【介護保険とは】やっぱり必要?基礎知識と意外と知らない活用法

介護保険ってご存知ですか?聞いた事はあるけど詳しいことはよく分からない、という人も結構多いのではないでしょうか。いざ必要な状態になった時に困らないように、内容や申請方法など気になる情報をまとめてご紹介します。



介護保険とはどんなもの?

介護保険とは、簡単に言ってしまうと「介護を必要とする高齢者」にかかる負担を社会全体で支援する為の保険制度となります。これだけだとよく分からないと思いますので簡単にご紹介していこうと思います。

介護保険とはなにか

介護保険というのは、じつを言うと割と新しい制度だったりします。平成9年12月に介護保険法が制定され、平成12年4月からスタートしました。

介護が必要な人を社会全体でサポートしていこうという制度になります。最近では、介護離職なども問題になっているようですね。今後は、多くの人が介護保険を必要とすることになるのではないでしょうか。

介護・高齢者福祉 |厚生労働省
参照元:厚生労働省 (2016年1月 著者調べ)

介護保険の対象者

まずは、どのような人が介護保険の対象となるかですね。簡単に言うと、高齢者または病気などにより一人では日常生活を送れないという人が対象となるようです。自分一人での生活がむずかしくても、出来るだけ不自由のない生活が送れるように配慮しているという訳です。

具体的に何をしているかというと、介護保険制度を設けて介護施設や訪問介護サービスなどを利用しやすいように環境を整えているようです。それと、病院での病気の治療および福祉施設などでのリハビリなどを行いやすいような環境作りも進めているようです。

現実問題として、介護を必要としている人は大勢いると思われます。介護や支援サービスを充実させて、当人や家族の負担を減らしていくことはやはり重要事項と言えるでしょう。



介護保険に種類があるの?

介護保険は、大まかに分けると民間と公的の二種類があるようです。民間の方でも介護保険は存在するようですが、あまり聞いた事がありませんし残念ながらこちらはあまり認識されていないのかもしれません。

一般的には、介護保険というと公的な介護保険制度の方を言うようです。ここからは、公的介護保険制度についてご紹介します。

公的介護保険制度とは

私たちは、40歳になると自動的に被保険者として公的介護保険に加入することになるようです。どうやら、あまり選択肢はないみたいですね。

そのなかでも、65歳以上の方になると市区町村が実施する要介護認定において介護が必要と認定された場合はいつでもサービスを受けることが出来るようになります。要するに65歳以上になれば、いつでも市区町村に対して介護保険サービスを受けたいと申し込むことが出来るということです。

特定疾病の選定基準

40歳から64歳までの人でも場合によっては介護保険サービスを利用したいと申し込むことが出来るようです。介護保険の対象となる特定疾病に該当し、介護が必要と認定された場合には介護保険サービスを受けられるようになるそうです。

特定疾病に該当する疾病の範囲は意外と広く、現在は全部で16種類あるそうです。代表されるのは「末期がん」や「認知症」などでしょうか。要支援状態といわれる家事や身支度など日常生活に支援が必要な状態になった場合や、要介護状態といわれる介護を必要とする状態になった場合などは介護保険の対象となるようです。

要するに、65歳以上でなくても要介護状態のような深刻な状況になり特定疾病に該当すると認定されることが出来れば介護保険サービスを利用することができるということになります。少しでも負担を減らせるように、ぜひ介護保険サービスを上手に活用しましょう。

介護保険とは | 介護保険の解説 | 介護事業所・生活関連情報検索「介護サービス情報公表システム」
参照元:厚生労働省 (2016年1月 著者調べ)

介護保険料はいくらかかる!

介護保険に加入されると介護保険料を納める義務が発生します。なんでも徴収方法は年齢によって違うらしいのでご紹介したいと思います。

40歳から65歳未満の人

どうやら、加入している医療保険と合わせて介護保険料が徴収されるというシステムになっているようです。金額については、その人の加入している保険の種類によって決められるようですね。また住んでいる地域や収入額などによっても変わってくるそうです。

ちなみに国民健康保険に加入している人の介護保険料は、その家の世帯主から世帯全員分の国民健康保険料と一緒に徴収されているのだそうです。気になる人はよく確認してみましょう。

65歳以上の人

65歳以上の人の場合、65歳の誕生日の前日より第1号被保険者となるそうです。その誕生日の前日月から介護保険料の徴収が行われるようになります。また、徴収方法については「特別徴収」と「普通徴収」の二種類があるそうです。

特別徴収

特別徴収というのは、「老齢・退職年金」や「障害年金・遺族年金」を1年間に18万円以上もらっている人が対象になるそうです。介護保険料は、年金からの天引きにより徴収が行われることになります。

普通徴収

普通徴収とは、「特別徴収の条件に当てはまらない人」または「年度の途中で65歳になった人」が対象となるそうです。介護保険料は、納付書か口座振替にて徴収が行われることになります。ちなみに年度の途中で65歳になった人は、特別徴収開始月までは普通徴収が行われるそうです。



2015年介護保険制度改正!

