話題の「年金10年デビュー」の噂は本当か?制度の最新情報をチェック

テレビなどでは年金は25年かけないともらえないと聞きますがなぜ10年でいいのでしょうか?期間は10年ってどう計算するの?一体、もらえる額はいくら?今から準備することもできるの?と年金10年の噂に迫ります。



「年金10年」へ短縮が見逃せない

消費税増税が延期に

年金を受け取るために、必要な受給資格期間は原則25年以上必要です。政府は年金機能強化法の成立を受けて、消費税率を10%に引き上げる際の平成29年4月に受給資格期間を10年にする予定です。 当初は、消費税引き上げが平成27年10月だったので1年半遅れでスタートしそうです。この法律で年金を受けることができそうだった人も、1年半待たなくてはいけなくなりました。背景としては、マイナス成長期で再増税を決めれば、消費が一段と冷え込んでいくというのが大きいようです。

年金制度の改正について(社会保障・税一体改革関連)|厚生労働省
参照元:厚生労働省(2016年1月時点、著者調べ) 他にも先送りの影響を受けたものは、住宅ローン減税の実施期間、自動車取得税の廃止時期や低所得者・子育て世帯向け給付金の再給付などです。どれも私たちの生活に直接関係するものばかりですね。やはり消費税の10%引き上げは、私たちの生活に大きな影響をかけることになりそうですね。ですから政府も年金のことだけでなく、多面的に判断をするのですね。

一生分を10年で

メリットは25年もの長い間、国民年金や厚生年金に加入して資格を得なくてはいけないのに、10年という短い期間で受給できるということです。しかも公的年金ですから、一生涯もらうことができます。たった10年かけて、一生もらえるなどという金融商品はなかなかありません。ですから公的年金は、ものすごい戻りのあるダントツの金融商品ではないでしょうか。 確かにお給料から強制的に天引きされたり、国民年金保険料の徴収が厳しかったりとするようです。しかしこの社会保険制度を成り立たせるためには、ある程度痛みも必要かもしれませんね。なので、一生分を10年かけてもらえる公的年金には敵わないですね。 なぜなら厚生年金保険料は、労使双方で折半しての払い込み。国民年金保険料に至っては、将来もらう老齢年金額の半分は国庫、つまり国からの負担ということになります。一般に個人年金の金融商品の利率が、約110%ほどと言われてますから、その返戻率はかなり高いということです。

年金制度における改革内容について
参照元:日本年金機構(2016年1月時点、著者調べ) 中には年金を10年かけたからもうかけなくてもいいと、考える方もおられるかもしれません。日本に住んでいる20歳以上60歳未満のすべての人は、国民年金に加入義務があります。つまり国民年金法での強制加入です。あくまでも年金10年というのは、今まで年金をもらうことができなかった方への、救済措置であるという点をくれぐれもご理解ください。

加入期間と納付期間の違い

受給資格期間25年以上とは、国民年金や厚生年金に加入をして納付をした期間のことです。会社に入社して社会保険をかける方は、給料支払いと同時に天引きされるので、加入していなかったということはありません。 片や国民年金は、加入する手続きをして納付することは、自分でやらなくてはいけません。なので国民年金に加入はしているが、納めていない未納という問題が出てきます。この未納の期間は、受給資格期間にはなりません。 保険料を納付書で、コンビニで納める事も出来るようになりました。口座振替はもちろん、クレジットカードの引き落としも出来るようになりました。通常保険料納付の期日は、翌月の末なのですが前もって納める2年前納、1年前納、6か月前納や毎月前納、それぞれによって保険料の割引もあります。

国民年金保険料納付方法|日本年金機構
参照元:日本年金機構(2016年1月時点、著者調べ) 国民年金の場合、最大40年間しかかけることができません。それに満たない場合は、60歳以降でも任意加入という制度で、最大480月までかけることができます。これは老齢基礎年金をもらう65歳未満までなので、残りの年数によっては満額の計算にならない場合もあります。 ねんきん定期便の被保険者記録でも照会できますが、加入期間を満たしているのでと安心しないでください。年金につながる受給資格期間は、くれぐれも納付した期間又は免除した期間が、反映しますので注意しましょう。うっかりと加入期間と納付期間を、間違えて見てしまって自分の記録として理解して、実際は受給権を満たしていなかったというのはよく聞く話です。



年金10年の受給資格期間で勝負

老齢年金の受給資格期間って何?

