中古マンション購入|現在の家賃負担額で無理なく買うポイント

中古マンションの購入はローンの支払いが終わっても管理費や修繕積立金などの維持費用が必要なことから、二の足を踏む人が多いようです。そこで購入する場合に注意したい点や、お得な物件の見極め方、無理なく買うためのポイントなどを体験談も交えてご紹介したいと思います。



中古マンション購入は損か得か

中古マンションの相場と資産価値

マンションの価格は新築分譲時が最も高く、分譲時に抽選するほどの人気マンションやビンテージマンションと言われる例外的な物件でない限り「新築時より資産価値が上がる」ということはありません。

人が一旦住んでしまうと、たとえ築1日でも「中古物件」となります。つまり同じような立地であれば、新築マンションより中古マンションのほうが、まず明らかに安いということです。

新築マンションの場合、建築コストに販売業者の利益や広告宣伝費が乗せられた価格となり、必ずしもその建物の価値と見合っているとは限らないのです。が、中古マンションの場合は周辺の類似物件価格を参考に算出されるため価値に見合ったしっかりとした相場になると言われています。

一般的に新築分譲時から1年で、価格は1~2割下がるのだそうです。その後は一般的なマンションで毎年4%ずつ価値が下がると言われ、5年で新築時の3/4以下になり、10年でおよそ半値になってしまうということです。そして築19~20年を境に「価格の下落は緩やかになる」という傾向にあるようです。

地域によっての相場は不動産情報サイトや新聞折り込み広告などで確認すれば大体つかめると思われますが、将来的な価値のあたりをつけたい場合は、買いたい物件周辺のマンションで「築年数が経っている物件」を参考にしてみましょう。広さや管理条件などがそれほど変わらなければ、何年か後の「資産価値の目安」になると思われます。

不動産取引情報提供サイト(マンション・戸建住宅の売買価格・相場・取引事例の情報公開サイト)
参照元:全国指定流通機構連絡協議会REINS(2016年1月:著者調べ)

価値が落ちにくいマンション

まず最も重要視されるのは立地・利便性です。特に最寄駅からの距離が徒歩10分以内であること、特に駅までの距離が5分以内などの物件の資産価値は落ちにくいと言われています。反対にバスに乗らなければ駅まで出られないような立地のマンションは、将来的な資産価値の期待はできないと言えるでしょう。

また「住みたい街ランキング」などの上位にランクインするような人気エリアであることもポイントが高いです。そういった沿線の駅近物件であれば、かなりお得だと思われます。大きな公園などが隣接しており、将来的な陽当たりが確保できるなどの条件も、将来的な値下がり幅が小さいようです。

また立地以外に重要視したいのは管理状況です。定期点検などがきちんと行われているかどうか、長期修繕計画などが明確にされているかどうか、管理費や修繕積立金が計画に沿った適当なものかどうかなどです。こちらについては後述の「中古マンション購入時の注意点」をご参照ください。

第10回 資産価値が落ちにくいマンションの見極め方 – 住友不動産販売|不動産WEB講座
参照元:住友不動産販売(2016年1月:著者調べ)

10年後も値下がりしないマンションの共通点 住み替え、建て替えの裏ワザ【6】資産価値:PRESIDENT Online – プレジデント
参照元:PRESIDENT-Online(2016年1月:著者調べ)

president.jp

マンションの築年別平均価格

PhotoBy:著者(2016年1月作成・三井住友トラスト不動産データより) 上のグラフは東京都・大阪府・愛知県で「2011年に流通した中古マンション」の築年ごとの平均価格です。定点ごとの経年による推移ではありませんが、このグラフから察すると、築年数が浅い物件ほど価格の下落幅が大きく、築20年以上になると下落が緩やかになっていく傾向にあるのはほぼ確かだと言えるようです。

東京都が他の都市に比べ築20年以降の価格が横ばいになっているのは、築年数の古いものほど一等地に立っているためだと推測されるそうです。一般的に立地条件は古いものほどいいと言われているため、構造に問題がなく管理状態も良い物件であれば、築年数20年以上などの古い物件は「買い」だと言えるでしょう。

