《50代の2人世帯》平均貯金額はいくら?状況を知って備えたい!

50代ともなると老後も目前。子供たちも自立し、いよいよ自分たちの老後に備えた準備をする時期になります。ここでは、気になる50代2人世帯の平均貯蓄額などを概観してから、必要な貯蓄額に向けた準備方法などをお伝えします!



50代2人以上世帯の貯蓄額平均は?

2015年12月16日、総務省統計局より「平成26年全国消費実態調査」が公表されました。これには、世帯の家計収支及び貯蓄・負債に関する結果が含まれていて、年齢別・年収別の分析が行われています。

この調査によると、2人世帯限定の数値は分からないものの、50代2人以上の世帯の貯蓄高平均は1,592万円、平均年収は848万円となっています。

この数字を見ると、「みんな持ってるんだなー」と思うでしょうか?この平均値は、貯蓄を持っていない世帯も含むため、持っている人はもっと持っています。年収1,500万円以上の世帯になると、なんと3,948万円の平均貯蓄額となっています。

持ち家比率は85%にも上りますが、その場合には負債残高もチェックが必要です。

50代の平均負債高のうち多くが住宅・土地のための負債、すなわち住宅ローンを占めていて、その残高は506万円となっています。

ということは、正味で1,000万円と考えていいのではないでしょうか。

統計局ホームページ/平成26年全国消費実態調査 結果の概要
参照元:総務省統計局(2016年1月時点、筆者調べ)



貯蓄無し世帯もこんなにいる?

このように平均だけでは十分な貯蓄があるように見える50代でも、統計を丹念に見ていくと別の一面も見えてきます。

先ほどは貯蓄残高の多いほうの人たちを見てきましたが、今度は反対側の端にいる人たちを見てみましょう。

金融広報中央委員会が毎年公表する家計の金融行動に関する世論調査の平成27年度調査結果を見ますと、29.1%の人が金融資産がない、と回答しています。本調査では、50代2人以上世帯の金融資産の平均値は1,325万円、中央値が501万円となっています。

中央値とは、データを大きい順または小さい順に並べた時に中央にくる値のことで、極端な数値がある場合に平均値は実感から遠いものとなるのに対し、より中央値のほうが納得感のある値となる場合が多くあります。一人の優等生のせいで、テストの平均点が著しく高くなるというのを思い出しましょう。

ですから、1,325万円と言われるより501万円と言われるほうが、「そうだよねぇ」と思う方が多いのではないでしょうか。

この調査では、総務省の調査と異なり「金融資産」という用語を用い、『(省略)運用の為または将来に備えて蓄えている部分とする。ただし、(省略)現金、預貯金で日常的な出し入れ・引き落としに備えている部分は除く』としています。このため、全く預貯金がないという意味ではないと言えるでしょう。

そうは言っても、十分な預貯金がないとやはり老後や、病気などのいざという時が心配になります。

家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査] 平成27年調査結果 : 知るぽると
参照元:金融広報中央委員会(2016年1月時点、筆者調べ)

人生最後の貯め時を無駄にしない!

さきほど紹介しました金融広報中央委員会の調査では、金融資産の保有目的についても調査されています。これによると、50代で最も多い理由はやはり、「老後の生活資金」で69.2%となっており、次に多いのが「病気や不時の災害への備え」61.9%となっています。

公的年金だけで老後の生活を賄える時代は終わり、また不測の事態に備えた資金の確保というのはいつの時代にもどの世代にも変わらない必要性があると言えるでしょう。そうなると、現在金融資産がないというのは崖っぷちにいるような状況と言えるのではないでしょうか。

50代2人世帯というのは、子無し世帯かすでに子どもが独立した世帯。ここから定年までは、人生に三度あると言われる貯め時の最後のチャンス。しかも、50代は年収がどの世代よりも高い時。定年までを見据えてしっかりと貯蓄計画を練らなくてはなりません。