保険料納付済期間+保険料免除期間+合算対象期間が、原則25年以上ということです。保険料納付済期間とは、国民年金第1号被保険者期間で保険料を納めた期間と、厚生年金をかけている第2号被保険者期間の20歳以上から60歳未満の期間と、第2号の被扶養者である第3号被保険者期間と、を合計したものです。保険料免除期間とは、第1号被保険者で申請により、保険料を納めることを免除されたものです。全額を始め4分の3、半額や4分の1免除があります。

年金の受給(老齢年金)|日本年金機構
参照元:日本年金機構(2016年1月時点、著者調べ) 合算対象期間は、カラ期間とも言いますが、年金受給額の計算には反映されません。受給するための、資格期間には算入できる期間です。例としては、昭和61年3月以前のサラリーマンの夫の妻で、任意加入をしていなかった期間や、学生納付特例などの適用を受けた期間などです。 この老齢年金をもらうための、受給資格期間25年が、10年へと短縮されるので大賛成です。なぜなら65歳以上で、年金をもらっていない無年金者約42万人の、4割程度の方が年金をもらうことができるからです。一般に老後の収入の大半は、公的年金であるというのが事実です。 公益財団法人生命保険文化センターの、平成25年度「生活保障に関する調査」によると、老後の生活資金について準備も含めて、どのような手段でまかなっていこうと考えているかをみると、86.5%が「公的年金」と最も高くなっています。続いて貯金、退職金や個人年金などの金融商品が続いています。 面白いのは、平成10年の調査より公的年金に関しては、82%以上と8割以上をキープしているのに対して、個人年金保険は、約40%から約30%へ。生命保険に関しては、約25%から約12%と、半分以下に減っていることですね。この数字を見ても公的年金は、老後生活の要ですね。

平成25年度「生活保障に関する調査」
参照元:公益財団法人生命保険文化センター(2016年1月時点、著者調べ)

何歳でもらえるの?

男性で昭和36年4月2日以後生まれ、女性で昭和41年4月2日以後生まれの方は、受給資格期間を満たしていれば65歳より老齢年金をもらうことができます。今後、老後を視野に入れて生活資金のやりくりをするのは、65歳を軸にしたほうが良いと考えます。

なぜなら自営業の方は、別にして会社や企業での定年60歳後の再雇用が活発になっているからです。平成25年高年齢者雇用安定法の改正により、会社や企業が高年齢者雇用確保措置の、実施の義務化に動いているからです。

公的年金と連動する形で、65歳まで継続的に働くことができるようにしたものです。高齢者で働く意欲はあるのに、働く場所がないという問題も、解決してくれそうです。ですが高齢者の方、みんながみんな働くことができるというこではないので、やはり年金を10年かけてもらうというのは益々重要になってきます。

平成25年度高年齢者雇用就業対策の体系|厚生労働省
参照元:厚生労働省(2016年1月時点、著者調べ)

一体年金はいくら?

老齢基礎年金のみを考えると、20歳から60歳の40年間かけて、満額の年間約78万円。この4分の1の計算になりますから、年間約19万5千円。月々に直すと、1万6千250円。 老齢厚生年金になると、報酬の多い少ないになりますから人それぞれです。厚生年金保険受給者の平均年金額は、177万6千円 となっています。仮に40年間厚生年金を、かけたとすれば4分の1で年間44万4千円、月々に直すと3万7千円です。公的年金はやはりすごいですね。この額を多いのか少ないのかと判断するのは、人それぞれですが、10年間かけて一生涯受け取ることができるということを考えれば、このような額の金融商品はそうありません。 一般的には、20〜30年かけて老後10年間確定年金を、もらうのが多いようです。確かに公的年金への世間の不信感は、ぬぐえませんが一生涯頼りになるということを、考えればかなりのお得です。それゆえ例え年金額が少なくはあっても、短縮制度を利用して公的年金を、受け取るべきでしょう。

年金10年の準備ができる追納

10年前まで支払いができる

もし、国民年金保険料の納め忘れがあった場合でも、未納期間と言って2年前まで遡って納めることができます。10年前まで支払いができる追納とは、国民年金保険料の全額一部免除や、法定免除、若年者納付猶予と学生納付特例期間のことを指します。保険料を全額納めた時よりも、将来受け取る老齢基礎年金の額が少なくなります。

