フロアを貸し出す>なんてアイディアもあるんだそう。

家を建てる方は、老後の建物の活かし方も考えて建ててみると良いかもしれませんね。

B 個人年金

先ほどお話した年金は「公的年金」でしたが、次のお話するのは「個人年金」。自分で保険会社などの「個人年金」に加入して保険料を積み立てていくことで、年金をもらおうというものです。

個人年金にはいくつかの種類があります。【終身年金】は、公的年金と同じ考え方で「生きている間はずっと受け取れる」年金のこと。長生きすると保険料を積み立てた以上の分までもらえることもあるそう。 【確定年金】とは、5年や15年などと期間を決めて、その期間は年金をもらえるというもの。もし早く亡くなってしまった場合にも、その期間であれば家族などが受け取れるというものです。

また、【有期年金】というものもあります。こちらは期間を決めるのは同じですが、早く亡くなった場合には、家族も年金を受け取ることはできないというものです。 さらに【夫婦年金】というものも。こちらは戸籍上の夫か妻のどちらかが生きている間は、年金を受け取れるというもの。1人残った配偶者も、安心して老後を過ごすことができる年金です。

個人年金は途中で解約すると、これまで支払っていた額より少ない額しか戻ってこないことが多いとされています。もし個人年金に興味があるのなら、専門家と自分たちの老後をきちんと話し合った上で契約することをおすすめします!

個人年金保険(たのしみワンダフル) | 住友生命保険
参照元:住友生命保険(2015年12月現在、著者調べ)

老後の資金、計算してみよう!

ではここまでで老後の資金を計算してみましょう。例として、60歳から85歳を<老後>とする、Aさんと妻Bさん夫婦について考えてみましょう。

まずは【住宅費】。持ち家の場合には老後にかかる費用は25年間で約1,250万円。賃貸の場合には、月5万円の家賃で約1,500万円でした。ここでは「1,350万円」と考えておきますね。

次に【生活費】。夫婦2人で月25万円の生活費として「7,500万円」と計算してみましょう。 次は収入の【公的年金】です。基礎年金を満額もらえるとすると、今の年金額では夫婦2人で月130,150円。年金は現在、65歳から受給できることになっているため20年間で計算しましょう。すると約3,100万円となりますね。

また、Aさんは働いていてBさんが専業主婦の場合にはAさんの厚生年金額も加えられますね。20年間では基礎年金と厚生年金の合計額は6,720万円が平均額のようです。

【退職金】は「大卒で一時金がもらえる」人の平均として考えると約1,600万でしたね。そしてAさん夫婦は【その他の収入】は0円と考えてみましょう。 では25年間の支出として住宅費1,350万円、生活費が7,500万円。20年間の公的年金額が6,720万円で、退職金が1,600万円だったとしましょう。すると、(6,720万円+1,600万円)-(1,350万円+7,500万円)=ー530万円と計算できますね。

しかし「退職するまで530万円貯金しておけば、老後は暮らせるんだ!」と安心するのはまだ早いんです。【空白の5年間】に気づいていますか?

空白の5年間

これまでは60歳に定年を迎えて60歳から年金を受け取れるというスムーズな流れがありました。しかし現在の日本では年金がもらえるのは65歳からに。さらに「今後70歳にならないと年金がもらえないかもしれない」という話もでています。

しかし60歳に定年後、年金をもらえるまで期間が空いてしまうと収入は貯金と退職金だけ。そのため「65歳定年」を公言している企業も増えてきました。

さらに、60歳以降の賃金がそれ以前に比べて75%未満に下がってしまった場合に、月々の賃金の約15%未満の金額が雇用保険から支給されるという【高年齢雇用継続給付】もあります。

そういった制度を上手に利用することで、空白の○年間に対応できるだけの資金を作り出しましょう!

おわりに

いかがでしたか?現役時代とほぼ変わらない賃金で60歳以降も元気に働くことができるシステムなど、高齢者の雇用に関しては制度がどんどん改正されています。今後、年金額は減ってしまうのではないかという懸念も消えることはありません。

だからこそ、いまから自分で「老後の資金」をどう作り出すか、家族で話し合ってみることをおすすめします。現在30歳の方なら月々2万円ずつ貯金をする・または40歳の方が月々3万円ずつ貯金をすれば、60歳には720万円が貯まっているはず。

老後を楽しく有意義に過ごすためにも、「人生設計」してみてくださいね! ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
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