中古住宅購入のチェックポイント|質を見極め好みにリフォーム!

中古住宅の購入は新築に比べリーズナブルで良い面も多々ありますがデメリットも多くあります。しかし、上手に選んで上手に手を入れれば、注文住宅をリーズナブルに建てるくらいの好みの家にする方法もあるのです。「オプションを諦め不満だらけの新築住宅」より「カスタマイズし放題の中古住宅」は魅力です。お得に素敵な家を手に入れましょう!



中古住宅チェックポイント

お得な中古住宅のポイント

中古住宅最大のメリットは「新築より格段に安価」であることです。つまりリフォームに費用が掛かって新築と同等の価格になってしまっては意味がありません。そのため、「リフォーム費用を考慮してもなおお得」である必要があります。まず必須条件として、

・新耐震基準(※詳細は後述)に則ってきちんとした構造で建てられた住宅であること
・または新耐震基準でリフォームされて躯体の耐震性が保証されていること
・きちんと地盤調査(それに適した地盤改良)がされており、地盤に適した基礎が施工されていること

こういった根本的なことを直す必要がなければ、土地価格程度、いわゆる「古家付きの土地」という中古住宅でも「買い」だと思います。ただ判断は難しいため、基本的に2000年の建築基準法改正以降に建てられているかどうかを判断の目安とする方法もあります。次に耐久性ですが、

・外壁がタイルやシーリングレスサイディング
・屋根がセラミック瓦など耐久性のある素材
・メンテナンスが大変なベランダがない(下に居室がないバルコニーやテラスはOK)、もしくはベランダ金属防水工法

こういった費用の掛かるリフォームさえ発生しなければ内装のリフォームだけで済みますし、好きにカスタマイズできるのが最高ですよね。またはこういった高耐久の素材でなくても内部に雨漏りや腐朽などの問題がなければリフォームでも対応できます。

つまり「根本的なところを直さなくても住める家」が「リフォーム費用を足しても周辺新築相場より格段に安く」売っていればお得な中古住宅ということだと思います。

中古住宅にはこんな魅力がある――無理せず、ゆとりある生活を送るための選択 | SAFETY JAPAN [セーフティー・ジャパン] | 日経BP社
参照元:日経BP社(2016年1月:著者調べ)

中古住宅の相場

国土交通省による平成26年度住宅市場動向調査によると、戸建住宅の相場としては下表の通りです。新築住宅の購入資金平均が3,600~4,000万円であるのに対し、中古住宅は2,300万円弱と1,000万円以上少なくなっています。ちなみにリフォーム費用の平均は230万円ということ。

中古住宅を買うからには費用面でこれくらいのメリットはほしいですね。構造のしっかりした、水漏れや内部腐朽の心配がない住宅を2,000万円台で購入できれば、リフォームに500万円程度かかっても価値は大きいと思われます。 PhotoBy:著者(2016年1月作成)

報道発表資料:平成26年度住宅市場動向調査について – 国土交通省
参照元:国土交通省(2016年1月:著者調べ)

避けたい中古住宅

内部に問題がないかどうかは診断してもらわないと分かりませんので、その他の視点で考えてみると、後悔する中古住宅といってまず浮かぶのは「リフォームしたら結局新築程度の費用が必要となるパターン」これは最悪ですよね。

あとはありがちですが改装済の物件。上から隠されただけのようで、下地にカビが生えていても分からない…私なら避けたい物件です。ただ、後述しますが、中古住宅の良さは自分の好きにカスタマイズできることだと思うのです。

多少壁が汚れていても、床が傷だらけでも、設備が古くても、そこはリフォームで好きなようにする楽しみがあります。その分の費用が安いほうがはるかにお得だと考えます。



中古住宅契約の流れ

まずは複数業者で複数物件を見学

大きな買い物ですから、間違っても「一目惚れ!」と安易に契約するのは危険です。最低でも3社、何軒でも見に行き、後悔がないように焦らず出会いを待ちましょう。

しかし、中古住宅はどうしてもマイナス点に目が行き、ピカピカの住宅展示場巡りのように行かないかもしれません。そこで自分なりに譲れない項目を書き出し、チェックシートを作りましょう。5段階評価などで物件ごとの評価をしておくと後から見ても分かりやすいです。

