児童扶養手当審査~支給額~計算知っておきたいA to Z

児童扶養手当は、収入の少ない母子家庭や父子家庭にはとっても大切なもの。特にシングルマザーには切実な問題です。しかし、申請から受給まで時間がかかる上資格認定やら現況届、生活のために収入を増やせば支給停止、と頭を悩ましている方も多いことでしょう。今回は、児童扶養手当を申請することから始める、知っておきたいことを紹介します。



児童扶養手当について

児童扶養手当の概要

児童扶養手当とは、両親が離婚又は死別などして、子供が、母親または父親のどちらか一方からしか養育を受けることができない場合に、少しでも子育てをする負担の軽減を目的に、地方自治体から支給される手当のことです。

児童扶養手当は、以前は母子手当といわれていましたが、父子家庭でも、2010年5月26日に児童扶養手当法が改正され、同年8月からは支給の対象になっています。

受給資格のある人は、一般的に子供の母親(父親)か母親(父親)の代わりとなって、子供の養育を行っている人が手当を受けることができます。

また、対象となる児童には年齢制限があり、18歳になった年度末まにになります。しかし心身に障害をもつ児童は20歳未満まで支給されます。受給者や児童の国籍は関係ありません。

児童扶養手当法
参照元:法務省(2015年11月、著者調べ)

対象となる児童

支給対象となる児童は、以下の条件が必要となっています。
・父母または養育者の所得が一定水準以下であること
・18歳になってから、最初の3月31日までが支給対象となること
以前は18歳になるまでとされていましたが、高校に進学する児童が多くなっている現状を見て、誕生日を境としてしまうと、同じ高校生でありながら、それは不公平ではないかとの観点から1994年に現在のように改正されています。

・対象となる児童が、特別児童扶養手当を受給できる場合、20歳になるまでは児童扶養手当の対象となり、児童扶養手当と特別児童扶養手当の両方受給できることにになっています。さらに児童扶養手当は、子ども手当と両方とも受給可能です

特別児童扶養手当等の支給に関する法律
参照元:法務省(2015年11月、著者調べ)

子ども手当とは

参考までに、子ども手当(児童手当)について少しご説明します。この手当は両親がともにいても関係はありません。

■支給対象年齢
中学校終了時までの児童、つまり15歳になってから最初の年度末までです。

■支給額
・0歳から3歳未満
ひとり当たり1万5,000円/月(2人いれば3万円/月)

・3歳から小学校終了前
子ども1人目:1万円
子ども2人目:1万円
子ども3人目以降:1万5,000円/人

・小学校終了時から中学校終了時
ひとり当たり1万円/月(ただし、父親、母親のどちらかが制限以上の収入がある場合は、子どもの数や年齢に関係なく、5,000円/月)

■所得制限と子どもの数
年収額/子どもの数
660万円/1人
698万円/2人
736万円/3人
774万円/4人
812万円/5人

■注意書き
・受給者が里親や施設の場合は、所得制限はありません
・所得に関しては、世帯の合計ではなく、受給者の所得のみです
・子どもの数が6人以上の場合、所得の制限はひとり当たり38万円ずつ加算されます

■支給時期
支給は年3回(6月、10月、2月)です。それぞれ4カ月分を、受給者の口座に振り込まれます。

児童手当について
参照元:厚生労働省(2015年11月、著者調べ)

児童扶養手当の条件

児童扶養手当を受給するには、以下の条件に該当する必要があります。

・父母が離婚
・父または母が死亡
・父または母が、一定以上の心身の障害がある
・父または母が行方不明などで、生死が分からない

以上の条件が原則になりますが、以下の場合は受給の条件に該当することとなっています。

・子どもが、父または母に捨てられてしまった
・父または母が刑罰を受けるなどして1以上拘禁状態にある
・母が未婚のまま子どもを産んだ
・全くの孤児

以上が、児童扶養手当を受ける条件になりますが、以下の状況の場合は受給されなくなります。

・日本国内に住所がなくなった
・父や母が死亡し、それによる年金や労災を受給できる場合
・父または母が年金の加算対象になっている
・子どもが里親に出された
・子どもが受給資格のない父または母と生活している場合(父または母が障害者である場合を除く)
・父または母が再婚した場合(連れ子と同じく養育される場合)
※再婚とは戸籍上の婚姻でなくても、内縁関係の事実婚でも良い。