不動産マーケット情報:中古マンション 築年別の価格と経年変化|不動産購入・不動産売却なら三井住友トラスト不動産
参照元:三井住友トラスト不動産(2016年1月:著者調べ)



中古マンションの維持費用

管理費の使途と相場

構造や立地、物件価格に問題がなければ、次にネックとなるのは維持費用です。月々支払う管理費や修繕積立金、駐車料、また一時的に徴収される修繕一時金などが挙げられます。これは大きな負担ですので、いくら物件が気に入っても、維持費用がかかり過ぎることで考え直す人が多いのは明らかです。

管理費とは共用部分の水道光熱費、エレベーターなどの保守・点検費用、その他の管理委託費など共用部分の日常的な管理のために充当される費用ということです。軽度の損傷の修繕費は管理費から捻出されるようですが、規模の大きい修繕費用は修繕積立金で管理されていることがほとんどです。

駐車料は駐車場の管理費と言われていますので、管理費に含まれ「駐車料」としては徴収されない物件もあるようです。しかし、その場合メンテナンスコストの大きい機械式駐車場があるマンションであれば注意が必要です(詳細は後述)。

平成25年度マンション管理総合調査結果によると、管理費の全体平均金額は一戸当たり10,661円となっており、総戸数の規模が大きくなるほど安くなる傾向にあるようです。また形態別の平均は単棟型が11,147円、団地型が9,075円となっています(使用料・専用使用料からの充当を含まない)。

また管理費は専有面積の割合に応じて算出される場合がほとんどで、全戸一律金額だというマンションは13%程度とのことでした。比較的新しいマンション程そういった傾向にあるようです。規模別の平均月額は以下の通りです。

▼総戸数規模別マンション管理費平均月額
(平成25年度国土交通省調べ)
・20戸以下:16,595円
・21~30戸:11,191円
・31~50戸:11,304円
・51~75戸:10,727円
・76~100戸:9,621円
・101~150戸:9,314円
・151~200戸:9,390円
・201~300戸:9,100円
・301~500戸:8,550円
・501戸以上:11,864円

マンションの維持管理を学ぼう|一般社団法人 神奈川県建築士事務所協会
参照元:神奈川建築士事務所協会(2016年1月:著者調べ)

修繕積立金の使途と相場

修繕積立金は、主に一定年数の経過ごとに計画的に行う大規模な修繕のために使われるお金です。その他に認められる使途としては、

・不測の事故等により必要となる修繕
・建物の敷地等及び共用部分等の変更
・劣化診断、長期修繕計画作成および見直し、修繕設計・工事監理等
・給排水管、玄関錠、火災感知器、CATVなどの維持・修繕
・これらの維持・修繕のための借入資金に対する償還

などが挙げられます。稀に管理費が不足し修繕積立金を流用されるケースがあるようですが、適切な修繕計画に則るためには必ず区別されるべきお金です。ほとんどのマンションでこの制度が存在し、修繕積立金制度がない割合は平成17年以降に完成した物件に関してはゼロとなっているようです。 国土交通省の平成25年度調査では、一戸当たりの平均積立月額は11,800円とのことです。相場としては1平米当たり200円、70平米の物件であれば14,000円だと言われていますが、これは使用料や専用使用料から充当されている分もあるようです。

▼総戸数規模別マンション修繕積立金月額
(平成25年度国土交通省調べ)
・20戸以下:13,150円
・21~30戸:10,872円
・31~50戸:11,203円
・51~75戸:11,587円
・76~100戸:12,273円
・101~150戸:12,221円
・151~200戸:12,192円
・201~300戸:11,675円
・301~500戸:12,018円
・501戸以上:16,509円

マンションの維持管理を学ぼう|一般社団法人 神奈川県建築士事務所協会
参照元:神奈川建築士事務所協会(2016年1月:著者調べ)

修繕積立一時金の徴収や積立金を増額される場合も

マンション新築時に支払う修繕積立基金の平均額は全体では25.2万円となっています。これは、マンションを売却した際に戻ってくることはないということで当初の所有者が支払い済のため、中古マンションを買う場合は支払う必要はないと考えられます。

