【年収300万時代の家賃】実際のライフスタイル相場を徹底調査!

家賃は家計出費の多くを占めます。この費用は、賃貸とマイホームの場合で変わってきます。マンションの情報誌に、「家賃より安いローン」という謳い文句を頻繁に目にします。賃貸の賃料とローン負担を比較してマイホームを買う決断をする方も多いのではないでしょうか。今回は低所得者層?と見られる年収300万台の層の家賃とライフスタイルのあり方を考えてみたいと思います。



年収300万円時代と家賃相場

年収300万円台の占める比率と家賃相場を調べてみました。

年収300万円台の占める比率

年収300万円といっても正規社員と非正規社員で家賃の相場は違います。ある程度大きい会社の正規社員や公務員の場合、福利厚生で社宅や官舎がありますので、家賃を含む住居費を安くすることは容易です。それ以外の大多数の中小会社の正規社員や非正規社員はそのような恩恵がないと思いますので状況は厳しいものがあります。

正社員の場合、年収300万円といっても勤続年数に従って昇給する希望があります。ちなみに年収300万とは、年齢的に20代、月給ベースで考えると、ボーナスが2か月あるとして、月給20万円、手取り16万円ぐらいでしょう。

また、年収300万台は年収別統計の中では最も多い層で、男性で全体の約19%、女性で全体の約15%を占めています。

年収300万円を詳しく解説!
参照元:平均年収.jp(2016年 1月時点 筆者調べ)

家賃相場

この記事では、年収300万円台であっても福利厚生で社宅や官舎に入れる人は除外します。年齢的に20代、間取りはワンルーム・1K/1DKで東京都の場合、家賃の相場はいくらぐらいかを調べてみました。

東京都の地域から家賃相場を調べる【HOME'S】
参照元:賃貸情報が満載の不動産・住宅情報サイト【HOME'S/ホームズ】(2016年 1月時点 筆者調べ) 高いところで管理費、駐車代を除く平均賃料は10万円台から11万円台ぐらい、安いところでは4万円台から5万円台ぐらいです。東京ということもあって倍以上の差があります。安い方の4万円台から5万円台を借りる場合でも、手取りが16万円の場合は25%以上が住居費に消えてしまいます。

家計を圧迫しない家賃の金額設定を考えてもこれぐらいが現実的かと思います。

家賃がいくらまでなら払える?家計を圧迫しない家賃の金額設定
参照元: 暮らしの小箱(2016年 1月時点 筆者調べ)



年収と家賃の関係

東京都の場合、家賃の相場は高いところで管理費、駐車代を除く平均賃料は10万円台から11万円台ぐらい、安いところでは4万円台から5万円台ぐらいでした。

「適正な家賃は月収の3割以内」のルールがあるようですから、本記事ではこれに倣い、「手取りの3割以内」としました。年収300万円台以外にも、年収400万円台や年収500万円台についてワンルーム・1K/1DKで借りることができる物件がある地域をあげてみます。

年収300万円台だとワンルーム・1K/1DKで借りることができる物件があるのは次の地域でしょうか。

・青梅市
・武蔵村山市
・あきる野市

非常に少ないです。年収400万円台だと次の地域でしょうか。

・板橋区
・練馬区
・足立区
・葛飾区
・江戸川区
・八王子市
・立川市
・三鷹市ほか

都内の多くの地域が選択候補入ります。年収500万円台だとさらに次の地域が選択候補に入ります。

・大田区
・世田谷区
・中野区
・杉並区
・豊島区
・北区
・荒川区

東京都の地域から家賃相場を調べる
参照元:賃貸情報が満載の不動産・住宅情報サイト【HOME'S/ホームズ】(2016年 1月時点 筆者調べ)

年収の手取りって実際にいくら?
参照元:平均年収.jp(2016年 1月時点 筆者調べ) 結論を言えば、都内で年収300万円台だと「手取りの3割以内」でワンルーム・1K/1DKで借りることは難しそうです。手取りの4割から5割以内というところでしょうか。金額で言えば7万円から8万円は家賃で消えてしまう覚悟が必要なようです。

年収300万の家賃のあるべき姿

年収300万の人が職住近接を優先して家賃をかける場合とそうでない場合のメリットとデメリットを考えてみました。

家賃をかけた場合のメリット

職場が都心の場合、通勤時間が短くてすみます。都心(新宿)を目的地として通勤時間を調べてみました。

・青梅市(青梅)→新宿区(新宿)69分
・あきる野市(秋川)→新宿区(新宿)58分
・立川市(立川)→新宿区(新宿)28分
・三鷹市(三鷹)→新宿区(新宿)17分
・中野区(中野)→新宿区(新宿)4分