2015年に行われた制度改正では、制度スタート以来の大きな変更が見られたそうです。何点か変わった中で特に気になるものをいくつかご紹介したいと思います。

要支援の一部を市町村の事業へ

介護保険の対象者の中でも、軽度者にあたる「要支援1・2」の人の給付サービスの一部が市町村の事業へと移行することになったそうです。

具体的にいうと、予防訪問介護と予防通所介護の二つのサービスが地域支援事業に設けられた新しい総合事業へと移ることになったのだそうです。要するに軽度の介護を必要とする人の担当者が市町村に変わったということになります。

医療・介護の連携を強化

地域医療・介護連携推進事業として、市町村に地域の「医療・介護・連携」を進めるための体制づくりを法律で義務づけたそうです。

そのなかでも注目なのが、医療と介護の連携を進めるための専門機関である在宅医療・介護連携支援センターの運営などになるようですね。ここで、医療と介護の連携にかかる多職種からの相談を受け付けられるようにしたそうです。

社会保障と税の一体改革-全世代型の社会保障制度へ(2) 医療・介護:政府広報オンライン
参照元:政府広報オンライン (2016年1月 著者調べ)

認知症対応の新事業を市町村へ

いままでも認知症の人への支援は大きな課題とされてきました。2015年の制度改正では、地域での認知症対応を強化しました。地域支援事業枠として、「認知症初期集中支援推進事業」「認知症地域支援推進員設置事業」「認知症ケア向上推進事業」の三つを認知症総合事業として位置づけたのだそうです。

そのなかでも、認知症初期集中支援推進事業に力を入れているようですね。なんでも全市町村に「認知症初期集中支援チーム」を設置したそうです。こちらは、医療系・介護系の多職種で形成されたチームなのだそう。認知症専門医やかかりつけ医との連携もずいぶん強くなったようです。

具体策には、認知症の人やその家族のもとを訪問して早期からの診断や支援を行なっているのだそうです。認知症の人がいる世帯の場合、本人が通院拒否したりすると家族が目前の対応だけでどうしても精一杯となってしまいがちです。そのために早期の診断・支援がむずかしくなってしまっていたので、その点を改善していこうということのようです。

もし、家族や自分が認知症になったら 知っておきたい認知症のキホン:政府広報オンライン
参照元:政府広報オンライン (2016年1月 著者調べ)

特養ホームの利用はむずかしい?

新規の入所は無理

2015年の改正によって、特養ホームの入所要件が原則「要介護3以上」となりました。それによって何が変わったかというと、要介護3以上の認定がもらえないと特養ホームへの新規入所が基本的に認められなくなったということです。これは利用者にとっては無視できない事実になるかと思います。

特養ホームの最大の特徴は、比較的安い費用で施設を利用することが出来るという点にあると言えます。有料介護施設を利用するとなると、どうしても高額の費用が必要になってしまいますので経済的な負担がかなり上がってくるのは間違いないでしょう。

特例も存在する

介護保険の認定で「要介護1・2」とされた場合でも、特例が認められる場合もあるそうなのでご紹介します。

特例の条件とは

いずれかに該当すれば特例として新規入所できる場合もあります。

・家族介護者がいない、あるいは家族が体調不良などで介護ができない
・日常生活に支障をきたすような認知症や精神障害による症状がある
・家族による深刻な虐待等が疑われる
・在宅での生活が困難

市町村から調査が入り、該当と認められたケースなら「特例的に入所できる」とされているそうです。しかし最近は、ずいぶんと審査が厳しくなっているという話も聞きます。寝たきりになったとか認知症が悪化したなど、よほどのことでないかぎり認めてもらえない市町村もあるようなので、担当者によく相談してみることをおすすめします。

要介護認定を受けるには!