受給者について

■受給者の条件

児童扶養手当を受給できるのは、子どもを養育している母(父)となります。しかし、孤児などで母(父)がいないか、または母(父)が養育できない場合は、子どもと同居し生計を立てている、事実上の養育者が受給する資格があります。しかし、以下にあげる理由がある場合は、児童扶養手当を受給することはできません。

・日本国内に住所がない
・受給者が他の年金を受給している

受給額

児童扶養手当の受給額は、所得に応じて決まっており、全部支給と一部支給とに分かれています。また、基本の額は、児童扶養手当法第5条と児童扶養手当施行令に規定があり、毎年変更されることになっています。

■児童扶養手当額

・児童1人の場合:全部支給は4万1,720円:一部支給は9,850円から4万1,710円
・児童2人の場合:全部支給は4万6,720円:一部支給は1万4,850円から4万6,710円
・児童3人の場合:全部支給は4万9,720円:一部支給は1万7,850円から4万9,710円
・児童4人の場合:全部支給は5万2,720円:一部支給は2万850円から5万2,710円
・児童5人の場合:全部支給は5万5,720円:一部支給は2万3,850円から5万5,710円
※児童の数が6人以上の場合は、1人につき3,000円ずつ加算されます。

■所得制限
前の年の所得が、ある一定額の場合は、その年の8月から翌年の7月まで、児童扶養手当の一部または全部が支給停止となります。また、所得に加算されるものには、前の夫(妻)から受け取った養育費の80%が所得とみなされ加算されます。

他にも、同居している直系尊属(親、祖父母)や兄弟(姉妹)がいる場合は、その方たちの収入も受給申請する際の審査の対象とされてしまいます。

児童扶養手当法施行令
参照元:法務省(2015年11月、著者調べ)

所得による児童扶養手当の額

■所得の計算方法
まずは、所得(年収)算出しなければなりません。計算式は以下の通りになります。

・計算式
所得=所得控除後の金額+養育費の80%-8万円-その他控除額
で計算します。では以下に、上記の計算式で出てくる用語を説明します。

・所得控除後の金額とは、源泉徴収票を見ると書いてありますが、総支払額から社会保険料や所得税などを差し引かれた後の手取り分と考えればいいです。いわゆる可処分所得のことです。
・養育費の80%とは、前の夫(妻)から養育費をもらっている場合は、その80%を所得とみなされるということで、何ももらっていなければ、考える必要はありません。
・8万円とは、生命保険料などの各種保険料の相当額として、決まっています。
・その他控除額とは以下に、その主な例を上げます。
:障碍者控除として27万円
:特別障碍者控除として40万円
:勤労学生分として27万円
:医療費として、その全額
:寡婦(夫)控除として27万円
:特別寡婦(夫)控除として35万円

■児童扶養手当の計算方法
次に、所得制限限度額が控除され、金額は扶養する児童の数で決まります。以下に例をあけます。

・児童が0人の場合は19万円
・児童が1人の場合は57万円
・児童が2人の場合は95万円
・児童が3人の場合は133万円
・児童が4人の場合は171万円
・児童が5人の場合は209万円

以上のデータを下記の計算式に当てはめていきます。

・計算式
受給額=4万1,700円-(所得-限度額-8万円)x0.0185434

では実際計算してみましょう。
所得=所得控除後の金額+養育費の80%-8万円-その他控除額を計算します。養育費は2万/月、その他控除はなしとします。

70万円+19万2,000円-8万円=81万2,000円が所得になります。次に受給額を計算します。
・児童は1人で57万円
・(所得-限度額-8万円)の部分は23万4,000円
・23万4,000円円x0.0185434=4,339円
ということは、
4万1,700円-4,339円=3万7,360円となり、今回の場合は3万7,360円が受給できるということになります。この計算式で出した金額は、児童1人の場合ですので、2人目は5,000円の加算、3人目以降は3,000円ずつ加算してください。

母(父)の所得によって、児童扶養手当の額は変わっていきますので、以下に大まかな目安をご紹介します。前述の通り、児童扶養手当の額は毎年変更になりますので、参考程度にみて下さい。