都内のサラリーマンの通勤時間の調査によれば、片道通勤時間の平均は58分、理想は35分、限界は86分だそうです。

「通勤」の実態調査2014
参照元:賃貸・不動産・マンションのことならアットホーム(2016年 1月時点 筆者調べ) このうち一番遠い青梅市で、サラリーマンの通勤時間の限界86分以内、平均58分以上です。往復で138分…毎日通勤すると、忙しい時期は体を壊しそうです。これに比べ、一番近い中野区は往復で8分ですからその差は130分です。

青梅市に物件を借りると、中野区に物件を借りた場合に比べて、1日24時間のうちの2時間以上を通勤でロスしています。部屋を借りる場合、家賃折半で親しい人とルームシェアして職場の近くに借りたほうがいいかもしれません。

家賃をかけた場合のデメリット

生活が苦しくなります。といっても本当に衣食住の住にお金をかけた分、衣食を切り詰めないと家計が維持できないのでしょうか。

手取りが16万円で中野区の物件を借りた場合に残るお金は8万5千円ぐらいです。貯金を2万円するとし、残り6万5千円から水道光熱費の平均2万円を引き、4万5千円で衣食をやりくりするという感じです。

家計調査報告(二人以上の世帯)―平成27年(2015年)11月分速報―
参照元:総務省(2016年 1月時点 筆者調べ) 独身なら先ほど紹介した家賃折半のルームシェアをするなどすれば状況は変わります。社宅はムリでも、会社の福利厚生で家賃補助などがあれば使いたいところです。

正直なところ、手取りが16万円ぐらいだと、都内の家賃の相場から見ても部屋を借りると家計が苦しいです。以下は母子家庭の場合を取り上げていますが、食費や水道光熱費などの節約の参考になります。

母子家庭の1ヶ月の生活費と貯金ができる節約方法のまとめ – シングルマザーボックス
参照元:シングルマザーボックス(2016年 1月時点 筆者調べ)

家賃をかけない場合のメリット

家賃をかける場合と比べて、やりくりは楽になります。その分、貯金することができます。

「適正な家賃は月収の3割以内」のルールがあるようですから、本記事ではこれに倣い、「手取りの3割以内」として、先ほどは東京都内にこだわってみました。しかし、首都圏は鉄道網が発達しているので、東京都以外の選択が可能です。

神奈川県、千葉県および埼玉県で家賃が5万円以下の地域と最寄りターミナルまでの所要時間を調べてみました。神奈川県の場合、最寄りターミナルを品川駅として次のようになりました。

・横浜市旭区・鶴ヶ峰→品川駅:34分
・座間市・座間→品川駅:53分

神奈川県の地域から家賃相場を調べる【HOME'S】
参照元:賃貸情報が満載の不動産・住宅情報サイト【HOME'S/ホームズ】(2016年 1月時点 筆者調べ) 千葉県の場合、最寄りターミナルを東京駅として次のようになりました。

・千葉市若葉区・都賀→東京駅:48分
・千葉市緑区・鎌取→東京駅:65分
・佐倉市・佐倉→東京駅:60分
・柏市・柏→東京駅:36分
・流山市・流山→東京駅:59分
・八千代市・八千代中央→東京駅:51分
・我孫子市・我孫子→東京駅:40分
・鎌ヶ谷市・新鎌ヶ谷→東京駅:51分
・四街道市・四街道→東京駅:51分

千葉県の地域から家賃相場を調べる【HOME'S】
参照元:賃貸情報が満載の不動産・住宅情報サイト【HOME'S/ホームズ】(2016年 1月時点 筆者調べ) 埼玉県の場合、最寄りターミナルを東京駅、池袋駅として次のようになりました。

・さいたま市見沼区・大和田→東京駅:52分
・さいたま市岩槻区・岩槻→東京駅:54分
・川越市・川越市→東京駅:54分
・熊谷市・熊谷→東京駅:39分
・所沢市・所沢→池袋駅:33分
・桶川市・桶川→池袋駅:45分
・久喜市・久喜→池袋駅:44分
・北本市・北本→池袋駅:49分
・坂戸市・坂戸→池袋駅:45分
・ふじみ野市・ふじみ野→池袋駅:30分

埼玉県の地域から家賃相場を調べる【HOME'S】
参照元:賃貸情報が満載の不動産・住宅情報サイト【HOME'S/ホームズ】(2016年 1月時点 筆者調べ)

