着ぐるみバイト中の人の体験談!子供に夢を与える仕事の裏話

着ぐるみのバイトは子供に夢を与える大切な仕事です。しかし、その中身はけっこう過酷!?可愛い外見に隠された着ぐるみバイトについて語ります。



夢を与える仕事は……

着ぐるみのバイトとは、ご想像の通り、クマやウサギ、アニメキャラの着ぐるみを着て子供に夢を与える仕事です。筆者は大学に掲示されていた着ぐるみバイト求人を見て「何か面白そうだぞ!」と思って軽い気持ちで応募したのですが、いやはや、子供に夢を与えることは簡単ではありませんでした。

筆者の体験を交えながら、もこもこの着ぐるみをまとってする仕事<着ぐるみバイト>について、求人状況やバイト料、実際に経験してみてどうだったかを、経験者の視点で語りたいと思います。

結論としては、色々な意味でとてもハードということ。着ぐるみバイトの求人を見かけて応募しようかどうか悩んだ時は、この体験記も参考に判断していただければと思います。



<着ぐるみバイト>仕事内容

着ぐるみバイトは言葉通り着ぐるみを着てイベントを盛り上げたり、フェア会場の宣伝をしたりすることが仕事です。会場でイベントがあれば司会の言葉に合わせて飛んだり跳ねたり、会場の宣伝をしてくれと言われれば最寄りの駅や商業施設まで着ぐるみのまま歩いて向かい、風船を配ったり、チラシを配ったりします。

レジャー施設で長期働くスタッフのアルバイト求人はさほど多いとは言えないため、着ぐるみのバイトといえば、イベントやフェア中だけ人目を惹くため、また、場を盛り上げるため、お客さんを呼び込むために行う短期のものがメインです。

キャラクターになりきる!

イベント会場で着ぐるみの周りに集まって来るのは子供がほとんどです。風船をもらってくれるのもほとんど子供です。子供はこちらを本物のキャラクターだと思っていますから、着ぐるみを着たらOKなのではなく、着ぐるみを着て、なおかつそのキャラクターを演じ切りつつイベントの仕事をしなければいけません。ただし、決して声を出していけないお約束があります。一部、声を出して演じる仕事もありますが、着ぐるみバイトの基本は声を出さず、中に人がいることを子供に悟らせず、夢を運ぶことが重要です。

顔がアンパンのヒーローの着ぐるみを着たら、子供の要望に応えてアンパンパンチをしなければならず、中に間違っても人がいると思わせてはいけないのです。意外に演技力も試されるお仕事なんです。

着ぐるみを着て指示に従う

イベントの主催や担当の方から、この時間になったらこの辺りで客引きをしてください、この時間はこっちでパンフレットを配ってくださいという、して欲しいことの指示があります。指示を守っていれば仕事は問題ありません。ただし、着ぐるみを着てしなければならないというところに難しさがあります。

着ぐるみを着て自分で計画を立てて客引きや風船配りをするのではなく、きちんとして欲しいことの指示があります。着ぐるみを着たら何をすればいいの?とはならないのでご安心ください。

着ぐるみを着て、演じて、指示に従う。これが着ぐるみバイトです。

<着ぐるみバイト>求人

基本的に短期のバイトばかりです。

着ぐるみバイトを通年で募集していることはあまりありません。テーマパークのアルバイトで着ぐるみ担当になるか、テーマパークで着ぐるみ担当を募集することは有り得ますが、あまり求人として一般的ではないと思います。側に大きなテーマパークでもないと、長期の着ぐるみバイトはほとんど見つからないことでしょう。

短期ではありますが、側に大きなテーマパークがなくても、商業施設のイベントや、地域で行われるお祭り、フェアなどで着ぐるみのバイトを募集することがあります。バイト期間は一日ないしは数日。またはイベント期間である一週間、一カ月といった期間限定ということが多いです。

勤務時間も数時間、午前中だけ、午後だけ、一日いっぱい、交代制など、イベントやフェアに合わせて様々です。こちらに勤務時間の希望があってもあちらの都合に合わせて仕事をすることが基本ですから、こちらの希望はなかなか通らないと思った方が良いです。求人票に午前中いっぱいとあったら、その時間に勤務できない人は基本的に縁がなかったと考えた方が良いでしょう。

求人票はイベントの最寄り大学に掲示されることがある他、イベントスタッフという形でインターネットなどの各種バイト求人サイトや地域のフリーペーパーなどに掲載されていることがあります。

フリーペーパーを有効活用せよ!

