40歳からの<介護保険>仕組みとそのサービス内容の必要な知識

40歳になってお給料が少し減りませんでしたか?それは介護保険料が引かれているのです。しかし介護保険料を払っていても、介護保険の仕組みやそのサービス内容については知らない方も多いですね。また、民間の介護保険というものもあります。ここでは、公的介護保険と民間の介護保険について、徹底的に解説していきます。



介護保険とは

自身や家族が介護の必要になったときのことを考えたことがありますか?介護保険については、病院へ行ったときに利用する医療保険とは違い、あまり普段気にしないで過ごしている方も多いと思います。しかし、もしも介護が必要になったとしたら、介護される人も介助をする人も肉体的や精神的に負担がかかってきます。さらに金銭面での不安も大きくなる可能性がありますね。

介護保険とは、そんな負担や不安を軽減するための保険なのです。しかし、介護保険といっても、公的な保険と民間の保険とあり、それがどう違うのかわかりにくいものですね。そんな介護保険について、民間のものと公的なものの違いや、介護に関するお金、利用できるサービスなどを確認しておきましょう。

公的介護保険と民間の介護保険の違い

まず、公的な介護保険と民間の介護保険の違いについてです。40歳になると介護保険料は健康保険料などと一緒に自動的に支払いが発生します。公的な介護保険は、40歳以上が被保険者となり、万が一介護状態になってしまった場合に、介護に関するサービスを1割もしくは2割の負担で受けられるというものです。

それに対して民間の介護保険は、自身で介護にかかるお金を準備するものになります。万が一介護状態になってしまった場合、一時金、または年金方式でお金を受け取れる保険となります。

どちらも介護状態となってしまった場合の保障になるのですが、その支払い要件やサービスを受けられる条件などは異なってきます。基本的に、民間の介護保険は、公的な介護保険だけでは金銭面での不安を取り除くための保障なのです。



介護に関する現状

介護に関する支援などを必要としている人は、年々増加しています。要介護や要支援と認定されている人は、2013年には約584万人にもなっていて、前年に比べると4%も増加している状況です。2000年の公的介護保険制度が始まった頃と比べても、約2倍以上となっています。

高齢化社会が年々進行していることがよくわかりますね。そして介護に関して80%以上の人が不安を感じています。その不安とは、自分の肉体的・精神的な不安が一番多く、そして経済的な面の不安も多くの人が感じています。

しかし、その不安を解消するために経済的準備をしている人は42.1%となっており、約半数以上の人が不安に思いながら経済的準備ができていないという状況です。では実際に介護が必要になった場合、どれくらいの費用がかかるのでしょうか?

介護や支援が必要な人はどれくらい?|公益財団法人 生命保険文化センター
参照元:公益財団法人 生命保険文化センター(2016年1月、著者調べ)

親などを介護する場合に不安なことは?|公益財団法人 生命保険文化センター
参照元:公益財団法人 生命保険文化センター(2016年1月、著者調べ)

自分が要介護状態になったときの準備をしている?|公益財団法人 生命保険文化センター
参照元:公益財団法人 生命保険文化センター(2016年1月、著者調べ)

介護にかかるお金はどれくらい?

一度介護状態となると、介護をする期間は永遠と続くように感じられるでしょう。実際にどれくらいの介護期間がかかっているのかというのは、平均で59.1ヶ月、4年11ヶ月となり、4年以上の介護を経験した人は4割以上となっています。

また、介護にかかった費用としては、住宅の改修やその他介護用品などの購入など、一時金として平均で80万円、そして毎月の費用としては平均7.9万円という金額がかかっています。毎月8万円弱の費用が5年弱続くと考えると、一時金も含めて合計で560万円もの費用がかかるという計算になります。

人それぞれの状況も違いますし、これは単純計算ではありますが、かなりの費用がかかることがわかりますね。このように、介護にかかるお金はかなり大きなものになります。公的な介護保険の利用に加えて、民間の介護保険でもある程度の備えをしておくことは、大切なのかもしれませんね。

