社会保険控除とは?家族のために知って得する基礎知識

社会保険料控除って、何となく理解しているつもりだけど…。どんなメリットがあるの?自分の社会保険料の他にはどんなものが控除されるの?結局いくら得するの?控除を受けるには?そんな基本的な疑問を分かりやすくスパッと解決。社会保険料控除の基礎知識をまとめて把握して、節税に役立てましょう!



社会保険控除の基本

社会保険控除とは?

社会保険控除とは、自分や家族・親族の社会保険料を支払ったとき、給与から差し引いて支払ったときに控除される所得控除のことで、社会保険料控除を言われています。保険会社などに支払った生命保険料の控除などは控除額に上限がありますが、社会保険料については上限がなく、実際に支払った額全てが控除の対象になります。一般的にご自身の給与から差し引かれているものについては、自動的に勤め先で控除してくれますので、それ以外のものについて確認する必要があります。

No.1130 社会保険料控除|所得税|国税庁
参照元:国税庁(2016年1月時点、著者調べ)

どんなものが対象になるの?

どんな社会保険料が控除できるかというと、上に書いたように自分自身の社会保険料の他に同居の配偶者や子供、親の社会保険料をご自身の収入で支払っている場合や、生計を一にする親族の社会保険料を支払った場合にも対象になる場合があります。国民年金基金の掛け金も対象となります。

「生計を一にする」とは、必ずしも同居していなければならないというわけではなく、勤務、就学、療養のために別居をしていても日常的に生活費や療養費を送金している場合は、「生計を一にする」と取り扱われる可能性があります。

別居親族の支払いを控除する場合は、義務ではありませんが、仕送りした証拠(振込をした記録や、現金書留等で送った記録)の提示を求められる場合がありますので、社会保険料が引き落としになる口座へ送金するなど、説明がしやすいよう工夫することをお勧めします。

また、過去のものを追納した場合や、前納した場合も支払った年の所得から控除することができます。

控除をするメリット

実際に控除をするメリットは所得税・住民税の負担額が少なくなるということです。所得税については、給与から源泉徴収(概算で徴収)されているので、社会保険料等が控除され課税所得という所得税・住民税の計算の元になる所得が下がった場合には、既に支払っている所得税との差額が還付金として戻ってきます。

また、住民税も住民税のうちの「所得割」という部分については前年の所得をもとに計算されるため、課税所得が下がることで翌年の所得税額が減る可能性が出てきます。



どんなメリットがあるの?

実際どんなときに控除すればいいの?

ご自身の給与から差し引かれている社会保険料については会社で控除してもらえることがほとんどですが、それ以外のものについて、具体的にどんな場合に追加で控除申告すればいいのでしょうか?多くの方が今後使えそうなパターンをいくつか紹介します。

まず、ご自身の分については、一年の途中に就職・転職・離職し、国民健康保険・国民年金の支払いをしている期間がある場合、前納制度を利用した場合、学生時代に猶予していた年金を社会人になってから追納した場合、などです。

家族や親族の社会保険料については、配偶者や親の国民健康保険料や国民年金の支払いをしている場合、仕事などの事情で別居している方が仕送り等をして親の社会保険料を払っていると判断される場合、就学中の子供や配偶者の年金の支払いをした時、子供の猶予していた年金を追納した時、などに追加での申告が必要です。

就職・転職・離職等は誰でも経験しますし、両親がリタイアする年齢になった場合は仕送り等の生活支援や療養費の支援をすることも多いと思いますので、それぞれのタイミングで何が控除できるか確認することが大切です。また、配偶者や子供の年金については年間18万ほどになり、控除額としては大きいので、収入が増えた年に追納をして控除したり、税金が上がりそうな年に前納し控除したり、などの工夫もできますね。

結局いくら得するの?

さて、様々な控除のパターンを紹介しましたが、結局いくら得するの?というのが気になるところではないでしょうか?そんな時は所得税と住民税の目安を簡単に計算できるサイトを使うことをお勧めします。

専門的な知識がなくても、給与明細や源泉徴収票、保険料控除証明書などを見ながら、説明の通りに入力していくだけで、所得税・住民税の目安金額を知ることができます。所得税は源泉徴収済金額との差額が還付されますし、翌年の住民税も控除した場合、しない場合どのくらいの差が出るのか簡単に確認することができます。

例えば年収500万円の40代の方(月収は均等、賞与4カ月分。扶養家族1人として社会保険料、源泉徴収額はH26年、27年の計算表を元に試算)が家族の年金187,080円を控除した場合を試算してみると、+10,000円ほどの還付金と18,000円ほどの住民税の軽減が見込まれるようですので、少し注意して申告するだけで28,000円ほど得すると思うと、忘れずに手続きしたいものです。

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申告方法・申告書類の記入方法

どうしたら手続きできるの?書き方は?

さあ、実際に手続きが必要になった時、いつどのようにすればいいのかを確認しましょう。方法は2つ。年末調整での申告か確定申告での申告です。

年末の時点で会社に勤めている方は年末調整の際に「給与所得者の保険料控除及び配偶者特別控除申告書」という書類を記載しますが、その際、社会保険料控除の欄に必要事項を記入することで申告ができます。会社員以外の事業主の方や一年の途中で退職した方は確定申告をする際に同じように必要な欄を記入することで手続きができます。

年末調整で手続きする場合は、書類の右の配偶者特別控除申告書の下に社会保険料控除についての記載欄がありますので漏れの無いよう記載しましょう。確定申告で手続きする場合、途中退職した方は確定申告書A、事業所得者の方は確定申告書Bという書類を提出しますが、その中の社会保険料控除の欄に記載が必要です。記載方法については、国税庁HPに確定申告特集のページが用意され手引きや書式が確認できますので、参考にして記載し、申告の際に再度確認しましょう。

どちらの方法で控除する場合も、国民年金については年金機構から発行される社会保険料控除証明書の添付が必要です。もしも紛失してしまった場合は再発行も可能ですので、必ず用意し提出しましょう。

確定申告書などの様式・手引き:平成27年分 確定申告特集|国税庁
参照元:国税庁(2016年1月時点、著者調べ)



まとめ

様々な社会保険料控除を紹介しましたがいかがでしたでしょうか?別居家族や子供の年金など自分や配偶者以外の分が見逃してしまっている方も多いのではないでしょうか?

年末調整、確定申告の前には、一年で支払ったものを振り返り、自分のその年の社会保険料以外に追加で申告するものはないか確認しましょう。また、子供が成人したり、親族への支援を始める時には、送金方法や、前納・追納の支払いのタイミング等、控除が受けられるよう計画的に進めましょう。

追納や家族の分など多く支払いしたにも関わらず申告漏れで損をしてしまわないよう、注意したいものです。