優良ストック住宅推進協議会「スムストック」
参照元:優良ストック住宅推進協議会「スムストック」(2016年1月:著者調べ)

中古住宅見学時のチェックポイント

・外壁のひび割れやシーリングの状況
・基礎コンクリートのひび割れや欠損の有無
・床や壁のひび割れや水染みの有無
・水道を出したとき水の量(極端に少なくないか)
・蛇口下配管の濡れの有無
・設備機器の種類や能力(給湯器の大きさ、サッシやガラスの仕様、換気設備など)
・床下の蟻害や断熱状態
・壁の断熱状態
・小屋裏の状態
・ベランダ雨水のオーバーフロー対策
・家が傾いていないか(ビー玉など持参)
・電気が点くか、配線不良がないか
・ドアや窓を開閉し引っかからないか
・ドアを全開し放っておくと勝手に閉まらないか

個人の判断では難しいかもしれませんが見学時に自分でも見ておき、本格的に購入意思が固まったら第三者機関に住宅診断を依頼するのがベストですね。

契約前の住宅診断がおススメ

目ぼしい物件があれば申込金を支払いますが、その段階では「申し込み」という状態で「契約」には至っていないことになるようです。この段階で中古住宅診断をするのがベストだということです。

結果によっては契約前に無条件で申し込みを解消でき申込金も戻りますし、契約し修繕する場合も資金計画に費用を組み込める、申込みしているので他の人に買われる心配がないなど、時期としては最適と言えるでしょう。

住宅診断の費用は5~14万円程度だということですが、構造的な欠陥は素人には分かりませんので専門機関に依頼すべきです。安心料として住宅診断は必要経費だと思われます。

ホームインスペクションのベストタイミングはいつか? – 住宅診断(ホームインスペクション・住宅検査)さくら事務所
参照元:(株)さくら事務所(2016年1月:著者調べ)

住宅診断(ホームインスペクション)の料金・費用
参照元:株式会社アネストブレーントラスト(2016年1月:著者調べ)

住宅ローン審査~売買契約

購入の意思が固まれば住宅ローンの仮審査→売買契約→金銭消費貸借契約→支払い→引渡し、その後場合によってはリフォーム、などの流れになります。

ただ住宅ローンは不動産を担保として借入を行うため、担保となる物件の市場価値以上の借入は保証料が高くなる傾向にあります。またネット銀行など、金利が格安で保証料不要の金融機関では借入できない可能性が高いと思われます

中古住宅購入の際には、こういった事情で自己資金を多めに用意する必要があるかもしれません。

みずほ銀行:「中古住宅購入・借り換え」と「リフォーム」をお考えのお客さまへ
参照元:みずほ銀行(2016年1月:著者調べ)

中古住宅の相場と資産価値

築20年以上で建物価値はなくなる?

築年数にもよりますが、一般的に中古住宅は10年で価値は半減し、20~25年で建物の価値はほぼゼロになると言われています。築年数の古い住宅なら土地価格程度で売られていることもあります。

例えば土地の市場価値が1,500万円、建物が当初2,500万円程度だったとしましょう。10年後に建物の価値が半減し、土地家屋合わせて2,800万円で売りに出されたとします。新築より1,000万円以上安く手に入りますが、あと10年程で価値のなくなると言われる建物には痛い出費です。

これが築20年、土地+家屋で1,800万円の物件ならどうでしょう。最終的には古家付きの土地としての価値しかなくなるかもしれません。ただ、中身さえしっかりしていればこのほうが納得しやすいと思います。