家賃をかけない場合のデメリット

東京都内に拘らなければ、職場と住居が離れているデメリットを、交通網の発達である程度カバーできます。しかし、首都直下地震などで鉄道網が止まってしまうと帰宅困難者になってしまう点があります。特にシングルマザーで頑張っておられる方は子供が気がかりです。子供を預けて仕事をされている方は不測の事態に備えておいたほうがよいでしょう。

通勤に要する時間は限界86分以内、平均58分以上ということを述べました。これを基準にすると、神奈川県と千葉県は候補地が少ないですが、埼玉県は池袋に会社があるとした場合は居住候補地は比較的多いように思います。



属性とライフプランの立て方

機会費用と家賃の差額を比較

皆さんは通勤時間をどのように理解されておられるでしょうか。人は1日24時間を労働時間とそれ以外に使っていると単純に考えてみます。会社との労働契約の上で、通勤時間は拘束時間となり、通勤途上の事故は労働災害として扱われることはご承知でしょう。

会社から通勤手当が出るとしても、これは通勤で皆さんが立て替え支出した通勤費を精算したに過ぎません。通勤時間を労働時間として給料を支給する会社はないでしょう。こう考えると通勤時間は住所地と勤務地を移動するため「ムダな時間」と考えられないでしょうか。

「時は金なり」という諺があります。この諺にあてはめてみて考えます。人に与えられた時間は寿命という形で決まっています。お金に換算できる労働でもなく、労働に備えるための休息でもない時間を、通勤という移動時間として浪費しているのではないでしょうか。

例えば住居と職場との往復に2時間を要する人が、年収から計算して時給が1,000円だったとしましょう。住居と職場が同じであれば通勤時間2時間を労働時間として2,000円の報酬を得る機会があります。現実は通勤によってこの2,000円を得る機会を毎日失っているとも言えます。
仮に1年365日の労働日数が200日として、1年で40万円です。大きくないでしょうか。ここではこのようなお金を機会費用と考えて、家賃との比較を行い損得を評価してみることにしました。

1か月(30日)の機会費用の計算は次の式を使ってみました。

・機会費用=1分あたり給料(円/分)×住所と職場往復時間(分)×20日(労働日数)

年収300万円の機会費用は次の結果となりました。まず、東京在住で職場が新宿の場合です。

・中野に住んでいる:3,136円/月
・三鷹に住んでいる:13,328円/月
・立川に住んでいる:21,952円/月
・青梅に住んでいる:54,096円/月

平均家賃を調べてみますと次のようになります。

・中野家賃:7.52万円
・三鷹家賃:6.78万円
・立川家賃:5.94万円
・青梅家賃:4.45万円

東京都の地域から家賃相場を調べる【HOME'S】
参照元:賃貸情報が満載の不動産・住宅情報サイト【HOME'S/ホームズ】(2016年 1月時点 筆者調べ) 職場に近い地域に部屋を借りると、家賃は余分にかかりますが機会費用を減らすことができます。例えば青梅に住んで新宿に通勤していた人が中野に引っ越すと、余分にかかる家賃を通勤時間で消費していた時間を労働時間に換算して得られた報酬でカバーできれば、トータルとして得と考えることもできます。

上記の考えで、ケースごとに損得を計算すると次の結果となりました。

・中野と三鷹を比較→中野に住むほうが2,792円/月お得
・三鷹と立川を比較→あまり変わらない
・立川と青梅を比較→立川に住むほうが17,244円/月お得
・中野と青梅を比較→中野に住むほうが20,260円/月お得

機会費用は年収が高いほど大きくなりますので、年収が高い人ほど職場の近くの物件を借りるほうが合理的ということになります。

他の地域はどうなの?という方もおられると思いますので、年収300万円で家賃を手取りの3割以内とする場合で、神奈川県と千葉県、埼玉県の各都市の機会費用を算定してみました。なお、機会費用算定において前提条件を次のように設けています。

・神奈川県内に住む人は品川に職場がある
・千葉県内に住む人は丸の内に職場がある
・埼玉県東部に住む人は丸の内に職場がある
・埼玉県西部に住む人は池袋周辺に職場がある