・所得65万円:児童1人で4万1,720円、2人で4万6,720円、3人で4万9,720円
・所得103万円:児童1人で3万4,660円、2人で4万6,720円、3人で4万9,720円
・所得140万円:児童1人で2万7,800円、2人で3万9,850円、3人で4万9,720円
・所得200万円:児童1人で1万6,680円、2人で2万8,720円、3人で3万8,770円
・所得238万円:児童1人で9,850円、2人で2万1,680円、3人で3万1,720円
・所得276万円:児童1人で0円、2人で1万4,850円、3人で2万4,680円
・所得314万円:児童1人で0円、2人で0円、3人で1万7,850円

児童扶養手当額の算出方法│大津市ホームページ
参照元:大津市ホームページ(2015年11月、著者調べ)

児童扶養手当制度の改正について
参照元:厚生労働省(2015年11月、著者調べ)



受給申請方法

■児童扶養手当の申請
申請するためには、受給を受けようとする本人が、住民票のある市区町村に申請しなければ受給することができません。それには以下の書類が必要になります。

・受給者の戸籍謄本
・受給者の住民票(世帯全員)
・前年度の所得証明書
・印鑑(念のため通調印も)
・健康保険証(本人と児童)
・年金手帳
・預金通帳
・その他必要書類(窓口で用意してくれます)

これらの書類を持って、福祉課などの窓口で手続きすることになります。その後、受給資格があるかどうかについての審査があり、児童扶養手当を支給するかどうかが決定します。

■審査結果
受給対象の審査結果がでるまでには、およそ1カ月ほどかかります。審査結果がでますと、役所より文書でお知らせがきます。

児童扶養手当を受給できる方は、児童扶養手当証書が同封されてきますが、所得制限によって手当が支給されない方は、通知文書が届くだけです。

市川市|児童扶養手当
参照元:市川市ホームページ(2015年11月、著者調べ)

児童扶養手当の継続

現況届け

■児童扶養手当を継続するためには、現況届が必要になります。
児童扶養手当法施行規則第4条の定めにある通り、必要な書類を添えて、毎年8月1日から8月31日までの間に、現況届を提出する必要があります。

現況届は、年度が変わるたび、受給資格の認定と手当の額を決めるためには必ず必要な手続きです。現況届を出さないとと8月分以降の児童扶養手当を受け取ることができません。7月中に案内文書が郵送されてきますので、期間に受給者本人が窓口へ行かなければなりません。

また、諸事情により手当が支給停止されている場合も、受給資格を更新することが必要なため、この届出をしなければなりません。

現況届出をしないまま、2年を超えてしまいますと、児童扶養手当法第22条に定められている時効によって受給資格を失ってしまう恐れがあります。時効により資格を失った場合、以前の資格要件の適用が平成10年3月31日以前だった場合は、再度申請することができません。

必要書類

■現況届に必要な書類
原則として、現況届に必要な書類は受給者ごとに違いますので、郵送される、現況届必要書類一覧、を必ずご確認しなければなりません。以下に、必要な書類をご紹介しますので、参考にしてください。

・児童扶養手当証書
・同居人の申告書
・印鑑
・養育費に関する申告書
・現況届受付整理券
・障害者手帳(父又は母の障害の場合)
・失踪届など(父又は母の生死が不明の場合)
・遺棄申立書(父又は母の遺棄による場合)
・拘禁証明書(父又は母の拘禁されている場合)
・別居監護申立書(父又は母が児童と別居している場合)
・世帯全員の住民票
・請求者が父(母)以外の養育者の場合は、養育申立書
・住所要件申立書(住民票と現実の住所が違う場合や、前夫又は前妻の住民登録が残っている場合)
・障害者手帳又は療育手帳(児童に障害のある場合)
・児童扶養手当一部支給停止適用除外事由届出書、並びに添付書類

■注意として
・確定申告又は市県民税の申告をしていない場合は、申告を済ませ、その申告の控えが必要です。
・書類が不備の場合、受付することができません。

■現況届による審査の結果
届出期間中に手続きを完了した場合は、10月下旬以降に審査結果郵送されてきます。児童扶養手当は12月分より支給になります。不備書類に不備があり、手続きが完了していない場合は、必要書類が全部そろってからの審査となります。12月の手当の支給に間に合わない場合もあります。 



他の手続き

児童扶養手当に関する手続において、以下の場合は役所へ申請する必要があります。

・新しく児童が増えたとき
新しく養育する児童が増えた場合は、手当額の改定請求が必要になりますので、必要書類をそろえて届けをしなければなりません。
:戸籍謄本
:同居人であることの申告書または住民票
:手当証書(既に支給を受けている方)

