【保険控除申告書】ちゃんと書いている?大事な節税対策ですよ!

保険料控除申告書ってなんか難しくて「まあいいや」で済ませてしまっている方はいませんか?実際、年末調整時に会社から渡される「扶養控除等(異動)申告書」と「保険料控除申告書 兼 配偶者特別控除申告書」の書き方って普通教えてくれませんよね。そのため本当は所得控除が適用がされるのに「面倒」とか「わからない」でつい済ましてしまいます。申告しなければ戻ってくるはずの税金もその分少なくなってしまいます。



保険控除申告書とは

申告する理由

サラリーマンなら社会保険料は毎月の給料から差し引かれていますので、会社の事務担当者は当然分かっているのですが、個人か任意に加入している各種保険については何も情報がないため分かりません。加入しているのか加入していないのか、またどんな保険に加入しているのかを知ることができませんので、年末調整の時期になると「扶養控除等(異動)申告書」と「保険料控除申告書 兼 配偶者特別控除申告書」の2種類の書類を渡しそれぞれ自己申告してもらうのです。

その書類のうち「保険料控除申告書 兼 配偶者特別控除申告書」は、個人が加入している各種保険の種類や支払った金額を記入しますのでその年の正しい税金額を計算することができます。

年末調整で処理することができる保険料には社会保険料、生命保険料、地震保険料の3種類があり、きちんと記入することで税金の戻り額が増えることが期待できますので、今回その計算の仕方をご説明します。

忘れがちな社会保険料控除

サラリーマンの社会保険料については会社の事務担当者も把握しているので特に気にする必要もないのですが、生計を一にする配偶者や子ども、またはその他の親族が納めるべき社会保険料を立替えて支払ったときは所得控除の対象となりますので忘れずに記入しましょう。

控除される金額はその年に支払った金額を差し引くことができますので、扶養家族になっていない配偶者や子どもの国民健康保険料や国民年金保険料を支払ったのなら結構な金額となります。例えば合計して100万円支払ったのならその全額を控除することができます。なお控除の対象となる社会保険料は以下の種類です。

・健康保険、国民年金、厚生年金保険及び船員保険の保険料で被保険者として負担するもの
・国民健康保険の保険料又は国民健康保険税
・高齢者の医療の確保に関する法律の規定による保険料
・介護保険法の規定による介護保険料
・雇用保険の被保険者として負担する労働保険料
・国民年金基金の加入員として負担する掛金
・厚生年金基金の加入員として負担する掛金
・国家公務員共済組合法、地方公務員等共済組合法、私立学校教職員共済法、恩給法等の規定による掛金、納付金又は納金
・労働者災害補償保険の特別加入者の規定により負担する保険料
・地方公共団体の職員が条例の規定によって組織する互助会の行う職員の相互扶助に関する制度で、一定の要件を備えているものとして所轄税務署長の承認を受けた制度に基づきその職員が負担する掛金
・独立行政法人農業者年金基金法の規定により被保険者として負担する農業者年金の保険料
・国家公務員共済組合法等の一部を改正する法律の公庫等の復帰希望職員に関する経過措置の規定による掛金
・健康保険法附則又は船員保険法附則の規定により被保険者が承認法人等に支払う負担金
・租税条約の規定により、当該租税条約の相手国の社会保障制度に対して支払われるもの(我が国の社会保障制度に対して支払われる当該租税条約に規定する強制保険料と同様の方法並びに類似の条件及び制限に従って取り扱うこととされているものに限ります。)のうち一定額

出典:

www.nta.go.jp

No.1130 社会保険料控除|所得税|国税庁
参照元:国税庁(2016年1月、著者調べ)

転職しているなら自分のも

その年の途中で転職した場合の年末調整は転職後の会社で行うことになります。転職後の会社では今までいくらの社会保険料を納めたのかが分かりません。また、転職するまでに数カ月に期間があるのならその間に支払った国民健康保険料や国民年金保険料も申告しないと、転職後の勤務先で正しく年末調整ができませんので該当する方は忘れずに申告しましょう。

記入個所は「保険料控除申告書 兼 配偶者特別控除申告書」の右下にある「社会保険料控除」という欄がありますのでそこへ社会保険の種類や氏名、金額などを書けばOKです。

保険料控除申告書 兼 配偶者特別控除申告書
参照元:国税庁(2016年1月、著者調べ)



保険控除申告書について

対象となる生命保険

生命保険料控除とは、加入者が保険会社へ支払った保険料のうち一定額を所得から差し引くことのできる所得控除のひとつです。その額を所得金額から控除することで所得税と住民税が安くなることが期待できます。控除の対象となる生命保険には次のような種類があります。

・一般の生命保契約
・介護医療保険契約
・個人年金保契約

ただし保険金が5年以内の貯蓄保険や貯蓄共済は含まれません。また日本国外で契約した外国の鶏鳴保険会社や侵害保険会社、傷害保険契約、財形貯蓄契約などは認められませんので気をつけた方が良いでしょう。

