介護保険の負担割合を徹底解剖!あなたは1割?それとも2割?!

介護保険を利用する際、利用した介護サービス料に対して自己負担があります。65歳以上の人は2015年8月より、所得により負担割合が変わるようになりました。2015年8月までは介護保険に加入していて、保険料の滞納等がなければ誰でも一律1割負担でした。どこから2割負担になるのかを徹底解剖したいと思います。



介護保険とは?

介護保険とは、2000年にスタートした保険です。これは40歳以上の人が介護を必要となったときに、介護をする家族を社会全体で支えていくために創設されました。満40歳から介護保険に加入するようになります。介護保険には、第1号被保険者と第2号被保険者にわかれます。

●第1号被保険者:65歳以上
●第2号被保険者:40歳~64歳

介護保険料

介護保険の保険料の支払いがはじまるのは、満40歳になる月からになります。ここで注意してほしいのは、誕生日の前日から介護保険料の支払い義務が発生します。1日が誕生日の人は、誕生月の前の月から保険料の支払いがはじまります。

第1号被保険者(65歳以上)の人は、保険料は各自治体で金額が違ってきます。お住いの地域の自治体のサイトなどで確認してくださいね。第2号被保険者(40歳~64歳)の人は、加入している健康保険の種類と年収により介護保険料が違ってきます。

介護・高齢者福祉 |厚生労働省
参照元:厚生労働省(2015年1月時点、著者調べ) 介護・高齢者福祉について紹介しています。



介護保険の負担割合

介護保険の負担割合とは、介護保険を利用して介護サービスを利用した際、利用料の負担がどのくらいなのかということです。2000年にスタートしたこの介護保険、2015年までは全員1割負担でした。しかしながら介護保険の改正により、2015年8月より65歳以上で一定以上の所得の人は2割負担になりました。

介護保険の負担割合の確認は、負担割合証というものが届きますので確認してくださいね。この介護保険の負担割合証は、介護保険を利用するときに保険証と一緒に出す必要があります。介護保険の保険証と負担割合証は、一緒に保管することをお勧めします。

65歳以上の方で、合計所得金額※1 が160万円以上の方です(単身で年金収入のみ の場合、年収280万円以上)※2。  
ただし、合計所得金額※1 が160万円以上であっても、実際の収入が280万円に満 たないケースや65歳以上の方が2人以上いる世帯※3 で収入が低いケースがあること を考慮し、世帯の65歳以上の方の「年金収入とその他の合計所得金額※4」の合計が 単身で280万円、2人以上の世帯で346万円未満の場合は1割負担になります。
※1 「合計所得金額」とは、収入から公的年金等控除や給与所得控除、必要経費を控除した後で、基 礎控除や人的控除等の控除をする前の所得金額をいいます。
※2 これは、65歳以上の方のうち所得が上位20%(全国平均)に該当する水準です。実際に影響 を受けるのは介護サービスを利用されている方ですが、これは在宅サービス利用者のうち15%程度、 特別養護老人ホーム入所者の5%程度と推計されます。
※3 「世帯」とは、住民基本台帳上の世帯を指します。
※4 「その他の合計所得金額」とは、合計所得金額から、年金の雑所得を除いた所得金額をいいます。

出典:

www.mhlw.go.jp

保険証

介護保険の保険証は、際1号被保険者(65歳以上)の人は市から送られてきます。第2号被保険者(40歳~64歳)の人は、特定疾病が原因で介護が必要になり要介護認定を受けてからでないと、保険証はとどきません。

際1号被保険者(65歳以上)の人は、保険証があるのですぐ介護保険が使えるというわけではありません。これも要介護認定を受けてからでないと、介護保険を利用することはできません。介護保険の保険証は、介護保険を利用するとき大切な情報がつまっているものなのです。

1割負担

●65歳以上の人:本人の合計所得金額が160万円未満の人・市区町村民税が非課税の人・生活保護を受給している人・同じ世帯に65歳以上の人が2人以上いて、単身では160万円を超えるが世帯収入

●40歳~64歳の第2号被保険者の人は、一律1割負担となっています。

2割負担

2015年8月より、介護保険を利用して介護サービスを受ける際の自己負担の割合が、一定以上の所得の人は2割になりました。一定以上の所得については、下記の厚生労働省の引用を参考にしてくださいね。