・市外から転入、または住所を変更したとき
扶養手当の支給自治体の変更となるような住所を変更したときは、移転から2週間以内に変更手続きをする必要があります。その申請に必要なものは以下になります。
:新しい移転先の賃貸借契約書や、住宅を購入した場合は、売買契約書)
:手当証書(他で支給してもらっている場合)

・市外または国外に移転する場合
扶養手当の支給自治体の変更をともなう住所の変更する場合は、移転する前に役所に届へを提出することになってます。また、海外に移転する場合は、受給資格そのものがなくなってしまう場合がありますので、事前に役所に連絡をしなければなりません。

・名前が変わったとき
受給者本人、及び児童の氏名が変わった場合は、2週間以内に変更届を提出しなければなりません。また、受給者の氏名を変更したときは、口座名義も変えることが必要です。必要な書類は以下の通りです・
:戸籍謄本
:新しい口座番号
:手当証書(既に支給を受けている場合)

・受け取りの金融機関が変わったとき
受給者の受け取り金融機関や口座番号等が変更になった場合は、変更届を提出しなければなりません。必要な書類は以下の通りです。
:口座番号など
:手当証書(既に支給を受けている場合)

・扶養児童の住所や名前が変わったとき
受給者は、2週間以内に変更届を提出しなければなりません。必要な書類は以下の通りです。
:戸籍謄本

・児童扶養手当の受給資格を失ったとき
受給者は、児童扶養手当の受給資格を失ったときは、ただちに資格喪失届を提出しなければなりません。ただし、扶養児童の年齢による喪失などの場合は除きます。例を以下に紹介します。
:受給者である父またはは母が婚姻(事実婚)をしたとき
:児童が、別れた父又は母と再び生活をするようになったとき
:児童の保護遺棄していた、父又は母から連絡があり、生計をともにする場合
:拘禁されていた父又は母が拘禁を解かれたとき
:児童が児童福祉施設に収容されたとき
:児童が里親に委託されたとき
:受給者が。今後、児童を養育しなくなったとき
:児童が死亡したとき
:受給者又は児童が国外に住所を移しとき

・受給者が亡くなったとき
受給者が死亡したときは、2週間以内に、受給者死亡届を提出しなければなりません。必要な書類は以下の通りです。
:戸籍(除籍)謄本
:手当証書

・未払いの児童扶養手当があるとき
受給者の死亡後、未支払いの手当がある場合は、未支払手当請求書を提出しなければなりません。必要な書類は以下の通りです。
:児童の口座番号

・養育する児童がいなくなったとき
受給者は、養育する児童が該当しなくなったときには、ただちに額改定届を提出しなければなりません。必要な書類は以下の通りです。
:手当証書

・手当証書を紛失したとき
受給者は、証書を紛失したときは、ただちに亡失届を提出しなければなりません。

・手当証書を再発行するとき
受給者は、証書を誤って破ったり、汚した場合は証書の再発行を申請をすることができます。

・扶養義務者と同居または別居したとき
受給者は、扶養義務者と同居またはは別居により、児童扶養手当を受けられないことが発生した場合、又はそのことがなくなったした場合は、2週間以内に必要書類とともに支給停止関係届を提出しなければなりません。必要な書類は以下の通りです。
:同居を始めた扶養義務者は18歳以上の方で、収入がある場合は所得証明書

・障害認定期間が終了するとき
児童又は児童の母(父)が、障害の状態にあることによって手当の支給をされていた場合は、障害認定の有期終了時までに、診断書の提出をする必要があります。

・公的年金を受給することになったとき
児童扶養手当を受給している方が公的年金を受給できるようになったときは、必要書類を提出します。それにより、児童扶養手当の金額を計算しなおす必要がでてきます。必要な書類は以下の通りです。
:公的年金給付等受給証明書

・所得の修正をしたとき
所得の修正申告を行った場合、手当額の変更がでてくる場合があります。児童扶養手当の金額を再計算しなければなりません。

・受給者本人または児童に障害者手帳が交付されたとき
児童扶養手当を受給している方に、障害者手帳や療育手帳が交付された場合は、公的年金の受給資格が発生する可能性があります。また、児童扶養手当を受給している方が公的年金を受給できるようになったときは、児童扶養手当の金額を再計算する必要があります。