No.1141 生命保険料控除の対象となる保険契約等|所得税|国税庁
参照元:国税庁(2016年1月、著者調べ)

控除の対象となる条件

一般の生命保契約と介護医療保険契約が控除対象となるには条件があり、保険金の受取人が契約者本人または配偶者や6親等以内の血族と3親等以内の婚族となっていることです。したがって他人の保険料を支払っていても保険金の受取人が以上に該当しない場合は控除することはできません。

また医療保険や介護保険、がん保険は加入している会社が損害保険会社だとしても、一般の生命保険契約や介護医療保険契約とみなされ控除することができますのでお忘れなく。

また個人年金保険契約の控除対象となる条件は「個人年金保険料税制適格特約」をつけていることが条件となる他に以下の条件をすべて満たしていないと控除されません。

・個人年金の受取人が契約者か配偶者であること
・個人年金の受取人が被保険者になっていること
・個人年金の払込年数が10年以上であること
・個人年金は確定または有期のときは受取開始が60歳以上で年金の受取期間が10年以上であること

よって一時払い個人年金や変額個人年金契約は個人年金保険の控除対象にはならず、一般の生命保険契約とみなされます。また特約として災害入院特約や疾病入院特約をつけているときは、その特約について介護医療保険契約とみなされます。

申告書を書く前に

生命保険料を控除してもらうには保険会社から郵送されてくる「生命保険料控除証明書」が必ず必要です。これがないといくら「給与所得者の保険料控除申告書 兼 給与所得者の配偶者特別控除申告書」に記入してもそれを証明する根拠がなければ認められません。

「生命保険料控除証明書」には生命保険の種類や年間に払い込んだ金額が書いてありますので、それが一般の生命保険契約なのか介護保険契約なのかまたは個人年金保険契約なのかを確認して種類ごとに分けましょう。もし「生命保険料控除証明書」が見当たらなくても保険会社へ再発行を依頼すれば良いですよ。

生命保険料の控除額は最高額が決まっていますので、それぞれ複数の契約があるときは金額の多いものを1つ選べば後は必要ない可能性もあります。例えば3種類に分けた後に年間保険料の払込額が8万円を超えている契約が1つあれば、その種類については他の控除証明書は不要となります。

しかし年間保険料の払込額が8万円に達していないときは8万円以上になるように2つ、または3つの控除証明書が必要となりますので注意してください。この払込金額8万円というのは3種類の保険契約に共通していますので、最初に種類ごとに分ける作業をしないと誤って破棄してしまう可能性もありますので必ず最初にやった方が良いでしょう。なお8万円という金額は平成24年1月1日以降に契約した保険になりますのでご了承お願いします。

平成23年12月31日以前に契約した保険料の控除額については順を追ってご説明させていただきます。

控除される金額

平成22年度の税制改革によって生命保険料控除が変わり、保険の契約日が平成23年12月31日までの契約(旧契約)と平成24年1月1日以降の契約(新契約)とで控除される金額が異なりますので注意してください。また平成24年1月1日から介護医療保険料控除が新設されていますのでこちらについても確認してください。

控除される金額は旧契約と新契約では異なっており以下のとおりです。

・旧契約(平成23年12月31日までの契約)
:生命保険料控除(遺族保障+介護保障+医療保障)は最高5万円控除
:個人年金保険料控除(養老保障など)は最高5万円控除

・新契約(平成24年1月1日以降の契約)
:生命保険料控除(遺族保障)は最高4万円控除
:介護医療保険料控除(介護保障+医療保障)は最高4万円控除
:個人年金保険料控除(養老保障など)は最高4万円控除

以上のように新契約では生命保険料控除のうち、介護医療保険について区分が新設され全体的には旧契約の控除額最高10万円から12万円と増えています。

No.1140 生命保険料控除|所得税|国税庁
参照元:国税庁(2016年1月、著者調べ)

控除金額の計算

新契約のみの場合

平成24年1月1日以降に契約した生命保険料、介護医療保険料、個人年金保険料の控除額は以下の計算で控除額を求めることができます。

■年間払込金額が2万円以下
・控除額=年間払込金額
2万円以下の場合はそのままの金額が控除されます。もちろん払込金額が1万円なら控除額も1万円ということですね。

■年間払込金額が2万円超4万円以下
・控除額=年間払込金額x1/2+1万円
仮に3万円払い込んであれば控除額=3万円x1/2+1万円=2万5,000円になります。

■年間払込金額が4万円超8万円以下
・控除額=年間払込金額x1/4+2万円
年間払込金額が7万円なら控除額=7万円x1/4+2万円=3万7,500円となります。

■年間払込金額が8万円超
・控除額=4万円
年間払込金額が8万円を超えれば、例え20万円払い込んだとしても最高額4万円しか控除できませんので、同じ種類で複数の契約が合った場合1つの契約の払込金額が8万円を超えているときは、他の契約を記入する必要はないといえます。