介護にはどれくらいの年数がかかる?|公益財団法人 生命保険文化センター
参照元:公益財団法人 生命保険文化センター(2016年1月、著者調べ)

民間の介護保険について

介護になったときの費用のことを考えると、やはり健康が一番だと感じますね。しかし、どうしても介護状態となってしまった場合は、まずは公的の介護保険の利用となるでしょう。しかし、それだけでは不十分と感じている方も多くいます。その場合には民間の介護保険について検討をしていく必要も出てきますね。

民間の生命保険とは、その保険会社ごとにさまざまではありますが、介護状態になった場合に現金を受け取るという保険になります。受け取り方については、一時金で受け取るものや、年金形式(10年などの一定期間や保険期間満了まで、または終身にわたって)で受け取るものなどがあります。

その形としては、一定期間の保障となる定期型(10年・20年といった短期間、また70歳や80歳までといった一定の年齢)や、一生涯の保障となる終身型などさまざまとなっており、その内容についても保険会社ごとに異なります。

民間の介護保険を検討するときは、自分が必要とするものを自分に合った形で加入するようにしましょう。そのためには、保険会社からしっかりと説明を受けることが大切です。

支払い要件に注意が必要

民間の介護保険で注意しなければならないのは、その支払い要件です。基本的には要介護状態になった場合に支払われるのですが、保険会社ごとにその支払い要件は異なっています。

その保障の対象となる要介護状態とは、例えば、保険会社の定める所定の介護状態となった場合がありますが、これは公的介護の介護認定と連動していない場合もあり、判断が難しいこともあります。また、その要介護状態が60日以上続いて初めて保険金が支払われるといった要件のものもあります。そして、公的介護保険と連動していて、指定する程度の要介護状態と認定された場合に支払われるものもあります。

その支払い要件については、加入を検討する保険会社にしっかりと確認することが非常に重要です。いざというときに給付金が支払われないということも多くありますので、納得をした上で加入をすることが大切です。

民間の介護保険の仕組みについて知りたい|公益財団法人 生命保険文化センター
参照元:公益財団法人 生命保険文化センター(2016年1月、著者調べ)



公的の介護保険について

公的の介護保険の運営は、各自治体で行われています。公的の介護保険制度というのは、基本的にお金を受け取る給付型ではなく、介護サービスを1割もしくは2割負担で受けられるというものになります。その介護サービスを受けられるのは、自治体による認定が必要になります。

また、その被保険者となるのも40歳以上となっており、39歳以下の人が事故や病気などで介護状態になったとしても、公的介護制度は使うことはできません。では、詳しく公的介護について説明していきましょう。

公的介護保険の被保険者

公的介護保険制度の被保険者は、40歳以上となっています。40歳になると自動的に被保険者となるため、健康保険と合わせて介護保険料が支払われるようになります。そして被保険者には2種類あり、65歳以上の人が対象の第1号被保険者と、40歳から64歳までの人が対象の第2号被保険者となっています。

この第1号被保険者と第2号被保険者には公的介護保険制度の利用制限の違いがあります。

■第1号被保険者:65歳以上の人が対象
介護状態になった原因が病気・ケガなどの制限がなく、介護認定を受けた場合に、公的介護保険制度が利用できます。

■第2号被保険者:40歳から64歳の人が対象
介護状態になった原因が、老化を要因とする特定の疾病が原因での介護状態であり、介護認定を受けた場合、公的介護保険制度が利用できます。

つまり、65歳以上の人は、その原因が何であれ、介護状態になったときは公的介護保険制度が利用できるのですが、40歳から64歳までの人については、事故などによって介護状態になったとしても、公的介護保険制度は利用できないということになります。

老化を要因とする特定の疾病とは以下のとおりです。
〔がん・関節リウマチ・筋萎縮性側索硬化症(ALS)・後縦靭帯骨化症・骨折を伴う骨粗しょう症・認知症・パーキンソン病・脊髄小脳変性症・早老症・他系統萎縮症・糖尿病による神経障害や腎症および網膜症・脳血管疾患・閉塞性動脈硬化症・慢性閉塞性肺疾患・両側の膝関節または股関節に著しい変形を伴う変形関節症〕