しかし大規模修繕に伴い修繕積立金で工事費用が賄えない場合、数十万円の一時金が徴収されたり、積立金が増額されたりすることがあります。

ほとんどのマンションは長期修繕計画から修繕積立金を計画的に算出しているということですが、中には試算が甘く、こういったケースが発生する場合があるようです。その場合所有年数などは考慮されず、買って1年であっても徴収されることになります。

お得な物件を見極めるためには、こういった修繕計画を確認しておく必要がありますね。

そのため長期修繕計画については中古マンション購入時にしっかり確認しておく必要があると思われます。

マンション修繕積立金が足りない 負担こう決まる :日本経済新聞
参照元:日本経済新聞(2016年1月:著者調べ)

www.nikkei.com

固定資産税の相場

固定資産税の計算式は、
・土地:課税標準額×1.4%×1/6
・建物:課税標準額×1.4%
となります。

また都市計画税は課税標準額×0.3%となります。

購入時点での評価額が土地500万円、建物1,000万円だったとすると、1年目の固定資産税は土地が1.17万円、建物が14万円、都市計画税は土地が5千円、建物が3万円、合計18.7万円ほどになります。

中古マンションの法定耐用年数は47年となっています。戸建木造住宅の耐用年数が22年と言われているのに対し、倍以上の耐用年数…ということは、固定資産税評価額も下がりにくいということになります。しかし、建築確認申請が必要なリフォームさえしなければ年々下がっていくものです。

新築同様にリフォームしても、設備交換や壁紙・床材の張り替え程度では法的な価値は上がるわけではないということです。新築のようなきれいなマンションに安い固定資産税で住めるということは、やはりお得と言えるのではないでしょうか。

固定資産税・都市計画税の計算 – 土地活用の東建コーポレーション
参照元:東建コーポレーション(2016年1月:著者調べ)

平成25年度マンション管理総合調査データ
参照元:国土交通省(2016年1月:著者調べ)

中古マンション購入までの流れ

見学~申し込みまで

まず数社以上、何件でも見学に行きましょう。納得のいく物件が見つかったら、まずは購入申込です。希望価格や契約希望日、支払方法などについて購入申込書に記入し仲介会社経由で売主へ提出し、申込金として1~10万円程度の申込金を支払うことになります。

売主と買主の希望価格が折り合わなければ、仲介会社を通じて話し合いがされます。ここで値下げ交渉なども場合によっては可能です。

この時点では契約に至っていないため、申込み後万一契約しない場合は無条件で申込みを取り消すことができ、申込金は返戻されます(そのためこの段階で住宅診断をするのが望ましいとされています)。

住宅診断は契約前に!

住宅診断はマンションでもできます。設備や壁・床の劣化などは自分で確認できても、配管や配線、地盤の状態などについてはなかなか素人では分からないですよね。後悔のないようにプロに確認してもらうのがおススメです。

申し込み後の契約前なら、万一の場合でも無条件で申込みを取り消すことができますし、契約する場合もリフォーム費用の把握ができ資金計画が立てやすくなります。また申込みにより購入意思を表示しているため、他に売られてしまう心配もありません。

診断費用としては5万円~10万円程度と言われていますが、マンションは特に管理状態や長期修繕計画の問題もありますのでプロによる診断が安心だと思われます。昨今、土地の地盤問題もニュースで取りざたされているため地盤情報も合わせて調査してもらえるようにするといいですね。

中古マンション ホームインスペクション(住宅診断・住宅検査) – 住宅診断(ホームインスペクション・住宅検査)さくら事務所
参照元:(株)さくら事務所(2016年1月:著者調べ)

www.sakurajimusyo.com

中古マンションの建物調査・住宅診断・内覧会・ホームインスペクション
参照元:株式会社アネストブレーントラスト(2016年1月:著者調べ)

申込~契約~引渡しまで

申込後、住宅診断などもして購入意思が固まったらいよいよ契約です。住宅ローンを利用する場合は、事前審査をしておきます。仲介業者から金融機関を勧められることが多いかもしれませんが、一括見積サイトなどを利用して自分で調べるほうがお得だと言われています。

