贈与税の申告でもう迷わない!お得な控除制度必要書類まとめ

家族から財産をもらったり、土地ををもらったりした場合は贈与税が発生する場合があります。そこでこの記事では贈与税の申告方法や申告期限、気になる相続との関係について、わかりやすくまとめました。自分には関係ないと思っていても、贈与税を払う必要が今後出てくるかもしれません。ぜひ参考にしてください。



贈与税の申告対象は?

いくらから申告が必要?

財産を贈与された場合に、いくら以上から贈与税の申告が必要になるのでしょうか?贈与税には110万円の基礎控除額があるため、1年間にもらった財産の合計額がこの基礎控除額以下であれば申告も不要です。逆に、1年間にもらった財産額が110万円以上ならば申告が必要です。

No.4408 贈与税の計算と税率(暦年課税)|贈与税|国税庁
参照元:国税庁(2016年1月時点、著者調べ)

贈与税について

贈与税は、1/1-12/31の間にもらった財産の合計額から基礎控除額となる110万円を引いた額が課税対象になります。課税される税率は、贈与された財産の額によって変わってきます。財産額が大きくなればなるほど税率が上がり、最大で55%もの贈与税がかかることになります。

ただ、贈与税には特別控除制度が設けられているため、基礎控除額以外にも控除されるケースがあります。その例が、配偶者控除と住宅取得資金の贈与税の非課税制度です。

【配偶者控除】
配偶者控除とは、婚姻してから20年以上経過している夫婦間で居住用不動産、または居住用不動産を買うための資金が贈与された場合に、基礎控除額に加えて2,000万円までが贈与税から控除される制度です。この制度は一生のうち一度しか利用できませんが、利用する場合には必ず贈与税の申告が必要です。

【住宅取得資金の贈与税の非課税制度】
直系尊属(父母、または祖父母)から、家を建てるか買うかするための資金を贈与してもらった場合に、一定の金額まで控除する制度です。注意が必要なのは以下の3点です。

・住宅取得費用でも、借入金の返済に充てた場合には適用されない
・受贈者が贈与を受けた年の1/1時点で20歳以上である
・受贈者が贈与を受けた年の年収が2,000万円以下である

No.4408 贈与税の計算と税率(暦年課税)|贈与税|国税庁
参照元:国税庁(2016年1月時点、著者調べ)

No.4452 夫婦の間で居住用の不動産を贈与したときの配偶者控除|贈与税|国税庁
参照元:国税庁(2016年1月時点、著者調べ)

No.4508 直系尊属から住宅取得等資金の贈与を受けた場合の非課税|贈与税|国税庁
参照元:国税庁(2016年1月時点、著者調べ)

税額0でも申告が必要なもの

基本的に、贈与税はもらった財産の金額が基礎控除額以下であれば申告も不要なのですが、例外もあります。それが、配偶者控除や住宅取得資金の贈与税の非課税制度などの特別な控除制度を利用する場合です。これらの場合には、申告書を作成した上で特別控除を利用する記載をし、申告書を税務署に提出しなければなりません。

平成27年分贈与税の申告書等の様式一覧|申告・納税手続|国税庁
参照元:国税庁(2016年1月時点、著者調べ)



申告に必要な書類

贈与税は税務署に申告しますが、申告書類一式は税務署で入手できます。配偶者控除など、なんらかの控除制度を利用する場合には制度によって必要な添付書類が変わってきます。よくある申請に関して、必要書類をまとめました。

配偶者控除を利用する際の必要書類

・受贈者の戸籍謄本、または戸籍抄本
・受贈者の戸籍附票の写し
・控除対象となる不動産の登記事項証明書
・受贈者の住民票の写し

【事例3】贈与税の配偶者控除の特例(暦年課税)を適用する場合
参照元:国税庁(2016年1月時点、著者調べ)

No.4408 贈与税の計算と税率(暦年課税)|贈与税|国税庁
参照元:国税庁(2016年1月時点、著者調べ)

住宅取得資金の非課税制度の場合

住宅取得資金の贈与税の非課税制度には以下の書類が必要です。結構多いように感じますが、手続きには必要なものですので、面倒と思わずに準備しておきましょう。

・受贈者の戸籍謄本
・受贈者の住民票の写し
・源泉徴収票など、所得が明らかになる書類
・住宅の新築に係る工事請負契約書・売買契約書の写し
・登記事項証明書

その他、申請の内容によって耐震基準適合証明書や住宅性能証明書、住宅用家屋証明書などの書類が必要になってきます。このように住宅取得資金の贈与税の非課税制度の場合に必要な書類はかなり複雑です。