介護保険の自己負担が2割となる「一定以上所得者」の判定基準
○ 介護保険の自己負担が2割となる一定以上所得者については、基本的に第1号被保険者である高 齢者本人の合計所得金額により判定を行い、世帯の中でも基準以上(160万円以上、 年金収入に換算すると280万円以上)の所得を有する方のみ利用者負担を引き上げることとする。
○ しかしながら、 ・ その方の収入が給与収入、事業収入や不動産収入といった年金収入以外の収入を中心とする場 合には、実質的な所得が280万円に満たないケースがあること ・ 夫婦世帯の場合には、配偶者の年金が低く、世帯としての負担能力が低いケースがあること から、以下のように、その世帯の第1号被保険者の年金収入とその他の合計所得金額の合計が単身 で280万円、2人以上世帯で346万円未満の場合は、1割負担に戻すこととする。

出典:

www.mhlw.go.jp
【所得金額160万円の意味】
年金にも公的年金等控除額という控除される金額があります。65歳以上で公的年金の収入の金額が120万円以内の人は、所得金額はゼロとなります。120万円超330万円未満の場合、公的年金等控除額が120万円となります。したがって、年金収入280万円ー公的年金等控除額120万円=160万円となります。

No.1600 公的年金等の課税関係|所得税|国税庁
参照元:国税庁(2015年1月、著者調べ)

夫婦で負担割合が違うことも

まずどこから2割負担になるかをおさらいです。年収でいうと280万円、所得では160万円ですね。年収とは1年間にもらった金額すべてです。給与所得者の場合、給与所得控除があります。これと同じように年金受給者にも、公的年金等控除があります。個人事業主の場合、給与租特控除はありませんが必要経費を控除することができます。年収からこれら給与所得控除・公的年金等控除額・必要頸額を引いたものが、所得金額となります。

単身の場合

単身の場合には、所得が160万円(年収280万円)以上だと2割負担になります。

【例】年金のみ
●年金収入280万円以上:2割負担
●年金収入279万円以下:1割負担

【例】年金+給与所得
●年金収入80万円+給与所得160万円:1割負担
●年金収入80万円+給与所得210万円:2割負担
※給与所得は各種控除後の金額です。個人事業主の人は、必要経費を引いた事業所得で計算してくださいね。

夫婦の場合

同じ世帯に65歳以上の人が2人以上いる場合、単身で基準額を超えていても世帯で所得が346万円未満なら1割負担になります。もう一つ注意してもらいたいのが、同じ世帯に65歳以上の人が2人以上いる場合でも、それぞれの収入で負担割合が変わることです。夫が2割、妻が1割ということもあるのです。

【夫婦ともに65歳以上の場合】
●(夫)年金収入300万円(妻)年金収入150万円:夫2割、妻1割
※世帯で346万円を超えているので、夫・妻それぞれの所得に応じて負担割合が違ってきます。夫は単身の280万円を超えているので2割負担。妻は280万円を超えていないので1割負担です。

●(夫)年金年収280万円(妻)年金年収70万円:夫2割、妻1割

●(夫)年金収入330万円(妻)年金収入0円:夫1割、妻1割
※夫の年収は単身の280万円を超えていますが、妻の年収がなく世帯収入が346万円に満たないため、夫婦ともに1割負担となります。

●(夫)年金収入250万円(妻)年金収入250万円:夫1割、妻1割
※世帯での年収は高いですが、夫婦ともに単身の280万円を超えていません。そのため、どちらも1割負担となります。

夫婦など同じ世帯に65歳以上の人が2人以上いる場合、世帯の年収も関係してくるので少し難しいかもしれませんね。1割なのか2割なのかの負担割合証は、個別に送られてきます。負担割合証で自分の負担割合を確認するようにしてくださいね。

世帯の65歳以上の方の「年金収入とその他の合計所得金額」の合計が 単身で280万円、2人以上の世帯で346万円未満の場合は1割負担になります。

出典:

www.mhlw.go.jp



介護保険を利用するには

要介護認定

介護保険を利用するには、要介護認定というものを受ける必要があります。要介護認定とは、介護がどのくらい必要なのかを認定してもらうものです。この要介護認定は、介護が必要になったときに市町村の窓口に申請します。

要介護認定は調査員の訪問・医師の意見書・コンピューター審査を経て、介護認定審査会で審査されます。申請をしてから、原則30日以内に認定か非認定か結果が届きます。

【要介護認定の区分】
●要支援1・2
●要介護1~5

要介護認定の区分により、利用できる介護サービスや介護サービスを受ける際の限度額が違ってきます。要介護認定をうけた後に、介護の程度が変わってきた場合には再度申請をしてくださいね。

要介護認定はどのように行われるか |厚生労働省
参照元:厚生労働省(2016年1月、著者調べ)