神奈川県内に住む人の場合の機会費用は次のようになりました。

・横浜市旭区:26,656円/月
・座間市:41,552円/月

横浜市旭区と座間市の機会費用差額は14,896円/月なので家賃差額がこの金額以内の場合、横浜市旭区で部屋を借りた方が合理的といえそうです。

千葉県内に住む人の場合の機会費用は次のようになりました。

・柏市:28,224円/月
・我孫子市:31,360円/月
・千葉市若葉区:37,632円/月
・八千代市:39,984円/月
・鎌ヶ谷市:39,984円/月
・四街道市:39,984円/月
・流山市:46,256円/月
・佐倉市:47,040円/月
・千葉市緑区:50,960円/月

機会費用差額が家賃差額以上ある場合は、機会費用の小さい地域に部屋を借りた方が合理的といえそうです。続いて埼玉県東部に住む人の場合の機会費用は次のようになりました。

・熊谷市:30,576円/月
・さいたま市見沼区:40,768円/月
・さいたま市岩槻区:42,336円/月
・川越市:42,336円/月

熊谷市の物件と川越市の物件の家賃の差が1万2千円以内なら熊谷市の物件を借りるほうがお得と考えられます。埼玉県西部に住む人の場合の機会費用は次のようになりました。

・ふじみ野市:23,520円/月
・所沢市:25,872円/月
・久喜市:34,496円/月
・坂戸市:35,280円/月
・桶川市:35,280円/月
・北本市:38,416円/月

ふじみ野市の物件と北本市の物件の家賃の差が1万4千円以内なら、ふじみ野市の物件を借りるほうがお得と考えられます。

東京都内に住む場合と同様に、個別に機会費用の都市間の差額と家賃の差額から損得を計算してみると面白いかもしれません。

年齢と年収のデータ

年収300万台の層について把握するため、性別と年齢に対する平均年収を調べてみました。まず20代の結果を示します。

・24歳以下男性:265万円
・24歳以下女性:226万円
・29歳以下男性:371万円
・29歳以下女性:295万円

20代の平均年収を詳しく解説!
参照元:平均年収.jp(2016年 1月時点 筆者調べ) 次に30代の結果を示します。

・30代前半男性:450万程度
・30代前半女性:300万程度
・30代後半男性:530万程度
・30代後半女性:290万程度

30代の平均年収を詳しく解説!
参照元:平均年収.jp(2016年 1月時点 筆者調べ) 出産、育児の有無で女性の年収には違いが出ています。

業種業界の違いもあります。例えば2020年に開催が予定されている東京五輪の関係で建設業が人手不足で給料は高いです。したがって建設機械のオペレータとして女性の参入が増えているようです。

年収300万というのは男性で20代後半、女性で20代後半から30代前半という感じでしょうか。

ライフプランを考える上で、男性は30代に入ってから、年収を300万から400万、さらに500万と順調に伸ばしていけるかどうかがカギとなりそうです。年収が500万を超えてくると子供の教育に加え、マイホーム取得が視野に入ってきます。

マイホームを取得しない世帯だと、職場の近くに賃貸物件を探すほうが、先ほどの機会費用の面でベターな選択になると思います。

居住候補地と周辺環境

居住候補地の周辺環境のチェックは重要です。特に託児所や保育所、初等教育機関や医療機関、日々の暮らしを支える商店街やショッピングセンターが充実しているかチェックします。
その他、休日に子供とすごすことができる公園の充実度や自然環境の良さなども確認しておいたほうがいいでしょう。

まとめ

ここまで、年収300万時代の家賃とライフスタイルをテーマに述べてきました。まとめると次のようになります。

・年収300万台は年収別統計の中では最も多い層で、男性で全体の約19%、女性で全体の約15%を占めている
・上記の層は、大会社や公務員など社宅や官舎といった福利厚生を利用できる層とそれ以外の層がある
・年収300万円台だとワンルーム・1K/1DKで年収の3割以内で借りることができる物件は東京都内や神奈川県内には少なく、千葉県もしくは埼玉県の物件が中心になる
・居住候補地の選定に際し、物件の家賃の金額だけでなく、通勤で失われる機会費用も考慮して選びたい
・機会費用は年収が高いほど大きくなるので、賃貸を続ける場合、年収が高くなるほど職場の近くの物件を借りて利便性を優先するほうが合理的と思われる
・その他、居住候補地の選定に際し、託児所や保育所、初等教育機関や医療機関、日々の暮らしを支える商店街やショッピングセンターが充実しているなど周辺環境の良さがポイントとなる

地方の時代と言われている一方で、東京一極集中が益々進み、首都圏で暮らす上で家賃負担は重くなってきているようです。
インターネットやIT技術を生かした新しい働き方が社会に認知され、普及することで通勤の機会を減らし、ワークライフバランスを実現できる働き方ができる社会を早期に実現する必要があると感じます。