立地の良いマンションは特に戸建に比べ資産価値が落ちにくいため、住宅ローンも通りやすいことが多いようです。金利の低いネット銀行などを利用すれば、総支払額が100万単位で節約できるかもしれませんので借入先は慎重に選びましょう。

契約締結する際に、重要事項説明書という分厚い書類をもとに説明が行われます。ここで管理費・修繕費などについても説明されることになりますので、しっかり聞いておきましょう。

契約を締結する際に物件価格の1割程度の手付金(先の申込金は差し引かれます)が必要となります。これ以降、契約を取消すると手付金は返戻されません。諸費用と言われる現金で支払う費用はここから充当されることが多いようです。

そして住宅ローンが融資される日に残金を決済し、司法書士による所有権移転登記や抵当権の設定が行われます。こういった段階を踏んで物件が引き渡されます。



中古マンション購入時の注意点

1981年以降の「新耐震基準」で施工されているか

1981年6月改正の新耐震基準で施工されたマンションなら、東日本大震災のような未曾有の大震災でも揺れによって人命にかかわるほどの損傷はないとされています。

しかし、マンションの建設期間は1年を超えることがほとんどであるため、1982年以降建築のマンションであっても耐震基準を満たしていない場合があります。そのため、建物の完成日ではなく、建築確認許可日が1981年6月以降になっているかが重要です。

ただし改正以前の旧耐震基準で建てられたマンションも、現行耐震基準を満たしている場合があります。また1970年代半ば以降に建築確認申請された物件については、役所の窓口で確認許可日を調べてもらうこともできるようです。

一般的に築25年以内のマンションにのみ住宅ローン控除や登録免許税などの減税措置が適用されますが、引渡し前に売主名義の「耐震基準適合証明書」が発行してもらえれば築年数をオーバーしていても、これらの減税措置が適用されるということです。

マンションの耐震性等についてのQ&Aについて
参照元:国土交通省(2016年1月:著者調べ)

asahi.com(朝日新聞社):中古マンションの耐震問題 – ここが知りたい – 住まい
参照元:朝日新聞社(2016年1月:著者調べ)

既存不適格建築物でないか

建築基準法で定められた規定に適合せず建てられたものは違反建築物と呼ばれますが、現在は融資が受けられないため、そのような建物はまず建てられません。以前はよくあったようですが、昔のものであってもマンションにはあまり見られないようです。

しかし新築時は適法だったものの、法改正によって現行規定にあわなくなったものを既存不適格建築物といい、これは築年数の古いマンションにしばしばみられるようです。とくに昭和40年代半ばの「容積率規制導入」以前に建築されたマンションなどは、現行の基準では建て替えることができないなどという問題が多いと言われています。

例えばもともと容積率800%だったところに700%のマンションを建て、その後その地域の容積率が500%に変わってしまった場合などです。これは違法ではないのですが、将来建て替える際に元の規模の建物が建てられないという問題が出てきます。

実際これが理由で立て替え自体の例が少なく、現実的にはわずかな土地代金を受け取って他所へ引っ越す流れになることが多いようです。そのため相場よりかなり安くなっている場合があり、購入前に既存不適格建築物でないかの確認はしておきましょう。

マンションの建替えは、できない | 住まいの「本当」と「今」を伝える情報サイト【HOME'S PRESS】
参照元:株式会社ネクスト HOME'S PRESS(2016年1月:著者調べ)

www.homes.co.jp

長期修繕計画を確認!

中古マンション購入の際には、長期修繕計画について必ず確認しましょう。確認したい項目としては、まず過去の修繕工事と今後の修繕計画です。購入後すぐに修繕工事が必要となった場合、修繕積立一時金として高額費用を請求されることがあります。

屋根や外壁の修繕周期は一般的に12年程度と考えられていますが、築15年以上のマンションがこのような修繕工事を一度も行ったことがないというのは管理組合が適正に機能していない疑いが持たれます。どのような工事がいつ行われる予定なのか、長期での修繕計画が立てられており、計画通り実行されているのかは購入前に必ず確認すべきです。

