[相続廃除]財産を渡したくない、もらいたくないの手続き方法

妻と3人の息子がいる幸せそうな家族ですが、3人の息子のうち1人がどうしようもない親不孝者で絶対に財産を渡したくない!!と思った時に一人だけ相続させない方法はあるのでしょうか?財産を渡したくない相続廃除の方法、財産をもらいたくない相続放棄についてご紹介したいと思います。



相続の廃除とはどんな時に出来る?

廃除の対象となる人はこんな人

家族に暴力をふるったり、身内のお金を盗んだりする息子には絶対に自分の財産を分けたらいい使い方をされないから絶対に分けたくない、こんな場合はどうしたらいいのでしょうか?

遺言で財産を渡さないようにしても、子供には遺留分という民法の制度があります。つまり相続分を完全にゼロにすることにはできません。このようなときは、まず家庭裁判所に相続人の廃除の申し立てをして、相続人の相続権を奪うことができます。

廃除の対象となるのは相続人で
・亡くなった人を虐待していた
・亡くなった人に対する重大な侮辱
・その他の著しい非行

といった理由があげられます。相続の権利を奪ってしまうので、ただ単に性格が悪い、ケチだから、働かないから、などといったような理由では相続人の廃除はできません。

相続仙台どっとこむ|相続人の廃除
参照元:相続仙台どっとこむ(2016年1月時点、著者調べ)

廃除する際の手続きステップは5つ!!

相続廃除には次のような手順を踏んで手続きをします。

1.家庭裁判所に推定相続人廃除申立書を提出します
2.関係者から事情を聴いたり、事実関係を調査をします。
3.相続の廃除について当事者の間で合意ができるように話し合いを進めます。
4話し合いでも二人の間で合意できない場合は家庭裁判所が判断を下します。
5.これらの手続きを踏まえて相続廃除の許可が下りると、推定相続人廃除届を市区町村へ届を出します。

この5ステップを踏んで初めて相続人から外れることになるのです。

推定相続人を廃除するにはどのような手続をとればよいか? | 遺産相続・遺言作成ネット相談室
参照元:東京 多摩 立川の弁護士 LSC綜合法律事務所(2016年1月時点、著者調べ)

推定相続人廃除届
参照元;札幌市役所(2016年1月時点、著者調べ)

廃除をしたけれど、もう取り消しは効かない?

実際に廃除が認められるかどうかは家庭裁判所の判断によります。相続人の廃除が決定されたとしても、申請をした人はいつでも廃除を取り消すことができます。この場合も家庭裁判所への申し立てが必要ですが、なんとなくやさしさが伝わってくる気がしますよね。

どうしようもない子供で、自分が死んでお金や家を手に入れたらさらに何をしでかすかわからないので財産は分けたくないので相続の廃除の申し立てをしてみたけれども、自分の子はやはりかわいいもので学校をやめようが、大人になってもお酒におぼれてて働かないけれども少しはいいところがあるから取り消しはできますという制度なのですね。



自動的に相続人ではなくなる相続欠格

相続人の廃除は、亡くなった人(被相続人)の意思によって相続権を奪ってしまうということです。しかし自分でも有利になるように、他の相続人を殺めてしまう、被相続人にむりやり脅して遺言を書かせるような人は廃除をするまでもなく、自動的に相続権を失います。これを相続欠格といいます。

当たり前のことですが、相続欠格となるのは次の場合です。
・被相続人や相続人の順位が高い人を殺してしまった、または殺そうとして刑を受けた人
・被相続人が殺されたことを知りながら、それを告発しなかった人
・詐欺や脅迫をして被相続人の遺言や変更をするのを妨げた人
・被相続人の遺言を偽造、変造、破棄、隠ぺいをした人

これらに該当した人はなんの手続きも必要なく相続権を失います。当然のことといえばそうですね。

相続欠格事由(民法891条)について|松谷司法書士事務所
参照元:松谷司法書士事務所(2016年1月時点、著者調べ)

相続人からのお断り方法

先ほどは親から相続を断るケースをご紹介しましたが、反対のパターンもありますね。例えばいざ親が亡くなって相続をすると言うときに、財産を整理したら自分たちの知らない借金が山のようにあって返済が出来ない状況にあった、という場合はどうしたらよいのでしょうか?

相続をする場合は、預金や家や土地などのプラスの財産だけでなく、借金などのマイナスの財産の両方を受け継がなければなりません。つまりプラスの財産を超えるマイナスの財産がある場合は、残された家族がその財産を引き継がなければなりません。

断り方法には3パターンあります

相続の場合は、引き継ぐか引き継がないかは相続人たちの自由となっています。相続人には
①すべてを相続する方法(単純承認)
②条件付きで相続する方法(限定承認)
③相続をしない(相続の放棄)

といった3つのパターンから選ぶことができます。あまりにも借金が多くて家族が返していけない場合は③相続をしないというケースを選ぶのが賢明ですね。相続の放棄をするとプラスの財産もマイナスの財産も一切引き継がないことになります。

相続の放棄は相続があったことを知ってから3か月以内に手続きをする必要があります、何もしないでいると①の単純承認をしたことになってしまうので気をつけましょう。

裁判所|相続の放棄の申述
参照元:裁判所(2016年1月時点、著者調べ)



まとめ

今回は相続をさせたくない人、したくない人をまとめてみました。親からしたら子供はとてもかわいいもの、だからこそお金を渡すと子供の人生にとってよくないという理由があれば、相続の廃除をすることができます。ただ単にお金の使い道が下手だとか、ギャンブルに使ってしまうからという理由ではできませんので、きちんとした理由が必要になってきます。

反対に、親が亡くなった時に借金まみれで子供が相続をしたくない場合もありましたね。相続となるとたくさんの財産が舞い込んでくるような話で自分には関係がないと思っている方も多いでしょうが、例えば自分で車やマンションのローンを組んでいる場合や、その他の借金が残されているケースも意外とあります。

それぞれに相続をする側、受ける側にとってNOという理由はあると思いますが意思だけではなく、遺言書で残す方法や裁判所で所定の手続きをした上でのNOとなりますので、しっかりと準備をしましょう。