特定疾病の選定基準の考え方|厚生労働省
参照元:厚生労働省(2016年1月、著者調べ)

要介護認定の度合い

公的介護保険制度でのサービス利用については、要介護認定を受けなければなりません。この要介護認定とは、その介護の度合いに応じて7段階に分かれており、要支援1~2と要介護1~5となっています。数字が大きくなるほど重い状態です。

【要支援1】日常生活の基本動作はほぼ自分でできる。現状を改善して要介護の予防のために少しの支援が必要な状態。
【要支援2】日常生活になんらかの支援が必要ではあるが、改善する可能性が高い状態。
【要介護1】立ち上がりや歩行に不安定さがあり、日常生活に部分的な介護が必要な状態。
【要介護2】立ち上がりや歩行が自力ではできなかったり、トイレや入浴などに部分的な介護が必要な状態。
【要介護3】立ち上がりや歩行、トイレや入浴、着替えなどに全面的な介護が必要な状態。
【要介護4】日常生活の全般にわたって、動作能力が低下し、介護なしでは日常生活が困難な状態。
【要介護5】生活全般に全面的な介護が必要で、介護なしでは生活がほぼ不可能な状態。

このような7段階の介護の度合いによって、利用できるサービスとその限度額が変わってきます。また、この介護の度合いに非該当となるのが「自立」として認定され、日常生活には支援を必要としないと判断されるため、公的介護保険制度のサービスは基本的に受けられません。

介護保険制度における要介護認定の仕組み
参照元:厚生労働省(2016年1月、著者調べ)

一定所得者の負担割合の見直しと高額介護サービス費

平成27年8月より、一定以上の所得者の負担割合が見直しになり、これまで一律1割負担で介護サービスが受けられていたものが、一定以上の所得者については2割負担となります。

これは、基本的に第1号被保険者となる65歳以上の本人の合計所得金額が、160万以上(年金収入に換算して280万円以上)の所得があるか人が対象となります。また、夫婦世帯であって本人の所得が160万円以上であっても、その夫婦の合計所得が346万円までの世帯に関しては1割負担となります。

つまり、本人所得が160万円以下の場合と、世帯所得が346万円以下の世帯に関しては、今までどおり1割負担でサービスを受けられ、それ以外は2割負担となるということです。

また、1ヶ月あたりの自己負担額には上限についての高額介護サービス費についても見直しがあり、その自己負担限度額については以下の通りとなります。
・現役並み所得者(同一世帯内の第1号被保険者に現役並み所得がいる場合):世帯で44,400円
・一般所得者:世帯で37,200円
・市町村民税非課税世帯:世帯で24,600円
・年金収入80万円以下など:個人で15,000円

ちなみに現役並み所得者については、課税所得が145万円以上の場合となります。ただし、課税所得が145万円以上の場合であっても、同一世帯の第1号被保険者の収入が383万円未満(1人世帯)または520万円未満(2人世帯)の場合は、一般所得者として判断をしますので、上限は37,200円となります。

介護保険、法改正で8月から負担増になる人は誰? | 介護ジャーナル | 有料老人ホーム・高齢者向け住宅【suumo介護】
参照元:【suumo介護】(2016年1月、著者調べ)

介護保険サービスとその限度額

介護保険のサービスについては、1割負担もしくは2割負担で利用できるサービスと支給限度額が、介護認定の度合いによって異なります。

【要支援1】支給限度額は50,030円(1割5,003円・2割10,006円)
週2~3回のサービス(週1回のホームヘルプサービス、通所介護やリハビリ、月2回の施設短期入所など)

【要支援2】支給限度額は104,730円(1割10,473円・2割20,946円)
週3~4回のサービス(週2回のホームヘルプサービス、通所介護サービス、月2回の施設短期入所、そして福祉用具貸与(歩行補助杖)など)

【要介護1】支給限度額は166,920円(1割16,692円・2割33,384円)
1日1回程度のサービス(週3回の訪問介護、週1回の訪問看護、週2回の通所、3ヶ月に1週間程度の短期入所、福祉用具貸与(歩行補助杖)など)