また、扶養児童に、障害者手帳や療育手帳が交付された場合は、児童扶養手当の支給期間が、延長される場合があります。必要な書類は以下の通りです。
:公的年金給付等受給証明書

その他諸問題

認知児童の問題

従来、児童扶養手当では、私生児出産による子どもを支給の対象にしていましたが、子どもが父親に認知された場合は、児童扶養手当の対象とはならないと、児童扶養手当法施行令に定めがありました。しかし、その子どもが認知されていても、いままで、子どもが父親の養育を受けていないことは変わりがありません。

認知のしている、していないで、子どもの取り扱を差別するのは憲法違反ではないかと、認知された子どもの母親が、児童扶養手当を受給できるように求める行動がありました。そこで、政府は1998年に子どもが父に認知されている場合でも、児童扶養手当が支給できるよう政令を改正してあります。

父子家庭の問題

2010年7月までは、父子家庭において、児童扶養手当を受給することができませんでした。しかし、父子家庭であっても、現実には経済的に困っている家庭は少なくないわけではありません。にもかかわらず、児童扶養手当の受給は認められてはいませんでした。逆に、父子家庭に対しては、収入を増やせないのかとの、世間的な批判を受けるということが多かったのです。

政府は、このような問題こそが、男性差別ではないかとの批判を受け、2010年5月26日、父子家庭でも児童扶養手当を受給できるように、改正児童扶養手当法が成立し、8月1日から施行されています。

不正受給問題

このように。児童扶養手当の受給に関しても、不正受給の話は良く聞くことではないかと思われます。受給者の収入が増えてしまうと、手当が減ってしまいますので、例えば、本当は養育費を毎月もらっているけれど内緒にしよう、という考えがあります。申請時に過少申告しても、役所の担当者は通帳の中までは調べる権限がありませんから、どうせバレない、と思ってしまうのでしょう。

このように虚偽申告は、もし発覚すれば、過去にまでさかのぼって手当を返還しなければないませんし、場合によっては罰金刑を受ける可能性も考えられます。

また、役所の係員は、受給者の通帳を調べる権限はありませんが、調査を目的にいろいろ調べられる可能性はあると推測できます。

養育費の他にも、児童扶養手当の受給を目的とした偽装離婚や、事実婚を隠す方法もあると思われます。

実家に住んでいる場合

児童扶養手当は、実家に親と同居している場合は、なかなか支給認定が下りないという話も良く聞きます。
同じ住所でも世帯を分離することは可能なのですが、手当をもらえない理由として、例え住民票上で世帯分離しても、親や兄弟のお金で生計を立てていることは否定できない、というらしいです。

たしかに、世帯は別々でも、二世帯住宅ということで、完全に家が分離していればまだいいのかもしれませんが、玄関がひとつ、洗濯機や冷蔵庫、レンジ、お風呂、トイレなど共同で使う部分には、多少なりとも、自分の収入以外のお金が使われていることになっていると考えられます。

児童扶養手当を申請する際にも、同居家族の収入も審査の対象になるということがあるようです。

しかし、これは役所によってばらつきがあるといわれています。そもそも、児童扶養手当の所得制限は、その世帯全員の収入の合計で算出されるわけではありません。その世帯のひとりひとりの収入を見て、ひとりでも所得制限を超えていれば、支給はされないのです。ですから、皆がみんな受給できないということはないらしいのです。

しかし、役所も予算が厳しいのか、ひとつでも何か足がかりが見つかると、そこを徹底的に追求してくるという話です。電気量のメーターが同じ、水道メーターが同じ、ガスメーターが同じ、この3セットが出てくると、そのお金は誰が払ているのか、と聞いてきそうです。例え、親と按分しているといっても証拠がありません。そうなると、おそらく支給はされないのかも知れません。

親が年金暮らし

では、例えば、年金暮らしの両親と同居した場合、児童扶養手当の受給は可能なのでしょうか。

そもぞも、児童扶養手当の受給に関して問題なのは、児童の扶養義務者の年収が一定以内であれば問題なく支給されると思われます。子どもがひとりなら、扶養義務者の所得制限は274万円未満であることが条件となっていますので、親の年金額がその金額を超えていなければ、支給されると考えられます。

児童扶養手当額の算出方法│大津市ホームページ
参照元:大津市ホームページ(2015年11月、著者調べ)