築年数が浅いほどいいというわけでもない場合もあります。住宅診断の結果、構造さえしっかりしていれば、築年数20年以上の物件でもお得かもしれません。

【一戸建て】中古購入+リフォーム 10年後の資産価値ポイント9 | SUUMO(スーモ)
参照元:SUUMO(2016年1月:著者調べ)

土地の価値で考える

建物の価値が低くても、土地の資産価値が将来上がる可能性もあります。駅が新設される予定がある、大規模な新たな街づくりという開発のされ方で、周囲に保育園や小中学校などが作られる予定、といった場所は資産価値が落ちないと言われています。

家を購入するうえで建物の状態も大切ですが、それ以上に立地は重要なポイントです。接道状況や間口の広さ、周辺環境などについてもじっくり考慮しましょう。

土地の価格 | 土地総合情報ライブラリー | 国土交通省
参照元:国土交通省(2016年1月:著者調べ)

支払いシミュレーション

中古住宅の場合、消費税はかかりませんが仲介手数料が発生することがほとんどです。仲介手数料は物件価格の3%+6万円、そこに消費税がかかるため、仮に土地込みで2,000万円の物件であれば70万円以上の費用が必要になります。

ローンの手続きとしては新築の場合と同じなので、建物自体への消費税はかからないですが仲介手数料分が新築より負担増となります。そのため自己資金が少ない場合は借入額を少し多めに見積もっておいたほうが無難でしょう。

また担保評価額が低く設定されるため、希望の借入額が通らない場合もあります。土地価格程度の借入で可能な場合は金利の安いネット銀行などを利用するのも手だと思われます。

全期間金利2%、30年ローンだと仮定した場合の支払シミュレーションは下表のとおりです。ボーナス支払いなし、保証料や団信保険料は含まれていません。 PhotoBy:著者(2016年1月作成)



中古住宅のメリット

価格が安い

まず何と言っても価格が安いことが一番のメリットです。築浅でも、新築より1,000万円以上安くなることも多いです。ただ、周辺の新築住宅の相場を調べ、数百万円足したら新築並みになるような価格であれば築浅だとしても中古住宅を買うリスクに見合っていないかもしれません。

一戸建てを探す【アットホーム】|家購入の情報[一軒家・マイホーム]
参照元:アットホーム(2016年1月:著者調べ)

好みにリフォームできる

新築住宅は標準設備が決まっていることが多く、完全注文住宅もしくはオプションだらけにする経済力がないとでないと自分好みにできず、どこかで妥協する場面が出てきます。ところが中古住宅のリフォームは好きにできます。

床はこれ、キッチンはこれ…など選べるため、私としては建物の骨組みとなる躯体や床下・天井裏・壁の中に問題がなければ、ほぼ土地価格で売られるような築25年などの物件を、完全に設備入れ替えするのが理想的な気もしています。

例えば外壁と屋根リフォームに200万円、内装リフォームに100万円、断熱窓へのリフォーム100万円、水回りの設備入れ替えに200万円…その他白蟻対策やベランダ防水リフォーム、躯体の補強など合計600~700万円などの高額リフォームになったとしても、かなり満足するような気がするのですがどうでしょうか。

たとえば一条工務店は断熱性気密性に優れたメーカーだと評判ですが、設備の選択肢がありません。機能的でも古臭くて嫌だという意見も多いです。ですが中古住宅をリフォームなら新築では叶えられない機能性と好みの両方に満足することが可能かもしれません。

リフォーム事例が豊富なリフォーム会社|リフォーム費用は定額コミコミ価格
参照元:リノコ(2016年1月:著者調べ)

完成済みでイメージしやすい

注文住宅の場合は、出来上がるまでは実際の日当たりや広さは体感として分かりません。しかし中古住宅は見学の時点でそういったことが分かるのがいい点です。

実際建ててみたら玄関や廊下が暗かった、ここに窓があればよかった、など不満が出がちですが、そういったことが購入前に確認できるのは建売住宅同様魅力ですね。

中古住宅のデメリット

汚れや傷み、劣化がある

経年劣化であれば丁寧に建てられている家なら気にすることはありません。リフォームで改善できます。ただ配管からの水漏れや躯体の歪みなどは重要視すべき点です。これは住宅にとって致命的なことです。中古住宅購入の際は、費用が掛かっても先ほどもご紹介した第三者による住宅診断(ホームインスペクション)をお勧めします。