【要介護2】支給限度額は196,160円(1割19,616円・2割39,232)
1日1~2回程度のサービス(週3回の訪問介護、週1回の訪問看護、週3回の通所、3ヶ月に1週間程度の短期入所、福祉用具貸与(認知症老人徘徊感知機器))

【要介護3】支給限度額は269,310円(1割26,931円・2割53,862円)
1日2階程度のサービス(週3回の訪問介護、週1回の訪問看護、週3回の通所、2ヶ月に1週間程度の短期入所、毎日の夜間巡回、福祉用具貸与(車椅子・特殊寝台))

【要介護4】支給限度額は308,060円(1割30,806円・2割61,612円)
1日2~3回のサービス(週6回の訪問介護、週2回の訪問看護、週1回の通所、毎日の夜間巡回、2ヶ月に1週間程度の短期入所、福祉用具貸与(車椅子、特殊寝台))

【要介護5】至急限度額は360,650円(1割36,065円・2割72,130円)
1日3~4回のサービス(週5回の訪問介護、週2回の訪問看護、週1回の通所、毎日2回の夜間巡回、1ヶ月に1週間程度の短期入所、福祉用具貸与(特殊寝台、エアーマット))

※なお、高額介護サービス費の上限がありますので、その限度額(15,000円~44,400円)となり、申請によって限度額を超えた分については、払い戻しがされます。

公的介護保険で受けられるサービスの内容は?|公益財団法人 生命保険文化センター
参照元:公益財団法人 生命保険文化センター(2016年1月、著者調べ)

公的介護サービスの内容

公的介護サービスには、自宅にいながら受けられるサービスと、施設に通って受けるサービス、施設で暮らしながら受けるサービスの3つに分けられます。その要介護度によって、内容や回数などは変わってきますが、要介護度が重い状態になればなるほど、その受けられるサービスは多くなってきます。

つまり、要介護度が高くなればなるほど、その費用も大きくなるということになりますね。では、それぞれのサービスの種類や内容について確認していきましょう。

訪問介護の種類

訪問介護には、ホームヘルパーや介護福祉士が訪問して、日常生活などの援助を行うもので、身体介護と生活援助の2種類があります。

身体介護では、食事の介護や入浴の介助、排泄の介助、着替えの介助・移動の介助などがあります。また生活援助については、ご飯の支度や洗濯掃除、買い物や薬の受け取りなど、身の回りの世話などが中心となります。

利用のポイントは、家事代行ではありません。利用者の日常生活にかかわる支援に限られますので、何でも頼めるとは思わないようにしましょう。また、生活援助を頼めるのは1回に70分までが一般的となっています。お願いしたい援助や介護に優先順位をつけて行ってもらいましょう。

また、ホームヘルパーさんは自宅へ訪問して介護や援助をしてもらう人です。お互いに信頼し合える環境や対応をすることが大切になりますね。常にお互いに感謝の気持ちを持つことが、うまくいくコツになると思います。

また、これ以外に、訪問入浴介助や訪問看護、訪問でのリハビリ、また医者や看護師などによる居宅療養管理指導などもあります。

通所介護の種類

通所の介護とは、一般的にデイサービスと呼ばれるものです。施設に通って機能訓練やレクレーションを行ったり、食事や入浴のサービスなども受けることもできます。また医療的なケアなどを重視している療養通所介護などもあります。

利用時間は最長で7時間以上9時間未満が一般的です。通所の介護サービスのメリットは、自宅での介護ではどうしても行動範囲が狭くなりがちで、孤独になることがありますが、外にでていろんな人と交流することで、気持ち的にも気分転換ができることでしょう。訪問介護と上手に組み合わせて利用するのがいいですね。

また、サービスの内容については、その施設によって違います。リハビリなどや、ショートステイといって、短期間施設に入所をすることもできます。本人の目的に沿った施設選びをするようにしましょう。

福祉施設への入所

有料老人ホームやケアハウスなどの特定施設へ入所して、施設の提供するサービスを受けることができます。こうした入所型のサービスは、提供されるサービスをしっかり確かめて利用するようにしましょう。入所には高額な費用がかかることもあります。居心地の悪い場所での長期滞在となると、やはり精神的にもつらい生活になることもありますね。

