<国民年金>払ってないとどうなるのか?気になる社会問題を調査

20歳以上の方は、納付する義務のある「国民年金」。みなさんは、ちゃんと払っていますか?会社員や公務員であれば、厚生年金や共済年金で加入しているので、問題ないでしょう。また、その配偶者(奥さん)も扶養されていれば、大丈夫です。問題は、未納を無視していること。無視し続けたら、どうなるのか?年金問題について、調べてみました。



年金問題について

みなさんも時々、耳にしているであろう「年金問題」。自分の老後に年金は、もらえるのか?それとも、もらえないの?なんて不安な話題も出てますよね。そういう話題が出ると、さらに納付する率が低くなっていくように思います。

日本は、高齢化社会に伴い、少子化が深刻化している国の1つでもあります。そのため、将来、自分がもらう年金の額が「減る」という恐れは、「ゼロ」ではないかもしれません。それ故、「満額もらえないなら、納付しなくてもいいや!」なんて思う人が出てくるのではないでしょうか?

そのような問題点も含め、年金支払いの重要性について、ご紹介したいと思います!

年金を払うのは「義務」

厚生労働省の調査(平成25年)から、国民年金の未納者は40%程度いると判明しているそうです。会社員であれば、お給料から「厚生年金」が自動的に天引きされますので、問題無いと言って良いでしょう。しかし、国民年金は「自ら」払わなければいけないという印象がありますよね。それにより、国民もネガティブなのかもしれません。

「将来、年金はもらえるか判らないから、保険料を払わない」ということをお考えの方、少なからずいらっしゃるのではないでしょうか?ですが、この判断は、NG!です。なぜなら、国民年金は公的な年金制度であり、「義務」だからです。

所得があるにもかかわらず、国民年金保険料を支払わない場合、国が「強制的」に保険料を「徴収する」ことができる法律が適用される(差し押さえなど)恐れもあるでしょう。

国民年金保険料納付状況(平成25年度):厚生労働省年金局
参照元:厚生労働省年金局(2015年11月時点、著者調べ)

未納者には、督促状も!

日本年金機構は、年金権の確保につなげるべく、強制徴収を実施しているそうです。

(要件)
■控除後所得:400万円以上かつ、
■未納月数:13カ月以上

この要件を満たす方で、国民年金保険料を「支払う能力」がありながら、「たび重なる督励」にもかかわらず、保険料を納付する「意思がない」者に対し、財産調査や差押えに集中して取り組むということです。
※控除後所得額: 1,000万円以上ある方については、取組を徹底。

・たび重なる督励にもかかわらず納付する意思がない人:14,508人
※うち、控除後所得額が 1,000万円以上ある人:992人
■強制徴収の実施状況
※カッコ内は、控除後所得額 1,000万円以上の方。

<平成 26 年 4 月~11 月分>
・最終催告状:(4,153 件)/56,767件
・督促状:(2,003 件)/33,175件
・財産差押:(201 件)/8,104件

<平成 25 年 4 月~11 月分>
・最終催告状:(4,032 件)/65,984件
・督促状:(1,450件)/28,426件
・財産差押:(194件)/4,617件

■最終催告状:強制徴収の対象者に対し、納付書とともに送付する催告文書。記載した指定期限までに納付を求め、指定期限までに納付されない場合は、滞納処分(財産差押え)を開始することを明記している。

■督促状:最終催告状送付後、指定期限までに納付されない者に対し納付を督促する文書。督促状の指定期限までに納付されない場合は、滞納処分が開始され、延滞金が課せられるほか、滞納者だけでなく連帯納付義務者(滞納者の世帯主や配偶者)の財産差押えが実施される。(国税徴収法)

国民年金保険料の強制徴収の取組:日本年金機構
参照元:日本年金機構(2015年11月時点、著者調べ)