フリーペーパーとは、色々な県ないしは地域で発行している無料の冊子です。スーパーの休憩所などに置いてあったり、地域施設に置いてあったりします。

フリーペーパーは求人を含めた地域の情報に特化しているので、地域のイベントスタッフやボランティアを検討している人には貴重な情報源になります。無料の冊子の他、有料のタウン情報誌なども発行されている地域があります。どこの地域でも有料、無料合わせていくつかの種類が発行されていることが多いようですから、積極的に活用してください。



<着ぐるみバイト>資格

着ぐるみを着て動き回るこの仕事には特に必要な資格はありません。ただし、想像を絶するほどハードですから、交代制ではなく一日ずっと勤めるためにはかなりの体力が必要です。体力に自信のない人や過去に熱射病や貧血の経験がある人にはあまりお勧めしません。

着ぐるみを着ていると子供がわいわい集まってきますし、子供の中には本当にこちらがクマやウサギ、夢の国からやって来たヒーローだと信じている子がいますから、子供好きで体力には自信のある方にはお勧めです。あとは、ノリの良い人!子供たちに「必殺技やってー!」とお願いされた時にノリで必殺技を出すと拍手喝采をしてもらえます。

特別な資格はいりません。体力とやる気とノリで勝負です!

身長制限あり

着ぐるみの大きさの関係であまり身長の大きな人は採用できないようです。また、身長の小さな人も着ぐるみサイズの関係で採用は難しいようです。筆者は大体160センチくらいです。筆者より大きな人もバイト先にはいましたから、160センチ台くらいであればあまり身長制限でお断りということもないかと思います。しかし、一応、身長によって採用できないことがあると覚えておいてください。

こんな人には厳しいかも?

子供好きで体力に自信があっても、メイクの崩れや髪の乱れを気にする人にはあまり向きません。着ぐるみの中は、夏はサウナです。メイクなんてどろどろですし、髪型なんて頭をかぶった瞬間に崩れます。徹底的に身だしなみが崩れますので、極端に気にする方にはあまりお勧めできない仕事です。

あとは、沸点の低い方にもお勧めしません。子供に理不尽なことを言われたりやられたりすることがありますので、それで怒っていては仕事になりません。必殺技を出すことも、子供に蹴られることも、体によじ登られることも仕事だと思って耐えることのできる忍耐力のある方にこそお勧めしたい仕事です。

自分の担当区域(テーマパーク内など決められた場所)を歩き回り、手を振ったり、たまに必殺技を出したり、風船を配ったり。お祭りのような空気が好きな方は楽しめるのではないでしょうか。バイトに資格は必要ありませんが、体力と根気とノリと楽しんでしまえる心意気。これが一種の応募資格であると言えるかもしれません。

<着ぐるみバイト>採用

テーマパークへの長期勤務でなければ、短期のイベントスタッフとして採用されることが多いでしょう。

短期のイベントスタッフとして雇われた場合は、時給や日給の面から見れば万歳三唱できるくらいバイト代が高いわけではありません。

特別な資格も必要ありませんから、応募して仕事内容を話しつつ問題ないと判断されればわりとあっさり採用されることも多いのではないでしょうか。けっこう人手不足で困っていることも多いようですよ(ただし、地域によりますが)。とにかく手伝ってくれ!という場合は履歴書も不要とさえ言われることがあります。

ただし、要確認事項あり

人手が足りていない時は「頼むから手伝って!」「いやあ、助かるよ」と、履歴書さえ不要で大歓迎されるイベントスタッフ(着ぐるみ担当)。しかし、仕事をお願いされるにあたっては、必ずといっていいほどあることを確認されます。それは「かなりキツイけど、大丈夫?」ということ。それから「着ぐるみは重いよ。女の子はちょっと辛いかも」「他のバイトは男ばかりだけど大丈夫?」などなど。