その介護サービスが、その人に沿ったものである必要があることが重要になります。また、もし住み心地が悪くなった場合に、途中解約をするとき、解約の返金などはしてもらえるのかどうかなども契約時にしっかり確認することが大切です。

介護用品貸与と販売

介護に必要な福祉用具や、日常生活の助けになるような用具など、介護者の負担を軽減するため用具について借りることができます。例えば、要支援や要介護1程度で利用できるものとして、手すりやスロープ、歩行用の補助杖や歩行器などがあります。

また重い状態になると、介護用の特殊なベットや、床ずれ防止のエアーマットレス、また移動用のリフトなども対象になってきます。こうした物のレンタル料については、支給限度内で、1割または2割負担で利用が可能になります。

利用には、ケアプランなどに組み込んで、ケアマネージャーなどに相談をしましょう。また必要に応じて、レンタルする用具の変更なども可能になりますので、使い勝手のよいものを選ぶようにしましょう。そして、こうした相談も業者に相談するとよいでしょう。

ちなみにレンタル料の目安は、ベットで10,000円~20,000円、歩行器で2,000円~4,000円程度となり、このうちの1割もしくは2割負担となります。

またこうした用具の購入も可能になります。その場合、4月~3月までの1年間で10万円を限度として、介護保険の枠外での利用ができ、こちらは1割が自己負担となります。また、この福祉用具の購入費の支給については、別途の申請が必要になりますので、ケアマネージャーに相談をするようにしましょう。

公表されている介護サービスについて | 介護事業所・生活関連情報検索「介護サービス情報公表システム」
参照元:厚生労働省(2016年1月、著者調べ)

公的介護サービスを受けるには

公的な介護サービスを受けるためには、介護認定を受けるための申請をすることや、介護サービスの計画書の作成などが必要になります。その申請からサービス利用までの流れを確認していきましょう。

市区町村役場での申請

まずは、お住まいの自治体の介護保険担当窓口で、要介護認定の申請をする必要があります。申請には、65歳以上の第1号被保険者の人は「介護保険被保険者証」が必要となり、40歳から64歳の第2号被保険者の人は「健康保険証」が必要となります。

申請に必要なものは、窓口でもらう「申請書」と「介護保険証」「認印」が必要になりますので忘れず持参しましょう。もし「介護保険証」を紛失してしまった場合は、免許証や健康保険証などの本人確認書類があれば、すぐに発行してもらうことができます。

申請書の記入内容には、主治医の連絡先などもありますので、あらかじめメモするなど準備していきましょう。また、主治医に介護保険利用についての簡単な認知症などの検査を行うことがあります。そして、主治医の意見書も要介護認定の二次判定にて考慮されますので、診察を受けに行きましょう。

訪問調査を受ける

自治体の窓口にて申請をすると、介護保険の調査員が自宅での訪問調査を行います。そのときに、普段の生活の様子を見てもらったり、できる事やできない事などを確認します。スムーズに答えられるよう、過去の病気やケガとその時期、普段の介護の状況、介護にかかわる家族の状況、日常生活で困っていることなどをメモしておくとよいと思います。

時間的には30分から1時間という短い時間で確認を行いますので、こうした工夫は必要になってきます。また、このときに、介護で困っていることなどをしっかり伝えるようにしてください。介護認定に関して、特記事項として二次判定での参考になります。

またもし訪問調査のときに、普段と様子が違った場合、再度訪問調査を依頼することもできますので、あまり固くならずに受けるようにしましょう。

要介護認定の通知

申請をし、主治医の意見書、訪問調査などが終わると、自治体にて認定判定を行います。その通知は郵便にて届きます。届いたら、認定結果を確認してください。また、認定には期限がありますので注意しましょう。有効期限は原則として6ヶ月となり、更新時は原則12ヶ月となります。ちなみに、認定の発効日は申請をした日となります。