介護保険の要件を満たしサービスを利用するためには、「要介護認定」を受けることが必要となります。簡単にご紹介します。

要介護認定の申請

介護保険の要介護認定を受けるためには、自分の住んでいる市町村の受付窓口に介護保険の申請をすることが必要となります。介護保険は利用者が自分から申請しないと利用することが出来なせん。市町村側からアクションがあることはまずありませんので、自分でよく内容を確認してから申請するとよいでしょう。

訪問調査

介護保険を申請すると、まず訪問調査が入ります。直接、介護保険サービス利用者の生活環境などを確認しに来るのです。訪問調査には、市町村の職員や市町村から委託を受けた居宅介護支援事業者の介護支援専門員が家庭などを訪問します。

この調査というのは、心身の状態などについて本人に聞き取りをして調査表に記入という手順で進められます。要するに調査員が簡単なテストをするのですね。その結果によって審査にかけられるというわけです。そのほかにも、主治医に病気の状態などをまとめた医学的な見地からの意見書を提出してもらって参考にしたりするらしいです。

要介護度にも種類があります!

要介護度は、大きく分けて二つの種類があるようですので簡単にご紹介します。

要支援

要支援は二段階に分けられています。

・要支援1
・要支援2

要支援は要介護に比べると比較的軽度の支援を必要とされる人に適用されます。

要介護

要介護は五段階に分けられています。「要介護1」は要介護の中では比較的軽度の介護を要する状態です。数字が大きくなるにつれ介護度は重くなり「要介護5」がもっとも最重度の介護を要する状態にあたります。

要支援1:要介護認定等基準時間が25分以上32分未満又はこれに相当すると認められる状態
要支援2(要介護1):要介護認定等基準時間が32分以上50分未満又はこれに相当すると認められる状態
要介護2:要介護認定等基準時間が50分以上70分未満又はこれに相当すると認められる状態
要介護3:要介護認定等基準時間が70分以上90分未満又はこれに相当すると認められる状態
要介護4:要介護認定等基準時間が90分以上110分未満又はこれに相当すると認められる状態
要介護5:要介護認定等基準時間が110分以上又はこれに相当すると認められる状態

出典:

www.mhlw.go.jp

要介護認定 |厚生労働省
参照元:厚生労働省 (2016年1月 著者調べ)

審査結果を通知

訪問審査が終了すると、その結果をもとにまずはコンピュータによる一次判定などが行われるようです。そして、一次判定の結果や主治医の意見書などをもとに「介護認定審査会」が開かれるらしいですね。そして、その審査会を通して要介護度など最終的な審査判定がされるようです。

介護保険を認定するための調査が入り、介護や日常生活に支援が必要な状態であることなどの審査が終了すると、原則として30日以内に郵送で結果が通知されます。

審査結果が通知され、要介護度がどのランクに認定されるかによって使用できる介護保険サービスの内容も変わってきます。それと同時に実際に利用者が支払う介護保険サービスの自己負担金額も変わってくるのです。経済的な問題も絡んでくるので、この審査結果はとても重要だと言えるでしょう。

サービスを利用するには!

要介護度が確定されると、いよいよ介護保険サービスを利用できるようになります。利用するための流れを簡単にご紹介します。

ケアプランの作成

実際に介護保険サービスを利用するためには、ケアプラン(介護サービス計画)を立てる必要があります。ケアプランは利用者で勝手に立てることは出来ないようで、まずはケアプランを作成してもらうためにケアマネジャーを決める必要があるようです。

ケアマネジャーが決まったら、その人に介護保険サービスを利用するための相談をすることになります。利用者の希望や心身の状態を考慮したうえで在宅や施設での適切なサービスが受けられるようにケアプランを立ててもらうというのが一般的な流れになるようですね。

ケアマネジャーとは

ケアマネジャー(介護支援専門員)とは、介護保険制度導入とともにできた資格のようです。一般的に「ケアマネジャー」と呼ばれますが、正式名称は「介護支援専門員」というらしいです。

どうやらケアマネジャーというのは、介護保険サービスの申請の代行や関係機関との連絡調整をおこなったりするのがお仕事のようですね。簡単に言ってしまえば、介護保険サービスを利用するための仲介役のような役割をしているようです。

ケアマネジャーにケアプランの作成をしてもらって、利用する介護保険サービスが決まったら実際に介護保険サービスの利用スタートとなるようです。

まとめ

いかがでしょうか。介護保険制度は比較的新しい制度であることもあり、まだまだ改善の余地があるようにも見受けられますね。介護問題は、いつ自分に降りかかってくるか分からないだけに気になるところです。

介護問題に関してはよくニュースなどでもよく取り上げられていますよね。最近では介護保険を更新する際に介護度が下がってしまって、利用出来ていたサービスが急に利用できなくなってしまって困っているというような話も聞きます。怖い話です。

このような問題は一人で抱え込んでしまうのがいちばんよくないらしいので、とりあえず相談してみるというのもありだと思います。いろいろと大変な面もあるようですが、介護保険は使えるようなら可能な範囲で利用するのがベストなのではないでしょうか。上手に活用していきたいものです。