どうやって準備するか

最近巷で言われている老後の必要資金は、3,000万円前後が一番多いのではないでしょうか。実際それほどの貯蓄が必要なのかどうかは別として(下記関連記事内で書いていますので、ぜひ見てくださいね!)、一つの目安としてこの金額を貯めることを想定してみましょう。
▼関連記事▼ 定年後は夫婦水入らずで自分たちらしい暮らしを楽しみたい。でもそのためにはいくら必要なのでしょうか。年金はどのぐらいもらえるのでしょうか。漠然としているこれらの疑問をここで整理して、理想の老後に向けて着実に準備を進めて行きましょう。

すでに平均ほどの貯蓄のある方は…

すでに平均値ほどの貯蓄がある方は、かなりいい線にいると言えるでしょう。ある程度まとまった退職金が期待できるのであれば、さらに余裕が出来ます。

厚生労働省の調査によれば、2012年の定年による退職金の平均額は大学卒で1,941万円(勤続20年以上かつ45歳以上)となっています。この金額が想定できるなら、現在の正味1,000万円と合わせて3,000万円前後の貯蓄が達成できます。

それなら定年まで全く貯蓄が必要ない?

いえいえ、退職金の支給額は年々減少傾向にありますし、あるだけ使ってしまうという生活習慣は年金で生活を始めるようになった時に破綻するリスクを高めます。

そうならないように、50代の頃から支出をコントロールする生活習慣を身につけておきましょう。

結果の概要(5 退職給付(一時金・年金)の支給実態)|平成25年就労条件総合調査結果の概況|厚生労働省
参照元:厚生労働省(2016年1月時点、筆者調べ)

まったく平均には届かない…という方は

平均なんてはるか彼方…というあなたには、50代で3,000万円貯めるというのは途方もないことです。下手にリスクを取って投資をし、なけなしのお金も無くしてしまっては意味がありません。

まずは、現実的に自分がもらえる年金額と定年後の生活を想定した生活費を計算してみましょう。こちらも先述の関連記事「定年後の生活費はいくら?」でその数字の出し方を書いていますので、ぜひ見てくださいね。

そして、必要額が算出できたら定年までの月数で割って毎月の貯蓄額を出してみましょう。

これまで十分な貯蓄が出来なかった理由が、収入が不十分で生活が苦しかったのか、家族が多くて出費がかさんだのか、それとも楽しい毎日ですべてを使ってしまったのか、によっても今後の生活の仕方が変わってくるでしょう。この機会に改めて自分自身のライフスタイルと向きあってみるのもいいのではないでしょうか。

上で計算した貯蓄額自体が現実的でない場合、当面の目標として1,000万円というのはどうでしょうか?

中央値の500万円+平均介護費用500万円を足した金額です。豊かな老後生活は難しいとしても、いざという時の備えはしておきたいものです。

アップインには、老後資金の準備について書かれた記事がたくさんありますので、そちらも参考にしてみてくださいね。

介護にはどれくらいの年数がかかる?|公益財団法人 生命保険文化センター
参照元:生命保険文化センター(2016年1月時点、筆者調べ)

最後に

貯蓄を増やすには、収入を増やすか支出を減らすかしか方法はありません。50代になると、これまでの貯蓄をリスクを取ってもっと増やそうとするよりも、減らさないことのほうが大事になってきます。

ですから、投資経験のない人にここで投資を勉強しようとはあまり勧めたくはありません。逆に、20代の頃から投資に親しんできた人ならば、50代ともなると数多の(痛い)経験があるはず。その経験を生かして長期的な投資をする最後のチャンスとも言えるでしょう。

また、人生90年時代ともなり定年後も長い生活が待っています。悠々自適も何日かすると案外飽きてしまうかもしれません。人に必要とされてこそ生きる目的を感じられるのが人間らしいところ。ですから、現役時代とはまた違う仕事生活を楽しんでみるのも、安定した収入と安定した心の状態の確保には有益ではないでしょうか。

この機会に、自分の後半生についてじっくり考えてみませんか。