また修繕積立金の積立て状況や賃貸世帯の有無なども知っておきたいポイントです。中には管理費や修繕積立金を滞納している世帯も多くあるようです。滞納世帯の割合が高いと正常に修繕計画が進まない可能性がありますし、また賃貸世帯が多い物件は急な修繕工事などの際にトラブルとなることがあるようです。

ただ築年数の古い物件になると長期修繕計画を立てていない場合もあると言われています。自己判断が困難な場合は修繕計画に問題がないかどうかを専門業者に調査依頼する方法もあります。

長期修繕計画 | 住友不動産建物サービス
参照元:住友不動産建物サービス株式会社(2016年1月:著者調べ)

長期修繕計画に関する6つの注意点
参照元:特定非営利活動法人 マンション管理支援協議会(2016年1月:著者調べ)

修繕積立金が不足する? 新築マンションでも安心できない修繕積立金問題 | 住まいの「本当」と「今」を伝える情報サイト【HOME'S PRESS】
参照元:(株)ネクスト HOME'S PRESS(2016年1月:著者調べ)

www.homes.co.jp

マンションの管理規約・長期修繕計画のチェック|マンションの建物調査
参照元:株式会社アネストブレーントラスト(2016年1月:著者調べ)

機械式駐車場なら注意が必要

機械式駐車場は5年ごとにメンテナンスが必要だと言われています。一般的な平面駐車場の維持管理費が年間1万円程度なのに比べ、機械式駐車場の維持管理費は年間7~10万円もかかるそうです。これを管理費のみで賄うことは大変難しく、駐車料を徴収している場合はそれだけで維持していかなくてはなりません。

しかし月々負担額を安く見せ、売りやすくするために駐車料が極端に安かったり、無料だったりすることが多いようなのです。このため大規模な修繕の時期になってから負担を強いられる可能性があります。これは共用部分になるので、使用していようがいまいが徴収されることになります。

ですので、機械式駐車場があるマンションの購入には注意が必要です。

機械式駐車場問題
参照元:浅野豊明マンション管理士事務所(2016年1月:著者調べ)

中古マンション購入時の諸費用

中古マンション購入時の諸費用の総額は、物件価格の7~10%程度と言われています。中古マンションの平均購入価格と言われている2,100万円の中古マンションであれば200万円程度は諸費用予算として見ておきましょう。

これにはリフォーム費用や修繕積立一時金などは含まれていませんので、契約前にそれらの費用を明確にして別途予算に計上しておく必要があります。

契約までにかかる費用

中古マンション契約に伴う諸費用としては、売買契約代金が1,000万円超5,000万円以下の場合以下の通りとなります。

・売買契約書に貼付する印紙代:1万円(平成30年3月末までの措置・本来は2万円)
・仲介手数料:物件価格×3%+6万円+消費税(上限)

仲介手数料は契約時に手付金として支払う分より一部差引され、残額は決済時に支払うことが多いようです。例えば2,000万円の中古マンションであれば税抜66万円が上限となります。

中には仲介手数料の割引に応じる業者もあるようですが、大手不動産業者では仲介手数料の値引きはほぼ行われないようです。その後のアフターケアの責任を負うのですから、必要な手数料はきちんと受け取るのが大手のスタンスだという情報もあります。

また住宅診断を行う場合は、調査費用として5~10万円ほど必要です。

住宅ローン借入にかかる費用

金銭消費貸借契約の印紙代が、500万円超1,000万円以下の場合は1万円、1,000万円以上5,000万円以下の場合は2万円必要となります。また事務手数料として税抜き3~5万円、保証料として借入額の2%程度必要となることが多いようです。ネット銀行などは保証料でなく事務手数料が2%というケースが多めです。

また司法書士による抵当権設定が行われますので、登録免許税が借入額の0.4%(築25年以内、または新耐震基準適合証明書があれば0.1%への軽減措置あり)、司法書士への報酬が10万円前後発生します。

登録免許税の軽減 | 住建ハウジング
参照元:住建ハウジング(2016年1月:著者調べ)

契約後にかかる費用

不動産取得税や固定資産税、都市計画税などの諸税と、火災保険などの保険料が挙げられます。不動産取得税については築25年以内の中古マンション、または耐震基準適合証明書がある場合は減税措置が受けられるため一般的に2,000万円台程度のマンションであれば0円となることも多いと思われます。