1カ月と少ししかない贈与税申告期間内に準備していたのでは期限に間に合わない可能性もありますので、必ず事前に準備しておくことをお勧めします。また、税務署に提出する必要はありませんが、なんらかのトラブルを防止するためにも贈与契約の契約書は作成していたほうがいいでしょう。

【事例6】住宅取得等資金の非課税と住宅取得等資金の贈与を受けた場合の相続時精算課税選択の特例を 適用する場合
参照元:国税庁(2016年1月時点、著者調べ)

相続時精算課税を利用する場合

・受贈者や贈与者の戸籍の謄本又は抄本(推定相続人、または孫であることを証明するため)
・受贈者の戸籍の附票の写し(20歳に達する時以降の住所を証明するため)
・贈与者の住民票の写し
・贈与者の戸籍の附票の写し(贈与者が60歳に達した以降の住所を証明するため)

【事例4】相続時精算課税を適用する場合
参照元:国税庁(2016年1月時点、著者調べ)

申告方法は?自力でできる?

申告と納税の流れ

贈与税申告から納税の流れは以下の通りです。

1.税務署から申告書を取り寄せる(インターネットで申告する場合は不要)
2.申告に必要な書類を準備する(戸籍謄本や住民票など)
3.申告書を作成し、税務署へ提出
4.銀行やコンビニエンスストアなどで税金を支払う

手順としては難しいことはないのですが、税金なので正しく計算すること・添付書類を揃えることがポイントです。

[手続名]贈与税の申告手続|相続・贈与税関係|国税庁
参照元:国税庁(2016年1月時点、著者調べ)

自力での申告は大変?

贈与税の申告を税理士に依頼すると、当然ながら手数料が発生してきます。そのため、簡単なものであれば自分で申請してしまおうと考える人も多いかもしれません。基本的に、申告書を作成して添付書類を準備できれば自分でも申請はできます。

わからないことがあれば最寄りの税務署にいけば、詳しく相談に乗ってくれます。しかし、贈与税申告期間中は確定申告の期限とかぶっていることもあり、2月から3月にかけては税務署はかなり混雑します。もし自分で贈与税を申告しようと考えているのであれば、申告期間の前に申告書の準備に取り掛かることをお勧めします。

また、自分で申告する場合には平日税務署に行かなければなりません。申告書自体は郵便でも送付できますが、もしも不備があれば再度出向いたり必要な書類を準備して直したり、手間がかかります。負担が大きいと思う場合は、税理士などの専門家に依頼することも視野にいれておいたほうがいいかもしれません。

専門家に頼むといくらかかる?

贈与税の申告を税理士に依頼するといくらくらいかかるのでしょうか?税理士によってまちまちですが、暦年贈与の場合には数万円から受注してもらえそうです。また、贈与される財産の額や必要な書類などによっても手数料は変わってくるようです。

特に贈与される財産が不動産や有価証券など、金銭でない場合には料金を高く設定しているところが多いようです。詳しくは、税理士に相談してみるといいかもしれません。



贈与税の申告期限はいつ?

贈与税の申告期限

発生した贈与税は、申告期限内に国税庁に納めなければなりません。贈与税は、財産をもらった側の人が納める税金です。もらった年の翌年の2/1-3/15の間が申告期限となっています。

期限としては確定申告と同じタイミングとなりますが、申告書は確定申告の用紙とは別になっています。また最近ではインターネットからも申請の手続きができますが、贈与税の申請手続きは確定申告の手続きと同じサイトからできるようです。

平成27年分贈与税の申告書等の様式一覧|申告・納税手続|国税庁
参照元:国税庁(2016年1月時点、著者調べ)

No.4429 贈与税の申告と納税|贈与税|国税庁
参照元:国税庁(2016年1月時点、著者調べ)

申告期限を過ぎるとどうなる?