日本の年金制度について

公的年金制度とは

年金には、3種類あり、国内に住所のあるすべての人へ加入を義務づけられています。その人の働き方により、加入する年金制度が決まるのです。

<年金制度>
■国民年金:日本国内に住む20歳以上、60歳未満のすべての人。
■厚生年金:厚生年金保険の適用を受ける会社に勤務する全ての人。
■共済年金:公務員や、私立学校教職員など。

公的年金制度の概要 |厚生労働省
参照元:厚生労働省(2015年11月時点、著者調べ)

国民年金について

国民年金は、日本国内に住所を有する20歳以上60歳未満の「すべての人」が加入するものです。老齢・障害・死亡により「基礎年金」を受けることができます。

国民年金には、
・「第1号被保険者」
・「第2号被保険者」
・「第3号被保険者」

の3種類があり、どの制度に加入するかにより、保険料の納め方が異なるのです。

■第1号被保険者
・対象者:農業従事者、自営業者、学生、フリーター、無職など。

・納付方法:納付書による納付や口座振替など、自分で納めます。
※経済的な事情で納められない場合は、免除や納付猶予の仕組みもあります。

■第2号被保険者
・対象者:厚生年金保険の適用を受けている事業所に勤務する者であれば、「自動的に」国民年金へも加入しています。
※但し、65歳以上で老齢年金を受ける人を除く。

・納付方法:国民年金保険料は厚生年金保険料に「含まれる」ため、厚生年金をかけている人は自動的に国民年金にも加入することになります。厚生・共済各制度が、国民年金制度へ「基礎年金拠出金」を交付する仕組みです。

■第3号被保険者
・対象者:第2号被保険者の配偶者で20歳以上60歳未満の人。
※但し、年間収入が130万円以上で健康保険の扶養となれない人は、第3号被保険者とはならず、第1号被保険者となります。

・納付方法:国民年金保険料は、配偶者が加入する年金制度が「一括負担」することになります。

厚生年金、共済年金について

■厚生年金保険に加入している人
厚生年金保険制度を通じて、国民年金の「第2号被保険者」に分類されます。国民年金の給付である「基礎年金」に加え、「厚生年金」が受けられることになるでしょう。

■共済組合に加入している人
共済組合制度は、国家公務員、地方公務員や、私立学校の教員などとして常時勤務する人は、組合員(私立学校教職員共済では加入員)となります。

<名称:対象者/保険者>
・国家公務員共済組合:常勤の国家公務員等/各省庁の共済組合
・地方公務員等共済組合:常勤の地方公務員等/各地方公共団体の共済組合
・私立学校教職員共済組合:私立学校に勤務する教職員/日本私立学校振興、共済事業団

共済組合には、「短期給付」と「長期給付」があります。

■短期給付:健康保険と同様の給付
■長期給付:年金給付と同様の給付

<長期給付>
■退職共済年金
■障害共済年金
■遺族共済年金
 
長期給付は、厚生年金に相当するため、基礎年金に上乗せして給付されることになるでしょう。

公的年金の種類と加入する制度:日本年金機構
参照元:日本年金機構(2015年11月時点、著者調べ)

年金を「払ってない」と起る問題は?

老後の生活は、どうするの?

以前、東海道新幹線「のぞみ」において、年金金額の少なさに反発した焼身自殺事件があったことを覚えていらっしゃいますでしょうか?

その老人(男性)は、「年金額24万円(1カ月あたり12万円)では、生活できない!」という抗議をするべく、この事件を起こしたわけであります。確かに、1カ月あたり12万円での生活は、非常に厳しかったことが想像できるでしょう。しかしながら、この方には、「1カ月12万円」が支給されていたわけです。

これがもし、年金を払わずに老後を迎えようとしている方であれば、「生活保護制度」を受ければいいと簡単に考えているかもしれません。現時点で、そのような老人も非常に多くなっているというニュースを見たことがあります。ですが、ここで問題が発生するわけです。
<国民年金の「基礎年金」の金額が、生活保護額を下回る>

