借金を知るなら「利息」から学ぼう!FPが教えるマネー講座

借金には、必ず利息というものがついてまわります。お金を貸す側もボランティアで貸している訳ではありません。つまり、貸す側の儲けは、利息そのものということになります。この利息の仕組みを知らずして、お金を借りるということは、車の乗り方も知らないのに車を運転するのと同じようなものです。車の学校は、自動車学校ですが、借金の学校はありません。そこで、今回は借金の学校を開校したいと思います。



利息のルールを確認しよう

まずは、大原則の民法から確認しよう

民事関連のルールブックと言えば、民法です。まずは、民法にはどのように定められているのか確認していきたいと思います。そもそも利息とは、元本の返還を一定期間猶予してもらうことに対して支払う対価のことを指します。

民法404条では、以下のように規定されています。

利息を生ずべき債権について別段の意思表示がないときは、その利率は、年五分とする。

出典:

law.e-gov.go.jp
つまり、特に利率の取り決めがない場合は、年5%です。また、利息を課すかどうかは当事者同士が自由に決めることができます。これは、あくまで素人同士の話であって、商人同士の場合は、商法が適用されるため、取り扱いが若干異なります。

5%と言われてピンときますか?参考までに例をあげると、住宅金融支援機構の住宅ローンのフラット35では、利率が1.5~2%です。マイカーローンは平均して5%程度、大手消費者金融は、借入金額によって幅がありますが、最大18%程度です。

民法
参照元:総務省行政管理局(2016年1月、著者調べ)

利息制限法について学ぼう

今度は利息制限法という法律のお話です。これは、法律全般のルールなのですが、法律を大きく二つに分けると一般法と特別法とに分かれます。一般法は、ある事柄について広く一般的に規定される法律のことです。特別法は、そのうちのある特定の範囲にのみ適用される法律であり、特別法は、一般法よりも優先して適用されるとう大原則があります。

例えば、民法はお金の貸し借り全般について、定めており、利息制限法は、利息の細かい規定が定められており、ここでは、民法は一般法で、利息制限法は特別法ということになります。つまり、民法と利息制限法の内容がぶつかるときは、利息制限法が優先します。

利息制限法の中身を見てみましょう。これは、借入金額に応じて利息の上限を定めているということです。

(利息の制限)
第一条  金銭を目的とする消費貸借における利息の契約は、その利息が次の各号に掲げる場合に応じ当該各号に定める利率により計算した金額を超えるときは、その超過部分について、無効とする。
一  元本の額が十万円未満の場合 年二割
二  元本の額が十万円以上百万円未満の場合 年一割八分
三  元本の額が百万円以上の場合 年一割五分

出典:

law.e-gov.go.jp

利息制限法
参照元:総務省行政管理局(2016年1月、著者調べ)



実際に利息はどのように影響している?

利息の計算方法について解説

利息の計算方法と仰々しく書きましたが、それほど複雑なものではありません。至ってシンプルな計算方法であることは、下記を見て頂ければわかるかと思います。

例えば、元金10万円、利息が年利10%、借入期間は、平成28年1月20日~平成28年6月20日の半年間(153日)の条件で借り入れをしたとします。

●10万円×10%×153/366(平成28年は閏年)=4,180円となります。

ポイントは、「年利」というところです。良心的な金融機関は、1年間に満たない借入期間でも年利で利息を明示していますが、金融屋さんは良心的なところだけとは限りません。月5%と謳ってお金を貸しているところも現実にはあります。

月5%ということは、年利に直せば120%ということになります。これは、利息制限法という法律を超えて出資法という刑事罰が科される法律にも抵触しています。

グレーゾーン金利とは?

最近は、あまり聞かなくなった言葉かもしれませんが、一時期はこの「グレーゾーン金利」と呼ばれる言葉が世間を賑わせました。この言葉について、少しだけ解説致します。先ほども確認して頂きましたが、利息制限法には利息の上限が定められておりました。

しかし、この法律は端的にいうと、「上限を超えた利息を付したお金の貸し借りは有効ですが、上限をを超えた分の利息は無効ですよ」と定めてあるにすぎません。利息の上限を超えてお金を貸した人を罰する規定は、出資法という法律に定めらており、出資法で定められている利息の上限は平成22年6月17日までは29.2%でした。

つまり、貸し借りの金額が10万円未満であれば、20%~29.2%、10万円から99万円であれば18%~29.2%、100万円以上は15%~29.2%の範囲内の金利は、「上限を超えた利息のみ無効とはなるが、罰せられることのない金利」となり、これを「グレーゾーン金利」と呼んでいました。

お金を借りる人があまあり知識を持っていないことをいいことに、上限は超えるが、出資法には触れない利息でお金を貸して法外の金利を受け取っていたというようなことは平成22年6月17日まで当たり前に行われていました。これ、ヤミ金だけの話ではないです。今でも有名な大手消費者金融も当たり前にやっていました。

当然、社会問題になり平成22年6月17日に出資法が改正され、刑罰の対象となる上限金利が20%まで引き下げられ、グレーゾーン金利は撤廃されました。

法律事務所が過払い金請求をしませんか?という宣伝広告を行っているのを見かける方も多いと思いますが、この過払い金請求というのは、グレーゾーン金利が撤廃されるまでにお金を借りていた場合、金利を余分に払っている可能性があるため、返してもらうよう請求する手続きをしませんか?と呼びかけているのです。

グレーゾーンでお困りなら  法テラス|法律を知る  相談窓口を知る  道しるべ
参照元:法テラス(2016年1月、著者調べ)

借金の利息まとめ

グレーゾーン金利のお話でわかるように、借金や利息の仕組みをしらないまま、お金を借りる人は非常に多いです。確かに、いくら借りるのか、いくらずつ返していくのかさえわかれば、お金は借りられます。しかし、いくらずつ返していくのか、だけではなく、なぜこの金額を返していくのかまで考えていかないと、とんでもない落とし穴にはまってしまうかもしれません。このまとめが皆様のお役に立てば幸いです。