旧契約のみの場合

平成23年12月31日までの契約は、介護医療保険は一般の生命保険料に含まれていましたので計算方法が異なっています。

■年間払込金額が2万5,000円以下
・控除額=年間払込金額
2万5,000円以下の場合はそのままの金額が控除されます。もちろん払込金額が2万円なら控除額も2万円となります。

■年間払込金額が2万5,000円超5万円以下
・控除額=年間払込金額x1/2+1万2,500円
仮に4万円払い込んであれば控除額=4万円x1/2+1万2,500円=3万2,500円になります。

■年間払込金額が5万円超10万円以下
・控除額=年間払込金額x1/4+2万5,000円
年間払込金額が8万円なら控除額=8万円x1/4+2万5,000円=4万5,000円となります。

■年間払込金額が10万円超
・控除額=5万円
旧契約では年間払込金額が10万円超えれば、例え15万円払い込んだとしても最高額5万円しか控除できませんので、同じ種類で複数の契約が合った場合1つの契約の払込金額が10万円を超えているときは、他の契約を記入する必要はないですね。

新契約と旧契約の両方がある場合

平成23年12月31日までの保険契約(旧契約)と平成24年1月1日以降に契約した保険契約(新契約)の両方ある場合は、生命保険料、個人年金保険料ごとに以下のいずれかを選択して計算することができます。

■新契約で控除適用を受ける場合
:新契約の計算に基づいて控除額を計算します。

■旧契約で控除適用を場合
:旧契約の計算に基づいて控除額を計算します。

■新契約と旧契約の両方の適用を受ける場合
:新契約と旧契約の控除額を合計しますが、控除される金額は最高4万円です。

例えば旧契約で一般の生命保険料控除額として5万円あり個人年金保険料控除額が5万円、それに加えて新契約で介護医療保険料控除額が4万円の場合合計すると14万円となってしまいますが、控除される金額の合計額は12万円となっていますがこのケースでは14万円控除されずに12万円の控除となります。

また以下の保険も控除の対象となります。



地震保険料

地震保険料控除

地震保険料控除とは損害保険契約のうち地震損害の保険料を支払った場合に控除される所得控除です。地震保険で補てんされるのは契約者や契約者と生計を一にしている配偶者、子ども及び親族が所有する家屋や家財道具などの動産が対象となります。

地震保険は平成18年12月31日までに契約した長期損害保険契約も旧契約分として控除の対象となる場合があります。

(1) 平成18年12月31日までに締結した契約(保険期間又は共済期間の始期が平成19年1月1日以後のものは除く)

(2)満期返戻金等のあるもので保険期間又は共済期間が10年以上の契約

(3)平成19年1月1日以後にその損害保険契約等の変更をしていないもの

出典:

www.nta.go.jp

控除額(旧契約)

契約が旧契約に該当する場合や平成19年1月1日以降に契約した地震保険契約で控除される金額が異なり以下のとおりとなります。

■旧契約がある場合
・年間払込金額が1万円以下
:控除額=年間払込金額
払込金額が1万円なら1万円が控除され、払込額が5,000円なら5,000円が控除額になります。

・年間払込金額が1万円超2万円以下
:控除額=年間払込金額x1/2+5,000円
払込額が2万円なら控除額=2万円x1/2+5,000円=1万5,000円が控除されます。

・年間払込額が2万円超
:控除額=1万5,000円
払込金額が2万円を超えても最高で1万5,000円の控除が適用されます。

No.1145 地震保険料控除|所得税|国税庁
参照元:国税庁(2016年1月、著者調べ)

控除額(新契約)

平成19年1月1日以降の契約についての控除額は以下のとおりです。

■地震保険料
・年間払込金額が5万円以下
:控除額=年間払込金額
払込金額が3万円なら控除額も3万円となります。

・年間払込金額が5万円超
:控除額=5万円
払込金額が5万円を超えても控除される金額は最高で5万円となります。

控除額(新・旧両方ある場合)

地震保険(新契約)と旧契約の両方ある場合は、旧契約分と地震保険分(新契約)の両方の控除額を計算した金額が控除されますが、計算の結果控除額が5万円を超えても5万円が控除されます。

例えば旧契約で年間払込金額が2万円を超えたときの控除額は1万5,000円、地震保険で払込金額が5万円を超えたときの控除額は5万円となり合計すれば6万5,000円となりますが、控除額の最高が5万円となっていますのでこの例では控除される金額は5万円になります。

地震保険料控除の注意点

保険会社から送られてきた控除証明書に、地震保険料控除と旧契約分の控除の2種類が一緒になって記載されている場合は控除額を合計することができません。このときはどちらか一方のみを選択しなければなりません。

ただし保険会社は違っている場合は両方の控除額を合計することができます。

まとめ

いかがでしたでしょうか。配偶者控除や扶養者控除の額に比べると金額的には少ないともいえますが、せっかく控除できるのに申告しないでおくのはもったいないといえます。控除の種類や控除額の計算も比較的簡単ですので、年末調整で申告しなかった方は確定申告時に自分で税務署に提出すれば還付金を期待できるでしょう。