150万円以上!? マンション購入にかかる諸費用の正体 | 中古マンション リノベーション の アート・クラフト・サイエンス
参照元:アート・クラフト・サイエンス株式会社(2016年1月:著者調べ)

中古マンションと住宅ローン返済

年収に見合った借入額とは

国土交通省の平成26年度住宅市場動向調査によると中古マンションを購入する世帯の平均年収は630万円と言われています(下表参照)。購入物件平均価格としては2,109万円で、住宅ローン平均借入額は1,231万円と言われています。

戸建や新築マンション購入に比べかなり余裕のある返済に感じられますが、6割以上の世帯がローンに負担感があると感じているようです。興味深いのは、新築の場合も中古の場合も戸建に比べマンションのほうが低い返済額にもかかわらず、ローン負担感は高い割合となっていることです。 PhotoBy:著者(2016年1月作成) これは察するに、管理費・修繕費・駐車場などの施設使用料という月々の固定支出が大きくかかわっているのではないでしょうか。月々のローン返済額は「現在の家賃支払い額」から算出するのが最も無理がなく賢明ですが、管理費などを別途と考えた場合に月々の負担が増すのではないかと思われます。

ローンを早期完済するために月々の支払額を高くしている場合も考えられますが、これらの月々の支出額を考慮したうえで無理のない額を返済月額として設定し、余裕があれば繰り上げ返済をするというほうが賢明であるかもしれません。

金利を考えるとどうしても総支払額が少なくなるように返済期間を短くしがちですが、その分ローン支払い期間の家計が逼迫されることになります。現在の家賃から管理費・修繕積立金を引いた額をローン返済月額に設定するのが最も安心ですね。

管理費や修繕積立金の平均的と言われる額を引いた返済月額のローンは下表の通りとなります(借入期間30年、全期間金利2%、元利均等返済と仮定した場合)。実際の管理費や修繕積立金が分かればその額を現在の家賃から引き、月額返済額を決めるのが安全な道だと個人的には考えます。 PhotoBy:著者(2016年1月作成) 住宅ローンで破綻しないためには、いくら借りられるかではなく「いくら返せるか」で計画を立てることです。そのためには、年収からではなく「現在の家賃支払額」から無理なく返済できるように計画することが最も無難で賢明でしょう。

報道発表資料:平成26年度住宅市場動向調査について – 国土交通省
参照元:国土交通省(2016年1月:著者調べ)

自己資金比率は

平成26年度中古マンション購入代金の自己資金比率は42.5%と言われています。そのうち預貯金や有価証券売却などによる資金が28%、不動産売却によるものが6.5%、残り8%が贈与や相続などによるもののようです。

実際20~30代でこれだけの自己資金を用意できる世帯ばかりではないと思われますが、親世帯からの贈与を受けるケースは多いでしょう。将来相続する予定がある方は、住宅資金非課税贈与枠を利用して生前贈与を受けることも相談されるといいのではないでしょうか。

No.4508 直系尊属から住宅取得等資金の贈与を受けた場合の非課税|贈与税|国税庁
参照元:国税庁(2016年1月:著者調べ)

返済期間は

先にも記述しました通り、返済期間を短めに設定することは、早期完済と金利による負担を軽減し総支払額を抑えるために大変有効ですが、ローン支払い期間の家計を逼迫し貯蓄の余裕をなくすことが懸念されます。

たとえば1,500万円を全期間金利2%借り入れる場合、返済期間を20年、25年、30年で比較してみましょう。 PhotoBy:著者(2016年1月作成) このように当初から30年ローンで計画していれば、管理費や修繕積立金と合計しても家賃並みの返済月額で済むと思われますが、20年ローンだと10万円近くの固定支出となり年収によっては厳しい額となり得ると思われます。

もし修繕積立一時金の支払いが必要となった場合や、子供の教育費などがかかる時期の負担を考えると、当初は長めの借入期間を設定しておき余裕があれば20年ローンを組んだと思って差額を繰り上げ返済するだけで、かなり20年ローンの条件に近づきます。