確かに着ぐるみはとても重いのです。着ぐるみの形態にもよりますが、筆者の経験したクマや顔に餡子が詰まったパンのヒーローは頭部がとても重く、視界も悪いため、慣れないうちはよろよろと歩いていました。ちなみに筆者、学生時代は陸上部と少林寺拳法部を兼部し、30キロのお米袋をけろっと持ち上げてしまうタイプです。力も体力もけっこうあるはずと自信を持って「大丈夫です!」と答えたのですが、そんな筆者でも、「重い。しんどい」と思ってしまいました。

キツイ。重い。バイトは男が多い。着ぐるみバイトでは体力的なことは確認されると思いますので、不安でかつ他のイベントの仕事も担当として選べるなら、求人の申し込み時に体力面のことをよく考えた上で話しておいた方が良いかと思います。

<着ぐるみバイト>給料

一日ないしは数日だけという場合は日給制がほとんどです。交通費は出る場合と出ない場合があります。筆者が着ぐるみバイトをした時は駅から徒歩三分の場所でしたので交通費はなしでした。

具体的なバイト代は?

日給であれば4,000円から12,000円くらいです。かなり開きがあるのは、数時間だけ着ぐるみを着て会場を盛り上げるというバイトもあるからです。一日着ぐるみを着るのと数時間だけ着るのとではかなり差が出ますから、勤務時間の差によって給与額に相当な開きが出るのは当然です。

バイト代が出ない!?

「着ぐるみを着て仕事をする」「イベントスタッフ」という言葉でフリーペーパーや商業施設のポスターで募集があったとします。着ぐるみって暑そうだからバイト代が良さそうだよなあ、なんて、よく確認しないで申し込んでしまうとバイト代が出ないことがあります。

地域のイベントでは、アルバイトではなくボランティアで募集を募っていることもけっこうあるのです。ボランティアですから当然ながらバイト代は出ません。お弁当や飲み物を差し入れてくれることはありますが、あくまでボランティアですから、それ以上の物は出ないのです。地域で募集をかけている時はボランティアの募集なのか、それともバイトとして募集しているのかを目ざとくチェックすることが重要です。

<着ぐるみバイト>体験談

着ぐるみのバイトを実際に経験してみて感じたことや苦労したことを簡単にお話します。

1、デオドラントがお友達

夏場の着ぐるみの仕事はとにかく暑いです。着ぐるみを着るだけで汗だくなのに、着ぐるみを着たまま飛んで走って歩いてと、時に激しい動きもしなければならないのですから、着ぐるみの中はサウナ状態。その上、汗は滝のように流れます。熱中症や脱水症状という危険も付きまといます。しかし、女性が着ぐるみのバイトをするとそれ以上の深刻な問題が……!

汗臭い。

そう、汗臭いのです。着ぐるみを脱ぎます。汗だらだらでメイクも崩れ、髪も乱れ放題です。服なんて絞れるのではないかというくらいぐっしょりです。一応着替えはしますしメイクや髪も直しますが、イベント会場にはシャワーなんてありませんから汗臭いまま帰るしかないわけです。制汗スプレーを使いながら、自分の汗臭さにげんなりしながらの帰宅でした。もちろん、帰りに公共交通機関を使う時は、自分のべちょべちょ加減が非常に気になったものでした。

2、熱中症や脱水症状に注意

着ぐるみの中は暑いので、常時汗が流れているような状態です。冬でも暑いのですから、夏場、着ぐるみの中の人間がどんな状態かは語る必要すらないでしょう。着ぐるみの頭部を適度に外して外気を吸い、水分をとらなければ倒れてしまいます。しかし、人目につくところで頭をとっては子供の夢を壊してしまいます。

そろそろマズイ。水を飲んで木陰でちょっと風にあたらないと倒れてしまう。そう思って会場の人目につかない場所に移動しようとしても、お子様とはとても目ざといもの。喜んでくれるのは嬉しいのですが、「アンパンがいない!」「クマさんがいない!」と探され、なかなか水分摂取ができず倒れそうになることもあります。

着ぐるみバイトに挑戦する人は、お客さんから見えない休憩スポットを早めに見つけておくことが重要です。実際、着ぐるみのバイトは熱中症や脱水症状で倒れる人もいるとか。

3、あんぱんにカビが

顔がアンパンのヒーローの着ぐるみをしていた時のことです。急に後ろから小さな男の子の声で「お母さん、あのアンパン、カビはえてる!」と聞こえました。アンパンがイベント会場を練り歩いていることはまずないので、ヒーローの着ぐるみを着ている筆者のことだとしか考えられません。しかし、カビアンパンとは?