年金を払ってきた人の受給する「年金額」より、払ってこなかった人が受給する「生活保護額」の方が高くなる、逆転現象が起こっているのです。これにより、年金受給者は、困惑しているでしょう。生活保護を貰う方が、有利なわけですから。

この矛盾は、誰が見てもおかしいですよね?!近い将来、この問題を解決する策が取られる可能性は、考えられるでしょう。それは、生活保護額の「減額」です。特に、理由が「年金を納めなかった」または、「加入期間が不足していた」というものであれば、なおさら考えられるでしょう。

そんなことが将来発生したら、年金を払ってこなかった人たちの老後の生活がどうなるか?想像できますよね。生活は、成り立たなくなるでしょう。それを防ぐためにも、今、年金を支払うべきと言った方が良いでしょう。

納付期間が足りない!

国民年金の未納期間が多くなる場合は、給料から天引きされた「厚生年金保険料」が無駄になる恐れがあるでしょう。

・過去に厚生年金に加入した期間
・これから次の会社に就職して厚生年金に加入する期間
・国民年金保険料を納付した期間(免除期間を含む)

この3つを合計して、25年(300カ月)以上ないと、国民年金や厚生年金が「支給されない」のです。
※受給資格期間が、現在の最低25年から10年へと短縮される予定です。

時効で納めることができなかった国民年金保険料について、後納制度を利用することで、年金額が増えたり、納付した期間が不足して年金を受給できなかった方が年金受給資格を得られる場合が出てくるでしょう。

※詳しくは、お近くの年金事務所へお問い合わせ下さい。

納め忘れによる減額も!

国民年金保険料の「納め忘れ」が1年分あるとすろと、受け取る年金が「年額約2万円」、一生涯減額され続けます。もし、2年分の納め忘れでは、「年額約4万円」が減額される計算です。もし納め忘れがあるのであれば、平成27年10月から平成30年9月までの3年間に限り、過去5年分まで納めることができる制度もありますので、納め忘れの無いようにしましょう!

国民年金保険料の後納制度:日本年金機構
参照元:日本年金機構(2015年11月時点、著者調べ)



年金を「払うこと」の意味

もしもの事態に備えた制度

国民年金というと「老後の年金」を想像する方が多いかもしれません。しかし、国民年金は、老後の年金だけではありません。一定の納付要件を満たした加入者であれば、

■事故や病気で障害が残った時:障害基礎年金
■死亡した時:遺族基礎年金、寡婦年金(遺族に対して)

が支給されることになります。何かあった場合、本人だけでなく、家族への保障もあるのです。

このように、国民年金は、老後の生活資金だけでなく、もしもの事態に備えた、便利な制度であると言えるでしょう。そのため、「年金をしっかり納付しましょう」と言われるのです。

老後の生活に備えた制度

「老齢基礎年金」については、65歳から「終身(死ぬまで)」でもらうことが出来ます。厚生労働省の簡易生命表(平成25年度)によると、日本人の平均寿命は、

・男性:80.21歳
・女性:86.61歳

医療技術も発達しており、将来的にさらに平均寿命が、高くなることも予想されるでしょう。ちなみに、老齢基礎年金は、「74歳より」長生きすれば、元を取ることが出来る計算となります。そのため、平均的な日本の老人は、得していることになるでしょう。年金を払っておけば、メリットがあるでしょう。

年金を請求する方:日本年金機構
参照元:日本年金機構(2015年11月時点、著者調べ)

経済的に払えない場合は?