離婚した場合の支給日

両親が離婚して、母親が子どもを引き取ると、俗にシングルマザーと呼ばれるようになりました。しかし、離婚届を出したときに児童扶養手当の申請手続きはできるのでしょうか。書類一式そろえなければ、申請は無理ですので、離婚届と同時に、ということは難しいにしても、一刻も早く申請するには事前の準備次第ということになるかと思われます。

児童扶養手当の支給を審査するのは、各地方自治体ですから、必要な書類も多少違ってくるかもしれませんので、離婚を決めたら自分の住民票のある役所に、電話で確認することをお勧めします。必要な書類は、前の項目でご紹介していますが、もう一度おさらいをしてみましょう。以下の書類になります。

・子どもの戸籍謄本
・自分を含めた全員が記載されている住民票
・自分の預金通帳と銀行印
・自分の年金手帳
・その他書類(役所にあります)
・実家で暮らす場合は、全員の前年度の所得証明

以上ですから、忙しいかもしれませんが、離婚届と同時に児童扶養手当の申請はできそうですね。では、できるだけ早く申請したい方に、その手順をご紹介します。

基本的に、児童扶養手当の計算は、申請した翌月からになりますので、例えば1日に申請しても月末に申請しても、計算されるのは同じ翌月からになります。よって、月末近くに申請する場合は、書類の不備がないように注意が必要です。

離婚して一番時間がかかりそうなのが、子どもの改性手続きかもしれません。離婚する際に、子どもの名字が父親の戸籍にある場合は、子の氏の変更許可を裁判所に申立てる必要があるのです。しかし、離婚届を出す前なら、裁判所の申請はしなくても、役所の市民課で籍を入れ替えればいいだけですから、離婚届けを出す直前に、籍を入れ替えれば簡単です。

もし、離婚届を出してしまったら、裁判所に申立てをする以外方法はありません。必要な費用や書類を以下に紹介します。

・費用
:収入印紙800円/子
1人なら800円、2人なら800×2ということです。
:郵券数枚
裁判所では郵便切手のことを郵券と呼んでいます。必要な枚数は、連絡用の封筒に貼るものですから、そんなには必要はないと思われます。82円切手数枚というところでしょう。裁判所に確認することをお勧めします。

・必要書類
:申立書
インターネットでダウンロードできますし、裁判所に行けばもらえます。子どもが15歳未満と15歳以上に分かれています。
:子どもの戸籍謄本
:父、母の戸籍謄本

これを用意して申立てるだけです。審理が始まって決定されるまで10日以上はみておいた方がいいかもしれません。詳しい日数は裁判所に聞くことをお勧めします。裁判所から許可決定がきましたら、その審判書謄本を見せれば、戸籍の移動ができるようになります。

もし、月末が近いのであれば、離婚届受理証明書を添えれば裁判所の決定を待たずとも、児童扶養手当の申請ができることもあります。離婚届受理証明書とは役所が発行する公文書で、手数料が300円程度だと思います。しかし、この証明書は離婚届を片一方が提出してしまうと、出した本人はもらえず、相手方へ郵送されるということですので、4、5日はかかりそうです。

ですから離婚届は2人で出せば、その場で発行できますので、どうしても急ぎたいのなら2人で離婚届を出しましょう。

これで先ほどの書類を、離婚届と同時に出してしまえば、児童扶養手当の申請が即日完了ということになりそうです。

手当の計算は翌月からにはなりますが、実際支給されるのは年に3回ですから、これもおさらいしましょう。

・12月から3月分は4月に振り込み
・4月から7月分は8月に振り込み
・8月から11月分は12月に振り込み

となっています。

裁判所|子の氏の変更許可
参照元:裁判所(2015年11月、著者調べ)

最後に寄せて

いかがでしたでしょうか。

以上が児童扶養手当に関することです。離婚は当事者間の問題ですが、被害に合うのはいつも子どもです。お金がなければ生活はできませんが、子どもが負った悲しみはお金では解決できないものです。児童扶養手当の申請も大事ですが、子どもの心のケアも忘れず頑張ってください。

※本記事は一般的な情報に過ぎず、適用法令等の改正、前提事実や個人状況の違いおよび変化によって、掲載内容と実際の結果が異なってしまう可能性があります。従って本記事の掲載内容については一切の責任を負いかねますので、内容の解釈や実践はご自身の責任で行い、専門家に相談されることを推奨いたします。