ローン支払い期間中の家計を安定させるためにも、総支払額ばかり重視するより、こういった方法も検討してみる価値はあるのではないでしょうか。

住宅ローンシミュレーション:住宅金融支援機構(旧住宅金融公庫)
参照元:住宅金融支援機構(2016年1月:著者調べ)

中古マンション購入体験談

中古マンション購入成功体験談

中古マンション購入の成功体験談と失敗体験談をピックアップしてみます。成功する秘訣は、優良物件を見抜く目を持つこと。耐震性や管理状態、立地などの資産価値を見極めてお得に中古マンションを手に入れられるといいですね!

築約30年の分譲マンションを買い住み始め早1年。交通の便もよく、元々某ブランドマンションなので、新築時はウン千万したマンション。しかし、いまでは当時の半値以下。そんなことで、長年住んでいる人は、裕福な雰囲気の人ばかり。そのような雰囲気がマンション内に流れてるので、こっちまで、裕福で幸せな気分になっちゃいます。

出典:

detail.chiebukuro.yahoo.co.jp

中古マンション購入失敗体験談

築32年の中古マンションを購入しました。30年以上も経過しているので、今後は大規模な修繕はないだろうと購入前に考えていました。住みはじめてから2年後、管理組合より「マンション全体の給水管取替えの議案が挙がり、見積りを取得する。」との報告が来ました。

(中略)修繕するとしたら、一時金が非常に高額になることがわかりました。築年数の長い物件は、当然ですが設備が老朽化しています。そのことの認識が浅いまま、大規模修繕がないだろうという安易な考えで、築年数の長いマンションを購入してしまったことを後悔しています。

出典:

www.womans-mansion.com
失敗例の多くは予想外の費用が後にかかってくることを想定していなかったというものです。これらの事態を回避するためには、購入前の住宅診断がおススメです。

中古マンション購入後の手続き

中古マンションと住宅ローン減税

中古マンションの場合、以下の条件のうちいずれかを満たしていれば、年末ローン残高の1%が10年間にわたり所得税や住民税から控除されます。

・築25年以内
・現行の耐震基準を満たしていることを示す耐震基準適合証明書が発行されている
・指定住宅性能評価機関により実施された既存住宅の性能評価において、耐震等級1以上が確認されている
・既存住宅売買瑕疵保険に加入している

中古マンションとリフォーム減税

バリアフリーリフォーム・省エネリフォームを行った場合、条件を満たせば所得税の控除と翌年の固定資産税減税措置が受けられます。いずれも補助金を引いた額が50万円以上の工事に限られ、バリアフリーリフォームについては高齢者や要介護者・要支援者・障害者のいる世帯に限られます。

省エネ工事については、マンションの場合窓の断熱性を上げるなどに限られてしまうと思われますので、工事費用に50万円以上を要することは少ないかもしれません。

確定申告が不要の場合

上記のような減税措置の条件を満たしていない場合は確定申告の必要はないようですが、減税は受けられなくても親族からの住宅資金贈与を受けている場合は確定申告する必要があります。限度額までは大丈夫ということではなく、申告して初めて「非課税贈与」と認定されることになります。

ともあれ、自己判断せず住宅購入という大きなお金の動いた翌年の確定申告は相談に行くのがおススメです。中古マンション購入の際には、領収書類をまとめておき積極的に節税できるところがないかを調べてみましょう。

No.1214 中古住宅を取得した場合(住宅借入金等特別控除)|所得税|国税庁
参照元:国税庁(2016年1月:著者調べ)

中古住宅・一戸建てリフォームにおけるリフォーム減税(固定資産税など)| リフォーム・マンションリフォームならLOHAS studio(ロハススタジオ) presented by OKUTA(オクタ)
参照元:LOHAS studio(2016年1月:著者調べ)

まとめ

このように中古マンション購入には色々難しい問題もありますが、優良物件を手に入れられれば、新築マンションを買うよりはるかにお得となることも多いと思われます。立地や管理状態、長期修繕計画など、自己判断が難しければ専門機関を利用し、じっくりと検討して後悔のない決断をしてくださいね。