答えは簡単でした。髪の毛が乱れてアンパンの頭部、首との繋ぎ目からはみ出してしまっていたのです。普通なら気づきそうなものですが、着ぐるみは視界が非常に狭いので、首の繋ぎ目を確認することは、頭をはずさないと難しいのです。

着ぐるみの頭部は大きく見えますが、内部はとても狭く作られています。特に女性の場合は髪型が崩れると頭部からはみ出してしまうことがあるようです。また、髪を高く結い上げると、頭部の中が狭いせいで頭が浮き上がってしまいます。もちろん、着ぐるみにもよるのですが。筆者はうっかり髪がはみ出していることに気づかずカビのはえたアンパンのまま仕事をしてしまいました。

4、子供は加減を知らない

着ぐるみを着ていると小さな子供がたくさん集まってきます。子供に風船をあげたり、リクエストに応じて必殺技を出したりするのも着ぐるみの仕事です。しかし、中にはぽかぽか叩いたり、蹴飛ばしたりする子も。たいていは側にお母さんがいてお子さんを諌めてくれるのですが、叩かれたり蹴られたりするのは辛いものがあります。中には容赦なく体当たりしてくる子供も!

頭が重いので不意に蹴られたりするとバランスを崩して倒れてしまいそうになるのです。必死にバランスを取ろうとして足をくじくこともあります。また、加減を知らない子供にぽこぽこ叩かれ、げしげし蹴られ、勢いよく体当たりされてしまった結果として、体中に青痣を始めとした怪我がわんさか完成しました。着ぐるみバイトは痛い仕事です。

5、ヒーローもしました

重かったり、暑かったり、体力的にもハードなバイトではありますが、いいことだってもちろんありますよ。子どもが好きな人であれば、無条件に子供が歓声を上げて集まってくれることは嬉しいことでしょうし、ハードなだけに、短期間の仕事でもやり切った感が凄いです。ノリの良い人は場の雰囲気もあって段々楽しくなってくるでしょうから、お祭り好きの人はすぐに馴染んで自分自身も楽しめるお仕事ではないかと思います。

一つ、とてもヒーローらしいことをしたなあと記憶に残っているのは、迷子になった女の子と一緒にその子のお母さんを探したこと。最後にお母さんと一緒に「ありがとう。ばいばい」と手を振ってくれたあの子の思い出だけで、バイトをしてよかったなと思ってしまいました。

最後に

着ぐるみの仕事は楽しい仕事ですし、子供好きな人は子供の囲まれて嬉しい仕事でもあるのですが、体力面でハード、暑さもハード、子供からの扱われ方もハードな仕事です。しかも、中にはボランティア(給料なし)もありますし、バイト代的にはさほど美味しい仕事とはいえません。着ぐるみを着た初日の仕事終わりに「きついよ」「男の多いバイトだよ」と言った採用担当の言葉の意味をしみじみと噛み締めた筆者でした。

実は、着ぐるみバイトは後の仕事でとても役に立っています。コンサルタント業務やコールセンター業務とお客さんと接する仕事を多く経験しましたが、その際にお客さんに着ぐるみバイトの話をすると食いつきがいいのです。あのバイトってどんなことをするの?という興味をひしひしと感じました。コミュニケーションのネタになるという点で美味しい仕事であったと思います。

一日限りのイベントで着ぐるみ担当を募集というようなバイトは大学のバイト求人にもけっこう多いという話を聞きます。ハードな仕事ではありますが、ほとんどが短期ですから、急にお金が必要になった人や今後の話のネタにしたい人は挑戦してみたらいかがでしょうか。