贈与税の申告をしないまま申告期限を過ぎてしまうと、無申告加算税がかかります。無申告加算税の税率は以下の通りです。

・申告期限後、自主的に申告書を提出した場合で、申告期限後1カ月以内:なし
・ 申告期限後、自主的に申告書を提出した場合で、申告期限後1カ月を過ぎている場合:税金総額の5%
・申告期限後、税務調査が入った後の申告書提出の場合:納付金額の50万円までは15%、それを超える場合は20%

例えば、100万円の贈与税が発生しているのに期限内に申告していなかった場合、自主的に申告した場合は5万円の無申告加算税となりますが、税務調査が入るまで申告していなかった場合には175,000円もの無申告加算税がかかることになります。かなりきついですよね。

さらに申告はしていても税金を期限内に納付していない場合には、延滞税がかかってきます。延滞税の計算については、国税庁のホームページに自動計算できるページがありますので、もし延滞税が気になる場合には参考にしてみてください。

延滞税の計算方法|延滞税の計算方法|国税庁
参照元:国税庁(2016年1月時点、著者調べ)

No.2024 確定申告を忘れたとき|所得税|国税庁
参照元:国税庁(2016年1月時点、著者調べ)

期限内に払えない場合には、延納もできる

基本的に贈与税は一括払いが原則のようですが、額が大きいと大変です。その場合には延納もできるようです。延納は最大5年間の間できますが、延納自体には要件があり、納付税額が10万円以上であること・一括納付が難しい理由があることがその要件になっています。

また、延納の税額や期間によっては担保を提供する必要もあるようです。延納する場合には、延納申請期限までに税務署に延納申請書を提出する必要があります。さらに注意点として、毎年6.6%の利子税がかかってきます。

No.4429 贈与税の申告と納税|贈与税|国税庁
参照元:国税庁(2016年1月時点、著者調べ)

延納の手引き
参照元:国税庁(2016年1月時点、著者調べ)

連年贈与との関係は?

年間110万円以内の贈与であれば、贈与税はかからないため、申告も不要です。しかし、それが連年贈与と見なされる場合や、贈与の半ばに贈与する側の人が死亡した場合には相続税との関係が問題になることもあります。暦年贈与とこの二つの関係についてまとめました。

暦年贈与とは

暦年贈与とは、毎年贈与税の計算をすることを指します。例えば毎年110万円までは贈与税がかからないことを利用し、子供や孫などに毎年110万円以下の財産を贈与する人も多いかと思います。この場合は毎年申告の必要はありませんよね。また、贈与税はもらった人が支払う税金です。

そのため贈与する側からすれば、一人当たり110万円以下にしておけば複数人に贈与しても贈与税がかかってきません。そのために、自分が生きている間に財産を少しずつ贈与しておいて相続税を節税するという目的のためにも利用される制度です。暦年贈与そのものは特に問題にはなりませんが、それが連年贈与とみなされた場合に問題になることがあります。

連年贈与との関係

連年贈与とは、贈与を毎年繰り返すことを指します。例えば、2,000万円を20年に渡って毎年100万円ずつ贈与した場合には、暦年贈与であれば基礎控除額以下なので毎年贈与税がかかりません。しかし、これが連年贈与となれば、2,000万円に対して贈与税がかかることになります。

しかし、この判断はどこで誰がするのか問題ですよね。もしも、毎年決まった額が贈与されている点が理由だとしたら、そもそも暦年贈与という概念自体が怪しいものになってしまいます。暦年贈与とみなされるか、連年贈与と見なされてしまうかは、贈与する側の意思ではなく、外観がどう見えるかで変わってきます。

そのため、毎年の贈与が、単発の贈与契約だと法的に見えることが必要です。贈与については民法に規定がありますが、贈る側と受け取る側、双方が贈与に合意して契約を交わしていることが必要になります。(民法549条参照)その他、毎回の贈与契約について、契約書がきちんと交わされていることや、

受贈者側に財産が移転していること(贈与する側が、自分の通帳を別に作ってそこに管理していたり、受贈者名義で通帳を作っているが贈与者側がその通帳を管理している、といったことがない)があると、贈与の事実が外から見ても明らかになるのではないでしょうか。

なお、これはあくまで一般的な話ですので、必ず税理士などの専門家に相談することをお勧めします。

No.4402 贈与税がかかる場合|贈与税|国税庁
参照元:国税庁(2016年1月時点、著者調べ)

No.4161 贈与財産の加算と税額控除(暦年課税)|相続税|国税庁
参照元:国税庁(2016年1月時点、著者調べ)

まとめ

年間110万円以上の財産をもらった時にかかる贈与税は、確定申告と同じ時期が申告期間です。それを過ぎると加算税や延滞税がかかることがあるので、注意が必要です。

贈与自体はあまり関わりがあることではないので、申告や計算などあまり馴染みがなく分かりづらいと感じることも多いかもしれませんが、税務署にいけば親切に対応してくれることもあります。専門家や税務署をうまく活用して、上手に申告していきましょう。