【扶養控除申告書記入例】超カンタン!誰でも分かる年末調整

平成28年分から変更された「扶養控除申告書記入例」、ちょっと難しいかもと思っている方へ朗報です。平成27年分と変わったところはマイナンバーの欄が増えただけです。といってもやはり迷いますよね。1年に1回しか書かない書類ですから10年勤続しても10回しか書いてないのです。事務担当者なら毎度おなじみの、という感覚でしょうが社員にとっては敷居が高いと感じてしまいます。誰でも分かるようにご説明しましょう。



扶養控除申告書記入例:1段目

給与所得者の扶養控除等(異動)申告書は大きく分けて4段で構成されており、それぞれ太枠で段ごとに区分けされています。1段目は主に会社や社員の情報を書くようにそれぞれ欄が設けてあります。その欄ごとに1つずつ記入していきましょう。

※今回は「平成28年分」の申告書を書くものとして説明をしていきます。

平成28年分 給与所得者の扶養控除等(異動)申告書
参照元:国税庁(2016年1月、著者調べ)

所轄税務署長等

ここには会社の住所を管轄している税務署名を書きます。会社によっては既に記入されていることもあり、その場合は書く必要はありません。なお間違って申告者の住所を管轄している税務署名を書かないように注意しましょう。

もし税務署名が分からなければ何も書かなくても良いです。実際この「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」を税務署に提出することはありません。会社側が保管しておくだけですのであまり重要な欄ではないでしょう。

市区町村長

ここには申告者の住民票をおいてある市区長村名を書きます。この欄は住民税をどこで課税するかの資料となりますが、この欄が空白でも問題はありません。会社の担当者はこの申告書とは別の書類を申告者の市区町村へ提出するため、あまり重要な欄ではないといえます。

給与の支払者の名称(氏名)

給与の支払者はもちろん会社ですから、会社名を書きますが既に会社側で記入してあることが多いかも知れません。もし空欄になっていれば会社名を正しく書くようにします。(株)や(有)のように省略せず「株式会社」や「有限会社」と書きましょう。

会社によっては「何も書かなくて良いですよ」と事務担当者からいわれるかも知れませんので、申告者はその指示にしたがえば良いでしょう。

給与の支払者の法人(個人)番号

これは法人のマイナンバーですが、申告者は会社のマイナンバーを知っていることはないでしょう。しかもこの欄は会社側か書くように指導されていますので、申告者は書く必要はありません。というか書いてはいけません。

給与の支払者の所在地(住所)

申告者の勤務場所が本社や支社、事業所や営業所などありますのでどの住所を書けば良いのか悩んでしまうところですが本社の住所を書きます。ただし支社が独立採算で事業を行っている場合もありますので、担当事務員に訊くのが一番良いですね。

この欄も既に記入されていれば何も書く必要はありませんし、良く分からなかったらそのまま空欄でも構いません。この申告書は会社保管で実際に税務署へ提出することはないでしょう。

あなたの氏名(フリガナ)

「あなた」とは申告書を提出する人のことですので申告者本人の名前を書きます。「フリガナ」は「ふりがな」とは違いますので「カタカナ」で書きましょう。

「印」は認め印で構いませんが、スタンプ式のゴム印(シャチハタなど)はやめておいた方が無難です。実際にどこにも提出する書類ではありませんが、税務上処理するための正式な書類ですからゴム印では少々問題があるでしょう。

また印を押した勢いでで申告書の右上の「扶」の下に「給与の支払者受付印」のところに印鑑を押さないようにしてください。「印」の字ばかりが目に入って印鑑をついてしまう場合も多いようです。この「印」は会社の印鑑をつきますので気をつけましょう。

あなたの個人番号

これは申告者のマイナンバーを書きますが、会社の事務担当者から書かないようにとの指示があれば書かないようにしましょう。とくに何も指示がなければ書いても問題はないでしょう。

あなたの住所又は居所

この住所は翌年1月1日時点での住民票のある住所を書くのが基本です。翌年の住民税をどこの市区町村で課税するかにかかわる重要な情報です。もし住民票を近いうちに異動する予定なら現住所でも構いませんが、その際は申告書と一緒に住民票のある住所のメモも添付すると良いですね。

生年月日、世帯主、続柄

生年月日は問題ないですね。「世帯主の氏名」は住民票を取得すれば書いてありますが、選挙の投票用紙を送ってくる場合の宛名が世帯主です。夫婦だけ、または夫婦と子どもという家族なら扶養者が世帯主となっている可能性が高いです。親と夫婦と子どもという家族は親が世帯主になっている場合や夫婦のどちらかが世帯主となっていることもありますので、正確に書くには住民票を取得すれば間違いありません。