もし認定結果に納得がいかない場合は、再審査の申し立ても可能です。この場合、認定の通知を受けてから60日以内に都道府県に設置されている「介護保険審査会」に市町村の窓口を通して行うことになります。ただし、再審査には時間がかかりますし、必ず認められるものとは限りませんので気をつけましょう。

また、有効期限が過ぎてしまうと、介護サービスが1割もしくは2割負担で受けられなくなりますので、手続きについてはケアマネージャーと相談して忘れず更新を行うようにしましょう。

ケアマネージャーとの契約とケアプランの作成

認定を受けた後は、ケアマネージャーと契約をし、ケアプランを作成してもらいます。ケアマネージャーは、利用者の一番身近な相談役となる人になります。長く付き合う人となりますので、実際に会って話をしてみてから、信頼できる人と契約をしましょう。

ケアマネージャーは市町村のリストや口コミで探します。また、どうしても相性がよくないと感じた場合は、ケアマネージャーの変更も可能です。ただし解約料金が発生する場合もありますので注意してください。

ケアマネージャーとの契約が終わったら、ケアプランを作成してもらいましょう。ケアプランとは、これからどのように介護のサービスを利用していくのかなどを計画を建ててもらうものになります。このときにケアマネージャーには、介護で重点をおきたいことや、介護サービスに期待すること、利用本人の心身の状態や家族の介護体制、そして、介護サービスに使える予算などを伝えておきます。

サービス業者との契約

ケアプランを元に、実際にサービスを利用する業者との契約をしましょう。このときにケアマネージャーとしっかりと相談をすることが大切です。そして実際に契約をするときには、本人だけでなく、家族も一緒にいって重要事項などの説明を受けましょう。その場で納得がいかない場合は、即決をしないことが大切です。十分な時間をとって検討するようにしてください。

契約が済んだら、介護サービスを受けられるようになります。自身と家族の負担軽減のために上手に利用していきましょう。

サービス利用までの流れ | 介護保険の解説 | 介護事業所・生活関連情報検索「介護サービス情報公表システム」
参照元:厚生労働省(2016年1月、著者調べ)

家族の介護が必要になったとき

ここでは、もし家族が介護状態になったときの介護休業制度について説明していきます。介護サービスを受けるといっても、どうしても自宅での介護が必要になることも多いものです。そうした状況の場合にどうしても仕事を休まなければならない状況になることがあります。そんな介護をする家族が、1家族について93日(通算)までの日数分、雇用保険から介護休業給付金の支給を受けることができます。

介護休業給付金の手続きについて

介護給付を受けられる対象の家族は、配偶者・父母・子・配偶者の父母・祖父母となっています。また介護休業中に、1ヶ月あたりの賃金の8割以上が支払われていないことが支給の要件です。

その給付の金額については、『休業開始時賃金日数×支給日数×40%』となります。この賃金日数は、原則休業開始前の6ヶ月分の賃金を日数分(180日)で割った額になります。

この申請については、ハローワークにて必要書類などを提出するなどの手続きが必要です。介護休業中は、社会保険料などの免除はありませんので気をつけましょう。

介護休業給付について | 大阪労働局
参照元:大阪労働局(2016年1月、著者調べ)

まとめ

介護保険には、かなりの費用がかかることがわかりましたね。公的な介護保険と民間の介護保険とがありますが、どちらもそれぞれ介護が必要になった場合の大切な備えになると思います。民間の介護保険には、その給付金の支払い要件などを十分に確認して、無理のない準備を心がけると良いでしょう。

また、公的の介護サービスを受けるためには、まず介護認定をうける必要があります。市区町村の介護相談窓口へ相談に行きましょう。そして長い付き合いとなるケアマネージャーとの契約は、利用者本人はもちろんのこと、介助者である家族との相性も大切になりますので、納得のできる方を選んでください。

介護保険は利用者や家族がその負担を軽減させたり、心のケアをするためのものになります。みんなが笑顔になれるよう、上手に利用していってくださいね。そして何より大事なのは、健康でいることです。介護保険を利用しなくても健康に過ごせるよう、日々の健康管理や軽い運動などを心がけていきましょう。