第1号被保険者(65歳以上)の場合

際1号被保険者(65歳以上)の人が介護保険を利用するには、介護が必要になり要介護認定を受けると、介護保険を利用することができます。第1号被保険者(65歳以上)の場合には、介護が必要になった原因は必要ありません。どんな原因でも介護が必要になり要介護認定を受けると、介護保険を利用することができます。

第2号被保険者(40歳~64歳)の場合

第2号被保険者(40歳~64歳)の人が介護保険を利用するには、特定疾病が原因で介護が必要になり要介護認定を受けないと、介護保険を利用することができません。そのため、第2号被保険者(40歳~64歳)の人には保険証が送られてきません。特定疾病が原因で介護が必要になり、要介護認定を受けると保険証が手元に届きます。

特定疾病の範囲

特定疾病については、その範囲を明確にするとともに、介護保険制度における要介護認定の際の運用を容易にする観点から、個別疾病名を列記している。(介護保険法施行令第二条)
1.がん【がん末期】※(医師が一般に認められている医学的知見に基づき回復の見込みがない状態に至ったと判断したものに限る。)
2.関節リウマチ※
3.筋萎縮性側索硬化症
4.後縦靱帯骨化症
5.骨折を伴う骨粗鬆症
6.初老期における認知症
7.進行性核上性麻痺、大脳皮質基底核変性症及びパーキンソン病※【パーキンソン病関連疾患】
8.脊髄小脳変性症
9.脊柱管狭窄症
10.早老症
11.多系統萎縮症※
12.糖尿病性神経障害、糖尿病性腎症及び糖尿病性網膜症
13.脳血管疾患
14.閉塞性動脈硬化症
15.慢性閉塞性肺疾患
16.両側の膝関節又は股関節に著しい変形を伴う変形性関節症
(※印は平成18年4月に追加、見直しがなされたもの)

出典:

www.mhlw.go.jp

ケアプラン

要介護認定を申請し、要介護認定を受けることができるとケアプラン(介護サービス計画書)が必要です。どのくらいの介護が必要で、どんな介護サービスを受けていくのか計画を立て、それに沿って介護サービスを受けていくようになります。

要介護認定で区分がわかれているのは、介護保険を利用して介護サービスを受ける際の限度額・サービスの内容が違ってくるからです。介護保険を利用して介護サービスを受けると、サービス利用料の1割(一定以上の所得の人は2割)の自己負担があります。これは要介護認定の区分により、1カ月に使える介護サービスの限度額があり、その限度額の自己負担分を支払うようになります。限度額を超えてサービスを受けた場合には、限度額から超えた額すべてが自己負担となります。

ケアプランの作成はご家族などでもできるものです。しかしながら、要介護の区分により限度額が違うころや、どんな介護を受けることがいいのかわかりにくいと思います。ケアプランを作成してもらうのに、作成料はかかりませんのでケアマネージャーに相談して作成してもらう方がいいかもしれませんね。

区分支給限度基準額について
参照元:厚生労働省(2016年1月、著者調べ)

要介護認定の更新

要介護認定にも更新が必要です。この更新を忘れて、有効期限をすぎると、有効期限をすぎてから利用した介護サービスの費用が全額負担になってしまいます。介護認定をはじめて受けてからは、有効期限は原則6カ月です。更新の場合には12カ月になります。

更新手続きは、有効期限の満了日60日前から30日前までとなっています。有効期限がいつまでなのか、確認を忘れずにしてくださいね。

要介護認定の有効期間について
・厚生労働省令で定める期間内において有効(法第28条第1項)※ 厚生労働省令で定める期間

(1) 要介護、要支援(新規)認定の有効期間:6ヶ月(市町村が必要と認める場合にあっては、3ヶ月から12ヶ月の間で月を単位として市町村が定める期間)

(2) 要介護更新認定の有効期間:12ヶ月(市町村が必要と認める場合にあっては、3ヶ月から24ヶ月の間で月を単位として市町村が定める期間)

(3) 要支援更新認定の有効期間:12ヶ月(市町村が必要と認める場合にあっては、3ヶ月から11ヶ月の間で月を単位として市町村が定める期間)

出典:

www.mhlw.go.jp

介護保険を利用できるもの

介護保険を利用して介護サービスを受けられるものは、訪問サービス・施設に通うデイサービス・施設に短期で宿泊・施設で生活するものなど様々です。要介護の区分より、受けることができるサービスと受けることができないサービスがありますので注意してくださいね。

これらの介護サービスを要介護の区分の限度額内で利用した場合、利用料の1割(一定以上の所得の人は2割)の自己負担額を支払うようになります。介護サービスの内容については、下記の厚生労働省のサイトを参考にしてくださいね。