将来の年金額を増やすために、10年以内であれば遡って保険料を納めることができますよというものです。免除を受けた3年度より前の追納は、一定の加算金があるようですが、一生涯もらうことを考えれば微々たるものです。 日本年金機構の「国民年金保険料の追納をおすすめします!」によると、注意点がいくつかあるようです。

・一部免除を受けた期間に、未納がある場合は追納できない。
・老齢基礎年金を受けられる方は、追納できない。
・免除を受けた期間の、原則古い順から保険料を納める。

次が一番大事なところで、追納するには申し込みが必要ということです。口座振替等はできないので、必ず発行される納付書によって、コンビニや金融機関での支払いになります。

日本年金機構「国民年金保険料の追納をおすすめします!」
参照元:日本年金機構 (2016年1月時点、著者調べ)

後納は過去5年分だけ

2年以上前の免除や、納付猶予を受けていない未納期間は、どうすればいいのでしょうか。平成30年9月までに限って、過去5年分を納めることができる後納制度を、利用することができます。もし年金加入が10年なくても、この制度を利用すれば、年金受給につながる可能性も出てきます。

心当たりがある方は、是非自分の年金の記録を、見直してみることをお勧めします。国民年金を一ヶ月納めると、受給権があれば、年間で1625円受け取る年金額が増えます。たったこれだけか、とお思いでしょうが、一生涯年金をもらうことを考えれば馬鹿にできません。 元々は後納制度として、平成24年から平成27年9月までの、時限立法として過去10年間に遡って保険料を納めることができました。平成27年10月からは、平成30年9月までですが過去5年を、遡って納めることができるようになりました。確かに、過去の国民年金を納めたいという声は、よく上がっていましたが、なぜ10年から5年へと短縮になったのでしょう。それはこの二つは、全く別の法律から成り立っているからです。 前者は、年金10年で受給権を確保しようと、年金確保支援法という法律が元でした。しかし後者は、10年での受給権発生が、先送りになったので、この後納制度の費用のための、年金事業運営法という法律が、元になっています。なので、以前の後納制度と現在の後納制度は、似ている点はありますが、法律は全く異なっているのです。そして、年数も変わってきたということです。

支払保険料で税金控除

国民年金保険料の全額は、社会保険料控除の対象です。つまり、所得から控除額を引くことによって、かかる税金を軽減する仕組みです。自分だけではなく、生計が同じである家族の分も適用されます。例としては、ご子息の国民年金保険料を、その親御さんが支払っているケースです。ご子息宛に、その年度の社会保険料控除証明書が発行されますから、年末調整や確定申告で利用してください。

平成27年の社会保険料(国民年金保険料)控除証明書の発行について|日本年金機構
参照元:日本年金機構(2016年1月時点、著者調べ) 要注意なのが、国民年金保険料の2年前納です。2年間分を同じ年に先に払っていますから、2年分ひとまとめの証明か、各年度に分けた3分割の証明か、を選ぶことができます。社会保険料の年度は、4月から翌年3月まで、そして源泉徴収票の年度は1月から12月まで、とずれています。

申告の際には注意が必要です。税金は誰もが少なく、手取りは多くと誰しもが考えるところです。意外なところに控除できる対象もあります。お給料から所得税を少なくしたい、と考える一つの手だては、あらかじめ控除する額を増やすことが、一番の近道と考えます。なぜなら、日本年金機構からの国民年金控除証明書があれば、それが可能だからです。 確かに、今現在働いて、厚生年金をかけておられるご子息もいらっしゃるかもしれません。税金は過去5年前までの分は、修正して申告ができます。もし心当たりが少しでもあるのなら、この機会にぜひ調べてみるのも、良いのではないでしょうか。税金の勉強にも、年金の勉強にもなるので、一石二鳥になること請け合いです。



まとめ

いかがでしたか。こうやって色んな角度から、年金10年を見ていくと、公的年金の給付の多さや、優遇措置がたくさんあることに気づきます。

確かに年金10年の受給資格期間があれば、もらうことはできそうですが、もっと大事なことは、基礎的な公的年金への理解ではないでしょうか。これを機に、年金10年の噂ウソホントを明確にして、将来の年金の準備に備えてください。