保険料免除・納付猶予制度

収入減少や失業等により、保険料を納めることが経済的に難しい場合について、説明したいと思います。

国民年金第1号の被保険者は、毎月の保険料を納めていただく必要がありますが、所得が少ないなど、保険料を納めることが難しい場合もあるでしょう。そのような場合は、次のような措置が考えられます。未納のままにはせず、「国民年金保険料免除・納付猶予制度」の手続きをして下さい。

保険料免除や、納付猶予になった期間は、年金の受給資格期間(25年間)には算入されます。しかし、年金額を計算する場合は、保険料免除は、保険料を納めた時に比べて2分の1(平成21年3月までの免除期間は3分の1)となるでしょう。
※納付猶予になった期間は、年金額には反映されません。

学生納付特例制度

日本国内に住むすべての人は、「20歳になった時」から国民年金の被保険者となります。そのため、保険料の納付が義務づけられていますが、学生は、申請により在学中の保険料の納付が「猶予」される「学生納付特例制度」があります。

<本人の所得>
・本年度の所得基準(申請者本人のみ)
・118万円+扶養親族等の数×38万円+社会保険料控除等 

が対象となります。
※家族の所得の多寡は問いません。

学生とは、下記学校に通う学生を指します。

・大学(大学院)
・短期大学
・高等学校
・高等専門学校
・専修学校及び各種学校

※一部の海外大学の日本分校に在学する方で、夜間・定時制課程や通信課程の方も含まれます。ほとんどの学生が対象となると言えるでしょう。

■各種学校:修業年限が1年以上の課程に在学している方に限る (私立の各種学校については都道府県知事の認可を受けた学校に限る)

■海外大学の日本分校:日本国内にある海外大学の日本分校等であって、文部科学大臣が個別に指定した課程に在籍する方。
<平成27年4月時点>
・テンプル大学ジャパンの一部の課程
・レイクランド大学ジャパンキャンパス
・専修学校ロシア極東大函館校
・天津中医薬大学中薬学院日本校
・国際連合大学
・アライアント国際大学・カリフォルニア臨床心理大学院日本校
・北京語言大学東京校の一部の課程
・マギル大学ジャパンの一部の課程

配偶者のDVによる保険料免除(特例免除)

配偶者からの暴力(DV)により配偶者(DV加害者)と住居が異なる場合、配偶者の所得にかかわらず、本人の前年所得が「一定以下」であれば、保険料の全額または、一部が「免除」になる制度です。

■平成26年4月より、申請時点の2年1ヵ月前まで免除を申請できるようになりました。過去2年間に国民年金保険料の未納期間がある方は、相談しましょう。

■免除となる期間は、毎年7月から翌年6月まで。

■申請および、住居に関する申出は、毎年必要となります。

■初回申請の際に、「婦人相談所」および「配偶者暴力相談支援センター」等の公的機関が発行する「証明書」(暴力被害者の保護に関する証明書)の添付が必要となるでしょう。

※詳しくは、お近くの年金事務所へお問い合わせ下さい。 払えない場合でも、未納のままにはせず、上記のような制度を利用することをおすすめします。なぜなら、未納の間に事故(障害や死亡といった事態)が発生すると、「障害基礎年金」や「遺族基礎年金」が受けられなくなることが予想されるためです。

わからないことがあれば、お近くの年金事務所へ相談してみると良いでしょう。

保険料を納めることが難しいとき:日本年金機構
参照元:日本年金機構(2015年11月時点、著者調べ)

まとめ

ここまで、「国民年金」払ってないとどうなるのか?見てみましたが、いかがでしたでしょうか?思っている以上に恐ろしいことが将来発展する可能性を感じました。「周りの友人も払ってないから大丈夫」と思っているあなた!それは、心を入れ替える必要があります。

年金は、老後の心配だけでなく、今何かあった場合にも適用される制度であることもわかりましたね!ある意味、保険と同じと考えても良いでしょう。また、近い将来、受給資格期間が最低10年へと短縮されることもメリットと言えるでしょう。ぜひ年金の納付をすることをおすすめします! ※本記事は一般的な情報に過ぎず、適用法令等の改正、前提事実や個人状況の違いおよび変化によって、掲載内容と実際の結果が異なってしまう可能性があります。従って本記事の掲載内容については一切の責任を負いかねますので、内容の解釈や実践はご自身の責任で行い、専門家に相談されることを推奨いたします。