しかしたとえ間違えて書いたとしても所得控除や住民税の課税には問題になりませんので、扶養者の名前を書いておけば無難かも知れません。

「あなたとの続柄」は世帯主と申告者との関係を書きます。申告者か世帯主なら「本人」、申告者が妻で世帯主が夫なら「夫」、世帯主が親なら「父」や「母」と書きましょう。

配偶者の有無

申告者に配偶者がいれば「有」、いなければ「無」に「〇」すれば良いだけですから難しいことはありませんね。

従たる給与についての扶養控除等申告書の提出

この欄は申告者がWワークしている場合で、本業の会社の申告書で扶養親族が多く所得控除を使い切れなかった場合に「〇」をつけ、Wワークしている会社の申告書に扶養親族を書き込むときに必要な欄です。通常Wワークしている方は確定申告しますので空欄のままで良いですね。間違って「x」と書かないように気をつけましょう。



扶養控除申告書記入例:2段目①

控除対象配偶者

区分Aに書く配偶者は配偶者控除対象になる場合は書きますが、配偶者の収入が141万円以上の場合は何も控除されませんのでその場合は書く必要はありません。年収がどのくらいあったのか良く分からない場合は書いておけば控除を受けることができるかも知れません。

「氏名及び個人番号」、「生年月日」は普通に書けば良いですね。その隣の「老人控除対象配偶者又は扶養親族」が空欄になっていますが、(昭22.1.1以降生)と書いてありますね。これは配偶者の生年月日のことを指していますので、該当すれば「〇」です。

「住所又は居所」は申告者と同じであれば「同上」、違っていればその住所を書きます。

「平成28年中の所得の見込額」は年収ではなく、年収が162万5,000円以下となることが見込めるならその年収から65万円を差し引いた金額を書きます。例えば年収が100万円と見込んだなら65万円を差し引いて35万円と書きます。

「非居住者である親族」は配偶者が日本に住んでいない場合のみ「〇」で、別居で仕送りしている場合は「生計を一にする事実」に仕送りの年額を書きます。

No.1191 配偶者控除|所得税|国税庁
参照元:国税庁(2016年1月、著者調べ)

対象扶養親族

区分Bには16歳以上とカッコ書きしてあり(平13.1.1以前生)とありますので、扶養親族に年収103万円以下の家族、例えば子どもがいる場合名前と個人番号を書きます。「続柄」は申告者から見て。子どもなら「子」や複数いれば「長男」「次男」、「長女」「次女」と書けば良いです。

「生年月日」は良いとしてその隣の「老人控除対象配偶者又は扶養親族」は年齢が70歳以上の場合かきますので70歳未満であれば何も「〇」しないでください。「特定扶養親族」の欄は年齢が19歳以上23歳未満の扶養親族、例えば子どもがいる場合「〇」します。カッコして対象となる人の生年月日が書いてありますね。それを見ると一目瞭然でしょう。

「住所又は居所」は配偶者と同じように「同上」や別居の場合はその住所を記入します。

「平成28年中の所得の見込額」は年収ではなく、年収が162万5,000円以下となることが見込めるならその年収から65万円を差し引いた金額を書きます。例えば年収が100万円と見込んだなら65万円を差し引いて35万円と書きます。収入がなければ「0」と書きましょう。

「非居住者である親族」の欄は日本に住んでいない場合のみ「〇」で、別居で仕送りしている場合は「生計を一にする事実」に仕送りの年額を書きます。

No.1180 扶養控除|所得税|国税庁
参照元:国税庁(2016年1月、著者調べ)

同居している親や祖父母

年齢が70歳以上の同居している親や祖父母は扶養親族に該当すれば、区分Bに氏名や個人番号、続柄、生年月日を順番に書いていけば良いですね。「続柄」は申告者本人から見た場合ですので「父」「母」や「祖父」「祖母」と書きます。生年月日の右隣に「同居老親等」と「その他」とありますが、同居していますので「同居老親等」を大きく「〇」で囲みます。

あと書くところは住所や平成28年度中に見込まれる所得金額ですが、年金受給していれば年金の額から120万円を差し引いた金額を書きましょう。

高齢者と税(年金と税)|税について調べる|国税庁
参照元:国税庁(2016年1月、著者調べ)

同居しているその他の親族

親族でも年齢が70歳以上で扶養親族に該当する場合は、控除対象となりますので「続柄」には例えば「伯父」や「伯母」などと書きます。「同居老親等」と「その他」については「その他」に「〇」です。平成28年度中に見込まれる所得金額は年金受給していれば年金の額から120万円を差し引いた金額を書きましょう。

同居していない親やその他の親族

年齢が70歳以上で扶養親族に該当する場合は、申告者本人の親や祖父母以外でも控除対象となりますので、「続柄」には例えば「伯父」や「伯母」などと書きます。「同居老親等」と「その他」については同居していませんので「その他」に「〇」です。あと記入するところは、「生計を一にする事実」の欄に仕送りの年額を記入しましょう。