公表されている介護サービスについて | 介護事業所・生活関連情報検索「介護サービス情報公表システム」
参照元:厚生労働省(2016年1月、著者調べ)

福祉用具のレンタル

自宅で介護を受ける際、様々な不便があると思います。介護が必要でも、できる限り自分で自立するためのものが必要となります。家族が介護をする際に、その負担を軽減させるものも必要だと思います。そんなとき、福祉用具のレンタルができるのです。

レンタルできる福祉用具には、要介護認定の区分によりレンタルできるもの・できないものがありますので注意してくださいね。介護用具をレンタルする場合、レンタル料の1割(一定以上の所得の人は2割)が自己負担となります。介護保険利用者の自立、介護する家族の負担軽減のためにレンタルできる福祉用具は下記のサイトを参考にしてくださいね。

どんなサービスがあるの? – 福祉用具貸与 | 公表されている介護サービスについて | 介護事業所・生活関連情報検索「介護サービス情報公表システム」
参照元:厚生労働省(2016年1月、著者調べ)

介護保険と福祉用具
参照元:厚生労働省(2016年1月、著者調べ)

福祉用具の購入

福祉用具を購入する際にも、介護保険が利用できます。福祉用具については指定があり、要介護認定の区分によっても対象が違いますので、注意してくださいね。福祉用具の購入の場合には、購入の際に利用者がいったん全額支払います。自己負担額でない金額は、あとから介護保険から給付されるようになります。

福祉用具の購入は、1年間に10万円までという限度額があります。この限度額を超えたものに関しては、介護保険の適応になりません。限度額を超えると、限度額を超えた分すべて自己負担となりますので注意してくださいね。

どんなサービスがあるの? – 特定福祉用具販売 | 公表されている介護サービスについて | 介護事業所・生活関連情報検索「介護サービス情報公表システム」
参照元:厚生労働省(2016年1月、著者調べ)

自宅の改装費

自宅で介護を受ける際、介護が必要になる前と比べて不便なことがでてくると思います。段差であったり、手すりがなかったり。このような場合、介護保険の利用者が自立のために必要な改装をするようになりますよね。自宅の改修費も、介護保険で給付を受けることができます。住宅改修の種類については、下記の引用を参考にしてくださいね。

住宅改修の種類
(1)手すりの取付け
(2)段差の解消(*)
(3)滑りの防止及び移動の円滑化等のための床又は通路面の材料の変更(*)
(4)引き戸等への扉の取替え
(5)洋式便器等への便器の取替え
(6)その他前各号の住宅改修に付帯して必要となる住宅改修
(*)法施行当初は、屋外における段差解消、床材の変更及び手すりの取付けなどの 工事については、玄関ポーチの工事を除き、住宅改修費の支給対象としていなか ったが、告示改正により、平成12年12月以降、玄関から道路までの(建物と 一体ではない)屋外での工事も住宅改修の支給が可能となった。

出典:

www.mhlw.go.jp
住宅の改修をする場合には、改修を行う前に申請をするようにしてくださいね。この住宅の改修費用についても、上限金額がありますので注意してくださいね。

支給限度基準額
20万円
・ 要支援、要介護区分にかかわらず定額 ・ ひとり生涯20万円までの支給限度基準額だが、要介護状態区分が重くなったとき(3段階上昇時 、また、転居した場合は再度20万円までの支給限度基 ) 準額が設定される。

出典:

www.mhlw.go.jp

介護保険の負担割合の違い

2015年8月より、65歳以上で一定以上の所得の人は2割の自己負担の人ができました。それまでは一律で1割負担でした。その為同じ世帯に65歳以上の人が2人以上いる世帯でも、負担割合を気にすることはありませんでした。改正に伴い2割負担の人ができたことで、同じ世帯に65歳以上の人が2人以上いる場合に、負担割合が1割の人と2割の人が出てくるようになりました。

同じ世帯に65歳以上の人が2人以上いる場合には、夫婦が多いかと思います。夫婦のそれぞれの年収で、負担割合が決められます。ただし、世帯収入が346万円み満たない場合には変わってきます。ちょっとわかりにくいですが、ここは注意してほしいと思います。収入から1割負担なのか、2割負担なのか確認することもできます。でも毎年、負担割合証というものが届くようになっています。この負担割合証できちんと確認することをお勧めします。

介護保険では、介護サービスを受けることに対して給付されるだけではありません。自宅で介護を受ける際に、住宅を改修する費用の給付を受けることができます。他にも、介護用品のレンタル・購入の際の給付も介護保険にはあります。介護保険を利用する際には、負担割合の確認とどんなサービスがあるのか、確認してほしいと思います。