メンテナンス費用がかかる

これも中古住宅を購入する上で心配されることですね。こちらも購入前に住宅診断することで、あらかじめ予測することが可能です。そこから算出されるメンテナンス費用をプラスしても相場的にお得であれば「買い」の家かもしれません。

あとは今後のメンテナンス費用がなるべくかからない(家を傷めない)リフォームをできるかどうかにかかっていると思います。

中古住宅購入の際の注意点

掘り出し物には要注意!

住宅や土地に掘り出し物は存在しません。相場より極端に安い物件には何か理由があると考えるほうが自然です。建物では分からなくても地盤に何か問題があるのかもしれませんし、擁壁(ようへき)などが劣化していて数百万円などの追加費用が必要となるかもしれません。

また接道部分が近隣の駐車場化していて夜間は出入りできないなどのトラブルがあり、売主が捨て値で処分したいと考えている場合もあります。お得で気に入った物件があれば、晴れの日、雨の日、いろいろな曜日、いろいろな時間帯に訪れることも大切です。

建築基準法改正前築の住宅には注意

1995年1月阪神大震災により多くの家屋が倒壊しました。倒壊した家屋のほとんどは1981年以前に建築された旧耐震基準の建物で、「耐力壁」と呼ばれる、地震や風などの横方向から受ける力に耐えるために必要な壁が足りなかったせいだと言われています。

1981年の建築基準法改正で必要耐力壁量が強化されましたが、それ以前の建物は必要な壁数も少なく、基礎部分に鉄筋も組まれていないことから耐震性能が著しく乏しいと見られます。ちなみに、新耐震基準で建てられた建物は東日本大震災でも揺れによる倒壊の報告はなかったということです。

そのため1981年以前の旧耐震基準で建てられた中古住宅を購入する際には注意が必要です。耐震補強工事が必須であると思われますし、住宅基礎からやり直さなければならない、まさに「建て直したほうが早い」場合もあるようです。

2000年、建築基準法は再び改正され現行の耐震基準となりました。1981年と2000年が耐震基準のターニングポイントだと言われています。2000年改正以降に建てられた住宅に関しては、事前の地盤調査が事実上必須となり、地耐力に合わせた基礎の施工が義務付けられました。

逆にいうと、2000年より前に建てられた住宅に関しては、地盤調査がされていない可能性もあるということです。怖いですね。新耐震基準の1981年以降建築住宅に関しては揺れによる倒壊の危険はほぼないと言われていますが、個人的には2000年以降の住宅でなければ建て替えが無難かと考えています。

「壊れた家」は何が悪かったのか。倒壊を招く要因|(JSDA)一般財団法人 日本耐震診断協会
参照元:一般社団法人 日本耐震診断協会(2016年1月:著者調べ)

1981年(昭和56年)は大事なチェックポイント?|中古住宅購入のチェックポイント
中古住宅を購入するなら築年数(1981年、昭和56年)も購入判断の基準にすべき?コンサルタントが教える失敗しない中古住宅購入法。

まとめ

このように中古住宅にはリスクもありますが、やはり価格が安く好みの家にしやすいといったメリットも大きいと思われます。新築でも手抜き建築をされ数年で傷む家もあるのです。きちんと住宅診断したうえで購入するなら、中古住宅は決して危険なものではありません。

むしろ新築建売住宅を購入するより、警戒する分リスクが少ないかもしれません。新築ならわざわざ住宅診断までする人は少ないですよね。築年数が経過しても安定した家は丁寧に建築されているということです。断熱性や耐久性に富んだリフォームをし、手入れを怠らなければ何十年と保つ家になるのではないでしょうか。

理想の物件に巡り合えるのをお祈りしております!