特定扶養親族

誕生日が平成6年1月2日から平成10年1月1日の扶養親族、例えば子どもがある場合は「特定扶養親族」の欄に「〇」を書きます。住所や収入の見込金額の書き方は他の扶養親族と同じように書きます。別居していている場合は仕送りしていなければなりませんので「生計を一にする事実」には仕送りの年額を書きましょう。

控除申告書記入例:2段目②

障害者

申告者本人が障害者の場合は、区分Cの「1、障害者」の本人のところに「〇」です。配偶者が障害者の場合は「1、障害者」の控除対象配偶者のところへ「〇」します。障害の程度によって「一般の障害者」と「特別障害者」に分かれますので、それぞれ該当するところで「〇」します。また配偶者が特別障害者で申告者と同居している場合は「同居特別障害者」へ「〇」します。

他の扶養親族に障害者がいる場合は、「一般の障害者」と「特別障害者」、「同居特別障害者」の該当するところへ「〇」し人数を書きましょう。

No.1160 障害者控除|所得税|国税庁
参照元:国税庁(2016年1月、著者調べ)

寡婦(夫)

申告者本人が寡婦(夫)の場合は「2、寡婦」または「3、特別の寡婦」及び「4、寡夫」の数字に「〇」します。シングルマザーは本人が該当するのに「〇」していないケースもありますので注意しましょう。以下に寡婦の条件をご紹介しますので参照ください。

寡婦の条件
(1) 夫と死別し、若しくは離婚した後婚姻をしていない人、又は夫の生死が明らかでない一定の人で、扶養親族がいる人又は生計を一にする子がいる人です。この場合の子は、総所得金額等が38万円以下で、他の人の控除対象配偶者や扶養親族となっていない人に限られます。
(2) 夫と死別した後婚姻をしていない人又は夫の生死が明らかでない一定の人で、合計所得金額が500万円以下の人です。この場合は、扶養親族などの要件はありません。

出典:

www.nta.go.jp

特定の寡婦
寡婦に該当する方が次の要件のすべてを満たすときは、特定の寡婦に該当し、寡婦控除の額を27万円に8万円を加算した35万円とする特例があります。

(1) 夫と死別し又は離婚した後婚姻をしていない人や夫の生死が明らかでない一定の人
(2) 扶養親族である子がいる人
(3) 合計所得金額が500万円以下であること。

出典:

www.nta.go.jp

No.1170 寡婦控除|所得税|国税庁
参照元:国税庁(2016年1月、著者調べ)

No.1172 寡夫控除|所得税|国税庁
参照元:国税庁(2016年1月、著者調べ)

勤労学生

年齢に関係なく学生で働いている場合、学校側の証明書が必要になりますが年間収入が130万円以下であれば働いている本人に所得税はかかりません。「5、勤労学生」の数字に「〇」します。しかし年収130万円は扶養親族にはなりませんので申告者は所得控除を受けることはできないでしょう。

No.1175 勤労学生控除|所得税|国税庁
参照元:国税庁(2016年1月、著者調べ)



控除申告書記入例:3段目

「他の所得者が控除を受ける扶養親族等」の欄は夫婦共働きで扶養親族がいる場合に、夫の扶養につけるか妻の扶養につけるかというときに書きます。妻の年収が103万円を超えると所得税が発生しますので、その場合子ども1人を妻の扶養親族にする方法もありますが控除額が38万円ですから、年収が141万円以上なら1人は妻の扶養親族にしても良いといえます。

・年収141万円-給与所得控除65万円-基礎控除38万円-扶養控除38万円=0円

以上の計算から妻の所得税はゼロとなることが期待できます。年収が120万円だと控除しきれずもったいないことになります。

・年収120万円-給与所得控除65万円-基礎控除38万円-扶養控除38万円=-21万円

この余った21万円の使い道が他にありませんので、夫の扶養親族に入れた方が良いでしょう。

No.1410 給与所得控除|税について調べる|国税庁
参照元:国税庁(2016年1月、著者調べ)

No.1199 基礎控除|所得税|国税庁
参照元:国税庁(2016年1月、著者調べ)

No.1180 扶養控除|所得税|国税庁
参照元:国税庁(2016年1月、著者調べ)

控除申告書記入例:4段目

この欄は16歳未満の扶養親族がいる場合に書きます。所得税とは関係ありませんが住民税の申告も兼ねていますので、該当するなら氏名から順番に書きましょう。書き方は今までの扶養親族と変わりません。ただ扶養親族が日本国外にいる場合は「控除対象外国外扶養親族」の欄に「〇」します。

No.2662 年末調整のしかた|源泉所得税|国税庁
参照元:国税庁(2016年1月、著者調べ)

まとめ

いかがでしたでしょうか。以上が「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」の書き方です。ゆっくり落ち着いてやれば誰でも簡単に書くことができるでしょう。書く際のポイントは年齢の確認と所得金額です。これをきっちり押さえておけば後は「〇」をし忘れなければ年末調整は間違いなくできると思います。